2019年6月21日
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2019年06月21日北岳登山道情報(6/19現在)
南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華
みなさん、こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
本日より、マイカー規制が始まります!北岳の登山口になっている広河原には多くの方が足を運ばれていることでしょう。今回は6月19日時点の北岳登山道情報をお伝えします。
■広河原-白根御池小屋-小太郎尾根分岐
白根御池小屋先で雪渓があります。気温が上がると雪がぐずるのでアイゼンがなくても通行できますが、朝晩は冷え込むため固くなり、滑りやすくなります。
△白根御池小屋先の雪渓
不安な方は軽アイゼンやチェーンスパイクがあると歩きやすいと思います。小太郎尾根分岐にも積雪がありますが、斜面に正対してつま先やかかとを蹴り込んで登り下りする「キックステップ」で歩けば問題ありません。
■広河原-二俣-右俣-小太郎尾根分岐
橋はすでに架かっています。広河原-二俣は大雨直後、増水するため、状況に応じてルート変更をお勧めします。第2仮設橋から二俣までの登山道は雪崩れて木々が倒れており、赤テープはところどころにありますが、登山道が非常に分かりづらくなっています。
△第2仮設橋上部のようす
なお、二俣分岐の仮設トイレはまだ設置されておりませんので、大樺沢経由で登られる方は携帯トイレ、または、白根御池小屋のトイレを使用してください。
■二俣-右俣-小太郎尾根分岐
右俣へ向かってすぐの登山道が積雪で埋まっています。途中まで雪渓を歩くことになります。雪渓をずっと登ってしまうと正規ルートに合流できなくなりますので、右俣ルートを一度も歩いたことがない方はお勧めしません。他にも、夏期に防鹿柵が設置される雪田や登山道上にも数カ所雪が残っています。通過の際、登山道が分かりにくいので道迷いに気を付けてください。
■二俣-白根御池小屋トラバース道
二俣側から入ってすぐの登山道が雪崩れており、登山道が不明瞭になっています。
赤テープはありますが、少し分かりづらいです。この写真のように、角度によっては赤テープが見えません。どこに向かって歩けばいいのかすら分からない状態です。周辺に青いテープもありますが、そのテープは登山道を示すテープではないので、青テープを目指して歩かないようにしてください。
■左俣
二俣から見た左俣です。
雪が多く、落石箇所も目立ちます。登り降りともに、12本アイゼン、ピッケル、ヘルメットを必ず携帯してください。昨年の同時期には下山中に事故が発生しています。この雪渓は二俣分岐より下まで続いていますが、雪渓の下には川が流れています。いつまでも雪渓を歩いていると川に落下する可能性もありますので、注意してください。
■山頂直下
北岳山頂から吊尾根分岐に向かう途中の斜面に積雪があります。
登りはキックステップで歩行できますが、下りの際は少し高度感があります。不安な方はアイゼンの着用をお勧めします。歩行の際はストックよりもピッケルのほうが好ましいと思います。
上記の通り、登山道が不明瞭になっている箇所が複数あります。初めて北岳に登る計画をされている方は白根御池小屋経由ルートを強くお勧めします。マークが不足している登山道もあるので、何度か登っている方でも迷う可能性もあります。ご自身の技量や体力に見合ったルートを選択してください。
皆さまこんにちは!
沼津管理官事務所の松岡宏明です。
富士山開山予定日まで1ヶ月を切りましたね。登山の準備は出来ましたか?
6月13日(木)9時に富士宮口5合目から6合目までの登山道が開通となり、宝永山への登山道も開通になりました。それに合わせて宝永山へ巡視に行ってきました。
▲富士宮口六合目にあるバリケード
上の写真にある通り、六合目以上の登山道はまだ開通していません。
この先へ登れるのは7月10日(予定)以降なので、ぐっとこらえて、宝永山への道に向かってください。
宝永山への登山道をしばらく歩くと、眼前に荒涼とした壮大な風景が現れます!
▲宝永山への道
宝永山は、江戸時代中期(宝永4年)に形成されたもので、富士山においては最大で最新の側火山です。火口の大きさから噴火の規模がどれだけ大きかったかを想像させます。実際に、宝永火口が形成された噴火は「宝永大噴火」と言われており、その噴煙は東京まで達したそうです。
▲宝永火口と残雪
宝永山山頂には、富士宮口五合目から約2時間で到達できます。登山道は崩れやすく足を取られやすいので注意が必要です。また、山頂の標高は2693mで酸素が少なくなっていて思うように身体が動かないのでゆっくり休みながら登山することをおススメします。富士山開山前のトレーニングと思って登るのもいいかもしれません。
▲宝永山山頂からみえる富士山
ちなみに、宝永山は富士山の一部なので、山頂からは富士山の山体を望むことができます。晴れていれば富士山の山頂も確認できます。街から見た富士山とは印象が異なると思いますが、日本最高峰の山を間近に楽しめるのも宝永山の魅力の一つです。
ぜひとも宝永山に足を伸ばしてみてはいかがでしょうか。
沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)