ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年10月11日

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2019年10月11日自然観察会【バリアフリーで楽しむ秋の箱根】行事報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 箱根 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

現在関東に接近している台風19号。神奈川県でも海岸線の有料道路で一部通行止めが始まり、これからさらに交通規制が本格的に始まってくるそうです。明日は事務所に隣接している箱根ビジターセンターも台風接近に伴い終日閉館しております。また、周辺施設も臨時休業しております。ご注意ください。

さて、今回は10月6日(日)に箱根ボランティア解説員連絡会と共同開催した「バリアフリーで楽しむ秋の箱根」の様子をお伝え致します。

 このイベントは当初、箱根ボランティア解説員連絡会の主催行事でしたが、平成21年度より環境省も協力して開催する共催行事としているものです。今回は昨年に比べ晴天に恵まれ、すがすがしい秋の陽気に包まれながら開催できました。(昨年の様子は★コチラ

 

↑少人数ながらも子どもも参加!やはり子どもが参加すると場の雰囲気が一気に明るく賑やかになります。

今回は「香り」を中心に五感で楽しむことをテーマに箱根ビジターセンター横のバリアフリー園地で観察会を行いました。

(左)観察した香る植物 / (右)見つけた木の実に興味を示す0歳児

それぞれ特徴的な香りがするこの植物は、以下の香りがします。

◆サンショウバラ→「サンショウ」と名に入っているが全くの別種。バラ科で実からはフルーティーな香りがする。フォッサマグナ要素の植物の一つで、箱根では「ハコネバラ」と呼ばれています。

◆サンショウ→言わずもがな日本の香る植物の代表格。葉の白斑に香る成分が含まれているため、そこを傷つければ爽やかな香りが出ます。

◆ホオノキ、クロモジ→クスノキ科で爽やかな香りがする。属にジャパニーズハーブとも呼ばれる種類です。

◆ゴマギ→触るとゴマの香りがすることが名の由来です。個人的な感想だとゴマ油、ゴマせんべいの香りと認識してます。

◆クサギ→漢字で「臭木」と書くほど葉から強烈な匂いを放つ木です。優しく触れて嗅ぐとピーナッツバターや炊きたてのご飯の香りに似ているとか。自分は苦手な匂いの木でした。

撮影の時はムスっとしていますが、嗅いだり触ったりしてニコニコしながら楽しんでいました。もちろん大人にも効果的。植物アロマとして使われるクロモジには特にリラックス効果があります。

(左)ネイチャーゲーム【落ち葉でステンドグラス】/(右)作成と透かしてみた様子

黒い台紙に様々な形をくり抜いたものに、裏に葉を貼ってスカして色を楽しむもの。今回は観察した植物の葉の形にくり抜き、色づいた葉を透かして楽しみました。

↑ネイチャーゲーム【俳句でハイク】

午前の周辺散策で体験したこと・感じたことを5文字7文字で記録し、それを合わせて俳句になぞって発表するもの。本格的な俳句ではないので、そこはご了承ください。

〈出来た句〉

・ホオノキの 実をまわしては 香りきく

・はじめての ミミズの匂い クサギの木

・きのかおり もみじのうたで まんぷくだ

【合唱祭】

パークボランティアのハーモニカの伴奏にのせて、童謡「紅葉」や「夏の日の思い出」「夕焼け小焼け」等を皆さんで合唱しつつ、歌詞に合わせて踊ったりもしました。まさに音楽の秋ですね。

午後は、少し天候が崩れる予報だったため、少し早めに観察会が終了しました。

今回は子どもが参加してくれたことで、昨年は感じなかった子どもがいる賑やかさを体感することが出来ました。

特にやはり子どもの笑顔は何事にも勝りますね。参加者もパークボランティアも一番の笑顔のタイミングは、子どもが天真爛漫に遊んでいる時でした。来年はもっと子どもが参加出来るように増やしていきたいと思います。

【今回のイチオシ写真】

【仙石原ススキ原草原】

普段はカラーで撮影しますが、今回はセピアで撮影しました。ススキにはこういった色合いも合いますね。

見頃をむかえていますので、宜しかったらぜひ台風が過ぎた後にお越しくださいませ!

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2019年10月11日【小笠原】オガサワラハンミョウ

小笠原国立公園 玉井徹

10月になり、小笠原にもようやくやや涼しい風が吹き始めました。

今年も、オガサワラハンミョウの季節が到来です。

オガサワラハンミョウは現在、

世界で兄島にのみ生息する希少な昆虫です。

野生絶滅を避けるため、

世界遺産センターで増殖し兄島へ移殖しています。

世界遺産センターでの飼育は順調に進んでおり、

成虫が続々と羽化しています!

着々と準備は進み、個体を移殖するため、いざ兄島へ。

早朝、現場に到着。

オガサワラゼミの鳴き声が響きます。

ここはかつてオガサワラハンミョウが生息していた場所です。

オガサワラハンミョウは

林内にパッチ状に存在する裸地を好みます。

いよいよ、野生下へ。

まずはケースのまましばらく野外を観察させ

その後一斉に放虫します。

放虫後の行動は、すぐに飛び立ったり

様子を伺いながら歩行したり、ケースに留まったり様々です。

少し観察を続けてみます。

なにやら茶色い物体を咥えています。

オガサワラオオアリを捕食しているようです!

空腹だったのでしょうか。さっそく、大自然に馴染んでいますね。

〈モニタリング調査の際に個体を識別できるよう、体にピンクとグリーンのマーキングを施しています。〉

交尾を始める個体も確認。

オスは下顎でがっちりとメスにしがみついて離しません。

順調に産卵してくれることを願います。

しばらくすると、ほとんどの個体は

兄島の台地へ元気に飛び去っていきました。

今後は、定期的にモニタリングを行い

巣穴や成虫の様子を調査していきます。

なかなか立ち会えない貴重な現場で、いい経験になりました。

玉井

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