ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2019年11月

17件の記事があります。

2019年11月29日佐渡の眺め

佐渡 菅野萌

皆さんこんにちは。

佐渡自然保護官事務所の菅野です。

いよいよ11月も終わりに近づき、朝晩は手がかじかむようになってきました。
佐渡では紅葉が見頃を迎えている場所もあれば、すでに冬の装いになりつつある場所もあり、様々な景色を楽しむことができます。

▲林道を見上げると紅葉の鮮やかさが目に飛び込んできます

▲佐渡の北側にある「二ツ亀」と呼ばれる小さな島では、すでに冬の気配を感じます

前回の記事(http://kanto.env.go.jp/blog/2019/10/post-776.html)でご紹介したとおり、野生下トキのモニタリングでは高台に行くことがあります。

今回はそんな高台モニタリングの最中に出会った素敵な景色をご紹介したいと思います。


まずはこちら!

林道の途中に突如現れた見晴らしの良い場所。

広がる青い空に紅葉が映え、中央に見えるダムの水面が良いアクセントになっています。上から見下ろす紅葉もまた違った味わいです。


続いてはこちら!

先ほどの写真の地点よりも標高が高いので寒さが増すのですが、佐渡の里山だけでなくその先に広がる真野湾までも見渡すことができます。

モニタリングでは、複雑な道を覚えたり、車を脱輪させてしまわないように注意して運転したりと、大変なことが色々とありますが、こういった素敵な景色に出会えるのもこの業務の醍醐味なのではないかと思います。

皆さんも佐渡に来島される際はトキだけでなく、佐渡の海、山、田んぼなどが織りなす自然豊かな風景にも目を向けてみてください。

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2019年11月28日南アルプスとニホンジカ問題 その2

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

さて、前回の「南アルプスとニホンジカ問題 その1」に続き、今回ニホンジカがどのような被害を及ぼしているかについてお伝えしようと思います。

平成29年度の全国の鳥獣による農作物被害総額は約164億円、そのうちニホンジカによる被害額は約55億円にのぼります。約55億円と聞いてすでに驚きですが、これでも前年度より約1億円減少しています。

(農林水産省よりhttp://www.maff.go.jp/j/seisan/tyozyu/higai/h_zyokyo2/h29/181026.html )

ニホンジカによる主な被害

■綺麗な高山植物が見られなくなる!?

   

先端がなくなっているのにお気づきでしょうか?左は北岳、右は易老岳で撮影しました。高山植物は融雪後、短い期間で発芽・展葉・開花、そして結実します。ニホンジカにとって、発芽直後や葉を付けた直後が1番食べ時のようで、この時期に採食されると、結実に至らない可能性が高くなります。高山植物の多くは多年草(同じ株から何年も枯れずに花を咲かせ続けることのできる植物のこと)ですが、結実し、種子ができないとなると種子を生産できなくなってしまい、やがて消失します。私たちが安全に登山できる時期には、茎だけが残り、開花している高山植物に出会うことができなくなってしまいます。

右の写真は有毒でニホンジカが食べないとされているバイケイソウです。先端がなく、上部の葉は茎に近いところまでなくなっています。最近では、ニホンジカが食べないとされている有毒の植物にも食痕が見られています。

■樹木を傷つける

前回の記事で¨ニホンジカは樹皮も食べてしまう¨とお伝えしました。写真は夜叉神峠です。1週間前の巡視では樹皮がついていたのに、この部分だけ綺麗さっぱりなくなっていました。このように樹皮が食べられた樹木はやがて枯れていきます。枯れて、根に元気がなくなり保水力が保てなくなると、大規模な土壌流出の恐れがあります。ニホンジカは樹木を食糧としているだけでなく、繁殖の時期になわばり争いをするオスたちが角を磨くために角を樹木に擦りつけて、剥がしてしまいます。

■土壌の流出

植物を食べ尽くしたニホンジカは落ち葉も食べるようになります。すると、地面が剥き出しになり、土壌が流出します。急峻な斜面ほど起こりやすいですし、地下浸透の機能もなくなってしまいます。強雨時は山の中腹から一気に崩れることもあります。裸地化した森林は再生がとても難しいです。

■生物多様性の低下

ニホンジカの食害により、まず、種類と植物が森林を多く面積が少なくなってきます。やがて、ニホンジカが好まない植物だけが残るようになります。

この写真は聖岳の薊畑というところです。ニホンジカの食害が出る前はお花畑が一面に広がっていましたが、今ではマルバタケブキが繁茂しています。(一部、防鹿柵で設置している区域もあります)

ニホンジカが食べない植物が残り、樹皮が剥がされ樹木がなくなっていくと植物の種類が単純になってきます。有毒の植物も食べ始めている今、植物の単純化どころか裸地化が進んでいる地域もあります。土壌が流出するとその場所で生活していた他の動物の居場所もなくなってしまいます。大型動物のえさとなる動植物も少なくなり、とても棲みにくい環境になってしまいます。

ニホンジカが増えている理由として、耕作放棄地の増加、狩猟者の減少が挙げられます。農村から人々が少なくなり、草食獣にとって無法地帯になってしまったことも大きな原因です。

街では大きな被害は見られないですが、里山や高山では上記以外にもさまざまな被害が見られます。

次回は全国各地で被害が確認されている中、3,000m級の山々が連なる南アルプス国立公園ではどのような対策を行っているのかお伝えしたいと思います。

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2019年11月25日アクティブ・レンジャー写真展inキラメッセぬまづ<沼津エリア>

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

今朝の富士山は麓の方まで雪化粧をしていましたが、日中は暖かく積もった雪が溶けそうです。寒暖差が激しいですね。冬の富士山は夏より大きく見え、存在感があります。何度見ても美しいです。

今回は11月20日(水)より沼津エリアにて開催しました"環境省 アクティブ・レンジャー写真展inキラメッセぬまづ"のご案内をしたいと思います。

関東地方環境事務所管内には、6つの国立公園、14の国指定鳥獣保護区があります。それらの地区に配置された環境省職員「アクティブ・レンジャー」が日々の業務で撮影した一枚をご紹介します。

会場には、各アクティブ・レンジャーの選りすぐり一枚が展示してあります。写真以外にも「アクティブ・レンジャーとはどんな仕事をしているのか?」紹介したパネルや、写真を撮影したアクティブ・レンジャーの紹介などもありますので、併せて見ていただき、国立公園の事やアクティブ・レンジャーについて少しでも知っていただければと思います。

【 プラザヴェルデ外観 ガラス越しに外から見ることも出来ます 】

今回の会場は、沼津駅の北口から直結していますので、駅利用の際や、会場内でのイベントや映画鑑賞のお帰りの際に立ち寄っていただけると嬉しいです。

展示スペースのエントランスギャラリーは、ガラス張りで外からも見えます。開放的な空間は美術館を思わせる雰囲気があり素敵です。会場5階には屋上庭園とテラス席があり、天気が良ければ富士山を見ることも出来て気持ちいいですよ。

開催場所/開催期間

<場 所>

キラメッセぬまづ(プラザヴェルデ内)1階 エントランスギャラリー(静岡県沼津市大手町1-1-4)

<期 間>

11月20日(水) ~ 12月18日(水)午前9時~午後10時

(休館日11月28日(木)、12月5日(木)、12月9日(月))

【 会場の様子 】

沼津管理官事務所からは、天城山のブナと、富士山の御来光の写真の2点を展示しています。


【 雨木の森の双子 撮影:松岡AR 】


【 拝む人、来たる光 撮影:松岡AR 】

普段から頻繁に国立公園内の巡視をするアクティブ・レンジャーならではの珠玉の一枚をぜひ会場でご覧になって下さい。お待ちしております。

▼キラメッセぬまづアクセス方法

https://www.plazaverde.jp/access.html

▼開催案内

http://kanto.env.go.jp/to_2019/2019_12.html

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2019年11月25日紅葉前線は今年もやってくる♪

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。久方ぶりに開いた文庫本に落ち葉の栞を見つけた齋田です。

身に覚えはないのですが、何故だか心が温まった気分です。他にもないか本棚を探してみようと思います。

さて、11月も後半に差し掛かり、朝晩の冷え込みがぐっと強まってきましたが、お変わりないでしょうか。

各地で紅葉が見頃を迎えたニュースをみると、深まる秋をしみじみと感じますね。

温暖な気候で知られる伊豆半島でも、一足遅れて紅葉の話題をちらほらと耳にする季節となりました。

今回は、これから見頃を迎える伊豆半島の代表的な紅葉スポット「河津七滝」をご紹介します。

河津七滝は、天城山の麓を流れる渓谷沿いに位置する代表的な七つの滝の総称です。

読みは「かわづななだる」。七滝は「ななたき」ではなく、「ななだる」と読みます。

古くは、水が上から垂れる様子を「垂水(たるみ)」と表現していたので、その名残なのかもしれません。

渓谷沿いには歩道が整備されており、片道約1時間程度で七つの滝を巡ることができます。

(※台風15号の被害により、現在は歩道の一部に立ち入りを制限している箇所がありますが、歩道内から全ての滝の見学が可能です)

【歩道の案内看板】

こちらの写真は初景滝(しょけいだる)。

真っ白な糸を下ろすような滝筋と手前に座るブロンズ像がなんともいえない雰囲気を醸し出していますね。

先の台風による流木や落枝がまだまだ残りますが、徐々に本来の美しさを取り戻しつつあります。

紅葉が見頃を迎える頃には、周囲の木々が紅く色づき、より一層魅力的な景色となるそうです。

さて、滝の前に腰を下ろす二体のブロンズ像、何をモチーフにしたものかわかりますか?

【初景滝(2019年11月中旬に撮影)】

近現代文学ファンの中にはピンと来た方も多いのではではないでしょうか。

伊豆半島を舞台とした川端康成の青春文学「伊豆の踊子」に登場する、主人公の「私」と踊子の「薫」です。

河津七滝の周辺には福田家や旧天城トンネルなど、作中の重要な場面で登場する名所が盛りだくさんです。

これからの季節は紅葉を眺めながらの聖地巡礼も文学好きにはおすすめですよ!

また、河津町では12月10日(水)までの期間、観光イベント「伊豆天城路河津秋まつり」が開催中です!

町内各所で「伊豆の踊子文学祭」や「紅葉ふれあいまつり」といった魅力的なイベントが実施されるほか、河津七滝では、「伊豆の踊子との記念撮影」や「なぞなぞウォークラリー」を楽しむことができます。

「伊豆天城路河津秋まつり」の詳細はこちらから。

今回ご紹介した河津七滝の紅葉の見頃は11月下旬~12月上旬です。

温暖な気候をもつ伊豆半島南部での一足遅い紅葉狩りはいかがでしょうか。

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2019年11月22日湯ノ湖の富栄養化対策「コカナダモ除去作業」に参加しました!

日光国立公園 村田麻理沙

みなさん、こんにちは。

日光国立公園管理事務所の村田です。

日光では、最近一段と冷えこんできて、男体山の頂上付近は白くなっています。

11月18日に、湯ノ湖の水質保全対策の一環として毎年秋季に行われている、水草のコカナダモ除去作業に参加しましたのでお知らせします。奥日光清流清湖保全協議会(栃木県、日光市)が事務局となって、地域住民等の協力のもと、実施されているものです。

湖沼は富栄養化(湖沼中の窒素やリン等の栄養塩類が増えること)になると、栄養塩類を養分として成長するプランクトンが増加するため、水質悪化の原因となります。

コカナダモは、春から夏にかけては栄養塩類を吸収して成長していますが、冬になって枯れると、再び栄養塩類が湖水中に溶け出てしまいます。そのため、枯れる前にコカナダモを除去して、水質悪化を防ごうというものです。

 

今回私が実施した作業は、ボートの上から錨(いかり)を投げ込み、コカナダモを引っかけることによって刈り取る「人力刈取り」作業です。

△コカナダモ除去ポイントに向かう様子

△錨(いかり)

△錨(いかり)で刈り取ったコカナダモ

△刈り取ったコカナダモを船に引き上げる様子

△刈り取った大量のコカナダモ

昨年はわずかだったそうですが、今年は船いっぱいになるほど、たくさんありました。

最後はゴミ収集車に積み込んで、終了です。

天候にも恵まれ、日光パークボランティアの方々と一緒に、楽しい作業となりました。

湯ノ湖周辺にお立ち寄りの際は、「そういえば、水質保全のためにコカナダモ除去作業が実施されているんだったなぁ」と思って、湯ノ湖を眺めていただけたら幸いです。

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2019年11月20日【開催報告】自然観察会「紅葉の箱根路を訪ねて」(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

箱根の一大観光地「大涌谷」が先週15日(金)に開放され、紅葉も見頃をむかえ、例年同様の賑わいを取り戻しつつあります。未だ10月の台風19号の傷を癒えぬ中、この賑わいは嬉しく思います。

さて、今週19日(火)に箱根地域自然に親しむ運動自然観察会「紅葉の箱根路を訪ねて」を開催しました。当所主催の自然観察会は今期ラストのものです。昨年は雨天中止になってしまいましたが、今年は開催日を例年の2週間後に設定したおかげで、紅葉が見頃を迎えたうえに、雨上がりのため、空気が澄んでおり、ベストコンディションでの観察会となりました。

【散策コース】

この観察会では江戸時代に作られた旧街道を通り、景観が素晴らしいお玉が池と二子山の麓を通って精進池に向かう歴史と自然をテーマにした観察会です。写る景色は全てどれも美しく、終始見応えある楽しい観察会となりました。

【朝日差す旧街道杉並木】

 

【紅葉の箱根路】

【下二子山とお玉が池】

【彩る道を進み参加者たち】

来年度も同様に箱根の自然に親しんでもらえるような観察会を計画していきたいと思います。3月頃に情報が箱根ビジターセンターホームページ(http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html)アップされますので、またお申込み、ご参加いただけると幸いです。

〈今回のイチオシ写真〉

【暁の箱根と望む雲海】

 箱根でもっとも有名な景勝地。霧がかる芦ノ湖に朝日が当たることで、とても幻想的でした。

 また、右の雲海は左写真の富士手前に写る山の尾根より撮影した写真です。

 同日でも変わった風景を見られて大満足な朝でした。

最後に・・・

私事で恐縮ですが、今年度11月末で富士箱根伊豆国立公園管理事務所のアクティブ・レンジャーを退職する運びとなりました。これまで、私の日記をお読みいただきありがとうございました。

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2019年11月20日アクティブ・レンジャー写真展開催中です in 富士吉田市民会館<富士五湖エリア>

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

こんにちは。
車窓からの色づく樹々を楽しみながら出勤する季節になりました。

本栖湖畔の森(2019年11月9日)


富士五湖管内で今年度3回目の「アクティブ・レンジャー写真展」を開催中です。前回、前々回は観光客が多い場所で開催しましたが、今回は地元の方々の文化活動の拠点となっている、富士吉田市民会館の図書館前スペースでの展示になります。

富士箱根伊豆国立公園内や隣接する地域に住んでいる地元の皆さんに、国立公園のことや私たちアクティブ・レンジャーの活動を少しでも知っていただけたらな、と思っています。


<開催期間>2019年11月15日 ~ 12月15日 9:00 ~ 18:00
<場  所>富士吉田市民会館1階図書館入口前スペース(山梨県富士吉田市緑ケ丘2-5-23)
 アクセス方法はこちら      http://www.mfi.or.jp/fcpa/access.htm

 写真展の詳細についてはこちら  http://kanto.env.go.jp/to_2019/2019_13.html


富士五湖からの今年の作品は下記の2点です。

2017年11月7日撮影@山中湖

秋から冬にかけて長い期間、ダイヤモンド富士を見ることができるスポットとして有名な山中湖で、
一瞬を狙いましたが、あいにくダイヤモンド富士としてはイマイチでした。ただ、思いがけず印象的な雲に出会えました。

2019年2月7日撮影@精進湖


こちらは冬の精進湖での朝霧を撮った作品です。朝日で富士山が赤く染まる紅富士(べにふじ)を撮りたかったのですが、残念ながらこの日は赤く染まらず、その代わり、幻想的な霧が少しずつ広がっていく様子を見ることができました。

なかなか狙い通りにはいかないです。でも、想像もしなかった景色に出会うことができるのが、自然の魅力ですね。


今回は関東地方環境事務所管内のアクティブ・レンジャー20名が撮影した28点の作品の他に、富士山の自然や文化、諸問題についても写真で紹介をしています。


写真展に作品としては出す機会がないけれど、でも実は知って欲しい部分などをピックアップしていますので、是非見ていただきたいです。

少しだけここで紹介します。

登山シーズン中の登山道に大量に放置された金剛杖

軽装登山者(富士山には本当に色々な人がいます、、、、)

もちろん地元の方でなくても、立ち寄ることができますので、観光のついでにぜひお立ち寄りください。

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2019年11月19日紅葉の『天城山』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは!沼津管理官事務所の山田です。

朝晩だいぶ冷え込むようになり秋らしくなってきましたが、それでも日中は20℃以上ある温かい沼津です。寒暖差で体調を崩さないように気をつけましょう。

今回は、巡視に行った天城山の紅葉がまさに見頃だったのでご紹介したいと思います。

日本百名山の一つである天城山は、伊豆半島最高峰の万三郎岳(1,406m)をはじめ、万二郎岳(1,299m)、遠笠山(1,197m)など伊豆半島のほぼ中心を東西に貫く連山です。東西の山稜部が富士箱根伊豆国立公園に指定されています。ブナやヒメシャラなどの原生林に覆われ、新緑や紅葉の季節はとくに美しい場所です。

春に、アクティブレンジャー日記で伊豆の固有種である「アマギシャクナゲ」の紹介しましたが、今回は前回とは別のコースで紅葉の天城山を紹介したいと思います。

何度か日記で紹介している伊豆山稜線歩道より続く、旧天城トンネル(天城山隧道)をスタートとした「八丁池コース」を紹介します。

今回は、旧天城トンネルをスタートし"上り御幸歩道"で八丁池を目指し、"下り八丁池歩道"、"下り御幸歩道"を通り戻ってくるコースで歩きましたが、八丁池周辺には登山道が色々ありますので、時間や行ってみたいポイントなどを踏まえてコース決めをするといいと思います。

どのコースも休憩を入れずに、所要時間が5時間以上かかります。この時期の天城山は16時を過ぎると暗くなってきます。17時には真っ暗になるので、余裕を持った行程で計画して下さい。

▼天城山ハイキングマップ

【 旧天城トンネル(天城山隧道) 】

明治38年に開通した旧天城トンネルは、川端康成の小説「伊豆の踊子」に登場します。石造りのトンネルは445.5mで日本の石造りトンネルでは一番長く、道路トンネルとして初めて国の重要文化財に指定されています。苔むして趣のあるトンネルの中に入ると薄らと電気が灯り冷たい空気が流れています。何百年もの歴史がここにあるのかと思うと感慨深い場所です。このトンネルの脇が登山道の入口になっています。


【 落ち葉の絨毯(11月12日撮影)

登山道は、所々色とりどりの落ち葉の絨毯で彩られています。歩いているとフカフカして気持ちいいですが、湿っていたり落ち葉が積もりすぎていると滑りやすく、歩道が狭い場所もありますので景色を楽しみながらも足下の確認はお忘れなく!!

【 八丁池と富士山(11月12日撮影)

写真のタイトルを見て富士山?と思われた方がいるかもしれませんが、池の中央付近の山の稜線が高くなり始めた辺りに白く雪化粧をした富士山が顔を出しています。天城山は眺望のある場所が少ないですが、天気のいい日は見晴台から、八丁池、富士山を望むことが出来ます。

八丁池は標高1,173mにある池で、「天城の瞳」の愛称で呼ばれています。池の周囲が八丁(870)あることから名付けられたと言われていますが、実際は580mほどしかないそうです。

何度か訪れていますが、池の色は天気や季節によって毎回違う色に見えます。天然記念物の「モリアオガエル」産卵地としても知られています。「モリアオガエル」の保護のため、池の周りは半周ほどで通行止めになっています。

【 カエデとブナの紅葉(11月12日撮影)


【 紅葉の天城山(11月12日撮影)

森の至る所で、写真のような紅葉を見ることが出来ます。例年より一週間以上遅い紅葉になりましたが台風にも負けず見事に紅葉しています。ブナの巨木やヒメシャラの原生林に覆われた森を歩き、秋の美しい天城山の紅葉をぜひ見に来て下さい。

現在、台風15号、19号の影響で路線バス(八丁池線)が運休しておりますので、お出掛けの際は交通手段等の確認をお願い致します。

▼伊豆市観光情報サイト(天城山を歩く2019)

http://kanko.city.izu.shizuoka.jp/form1.html?pid=5025

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2019年11月18日箱根自然講座-自然を写すんです- 開催報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

先週16日(土)に箱根自然解説活動連絡協議会 主催の箱根自然講座「自然を写すんです~写真の構図を学ぼう~」が開催されました。その講座の講師がなんと私が勤めることになり、初めてながら今までの経験と研修会等で学んできた知識を基に初心者向けの撮影について、お話させていただきました。

【(左)スライドの表紙/(右)開催中の様子】

急遽開催したことや他イベントと重なってしまったこともあり、申込者数が思うようにのびませんでしたが、構図やカメラの設定方法など一人一人に細かく教えることができ、充実した内容となりました。天気も雲一つ無い快晴で、紅葉もベストタイミング!写真を撮って撮って撮りまくって、沢山の素敵な写真を皆さんに撮影してもらいました。

〈撮影した写真~様々な紅葉のかお〉

  

参加者にも喜んでもらえたのはもちろん、自分にとっても、貴重な経験をさせていただきました。

これからもキレイな写真を撮れるように技術を磨きながら、みなさんにお役に立てるような事があればぜひ協力させていただきたいと思っています。ありがとうございました。

※今回のイチオシ写真は上の写真です。次回は沢山載せます。

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2019年11月18日南アルプスとニホンジカ問題 その1

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんはニホンジカに対してどのような印象を持っていますか?

¨かわいい¨という印象や奈良のシカやバンビを連想される方も多いかと思います。都心に住んでいると野生のニホンジカにはなかなか出会うことができないので、¨珍しい¨と思う方もいらっしゃるでしょう。

そんなニホンジカですが、現在、国内で最も被害が大きい動物とされています。そもそもニホンジカってどんな動物なのか、どのような被害が出ているのか、実際に南アルプス国立公園行われている対策って具体的にどんなもの?など、数回に分けて詳しくお伝えしていきたいと思います。

1弾!ニホンジカってどんな動物?

■食べ物


ニホンジカは草食動物です。果物、穀物、野菜、落ち葉何でも食べます。高山植物や樹皮も食べてしまいます。個体差もありますが、メスは1日で5kg以上も食べるそうです。写真を撮影した時はコケのようなものを食べていました。

■毛

夏は1枚目の写真のような茶色に白い斑点模様。斑点模様は子どもだけでなく大人のニホンジカにも見られ、木漏れ日を模しているそうです。冬は無斑で濃い茶色になります。

■出産

1才半で大人になり、2才から出産します。2才からは毎年出産ができるようになります。

■季節移動する

南アルプス地域に生息するニホンジカは夏に高山帯に登り、冬は寒さや積雪を避けるため、標高が低いところに移動します。冬になると頻繁に目撃されるのは季節移動で下りてきているせいです。近年は暖冬で積雪量が少ないこともあり、4月下旬くらいには2,400m地点まで上がっている個体もいます。

■群れで行動する


ニホンジカはカモシカと異なり、単体で動くことはほぼなく、写真のように群れで行動します。気に入った場所にはしばらくの間滞在し、その場所の植物を食べ尽くしてしまいます。

■角

  

ニホンジカの角はオスのみ生えます。春から夏にかけて生えかわります。左の写真は角が落ちて角がない状態です。右の写真は角が生えていますが、黒くて丸く、いつも見る角と違いますよね。これは袋角といって、しっかりとした角が生えるまで皮膚で覆っている状態です。時間が経つにつれて皮膚が破け、白い角が見られます。

■学習能力が高い

例えば、ニホンジカを捕獲するために森の中にわなを設置したとします。10頭の内、1頭が捕獲できたとすると他の9頭は¨自分の仲間が捕まった、ここは危ない場所¨と、わなに対する警戒心を持つようになります。銃を用いた捕獲でも同様です。そういったシカをスマートディア(スレジカ)と呼びます。スレジカはわなが設置されていた周辺の道を通らなくなります。狩猟者は再び、ニホンジカが通っているシカ道を探し出さなければなりません。

ニホンジカの増加は南アルプス国立公園だけでなく、里山でも高山でも全国的に大きな被害をもたらしています。次回は具体的にどのような被害があるのかをお伝えしたいと思います。

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