ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年3月

16件の記事があります。

2020年03月31日富士山のあれこれ、どれだけ知っていますか?<初級編>

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

こんにちは。富士五湖事務所の小西です。週末は15cmほど積雪がありました。


世界中で新型コロナウィルスが深刻な状況になっていてとても心配です。日本の今後の状況も1人1人の意識・行動にかかっていると思うので「うつさない、うつらない」ことを常に念頭に日々を過ごしていきたいと思っています。

屋外でのアクティビティー自体は比較的リスクは低いと言われてはいますが、移動で公共交通機関を使ったりすることを考えると、なかなか難しいところですね。

そこで今日は家での時間つぶしに「富士山クイズ」を出したいと思います。
みなさん富士山のことどのくらいご存知でしょうか?まずは初級編です。

▲▽▲ 富士山クイズ ▲▽▲

1.富士山の西側にある、あるいきものの名前と発音が同じ湖は次のどれでしょう?


 ①きつつき湖

 ②きつね湖

  1.  ③たぬき湖
  2.  ④おおるり湖

見事に夕日に染まった紅富士の逆さ富士(1.の湖より)

2. 千円札の裏に描かれている富士山は富士五湖の中のどの湖から撮影されたものでしょうか?


 ①山中湖

 ②河口湖

 ③西湖
 ④精進湖

 ⑤本栖湖

千円札の裏側に描かれている「逆さ富士」(2.の湖畔の展望地より)

3. 日の出や夕日が富士山頂にちょうど重なって美しく輝く現象をなんと言うでしょう?



 ①パール富士
 ②シャイニング富士
 ③クリスタル富士
 ④ダイヤモンド富士

富士山と太陽が織りなす幻想的な自然現象(竜神池)

4.次のうち富士山頂でしてもよい行為はどれでしょう?


 ①バーナーを使ってコーヒーを沸かす
 ②テントを張ってキャンプする
 ③溶岩を持ち帰る
 ④登頂記念に石にサインをする

富士登山の様子(吉田ルート)


【答え】

1. 正解:③たぬき湖



発音は同じですが漢字では「田貫湖」と書き、富士山の西側(静岡県)に位置しています。4月20日・8月20日前後1週間にダイヤモンド富士が見られるスポットとして大人気です。環境省第1号の自然学校である田貫湖ふれあい自然塾は入場無料です。様々な自然体験プログラムが実施されていて(一部有料)、親子で自然にふれあい楽しむことのできる施設です。
 田貫湖ふれあい自然塾 http://www.tanuki-ko.gr.jp/index.html

 *現在、新型コロナウィルスの影響で当面休館中です*



2. 正解:⑤本栖湖



富士北側には5つの湖がありますが、本栖湖はその中で一番深く透明度の高い美しい湖です。写真が撮られた中ノ倉展望地までは北岸の公衆トイレの横の登山口から往復1時間のハイキングコースになっていています。
私も大好きな場所です。

3. 正解:④ダイヤモンド富士


ダイヤモンド富士はどこでも見られる訳ではありません。富士山周辺では北東(山中湖など)、北西(竜ヶ岳、田貫湖など)で見ることができ、カメラマンなどたくさんの人が訪れます。そのダイヤモンド富士が湖の水面に映ることで2つのダイヤモンドが見えることを 「ダブルダイヤモンド」 と呼びます。また、満月が富士山頂にかかることを「パール富士」と言)います。

★オススメスポット★
 山中湖:10月中旬~2月末頃(夕日)
 竜ヶ岳:12月初旬~1月初旬(朝日)
 田貫湖:4月20日頃・8月20日頃前後1週間(朝日)

4. 正解:①バーナーを使ってコーヒーを沸かす


富士山の5合目から上は国立公園の特別保護地区という地区に指定されていて、貴重な自然環境が守られています。そのため、植物・溶岩を採ることはもちろん、落書きやテントを設営することも禁止されています。登山をする時はルールを守ってみんなで美しい富士山を守って行きましょう!
バーナーを使ってお湯を沸かすことはNGではありませんが(焚き火は禁止です)、火事の危険がありますので、山小屋の近くでの使用は避けましょう。

何問正解できましたか???
少しでも時間つぶしになったら嬉しいです。

次回はもう少し難易度をアップした上級編をご紹介します!

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2020年03月31日令和元年度をふり返る 【景色編】

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

前回の「令和元年度をふり返る【動植物編】」に続いて、景色編です。今年は悪天候が続きましたが、天気の良い日を狙って巡視に行っていたせいか、綺麗な景色をたくさん撮影することができました。たくさんの写真を載せたい気持ちでいっぱいですが、4枚に絞りました。その時のエピソードやおすすめポイントもあわせてお伝えしたいと思います。

■鳳凰三山・地蔵ヶ岳

南アルプスの中で特にお気に入りの場所です。そのお気に入りの場所で(個人的に)綺麗に撮ることができました。カメラの設定をマニュアルにして撮影にじっくり打ち込みました。手前に見えるお地蔵さんは「子授け地蔵」と呼ばれ、古くから親しまれています。最近は各登山口から日帰りで三山縦走される方が多くなってきていますが、ゆっくりまったり12日コースで高山植物(鳳凰三山にしか咲かない花もあります)や花崗岩で作られた砂浜の稜線から見る360度パノラマを楽しんでいただきたいです。

■荒川三山・悪沢岳

中岳を少し悪沢岳方面へ下った場所で撮影しました。奥に写る大きな山が悪沢岳です。¨南アルプスの山は大きい¨と言われますが、この写真に写る悪沢岳、とても大きく見えませんか?普段は横で撮影することが多いですが、縦で撮影したところ、山の大きさがよく分かるような気がします!手前に写っている登山者がとても小さく見えますね。山が大きい=時間がかかるのは間違いありませんが、今年は4連休が多いので時間が確保できる方はぜひ挑戦してみてください。

■北岳

北岳・二俣で撮影しました。登山者カウンターの点検で6月から月1で巡視していますが、今年度は7月も8月も天候が悪く長時間の巡視ができずにいました。9月初旬の晴れ間を狙って撮影したもので、秋の花を代表するキオンが大群落を作っていました。北岳とお花、双方が揃うとさらに映えますね。ニホンジカの影響があり、昔の北岳のようすから変わっている箇所もありますが、まだまだ高山植物を楽しむことはできますよ!

■兎岳、中盛丸山

聖岳から撮影しました。兎岳、中盛丸山ってあまり聞かない名前ですよね。この2つは赤石岳から聖岳の間にあり、縦走するときには必ず通過する場所です。この写真から南アルプスの奥深さが感じられます。聖岳から中盛丸山に続く登山道を辿ってみるとあまりの距離に気が遠くなりそうですね。と言っても、実際に歩いてみると4時間程度です。(この4時間を遠いととるか、近いととるかはあなた次第です。)南部は登山者が少ないので、静かな山歩きを楽しむことができます。

これまでの日記にも積雪の時期から紅葉の時期まで、わたしが大好きな南アルプスの景色がたくさんあります。さかのぼってご覧いただいて、行ってみたい場所を見つけてみてください。早いもので今年度も終わろうとしています。来年度もアクティブ・レンジャー日記の更新、頑張ります!

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2020年03月31日小笠原の鳥たち

小笠原国立公園 齋藤海穂

こんにちは。小笠原自然保護官事務所の齋藤です。

コロナウイルス拡散防止のため、事務所のある世界遺産センターもしばらく閉館としています。

まだまだ油断できないですね、皆様も体調管理にはお気をつけて下さい。

さて今回は、今月世界遺産センターにて開催していた「写真展-国指定鳥獣保護区管理員がみた鳥たち」から、小笠原の鳥たちを皆様へお届けいたします!

↑写真展示の様子(閉館中なのでお客様がいません。。。)

小笠原諸島は、アカガシラカラスバトやオガサワラオオコウモリなどの希少鳥獣の生息地として重要であることから、島のほぼ全域が「小笠原群島鳥獣保護区」に指定されており、また、大海原を渡ってくる旅鳥達の休息地としても重要な場所になっています。

私共も巡視や調査中に、オガサワラノスリやアカガシラカラスバト等に出会いますが、これらの巡視は鳥獣保護区管理員の方々にもお願いしています。

早速管理員の方が撮られた、美しい鳥たちの写真を紹介します。

まずは、身近な鳥シリーズ!

【オガサワラノスリ】

国の天然記念物であり、小笠原唯一の固有猛禽類。島では人と自然が共生しているため、生活圏内からでも確認できます。小笠原の空を悠々と飛ぶ姿はとても格好良いです!

【ハシナガウグイス】

ウグイスというと、声は聞くけれど姿を見ない鳥かと思いますが、固有亜種であるハシナガウグイスは違います。好奇心旺盛で、気が付くと隣の木の枝にいた、なんて事はよくあります。

さらに鳴き声の「ホーホケキョ」は一緒なのですが、「ホーホケケ、、、」「ホーホケキョ!!」といった具合で、ヘタクソです。笑

次は渡り鳥・迷鳥シリーズ!

【オシドリ】

内地ではお馴染みのオシドリ、実は小笠原では稀な渡り鳥です。鳥獣保護区管理員の方によると、オスしか確認されないとか。渡りのルートは不思議ですね。

【ツバメ】

こちらも内地ではお馴染み、ツバメです。ツバメは小笠原では迷鳥とされ、飛ぶルートを間違えたのか、通常では見ることができない鳥です。

今回紹介した鳥はほんの一部ですが、小笠原の鳥たちを見るだけで、内地との当たり前の違いに驚かされます!

皆様もご来島の際には、鳥にも注目してみてくださいね。

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2020年03月30日羽がカラフル?

佐渡 菅野萌

皆さんこんにちは。佐渡自然保護官事務所の菅野です。

佐渡でも梅や菜の花が咲き始め、いよいよ春だ!と感じるようになってきました。

そんな中、第22回放鳥予定のトキ18羽の「順化訓練」が3月12日からスタートしました!

「順化訓練」では、放鳥されたトキが野外で生きていけるよう、「順化ケージ」という佐渡の自然に近い環境を再現した広いケージの中で、飛翔能力や採餌能力などを身につけていきます。

▲順化ケージへの放鳥のようす

さて皆さん、上の写真をよく見てください。放鳥箱から飛び出したトキたちの羽が、なんだかカラフルだと思いませんか?

実は順化ケージに放す前に、個体識別できるようにアニマルマーカー(生物に有害な物質が含まれていないマーカー)で羽に色を塗っているのです!

マーカーは赤・オレンジ・黄・緑・青の5色あります。

▲目隠しでおとなしくなったトキにマーカーで着色する様子。1羽につき2人で色を塗っていきます。

マーカーは基本的に片方の羽につき2か所塗っており、個体ごとに色の組み合わせが決まっています。
ちなみに、色を塗る場所も放鳥時期によって異なっており、春放鳥個体はパターン①、秋放鳥個体はパターン②で着色します(たまに例外もあります)。

▲パターン①             ▲パターン②

トキの羽は抜けかわってしまうため、マーカーによって識別できるのは放鳥から一定の期間に限られてしまいますが、足環以外の識別方法があることで、個体ごとの情報をより多く集めることができます。

▲あ!色がついている!この色の組み合わせは・・・

皆さんも佐渡でトキが飛んでいるところを見かけたら、羽をよく見てみてください。

カラフルな羽のトキなら、順化訓練を経て佐渡の空を飛んでいる新規放鳥のトキです!

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2020年03月27日【小笠原】畜魂祭

小笠原国立公園 玉井徹

島の短い冬は終わり、紫外線も強くなってきました。

幸いにも新型コロナウイルスの影響は少なく清々しい毎日です。

〈おがさわら丸も毎便元気に運行中〉

こんにちは

小笠原・父島の玉井です。

先日、大神山神社にて畜魂祭が行われました。

〈大神山神社〉

"畜魂祭" あまり聞き慣れない言葉ですね。

小笠原は海洋島でありユニークな独自の生態系があります。

現在、生態系に悪影響を及ぼしているグリーンアノールや

クマネズミをはじめとした外来生物の駆除を行い

生態系の保全に取り組んでいます。

駆除によって、命を頂いた生物への感謝と慰霊

命の尊さを確認し、冥福を祈ります。

〈畜魂祭のようす〉

畜魂祭を通して

「生物への感謝を日々忘れないようにしよう....」

と再確認できました。

人によって持ち込まれる外来生物の駆除をこれ以上増やさない為にも

まずは、一人一人が外来生物を持ち込まない心構えが大切ではないでしょうか。

玉井

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2020年03月24日令和元年度をふり返る 【動植物編】

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

さて、タイトルの通り令和元年度に撮りためた写真を動植物編と景色編に分けてふり返りたいと思います。今回は動植物編です!南アルプスにはたくさんの動植物が生息・生育しています。その中のいくつかをわたしの個人的なエピソードを交えて紹介したいと思います。

■ミヤマハナシノブ

なんでミヤマハナシノブ?と思われる方もいらっしゃるかと思います。アクティブ・レンジャー3年目になるまでミヤマハナシノブを見たことがなく、『この花を見たいな~』とずっと思っていたところでやっと見つけることができた花でした。わたしにとって思い入れがある花です。北岳と北アルプスの白馬岳にしか咲いていない希少な花です。

■ニホンザル

北岳の標高約2,700m地点で撮影しました。芦安では昼夜問わずよく見かけますが、まさか高標高でも見ることになるとは、、、撮影したときはライチョウをケージ保護しているときでちょうど夕方のお散歩をしている最中でした。こちらに登ってくることはなく、足早に降りていきました。撮影できたのは1頭だけでしたが、続けて23頭ほど走り去っていきました。お散歩の見張りを人間がしていたから近寄らなかったのでしょうか?人間がいなくてもライチョウへの害がないことを願います。

■ライチョウ


ライチョウを見る機会は多くあるのですが、私はオスをあまり見たことがありません。卵が孵化するまではオスも見張りをしますが、子育ては基本的にメスのみです。ケージ保護の時は子育ての段階なので、残念ながら父親を見る機会はありません。この写真はちょうど見張りをしているときで、「ゲロゲロ」とカエルのような鳴き声を出していました。かわいい見た目に反して、衝撃的な鳴き声をするのでぜひ聞いてみてください。天候が良くても運が良ければ出会うことができますよ♪

<おまけ>

どこに何がいるかわかりますか?ピントが合っておらずブレブレの茶色の物体、なにか分かりますか?・・・オコジョです。仙丈ヶ岳の山頂で撮影しました。急に出てきて急にいなくなるという瞬間的な出会いでしたが、何枚かシャッターを切る中で撮影できた1枚です。カメラを向けても逃げないライチョウと異なり、カメラを向けなくてもどんどん逃げていってしまうオコジョの撮影は難しすぎました。人生初オコジョ。顔が全く見えずに可愛いかどうかの確認もできませんでした。次見たときはピントがしっかり合って可愛らしいお顔を撮影できるように頑張ります。

次回は景色編です。登ったことがある場所が出てくるかもしれません!お楽しみに♪

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2020年03月18日人による希少な動植物への被害

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

南アルプス山域には数多くの動植物が生息・生育しており、南アルプスでしか見ることができない希少なものもあります。その動植物の生息・生育地において、人による盗掘や踏み荒らしがされている場所が見られます。ほんの一例ですが、被害の状況をお伝えしたいと思います。

■盗掘による被害

昨年、南アルプス山域を歩いていてひっそりと咲くカモメランを見つけました。

カモメランは深山の森の中に生育しています。条件が良いと咲き、まれに群落を作ります。茎は細く、短いため、よく目をこらさないと見つけられません。

このカモメラン、環境省レッドデータブックでは準絶滅危惧(現時点での絶滅危険度は小さいが、生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する可能性のある種)に指定されています。沖縄を除き日本全国で生育していますが、近年、数が減っています。原因はニホンジカによる食害ではなく、人間による盗掘です。

△南アルプスの山小屋スタッフより提供(撮影日:2019.6.19

根を掘り起こし、抜き取られた跡が丁寧に残されています。シカはこんなに丁寧に食べません。盗掘の被害はカモメランだけでなく、アツモリソウやホテイラン、キタダケソウも同じです。人間が人目を盗んで土を掘り返して植物を採る、非常に悲しいことです。カモメランは山梨県の指定および特定希少野生動植物種に指定されていること、また、南アルプス国立公園の指定植物なので、採取した場合は罰則があります。

■踏み荒らしによる被害

キタダケソウの生育地ではロープを設置しています。キタダケソウを見たことがある方はご存じかと思います。きれいな花や珍しい花を目の前にして、「ロープがあるけど近くで接写したいから乗り越えちゃえ!!」・・・なんのためにロープが張ってあるのでしょう。「乗り越えたい!」と思った時、考えてみてください。

踏み込まれた部分は植物がなくなり、土が流れ出しています。また、踏み込みのいちばん上では、土が流れ出したために、キタダケソウの株ごと土壌が落下してしまう恐れがあります。乗り越えたい気持ちをぐっと抑えて登山道から外れずに愛でていただけると幸いです。

南アルプスだけに限らず、全国に生息・生育するライチョウ、タカネキマダラセセリ、キタダケソウやホテイラン、ホテイアツモリなど293種(平成312月時点)が環境省が指定する「種の保存法」に基づき、採取、損傷、譲渡等が禁止されています。また、南アルプス国立公園の指定植物になっている植物の採取および損傷も禁止です。違反した場合、どちらも懲役または罰金が科されます。

希少種にかかる規制を行っているのは国だけではありません。カモメランの例にも記載しましたが、各都道府県においても希少野生動植物の保護に関する条例が定められています。長野県、静岡県、山梨県で指定されている動植物や罰則が異なります。このほかにも文化財保護条例等による規制があります。

なぜその場所に生息・生育しているのか。その個体に合う場所だからです。わざわざ人間が移動させてあげる必要はないのです。踏み荒らしてまで撮影したいですか?その個体が咲いたその場所で、自然体を楽しんでください。多くの皆さんがマナーを守って登山されています。南アルプスの素晴らしい自然を守るためにはみなさんのご理解とご協力が必要です。みなさんでマナーを守って美しい自然を守っていきましょう。

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2020年03月18日芦ノ湖の水はどこに流れる?(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

3月になり、芦ノ湖の釣りが解禁され、釣り人が増えてきた箱根です。

今回は、「深良水門(ふからすいもん)」をご紹介します。

箱根ビジターセンターから、この水門まで「芦ノ湖西岸コース」遊歩道の一部が台風被害から復旧しました。

※まだコース全体は復旧していません。

復旧した部分までのコース状況を確認するために、巡視を行って来ました。

コースの途中、まず「湖尻水門」が目に入ります。

芦ノ湖の水は普段、川には流れません。

ただし、増水時だけこの「湖尻水門」を解放して「早川」に水を流すことがあります。

芦ノ湖西岸コースの湖尻側入り口に位置する「湖尻水門」

この湖尻水門を通り抜けて、芦ノ湖沿いを歩くと「深良水門」が見えてきます。

「深良水門(ふからすいもん)」

300年ほど前の江戸時代、約4年をかけて「箱根用水」が作られました。

人力のみの大工事で、箱根外輪山にトンエルを掘り、用水路を駿河湾まで通したのです。

当時の職人たちの、技術の高さに驚かされます。

そして、静岡県裾野市付近にあった深良村の干ばつを救いました。

「箱根用水」

静岡県に芦ノ湖から命の水を送った、箱根用水の取水口「深良水門」。

このコースを歩くと、そんな歴史に触れることが出来ます。

自然も豊富な散策路です。

鬼も縛れる?茎が折れずに、ロープのようにしなる「オニシバリ」

緑色のお花がこの時期咲いて、良い香りが漂います。

この日のご褒美「ヤマルリソウ」

図鑑で調べると、学名にjaponicaの名が付いていました。

かわいらしい青い花に、心が温かくなりました。

動物の足跡や、春の蝶たちも観察しています。

深良水門まで歩きやすい道が続き、散歩にもほどよい距離です。

箱根の湖尻地域に来たときには、是非「深良水門」まで足を伸ばしてみて下さい。

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2020年03月17日お洒落な鳥は電線に

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

先日、トキのモニタリングを終えて事務所に戻る途中、見慣れない鳥が電線にとまっていました。ムクドリくらいの大きさですが、顔に赤みがあるように見え、飛び方もムクドリとは違います。

双眼鏡を向けてみると、なんと!「キレンジャク」の群れ!


佐渡では毎年、秋から春にかけて飛来する冬鳥ですが、私は見たことがありませんでした。佐渡6年度目にしてようやく出会えたキレンジャクでした。

すらっと伸びた冠羽、顔には黒マスク、翼には黄色と赤のアクセント。羽毛感のないつるりとした体。

図鑑で見るたびに、洗練されたお洒落な鳥だなあ、一度見てみたいなあ、と思っていましたが、まさか電線を見たらとまっているとは。簡単に見つけられたことに拍子抜けしてしまい、なんだかおかしくて笑ってしまいました。

お洒落な鳥は、スズメやムクドリのように、普通に電線にとまっていました。

翌日、同じ場所を通ったら、尾羽の先が黄色のキレンジャクに加え、赤色をした「ヒレンジャク」も複数入っている40羽ほどの群れが電線にとまっていました。




これからさらに北を目指して海を渡っていくのでしょう。美しいこの小鳥たちが無事繁殖地にたどり着き、子孫を残せることを願い、私も電線から離れて事務所へ向かいました。

~レンジャク豆知識~

レンジャクの英名は Waxwing(ワックスウィング)=蝋の翼です。

キレンジャクの写真をもう1度ご覧ください。

キレンジャクの次列風切と三列風切の羽軸の先に、赤い蝋を塗ったような突起物があります。これが、英名の由来です。ちなみに、ヒレンジャクにこの突起物はありません。

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2020年03月13日期間限定!!黒い『大室山』

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

もう3月ですね。沼津管理官事務所に来て1年が過ぎようとしています。

今日は先日紹介した『小室山』に引き続き、旬な話題が豊富な『大室山』を紹介したいと思います。

大室山は静岡県伊東市にある標高580mの火山で、およそ4000年前の噴火によって作られた伊豆東部火山群の中で最も大きいスコリア丘です。山全体が国の天然記念物に指定されていて、山体を守るため、登山は禁止されており、山頂に行くにはリフトを使用します。

この景観を守るため、毎年2月の第2日曜日に行われている(今年は天候不良により3回延期され、2月24日に実施されました)伝統行事「大室山山焼き」が、先日催されました。この行事は700年以上の歴史があり、麓に点火された炎が勢いよく山頂に駆け上がり、山をまるごと焼き上げる光景は圧巻です。毎年この時期になると全国から多くの見物客が訪れて賑わいます。山焼きの後は、冬の枯草色の山体が、真っ黒になります。真っ黒の山体が見られるのはこの時期限定です。下の写真を比べると分かりますが、約2ヶ月後には新緑が山を覆い始めます。

【 山焼き後の大室山(3月9日撮影) 】  山焼きから約2ヶ月後  → 【 昨年の418日撮影 】

山頂の噴火口を周回する約1㎞30分程の遊歩道は、周りに遮る物もなく、まるで空に続く道のようです。遊歩道からは、火山が作った伊東の大地、真っ青な相模灘、伊豆七島、房総半島、そして富士山と360°の大パノラマを楽しめます。大室山山頂は"富士山がある風景100"に選定された場所の一つにもなっています。

火口跡へ続く遊歩道の中腹には「浅間神社」があります。全国各地にある浅間神社と、総本宮「富士山本宮浅間大社」のご祭神は、木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)です。しかし、ここ大室山浅間神社のご祭神だけは、姉の磐長姫命(いわながひめのみこと)なのです。なぜ大室山のご祭神が他の浅間神社と異なるのか、それには悲しい神話がありました。

この姉妹はとても仲の良い姉妹でしたが、ある日、若い男の神様、瓊々杵尊(ににぎのみこと)が、容姿の美しい木花咲耶姫に一目惚れして姉妹の父親に結婚を願い出たそうです。父親は、姉妹2人一緒なら許すと、容姿の醜い磐長姫と一緒に嫁がせることになりました。ところが、瓊々杵尊は木花咲耶姫ばかり溺愛し、磐長姫は子を身籠もったものの、父親のもとへ返されてしまったそうです。磐長姫は嫉妬から、木花咲耶姫に恨みをもってしまったとか。

とても仲が良かった姉妹が恨み合うことになり、今も磐長姫(大室山)と木花咲耶姫 (富士山)は、にらみ合っていると言われています。そんな神話からか、大室山から富士山が美しく見えても褒めてはいけないという言い伝えが残っています。ちなみに、この神社は、安産、縁結び、不老長寿などのご利益があるそうです。


【 山頂遊歩道の様子 】

そして、先日発表されました、「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」(第6版)では、大室山が1つ星を獲得しました!!覆面調査員が現地を訪れ、9つの選定基準を評価して選定されるそうです。その結果、豊かな自然や多彩な文化遺産に触れることが出来る場所として評価され紹介されています。この本を通して、たくさんの国の人が、お椀を伏せたような不思議な形をしている大室山を知るきっかけになってくれたら嬉しいです。

四季によって、山体の色を変える大室山は、どの季節に訪れてもその存在感に圧倒されるはずです。

【 満開の城ヶ崎桜と大室山 】

隣接するさくらの里では、40種類、3000本の桜がほぼ1年中(9月~5)咲いていると言われています。桜と大室山の共演を楽しめます。現在は城ヶ崎桜が満開になっていました。今月開催予定の夜桜鑑賞会は、伊東市の新型コロナウイルス感染症に係わるイベント等の開催指針に則り、残念ながら中止になりました。1日も早く終息することを願うばかりです。季節が進み、種類の違う桜の開花が楽しみです。

▼伊東市観光情報 

https://itospa.com/spot/detail_54003.html

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