2020年5月22日
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2020年05月22日尾瀬の日本百名山!
尾瀬国立公園 檜枝岐 細川有希
みなさんこんにちは!
関東ではアジサイが咲き始める梅雨の時期がやってきましたね。
福島県会津地方ではヤマブキやスズランが咲いている姿を見ますが、関東では見頃は終えたようで、同じ日本でも季節の巡りが遅れてやってくることを実感し、特別な気持ちになります。
今回は、尾瀬国立公園内の山について紹介します!
尾瀬の中には東北最高峰の燧ヶ岳(福島県域)と、至仏山(群馬県域)、会津駒ヶ岳(福島県域)の3つが日本百名山に入っています。
今回はそれぞれどのような山なのか紹介します。
【燧ケ岳】
標高2,356ⅿの東北以北の最高峰の山で、尾瀬を代表する成層火山です。山頂付近からは尾瀬沼や尾瀬ヶ原を見渡すことができ、国内有数のブナの原生林が広がる山麓付近では貴重な生態系が育まれています。
△広沢田代のワタスゲの群生
御池から入る登山道、尾瀬沼から入る長英新道、群馬県側から一番近いルートである見晴新道、ナデックボ道の4つのルートから登ることができますが、ナデックボ道はガレ場なのでおすすめできません。長英新道(約3時間30分)と、御池から入る登山道(約4時間)は比較的登りやすい道となっています。
ゆっくりであれば難しい登山ではありません。
途中に水場はないため十分な水分と携行食などを持っていきましょう。
私は汗っかきなので夏場は500mlペットボトルを3本持っていきます。
△燧ケ岳山頂から見た尾瀬ヶ原と至仏山
コンビニなどで売っているような膝丈くらいのカッパを一枚着ていらっしゃる方がおられますが、段差があるところで枝や岩にひっかかることがあるので、アウトドアショップなどで販売している上下に分かれたカッパの方が歩きやすいです。
【会津駒ケ岳】
標高が2,132ⅿあり雪解けが進む7月頃には山頂付近に駒大池が現れ、周辺にはハクサンコザクラが群生します。また、中門岳に延びるなだらかな稜線沿いには地塘が点在し、遠く広がる山並みと湿原の組み合わせが訪れた人を楽しませます。
△会津駒ケ岳から少し降りて望む中門岳方面
一般的なルートは滝沢登山口から登る約3時間半のコースです。コースの真ん中近くに水場があるので、そこで水分補給ができます。「駒の小屋」という山小屋に荷物を置かせてもらい約20分で頂上に向かうことができます。途中の水場以外には補給するところがないので、駒の小屋に宿泊する際は十分な水と自炊用の食料を持っていきましょう。(駒の小屋内でも水のペットボトルを販売しています)
ピンク色の小さなかわいらしい「ハクサンコザクラ」が近くで見られるので、是非撮影して思い出として残していただければと思います。
△ハクサンコザクラ
木道が非常に滑りやすいので(特に雨などで濡れている際)、下山中は滑って転ぶことを考えて身構えながら降りると受け身が取りやすいです。
【至仏山】
標高2,228ⅿの燧ケ岳と並び尾瀬を代表する山です。山体が蛇紋岩からなるため、登山道沿いにはカトウハコベ、ホソバヒナウスユキソウ、オゼソウなどの希少な蛇紋岩植物が見られ、山頂からは尾瀬ヶ原が見渡せます。
群馬県側にある山で至仏山の登山だけを目的とするなら鳩待峠登山口から入ることをおすすめします。鳩待峠登山口から山ノ鼻ビジターセンターまでは1時間ほどのコースでセンター付近に登山の入口があります。
約3時間コースで、晴れていれば後ろに尾瀬ヶ原と燧ケ岳を一望することができます。
私が初めて登った際の印象は頂上付近が滑らかな標高なので、なかなかゴールが見えず階段の木道なので疲れてしまいまいした。
△ゴールが見えない木道階段
しかし、一度登るとどの程度の体力を残しておけばよいかなどがわかるので、山は一回ではなく二回以上登ることで楽しさが深まるのだと思いました。
初めて登る方も自分のペースで疲れる前にこまめに休憩を取りながら進めば、至仏山の魅力を十分に感じて楽しい登山ができると思います。
コース内に水場はありませんので、登山前と後にある施設で十分な水分を持っていくと良いでしょう。
△至仏山山頂から見た尾瀬ヶ原と燧ケ岳
以上、3つの山について紹介しました。
山は天候によってさまざまな景色を見せてくれます。快晴だったり霧で周りが見えなかったりと一回目ではやはり山のほんの一部しか知ることができないと思います。
もし、尾瀬の山に興味がありましたら一回だけでなく是非もう一度訪れてみてください。
2020年05月22日小さな侵入者
佐渡 近藤陽子
皆様、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の近藤です。
<佐渡自然保護官事務所へ続く道沿いに咲くトビシマカンゾウ>
先日、佐渡自然保護官事務所内で、床を横切る小さな影に気が付きました。
影は、どうやら職員のデスク下に逃げ込んだようです。
一体何が侵入したのか。
デスク下をのぞいてみました。
ウロコに覆われた、でもツルッとした長い尾。
長い尾の持ち主は私に驚き、今度は私のデスク下に逃げ込みました。
これは捕獲のチャンス!
そーっと手を伸ばし、キャッチ!
影の正体は「ヒガシニホントカゲ」でした。
佐渡ではトキの繁殖期まっただ中ですが、このトカゲも繁殖期を迎えているようです。
のど元がオレンジ色の婚姻色に染まっていました。
小さな侵入者は私に捕まり、敷地内の草むらへ解放されました。
もう捕まるんじゃないよ。いい相手が見つかるといいね。
普段からよく目にするトカゲですが、婚姻色をじっくり見たことはありませんでした。
身近な自然に目を向け、耳を澄ましてみると、案外おもしろい発見があるかもしれません。
2020年05月22日箱根GW明け5月の植物② (箱根地域)
富士箱根伊豆国立公園 山口光子
皆さん、こんにちは。
富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。
前回に引き続き、今回も箱根でこの時期見頃の植物を紹介します。
コロナ禍は、少し落ち着いてきたようにも見えますが油断は禁物です。
何より箱根のある神奈川県は、まだ緊急事態宣言の解除が行われていません。
駐車場が閉まっているところも多いので、もう少しご自宅でお楽しみください。
今回の紹介はこちら。
【ブナの新緑】
ブナの木が一斉に芽吹いています。実は箱根周辺には、貴重なブナ林が残っているのです。
戦後の復興時、日本では木材の需要が増えました。その時ブナの木は、木材使用には適さない(腐りやすく、曲がりやすい)と伐採され、代わりにヒノキやスギが日本の山野には多く植林されました。ブナ林とヒノキ林の違いは、時間がたった今、顕著に現れています。
【台風災害後のヒノキ林地帯】
【同じ散策路のブナ林地帯】
材木としては役に立たないといわれたブナですが、今は「森の女王」と呼ばれます。大量の落ち葉で豊かな土壌を作り、そこに植物が多く根を張ることで土砂崩れを防止したり、ブナ林全体が高い保水力を持って森のダムとなり、山全体の環境を守っていたりもします。
5月という芽吹きの季節に、ブナ林での森林浴は最高に気持ちが良いですよ。
【ブナ林】
頭上だけでなく、足元にも目を向けると。
素敵な花たちもこの季節、箱根で咲いています。
【コイワザクラ】
【チゴユリ】
ぜひ来年にはブナの新緑やこの花たちを五感で味わってもらえますように。
今はSTAYHOME、写真で癒されてください。
箱根では現在も、公共の駐車場がほぼ閉鎖されています。
期間は5月31日までですが、場合によっては延長もありえます。
ご注意下さい。
「湖尻」にある箱根ビジターセンターHP →http://hakonevc.sunnyday.jp/
今後の親しむ運動イベント情報 →http://hakonevc.sunnyday.jp/shitashimuundou.html
はじめまして。
5月から小笠原自然保護官事務所でアクティブレンジャーとして働いています、近藤です。
小笠原には初めて来ました。父島に来て1ヶ月が経とうとしていますが、
通勤途中にバスの車内から見る、ボニンブルーに輝く海や夕日の美しさに日々癒やされています。
山登りにも動植物にも初心者で日々勉強中ですが、このアクティブレンジャー日記を通じて、
小笠原の魅力をたくさん発信していきたいと思います。
早速ですが、この写真は何をしているところでしょうか?
正解は、プラナリア対策のために靴底にお酢をかけているところ、です。
プラナリアのなかでも、特定外来生物である"ニューギニアヤリガタリクウズムシ"は
父島のほぼ全域に侵入しており、陸産貝類(カタツムリ)を捕食しています。
父島はプラナリアによる壊滅的な被害を受け、現在では南部のごく限られた地域でしか
固有の陸産貝類が確認されなくなってしまいました。
プラナリアはお酢やアルコールなどで死滅させる事ができます。
なので、現場に持って行く履物は毎回きれいに土や泥を洗い落とし、お酢をかけてから出発します。
少し手間がかかりますが、世界中で小笠原にしか生息しない陸産貝類を守るため、
と考えれば絶対に手は抜けませんね。
ちなみに私は最初この作業を見たとき、
靴にお酢をかけるなんてすごく足が臭くなりそう・・・と思ってしまいました。
ですが、これから現場に行く中で何回も行うことになる作業なので、
歯磨きみたいにやらないと気持ち悪い!と思うようになることでしょう。
せっかくの初更新が靴の写真だけというのも寂しいので、
先日の視察で出会った動物たちやきれいな風景もご覧ください。
【南島 扇池】
【ジニービーチ】
【スジヒメカタゾウムシの一種】
【カツオドリ】
外出自粛が続いていますが、この写真で少しでも小笠原の雰囲気を感じていただけたら幸いです。