ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2020年12月 8日

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2020年12月08日西口登山口から夜叉神峠へ

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1127日、夜叉神峠にニホンジカの食害状況確認に行ってきました。普段の夜叉神峠の巡視は夜叉神峠登山口(夜叉神ヒュッテ前)ですが、今回は夜叉神峠西口登山口から入山しました。

西口登山道の入口は山梨交通のバス停が設けられており、マイカー規制中は途中下車ができます。山頂まで約1時間。夜叉神峠登山口と同様、危険箇所は特にありませんが、マーキングが少なく、分岐など分かりづらい場所があります。歩き始めからトラバース道までの傾斜が若干きついですが、登山者が少ないため、静かな山歩きを楽しめます。山頂付近にはカラマツ林が広がっており、紅葉の時期はきっと綺麗なハズ!¨メインルートとは違う登山道で夜叉神峠に行ってみたい!¨という方におすすめです。

歩き始めて15分ほどで食害が多く見られるようになってきました。樹皮剥ぎや植物の先が食べられており、生育しているササの背はとても低い状況でした。

ニホンジカの簡単な痕跡調査として「糞がどれだけ落ちているか」を調べる方法があります。けもの道もよく見かけられますが、ニホンジカ以外の動物が利用している可能性もあり、利用しているかどうかの判断は難しくなります。

西口登山道は夜叉神峠登山口に比べて登山者が少ないためか、シカが警戒していないようで糞があちこちに落ちており、利用している場所が多いようでした。登山道上に糞が落ちている場所もあり、人間が利用する場所との区別が全くなく、気味が悪く感じました。

落ちている糞の色によって、排泄時間のおおよそを推定できます。排泄されてから時間が経つにつれて真緑色、茶色、黒と徐々に色が変化します。

写真左は乾燥しているため黒く、写真右は比較的新しいため水分を含んだ茶色っぽくなっていることから、排泄時間に差があることが分かります。山林内に落ちている糞ですが、よく見ると個体の生活が見えてくるので面白いです。(衛生的な問題もあるので、手にとっての観察はおすすめしません。)

この日の夜叉神峠からの景色は真っ白で何も見えず・・・。平日だったこともあり、登山者も2~3人程度でした。

20201127日撮影)

撮影日から約10日が経ちます。夜叉神峠から見る白峰三山は白くなっているのでしょうか。次回の巡視の楽しみにとっておこうと思います♪

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