ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年2月

14件の記事があります。

2021年02月28日【那須】 冬那須

日光国立公園 那須 善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

今回は冬の那須の姿を紹介します。

どのくらい寒いの?

雪はどうなの?

山は登れるの?

行くとこあるの?

那須は栃木県北部に位置しています。

茶臼岳を代表とした那須連山の裾野が広大な那須野ヶ原となっています。

那須管理官事務所は那須連山およびそれに連なる甲子地域を管理しています。

さらに南西に位置する塩原地域も那須管理官事務所の担当です。

甲子地域は福島県ですので、那須は関東と東北の境となります。

那須連山に登ると、北西方向には会津の町を間近に望むことができます。

<黒磯方面から望む那須連山>

那須管理官事務所(那須高原ビジターセンターの2階)は那須連山の東南麓にあり、

那須連山を間近に仰ぎ見る位置にあります。

<那須高原ビジターセンター(那須管理官事務所)と茶臼岳>

写真は2月撮影です。

雪は毎日のように降ったり、ちらついたりします。

積雪量は少ないですが、雪質はとても良く、パウダースノーとか、

アスピリンスノーなどというのでしょうか、寝転がっても濡れません。

強風がしばしば吹くので、雪が飛んでいってなくなったりします。

事務所の標高は900m近くあり、冬の朝の気温は基本的に零下と言っていいでしょう。

雪は積もっても天気になれば溶けてしまいますので、

事務所周辺は永く雪に埋もれることはありません。

しかし茶臼岳方面へ登って行くと、辺りは見る見る雪国になります。

数百メートル行けば積雪量の変化が実感でき、天気も変わります。

<茶臼岳の山頂は雪雲に覆われている-ビジターセンターより>

冬の間、多くの日はこんな感じ・・・

ビジターセンター(那須管理官事務所)は晴れていても、

山へ向かうと雪が舞い、やがてしっかり降ってきます。

もちろんスタッドレスタイヤでなければ走れません。

大丸園地から先の道路は、冬季は閉鎖されています。

12月中旬から3月下旬は、那須ロープウェイは運行していません。

冬の間那須の登山は、熟練した登山者のみにお任せです。

では冬の那須ではすることがないのか?

いえいえ、そんなことはありません。

え? 温泉・・・

それもそうですが、

それだけではありません。

雪の降った後、これが楽しみです。

<那須高原ビジターセンター駐車場>

色々な動物の足跡!!! ❤

動物が通った後を、アニマルトラックといいます。

そしてその後をたどって、彼らの生活を垣間見ることを

アニマルトラッキングといいます。

もちろん野生動物そのものを直に見たいですが、

このアニマルトラッキングもなかなか楽しいものです。

まず、誰の足跡なのか?

キツネ です。

このキツネはどう歩いた?

キツネは4本足だが、・・・・。

二足歩行? (※1)

こ、これは何だ!!??

リス です。

この足跡は、1本の木の下からはじまり、

ある場所で忽然と消えていました。

そこからどんな行動をとったのでしょうか???

いたー !!!


私は、テン と信じています❤❤❤

簡単なように思えますが、何の足跡なのか判断するのは結構難しいです。

何本指か? (※2)

爪の跡はあるか? (※3)

大きさは?

これらがヒントになります。

また、点々と続く足跡、どちらの方向に向かっているのか?

これは意外に難しいのです。

でも、野生動物がそこで何をしていたのかを想像することは

知的好奇心をかき立てます。

那須の雪は粉雪で濡れませんので、雪原での活動も楽しくできます。

那須では雪原でのアクティビティとして、

スノーシューやファットバイクなども用意されています。

これらと合わせてのアニマルトラッキングも良いでしょう。

どうぞ、この深遠な世界に入ってみましょう。

※1 動物は前足の足跡に後足を重ねるので、二足歩行に見えます。

※2 ネコ科は5本指(の足跡)、イヌ科は4本指(の足跡)。

     意外に了解していませんよね。 

   テンなどのイタチ科は5本指(の足跡)

※3 ネコは爪を引っ込めることができるので、爪の跡がつかないが、

   イヌは爪を引っ込めないので、爪の跡がつく。

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2021年02月26日夜叉神峠へセンサーカメラのメンテナンスに行ってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

2月中旬、12月に設置した夜叉神峠のセンサーカメラのメンテナンスを行いました。(設置の様子はこちら!)

今回は5基中3基のセンサーカメラで12月22日の設置から約2ヶ月の間で撮影できたニホンジカたちを紹介します。

下見の段階で最も多くの痕跡が見られた場所に設置したカメラには4~5頭ほどのメスや今年度生まれたと思われる身体の小さな個体が写っていました。この群れは頻繁に撮影されており、人間で言う、通勤路状態でした。

ピントが合わないくらいの猛スピードで走り去る姿やカメラ目線でひょっこりしている姿。撮影された写真はニホンジカの「素」を見ることができて面白いです。

中でも我々が驚いた写真はこちらです。

雪の上を歩くニホンジカ。奥にはササを食べている?個体も写っています。一見、驚くような写真ではないですよね。この写真の何に驚いたかというと、撮影時刻が「2021/2/19 9:55」。このセンサーカメラのメンテナンスを行ったのが「2021/2/19 13:00」。 ・・・!約3時間前に撮影できていたことになります。この時期も夜叉神峠周辺でニホンジカが生息しているということを改めて、確認できました!撮影していた955、我々は深い雪に足をとられながらセンサーカメラを必死に探していました・・・

3基の合計撮影枚数は1227枚!ただ、センサーカメラはニホンジカだけでなく、雪の粒や風で揺れた草木にも反応してしまいます。データを確認したところ、ニホンジカを撮影できていたのは半分ほどでした。上記にもありますが、撮影されていた個体の多くはメスで、設置後は頻繁に撮影されていましたが、1月中旬にまとまった降雪があり、それ以降ぱったり撮影されなくなりました。積雪がある場所は生活しづらいためか、足跡やフンの痕跡も確認できませんでした。雪深い場所はヒトが歩いても股下まで埋まってしまうほどの積雪量でした。3月には残りの2基のメンテナンスを行う予定です。2基の状況も追ってお伝えしたいと思います。

メンテナンスを行ったこの日は、この時期にしては暖かく、風もなく、巡視日和でした。

白峰三山も真っ白になり、ようやく冬らしくなってきました。真っ白な白峰三山は雄大で美しく、見ていてうっとりします。冬の標高約1,800メートルは下界に比べて寒いですが、澄んだ空気の中で、美しい景色を堪能することができます。

◆ ◇ 夜叉神峠・鳳凰三山の登山を計画されている方へ ◇ ◆

2月に入ってからまとまった降雪が何度かありました。また、気温が低い日、高い日が繰り返しており、登山道の一部は分厚く凍結しています。今後もまとまった降雪や凍結が予想されるため、状況に応じてわかんじきやスノーシュー、アイゼン等の足回り装備を携帯してください。

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2021年02月25日冬の西臼塚と白糸の滝

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部と申します。

2月より富士箱根伊豆のアクティブレンジャーに就任いたしました。これから地元でもある静岡県で、富士箱根伊豆国立公園の魅力を発信していけたらと思います。どうぞよろしくお願いします。

ここのところ暖かい日が続き河津桜も満開とのニュースが届きました。各地で春一番も吹き春ももうすぐかなと思いきや、また寒くなる予報ですね。沼津は雪が降ることは滅多にないようですが、風がものすごく強く、同じ静岡県内から引っ越してきましたが風の強さに毎日びっくりしています。

今回は、富士山周辺を巡ってきました。

【西臼塚】

ミツマタと富士山

西臼塚は富士宮口五合目へつながる富士山スカイライン周遊区間の途中にある、小さな側火山です。冬は葉が落ちているので、周りの山の景色を見るにはもってこいの季節ですね。上の写真の植物はミツマタです。枝が三つに分かれるところから名前の由来が来ていますが、ミツマタは紙幣や和紙の材料としても使われています。もう少しで黄色のきれいな花を咲かせてくれそうです。

西臼塚にはブナ、ミズナラ、カエデなどの落葉樹の森も広がっています。現在ブナ広場方面などに通り抜けする道は通ることができませんが、それでも落葉樹の森が十分楽しめます。ブナの新緑の頃に訪れると、緑がきれいでしょうね!熊の出没注意の看板が至る所にあり、目撃情報もあるので熊鈴やラジオを携帯するなど対策は万全にされてからお出かけください。

「富士山自然休養林ハイキングマップ」http://www.kyuyorin.jp/

(西臼塚はLコースになります)

西臼塚山頂のご神木 ミズナラの木

【白糸の滝】

幾つもの滝が岩壁から流れ出てる様子が写真からご覧いただけるかと思いますが、実は白糸の滝は層の境目からわき出している富士山からの湧水なんです。岩壁には2つの異なる層があり、上の層は水をよく通す層、下の層は水を通さない層で、その境目の岩壁からわき出している水が白糸の滝になります。その数は大小合わせると数百にもなるのだそう。国の名勝及び天然記念物に指定されているというのも納得できますね。車いすの方でも楽しんでいただけるように白糸の滝が望める展望台や、スロープもあります。

            

     富士山を望むスロープ            滝見橋の展望台から

白糸の滝を見ることのできる展望台は全部で3つあります。どこから見る白糸の滝もまた違った角度から見られるのですが、個人的には富士山と白糸の滝が一緒に見える展望台が写真スポットとしてオススメです。そこからの富士山と白糸の滝は、富士山がある風景100選に選ばれています。

「関東地方環境事務所 富士箱根伊豆国立公園 富士山がある風景100選ページ」http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

富士山と白糸の滝 

写真好きな方なら季節を変えて、四季折々の白糸の滝を撮ってみるのもよいかもしれません。滝に日が当たるお昼頃の時間に行くのがオススメです。2020年に富士宮市が園地の整備を行っており、ゆったりと自然を楽しみながら休憩できるスポットもあります。ちょっとしたお散歩でもリフレッシュできますよ。

2020年きれいに整備された富士山・白糸ノ滝テラス

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2021年02月24日【那須】冬、夜、森を歩く

日光国立公園 那須 菅野敬雅

 みなさんこんにちは!

 日光国立公園 那須管理官事務所の菅野です。

 先日、那須平成の森にて地元の宿泊施設の方等を対象とした『星空観望会とナイトスノーシューハイキング』のモニターツアーが行われました。

 私も記録兼補助係として参加してまいりましたので、その様子をお届けしたいと思います。

■星空観望会

 はじめに、ウッドデッキで星空観望。

 今回はイヤフォンガイドを用いたレクチャーが試みられました。那須平成の森のインタープリター(自然と人との橋渡し役のこと)による星空のお話が、送信機を通して参加者が装着するイヤフォンに届きます。

▲イヤフォン装着状況

▲当日の星空。オリオン座も写っています(クリックで拡大)

 天候に恵まれ、上空には満点の星空が広がっていました(写真で表現しきれず心苦しいですが...)。耳元から聞こえるインタープリターの穏やかな語り口に、参加者も集中して聞き入っているようでした。

■ナイトスノーシュー

 つづいて、真っ暗な森の中をスノーシューで散策します。

▲はじめに明るい館内でスノーシューの履き方を教わります。

 外でスノーシューを履き、明かりをつけずに雪の積もった森の歩道を歩いていきます。カメラで撮影してもただ真っ黒な写真が撮れるだけでしたが、暗闇に段々と慣れてくるにつれ、「明るい雪」に対して「暗い樹木」というように、明暗差で周囲の様子がわかるようになってきました。動物の目はよくできていますね。そして何より、見上げると木々の影から覗く星空が一段ときれいでした。星が瞬くとはこのことか、と実感させられます。

 視覚情報が減ったことで、他の感覚が鋭くなることも感じられました。暗闇の中、足元に雪があることだけは見てわかりますが、スノーシューで踏んでみて初めて「今日はさらさらした雪質なんだな」と足裏から感じ取れ、触覚が鋭くなっていることにはっとさせられました。

 散策するだけでなく、ろうそくを使った視覚の実験や一人で森の中を過ごすソロ体験を通して、冬の夜の森をたっぷり体感することができました。終わった後に参加者のお話を聞くと、「森に棲む動物たちに思いを馳せられた」、「途中ぶわっと強く吹いた風が木々の上空を通り過ぎていくのが感じられた」、「ほかの参加者の人影がまるで"雪男"のように見えた」など、実に様々な感想があったことが印象的で、人それぞれに異なる感性が刺激されたようでした。

▲散策から帰ってきました。フィールドセンターの明かりが目に入ったとき、大きな安心感を抱きました。自然への"おそれ"を感じられることも夜のプログラムの魅力かもしれません。

■お茶とお菓子のおもてなし

 散策から戻りフィールドセンターに入った途端、館内に充満する香ばしいコーヒーの香りが身体の中にすーっと入ってきました。プログラムの最後には、国際バリスタによる淹れたてのコーヒーと那須町のパティシエによるスイーツが振舞われました。寒い外気で冷やされた体によく沁みます。どうやら嗅覚と味覚も鋭くなっていたようです。

 

▲淹れたての熱々のコーヒーのふるまい

 五感が刺激される大満足の体験でした。参加者の方々からもご好評をいただきました!

 今回のモニターツアーを踏まえ、来年度以降の本格的な実施に向けて準備が進められます。また、那須平成の森では通常のナイトスノーシュープログラムもありますので、みなさんもぜひ参加されてみてはいかがでしょうか。

●那須平成の森HP●

https://nasuheisei-f.jp/

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2021年02月22日【富士山がある風景100選】(富士山地域)どの場所で見る『富士山』が好きですか?

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

ここ数日風の強い日が続いて庭で育てている植物の鉢が飛ばされていないか心配ばかりしています。外に出したまま植木を守るいい風対策があったら教えて欲しいです。

先日、富士山地域の巡視に行ってきました。富士山周辺を巡視した時、場所によって富士山の見え方が違い面白かったので、富士箱根伊豆国立公園指定80周年を記念して国立公園内および周辺地域の代表的な眺望地を選定した"富士山がある風景100選"(以下、"100選")の選定場所でいくつかご紹介したいと思います。

まずは「田貫湖」です。毎年4月と8月の約1週間、条件を満たした日にダイヤモンド富士が見られる場所としても有名な田貫湖は、周回歩道が整備されていて富士山を見ながらお散歩が楽しめます。田貫湖から富士山までの直線距離は約15㎞でとっても近いです。風がなく湖面に波が立っていなければ逆さ富士を見る事ができます。雲や太陽の高さなどによって表情を変える幻想的な風景が見られる場所です。


【 ダイヤモンド富士(田貫湖周回歩道より撮影) 】


【 逆さ富士(田貫湖展望デッキより撮影) 】

次は「朝霧さわやかパーキング」です。国道139号線の静岡県と山梨県の県境付近にあるこのパーキングからは、開けた牧草地の目の前に圧倒的存在感の富士山を見る事が出来ます。時間帯によっては牛が草を食む姿や、のんびりくつろぐ姿の後ろに富士山といった風景を見ることも。トイレも完備されたパーキングですので、雄大な富士山を眺めながらの休憩におすすめです。大沢崩れや富士山頂の測候所が肉眼で確認出来ます。昨年の12月末はまだ富士山に雪がなく遠くからでは見る事の出来ない荒々しい山肌に圧倒されました。


【 積雪のない富士山(2020/12/23撮影) 】

最後は「西臼塚駐車場」です。西臼塚は富士山周辺ある寄生火山や側火山と呼ばれる場所の1つで、周辺の桜や紅葉が美しく、ハイキングコースがあり火口の縁まで行く事が出来ます。(現在火口の縁まで行けますが、ハイキングコース内に立入禁止箇所がありますのでご注意下さい。)富士山スカイラインの富士宮口五合目入口にほど近いこの場所は、本当に富士山の近くでしか見る事の出来ない姿の富士山を見る事が出来ます。

【 西臼塚駐車場より撮影 】

写真を見て、いかがでしょうか?いつもと変わらない富士山だと思った方は、写真を全体的にもう一度眺めてみて下さい。写真中央の右の方に雪をかぶった膨らみがあると思います。富士山本体から離れて見えているのでピンとこなかった方が多いかもしれませんが、その膨らみが宝永山です。近くで見るとかなり離れています。

【 伊豆スカイラインの滝知山展望台より撮影 】

上の写真は富士宮市内からではなく、宝永山を正面から見る事の出来る"100選"の選定場所の1つ静岡県熱海市にある「伊豆スカイライン滝知山展望台」から撮影した富士山です。正面から見ると富士山本体と一体化しているように見えます。


【 "富士山がある風景100選"(富士山西麓・南麓位置図抜粋) 】

同じ富士宮市内でも、富士山麓をぐるっと回ると場所によって富士山の見え方が全然違い、色々な場所から見比べてみたくなりました。イラストで見る富士山ともまた違った印象の富士山もあったと思います。みなさんはどの場所で見る富士山が好きですか?これから春になり富士山と桜の共演も楽しみですね。「2月23日は富士山の日」です。どんなことでもいいので富士山の事を考えたり、知ってもらえたら嬉しいです。

++++++"富士山がある風景100選"とは ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

富士箱根伊豆国立公園指定80周年記念事業の一環として、国立公園内と周辺地域の代表的な富士山の展望地を"富士山がある風景100"として選定しました。
その他の選定地などの情報につきましては環境省関東地方環境事務所のページをご覧下さい。

http://kanto.env.go.jp/pre_2017/80_1.html

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html

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2021年02月17日奥日光のこのごろ!

日光国立公園 大森健男

 皆様こんにちは!日光国立公園管理事務所ARの大森です。

 2月の奥日光は、雪が降ったり暖かくなったり、時には地吹雪がまったりと目まぐるしく変わり、気温の変化もいろいろです。

 このような時期の奥日光の自然や冬の楽しみ方をご紹介します。

 中禅寺湖から見るまっ白な「日光白根山」

◇中禅寺湖畔

 冬は激しい風が吹き荒れ湖面に白波が立つ日が多いのですが、ふと風が吹かない日が訪れます。このような日は、湖面が鏡のようになり思わず足を止めて湖面を見入ってしまいます。

 湖面に映った「半月山」・・手前は湖畔プロムナード

 

 半月山は中禅寺湖南岸に位置し、春にはアカヤシオのピンクの花が咲き、男体山と中禅寺湖が一緒に望めるビュースポットです。半月山周辺は、地質的には奥日光ではもっとも古く後期白亜紀から古第三紀の地質だそうです。足元を見ると・・恐竜がいたころの地質と思うと考え深いです・・そんなことを思いながらのグリーンシーズンのハイキングも楽しそうですね!

 

◇三本松駐車場

 冬季オープンしている駐車場で公衆トイレもあります。クロスカントリースキーやスノーシューのレンタルもあります。

 バードウオッチングにはおすすめの場所です。去年の夏はズミの当たり年だったのでズミの実をついばむヒレンジャクなどの群れも見られることもあります。

 三本松駐車場とバードウオッチング

◇光徳駐車場周辺

 光徳はクロスカントリースキーやスノーシューで楽しむ方も多いところです。静かな雪の光徳沼や牧場などを散策するのも楽しいですね!

クロスカントリーを楽しむ人たち

 幼稚園生の雪遊び・・斜面を滑り降りて・・楽しみ方はいろいろです。

◇湯元スノシューコース

 湯元は積雪量もあり、パウダースノーの中を歩けることが魅力です。3つのスノーシューコースが整備され、それぞれコース標識にそって自分のペースで歩くといろいろな発見があると思います。

「金精の森」コース

コース案内板が要所に設置されています。「小峠コース」と「石楠花平コース」の分岐。

 スノーシューなどのレンタルは日光湯元ビジターセンターで。こちらではコースの情報や冬の楽しみ方のアドバイスもあります。

※日光湯元ビジターセンター & コース案内図

http://www.nikkoyumoto-vc.com/hiking/winter.html

 雪の季節に訪れることのできる蓼の湖(たでのうみ)・・神秘的です。

 まだまだ寒い季節が続きます。風が強いと見通しが悪くなる時もあります。冬の奥日光を楽しむには、十分な装備と暖かい服装で、時間に余裕をもってお越しいただくのが一番です。

 また、奥日光へ行かずにも日光が楽しめる耳寄りな情報です。

 現在、宇都宮市にある栃木県立博物館で「ちょっとディープな日光の自然ガイド」と題した、企画展が3月28日(日)まで開催されています。名前のとおり奥日光の自然の魅力をわかりやすく深く紹介しています。   詳細は下記のとおりです。

http://www.muse.pref.tochigi.lg.jp/exhibition/kikaku/20210116nikko/index.html

「ちょっとディープな日光の自然ガイド」企画展

          ・・・奥日光の動物たちが一斉に出迎えてくれます。

 とてもまとまった展示内容(ちょっとディープなところもありますが)です。一見の価値はあります。

展示内容が集約されているガイドブック(図録)も販売されているようですので、興味のある方はぜひ一読して奥日光に出向かれると新たな発見があるでしょう!

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2021年02月16日南アルプスを上から見ると・・・?③

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

これまでに引き続き、『南アルプスを上から見ると・・・?』シリーズ、今回は聖岳です。

聖岳は南アルプス山域の中で最も南に位置する3,000メートル峰です。登りながら見る聖岳もかっこいいですが、空から見る聖岳はかっこよさ増し増しです!どっしりとした山体に荒々しさが感じられる聖岳、わたしは大好きです。初めて小聖岳から聖岳を目にしたときは、¨頂上までどこを歩くの?¨と思うほど、ザレザレの斜面を歩きました。

上河内岳から聖岳へ向かう途中に薊畑(あざみばた)という場所があります。訪れたことがある方はご存知かと思いますが、この場所では防鹿柵や伏工などのニホンジカ対策が行われています。

薊畑は南アルプス山域の中で1番最初に防鹿柵が設置されたところです。昔、この場所にはニッコウキスゲの大群落がありましたが、ニホンジカの食外により消滅。防鹿柵を設置し、今では株数が徐々に増えています。

設置した柵の効果は一目瞭然!!

柵の外側では花がほとんどなく草丈も低い状態ですが、柵の内側では高山植物が花をつけ、草丈も高くなっています。植生調査では、柵の内側と外側で、植物の種類や量が異なることが明らかになっています。防鹿柵設置などの作業は南アルプスで活動するボランティアの方々が主体となっています。たくさんの方のおかげで南アルプスの豊かな自然が守られていると思うと、嬉しくなりますし、感謝の気持ちでいっぱいです。

わたしが聖岳周辺の魅力としてお伝えしたいのが、赤石岳に続く縦走路です。聖岳から兎岳、中盛丸山と続きます。兎岳も中盛丸山もあまり大きく目立ちませんが、アップダウンがあり、南アルプスの山深さ、雄大さが感じられます。


ライチョウの生息地になっており、運が良いと見られるかもしれません。また、たくさんの高山植物が咲くほか、登山道脇の岩場に赤色チャートの岩盤露出地があります。聖岳から赤石岳の縦走路へはピンポイントに登山道がないので、長時間の歩行が必須になります。宿泊を伴う山行になりますが、その山行で得られる感動は大きいと思います。時間を作ってぜひ、登ってみてください。

次回は赤石岳についてお伝えします。

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2021年02月10日トキの死亡確認

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

全国的に雪の多い冬ですが、佐渡もたびたび大雪に見舞われ、野生下のトキたちには厳しい状況が続いています。

この冬、これまでに12月から1月にかけて計3個体の死体が発見されました。このうち2羽は積雪の影響で衰弱死した可能性が示されています。

過去3年間では、2017年度の冬期には13羽、2018年度には26羽、2019年度には32羽のトキが死亡したと推定しています。厳しい冬を乗り越えるのはトキにとって容易なことではないのでしょう。

佐渡の野生下には推定442羽のトキが暮らしています。トキの個体数が増えると、残念ながら、死亡してしまうトキの数も増えてしまいます。

今回は、野生下のトキの死亡確認がどのように行われているのかを解説します。

野生下のトキの死体は、主に「市民からの連絡」によって発見されます。また、一部の放鳥トキには行動を把握するためにGPS発信器が装着されており、トキの位置情報をもとにして発見される場合もあります※。このような時は、私たち職員が現場へ向かい、状況を確認し、死体を回収します。

※トキの位置情報や体温などをパソコンなどの端末から職員が確認することができます。トキは日中餌を探して移動したり林で休んだりしますが、GPSの位置情報が1日以上動かない時や体温が極端に下がっている時は、発信器が何らかの理由で外れたか、発信器を装着したトキが死んでいることが考えられます。

<GPS発信器を装着された放鳥トキ>

■回収現場でわかること

トキの死体や死亡した環境を確認することで、死因を推定できる場合があります。たとえば水田で発見され、死体の頭や胸に穴が開き、大量の出血がある場合、猛禽の爪が刺さってできたと考えられ、採餌中に天敵に襲われたと推定できます。また、死体が見つからなかったとしても、落ちている羽などから個体を特定できる場合があります。トキの死体や死体回収現場には多くの情報が残されています。

<現場に落ちていたトキの羽。死亡確認の現場には、しばしば羽が散乱しています。この羽の先には、赤いマーカーが着色されており、羽の新鮮さや着色されている羽の部位から、2020年9月に放鳥された個体のものだと推定できます。>

<林床に残っていたトキの骨の一部。薄いピンク色をしていることでトキの骨だと分かります。回収後、獣医師に確認いただき、トキの骨と判断しました。細かく砕けていることから、骨を噛み砕くことができるほ乳類にも捕食されたと推定されます。>

■解剖によってわかること

死体を回収できた場合、必要に応じて鳥インフルエンザの検査を実施し陰性を確認した後に、佐渡トキ保護センターの獣医師が検死・解剖を行い、体内外の損傷、病気の有無、胃内容物などを詳しく調べます。

実際の例として、池のほとりで回収された目立った外傷のないトキの死体を解剖した結果、肺に水がたまっていたことが分かり、溺死と判断されました。なかには、解剖したら食道に大きなドジョウが詰まっていて、ドジョウの誤嚥で窒息死したと判断されたトキもいました。

トキの体内に残された餌を調べることで、季節ごとの餌生物の種類、採餌環境等が分かります。トキが何を食べているのかは観察だけでは特定することが非常に難しいため、死体を解剖して得られる情報は大変貴重です。

胃内容物の調査が思わぬ発見をもたらす場合もあります。2018年に死亡したトキのヒナの胃内容物を新潟大学の岸本准教授が分析した結果、佐渡では何十年も前の採取記録しか残されていないアカマダラハナムグリという昆虫が確認されました。アカマダラハナムグリの近年の佐渡での生息が明らかにされた事例です。


モニタリングや胃内容物の調査などにより、トキは100種以上の生物を採餌していることが確認されています。

<2021/1/2に死亡を確認した放鳥トキの胃内容物。吹雪が続く中、タニシやガガンボの幼虫を食べて命をつないでいたようです。>

こうした解剖に加え、捕食者を特定するためのDNA鑑定を行う場合があります。昨年の繁殖期に巣内で死亡したトキのヒナの傷口や体表面から唾液サンプルを採取し、DNA鑑定を行った結果、肉食獣のテンのDNAが検出されました。これにより、テンが野生下のトキのヒナを捕食したことが判明しました。

<トキのヒナの死体から獣医師がサンプルを採取する様子>

トキの死亡確認は、悲しい現実ではありますが、死してなおトキたちが教えてくれる多くの情報を可能な限り拾い集め、今後のトキ野生復帰の取組に活かしていきます。

市民の皆様からご連絡いただいた情報が、多くの発見につながっています。心から御礼申し上げます。

<トキの死体を見つけたら>

環境省佐渡自然保護官事務所へご連絡ください。

電話:0259-22-3372

E-mail:RO-SADO2@env.go.jp

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2021年02月10日アクティブ・レンジャー写真展開催中です in 富士吉田市民会館<富士五湖エリア>

富士箱根伊豆国立公園 小西 美緒

こんにちは。富士五湖の小西です。

積もるほどの雪はひと冬に数回程度しかない富士五湖ですが、先月末は週に2度雪が降りました。かと思えば、先週は暖かな日が続き、富士山での雪崩注意報が発令されました。まさに三寒四温で、まだまだ寒いですが春が近づいてきている気持ちになりました。

降雪翌日の富士山@三ツ峠(1月29日)

新型コロナウィルスの影響でスタートが9月に遅れたアクティブ・レンジャー写真展ですが、現在、富士五湖管内の地元の方々の文化活動の拠点となっている富士吉田市民会館の図書館前スペースで開催中です。一人でも多くの方に見ていただけたら嬉しいです。

<開催期間>2021年2月3日 ~ 2月25日 9:00 ~ 18:00
<場  所>富士吉田市民会館1階図書館入口前スペース(山梨県富士吉田市緑ケ丘2-5-23)
 アクセス方法はこちら  http://www.mfi.or.jp/fcpa/access.htm
 写真展の詳細についてはこちら http://kanto.env.go.jp/to_2021/2020_10.html

富士五湖からの今年度の作品は下記の2点です。

2019年2月12日@山中湖パノラマ台付近

神奈川県との県境である三国峠から下ってきて視界が開けると広がるこの景色は、何度見ても「お~!」となる私の大好きな景色です。富士山と山中湖越しの南アルプスが一度に望めるとはなんとも贅沢ですよね。

この景色とアップダウンの多い道路ということで東京オリンピックの自転車競技のルートにも選ばれています!TVを通して世界中のオリンピック観戦者に届くと思うと、とても誇らくなり題材として選びました。
新型コロナウイルスが終息して、この風景が実際に世界に見てもらえることを願っています。

2019年8月6日撮影@御中道

こちらは夏の富士山御中道を巡視中の出会いの一コマです。(本当は構図違いの別の写真を提出する予定でしたが、間違ってこちらを出してしまいました。少しピントがあっていないのはご愛敬ということでお許しください・・・。)すぐ近くで忙しそうに蜜を吸っているアサギマダラと満開のハクサンシャクナゲに見入ってしまいました。どちらも富士山で会うのが毎年楽しみです。

撮影した御中道はアップダウンが少なく、夏でも人も少なく、山頂までの登山道とは異なる雰囲気の林や植物が楽しめるイチオシの歩道です。今年度、解説板の整備も完了し、富士山への理解を深めながらのハイキングができるようになりました。現在は冬期閉鎖中ですが、ゴールデンウィーク頃には開通しますので是非歩いてみてください。


ほかのアクティブ・レンジャーの作品を見ていると、関東地方環境事務所管内の国立公園、鳥獣保護区は海に山に湿原に、、、、と本当にバラエティに富んでいると毎回実感します。いまは旅行が難しい状況ですが、写真を見てお気に入りの場所を見つけていただき、気兼ねなく出かけられるようになったあかつきには是非遊びに出かけてください!

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2021年02月09日仙石原湿原植生復元区火入れ(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 山口光子

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

仙石原湿原にある箱根湿生花園で実施された、「植生復元区火入れ」作業に参加をしてきました。箱根町が取り組む湿原性植物の保全活動の一環です。

【平成元年から実施しており、今年で32回目の火入れ作業でした。】

この取り組みは、夏に生い茂ったヨシやススキなどの枯草や、その中に隠れて成長したハンノキなどの樹木の幼木を、火をつけて燃やし、取り除く作業です。これらがその場にあり続けると、湿原は次第に森林へ変化していきます(遷移といいます)。そのため、仙石原湿原の維持にはこの火入れ作業が重要とされています。

ただ火をつけるだけの簡単な作業ではなく、その日の風向きを考えながら、あるいは燃えてはいけないところに火が付かないように十分気を付けながら、箱根湿生花園の職員の皆さんが真剣に作業に取り組んでいました。

実際に火入れ作業を手伝わせていただきましたが、顔が熱い!そして、意外と燃えません!

雨などを含んでいると、燃えにくいようです。火の様子を常に伺いながら進める、緊張感のある作業でした。

【事前に周辺への放水作業を行い、火事の防止に努めています。】

この枯草に火を付けるという作業が、なぜ湿原の維持につながるのか不思議に思いませんか?むしろ植物を全部燃やしてしまって、湿原性植物にも害があるのではと、考えてしまいます。しかし、今回面白い状態を確認することが出来ました。

【燃えた湿原の下の地面は、カチカチに凍ったままでした。】

今年は火入れの1週間ほど前に、雪と大寒波があり、足元の湿原も凍結した状態でしたが、火が通った後にもこの氷がほとんど解けていませんでした。このことからも火入れは、土中にほとんど影響を与えないと考えられます。

【燃え上がる炎の壁は湿原再生の第一歩です。】

【手前は火入れ終了後の湿原、奥は火入れをせずに森林化が進んだかつての湿原。】

今年も2時間ほどで無事に火入れ作業は終わりました。この状態から、次の春にどの様な湿原性植物が成長し、花開いていくのでしょうか。春が待ち遠しくなる、そんな火入れ作業でした。

今年は新型コロナウイルス感染症の拡大を防止する緊急事態宣言が発令され、2年連続で箱根の観光名所となっている仙石原ススキ草原での火入れ作業は中止されました。植生復元区のみ、関係者で火入れを行っています。仙石原ススキ草原の火入れは、通常はビジターの見学が可能です。見学してみたいと感じた皆さん、是非来年以降の実施を心待ちにしてください。そして、その作業が「湿原保全活動」であることを知っていてもらえると嬉しいです。コロナ禍も過ぎ去っていることを祈りましょう。

昨年6月のヨシ刈り作業や、植生遷移についてはこちらをどうぞ⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_「箱根仙石原湿原植物群落」保全活動(箱根地域) (env.go.jp) ※野焼きという表現が「火入れ」です。

箱根湿生花園は、神奈川県唯一の湿原「仙石原湿原」に隣接した箱根町運営の施設です。各地の湿原性植物を展示する植物園ですが、一方で仙石原湿原という特殊な地域の植生維持活動も実施し、ビジターが仙石原湿原の一部を見学できる施設です。※現在は冬季休館中です。

箱根湿生花園HP ⇒ http://hakone-shisseikaen.com/

 

※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。

http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html

 

 

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