ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2021年3月

12件の記事があります。

2021年03月31日伊豆半島のジオサイトを紹介します! 第3弾

富士箱根伊豆国立公園 下田 齋田滉大

みなさん、こんにちは。お花見の席ではやたらとシャッターを頼まれる齋田です。

最近はお子さんを笑顔にさせる技術とペットをカメラ目線にさせる技術だけが向上しています。

さて、少々日が空いてしまいましたが、これまでの日記に引き続き、富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイトをご紹介します!

■伊豆の秘境「入間千畳敷」(静岡県南伊豆町)

伊豆半島のほぼ先端部「入間(いるま)」に位置する入間千畳敷へは、入間海岸から「南伊豆歩道(吉田~入間コース)」を50分程歩くと辿り着くことが出来ます。

ちなみに、コースの入口となる入間海岸へは、最寄り駅となる伊豆急下田駅からバスに揺られること45分。バス停「入間」にて下車後、入間集落へ通じる山道を40分程歩くと到着します。

そのアクセスの困難さが物語るように、入間はまさに伊豆の秘境。大自然に囲まれた海岸からトレッキングスタートです!

コース前半には薄暗い照葉樹の森を通過しますが、遊歩道には案内標識が設置されているため、道に迷う心配はありません。林内の一本道をひたすらにもくもくと進みます。

うっそうとした森を抜けると、しだいに視界が開けていき、崖沿いを這うように整備された道が現れます。

ここまで来ると千畳敷はもう目前です。眼下に広がる海の碧を楽しみながら複雑な海岸線を進みましょう。

道中では海底火山の噴出物によって形成された火山灰の地層を見ることが出来ます。

【海岸沿いの遊歩道】

海岸線の斜面をどんどん下り、波打ち際を抜けると、いよいよ千畳敷に到着です。

なんというスケールでしょう!海岸にせり出した広い台地は畳が千畳以上も敷ける程の広さがあります。

(例によって写真からサイズ感が伝わりづらくすみません...)

海底火山時代の後に隆起と浸食を繰り返し、長い年月を経てこのような平らな岩のテラスとなりました。

【入間千畳敷】

さて、千畳敷を観察すると、古代遺跡のように規則的な凸凹がいたるところに見受けられます。

これらは全て採石の跡です。海岸沿いに「石切場跡」が多く残る伊豆半島ですが、こちらの入間千畳敷も例に漏れず、やわらかく加工しやすい「伊豆石」が盛んに切り出されました。

採石された伊豆石は、城を築城する際の石垣や倉庫、建物の基礎として昭和の初め頃まで出荷され、入間地区の小学校の通学路を作るためにも使用されました。

【石切場跡】

足元に向けていた視線を東に見上げると、薄い層が幾重にも連なった大きな山のようなものがそびえ立ちます。

こちらは三ツ石岬です。断崖の中央部に走る白い地層と緑色の植生とのコントラストが印象的ですね。

写真をよく見ると、白い縞模様の地層を断ち切るように上下にのびる黒い箇所が確認できるかと思います。

これらは「岩脈」と呼ばれ、火山灰の地層をマグマが貫入して固まったものです。

【三ツ石岬】

富士箱根伊豆国立公園伊豆半島地域で見られるジオサイト「入間千畳敷」では、伊豆半島南部を代表する様々な地層や地形を見ることが出来ます。

こちらの日記では紹介しきれない魅力もたくさんありますので、是非一度現地に足を運んでみて下さい。

大潮の干潮時にはタイドプールで磯の生物観察も楽しめますよ!生き物好きにはこちらもおすすめです。

※外出の際には、咳エチケットの徹底やソーシャルディスタンスの確保等の基本的な感染症対策に努めましょう。また、都道府県内の移動においても、各自治体のガイドライン等によく目を通し、責任ある行動を心掛けましょう。

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2021年03月30日【那須】 那須の春は小出し

善養寺聡彦

みなさま、こんにちは。 日光国立公園 那須管理官事務所の善養寺聡彦です。

風強く凍てつく冬も終わり、桜の開花など春の便りが各地で聞こえる頃となりました。

那須は?

まあ春です。

春ですが、那須の春は、ゆっくりゆっくり歩きます。

那須連山の上部(約17001900m)はしばしば雪もあり、凍っています。

那須高原ビジターセンター(那須管理官事務所 標高900m弱)周辺は、

光も空も明らかに冬とは違ってきました。

春を見つけに外に出ると、

あります あります。

巡視でよく歩く ※① 那須平成の森では、

フキノトウ 2021年3月18日撮影(平成の森)

フキは雄株と雌株があり、雌株のみに実がつくそうです。

私も今回初めて知りました。

写真は雄花のようですが、この話はなかなか難しいようですので、またいずれ・・・。

那須高原ビジターセンターの春もゆっくりです。

花木はまだまだ。

でも地面をよーく、見ると、

ハルリンドウ 2021年3月18日撮影(那須高原ビジターセンター)

毎日開いたかどうか見ていますが、

ここからなかなか伸びません。

ゆっくり、じっくり、春を感じろと言うのでしょうか。

鳥の囀りもはじまっています。

※② 那須平成の森フィールドセンターからは、

ウグイス、ミソサザイの囀り初鳴き(3月24日)の報告が入っています。

鳥の写真はなかなか写せません。

そこで代わりに、私が住んでいる那須塩原市(旧黒磯)(標高約300m)のアパートの部屋からの

鳥の写真で代用させていただきます。

ヤマガラ 2021年1月17日撮影 那須塩原市

那須では年間を通してよく見られます。

トララララララ・・・・・・。

ドラミングが聞こえます。(現在の我が家)

アカゲラ 2020424日撮影 那須塩原市

アカゲラは我が家には毎日やってきます。

那須ではドラミングはまだかな・・・。

そして先日、・・・。(我が家)

アオゲラ 2021年3月19日撮影 那須塩原市

那須の森ではしばしば鳴き声やドラミングを聞きますが、

姿は森の中ではなかなかとらえられません。

これらの鳥の囀りやドラミングは、

まだ那須高原ビジターセンターまでは届いていませんが、

これから那須連山の裾野を様々な春の便りが登って行きます。

※1 那須平成の森

 那須高原には那須御用邸があり、天皇皇后両陛下始め皇族方のご静養・ご研究の場所として管理されています。平成20年3月、そのうちの一部が宮内庁から環境省に移管され、那須平成の森と命名されました。天皇陛下(現上皇陛下)のお考えを踏まえて、国民が自然にふれあえる場として平成23年5月に開園しました。

※2 那須平成の森フィールドセンター <https://nasuheisei-f.jp/>

 那須平成の森における学びの拠点となる施設。那須平成の森の解説・展示の他、ガイドウオークなど自然観察プログラムを実施しています。

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2021年03月25日センサーカメラメンテナンス@夜叉神峠西口登山道

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

3月中旬に夜叉神峠のセンサーカメラのメンテナンスを行いました。12月に設置した5基のうち、2月に3基、今回は残り2基のメンテナンスを行いました。

設置の様子、前回メンテナンスの様子はこちら! 12月設置2月メンテ①

2月に行った夜叉神峠登山口からのメンテナンスでは積雪も多く、シカの痕跡はあまり見られませんでしたが、西口登山道は日当たりがよく積雪も少ないせいか、あちこちにフンや足跡がありました。ひどいところではヒトが歩く登山道上にも!シカ道の利用頻度も多いせいか、乾いた地面がひづめでえぐられています。

足跡やフンだけでなく、樹皮剥ぎも目立ちました。


標高はさほど変わりませんが、積雪がある・ないでこんなにも状況が変わってしまうということに愕然としました。痕跡が見られただけでなく、2~3回ほど警戒音も聞こえ、私たちの近くにいたようでした。季節問わず入山者が少ない西口登山道は、冬の時期もニホンジカの楽園状態でした。

2基の撮影枚数の合計は506枚。一部、日光による誤作動も見られましたが、撮影された写真を確認すると、今回もメスジカが多く撮影され、右の写真では、ばっちり採食している様子が撮影されました。パッと見た感じでは緑色の植物は見当たらなかったので、もしかすると落ち葉を食べていたのかもしれません。

前回設置したカメラにはニホンジカ以外の動物は撮影されていませんでしたが、今回はイノシシが撮影されていました!

これまでに夜叉神峠の巡視は何度もしていますが、イノシシそのものや、ヌタ場(体表に付いているダニなどの寄生虫や汚れを落とすために泥を浴びる場所のこと)や掘り起こし跡を見たことがなかったので、このあたりに生息していることを知り驚きました。

メンテナンス日の前日、事務所がある芦安から見る夜叉神峠方面はうっすら雪化粧。¨寒いかな~¨と思い、暖かい格好をしましたが、とても天候が良く、暑くて汗ばんでしまう事態に。

終始、白峰三山を見ながらの作業となりました。青空に白い雪が映えますね。街では桜が咲く頃ですね。南アルプスの春はまだまだ先のようです・・・♪

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2021年03月25日椿とメジロのおはなし 大島(伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 小野可蓮

鳥と花が好き!な小野可蓮と申します。

この度、2月から伊豆諸島管理官事務所で、アクティブレンジャーとして就任いたしました。

どうぞよろしくお願いします。

さて、伊豆大島といえば、何を思い浮かべますか?

やはりこれですよね!

▲ヤブツバキ

大島では、ヤブツバキ林が島のいたるところで見られるほか、椿園などでも楽しむことができます。11月から4月頃に開花します。大島ではとても身近な花です。

ヤブツバキから採れる椿油のことはみなさん御存知だと思います。

髪や肌に塗っても良し。調理油として使っても良し。他にも木製品や刀を磨くのに使えるそうです。

椿の油を採るには椿の実が必要ですよね。椿の実になる前には花が咲きます。

果たして、その椿を、花から実へと変えてくれているのはだれでしょう?

虫でしょうか?

...違います。もう少し大きい生き物です。

正解は... 

見てください!この子達です。可愛いでしょう!


▲シチトウメジロ。伊豆諸島の亜種。本土のメジロより一回り体が大きく嘴も長い。

(令和2年度在任竹下AR撮影)

そう、椿は「鳥媒花」なんです。

受粉の役割を果たすのは虫でなく鳥。

沢山の蜜を与える代わりに遠くまで花粉を運んでもらいます。

そのため、椿もメジロもお互いに頼り合えるように進化を遂げてきました。

このように2種が互いに合わせながら進化を遂げてきたことを「共進化」と呼びます。

では実際に、椿とメジロがそれぞれどのように進化してきたか、見てみましょう!

椿の花はメジロに合わせて進化したことで、赤い色、頑丈な構造、筒状に並ぶ雄しべ、豊富な

蜜量などの特徴を持ちました。

赤い色は鳥にとって見やすい色。筒状に並ぶ雄しべは、嘴を入れた時、メジロの頭に花粉がたくさん付着する役割を果たします。鳥は虫より体が大きいので呼び寄せるには多量の蜜が必要です。


▲ヤブツバキ

一方メジロは椿に合わせ、細長い嘴、軽い体重、蜜の糖を消化できる体、特殊な構造の舌などの進化をしてきました。

細長い嘴は、蜜を吸うのに適した形。体重が軽いので、ぶら下がっても花を壊すことはありません。たくさんの蜜がすくえるように、舌の先はブラシ状の特殊な構造になっています。

▲シチトウメジロとオオシマザクラ(令和2年度在任竹下AR撮影)

このように、私達が椿の恩恵を受けられるのは、鳥達のお陰だったのですね。

ちなみに、椿だけではなく、梅に杏、アロエやハイビスカスも鳥媒花です。

当たり前のように過ごしている私達の日々の生活は、想像以上に自然に支えられているということを再認識させてくれます。これからも、皆で支え合いながら生きていく方法を模索していけたら良いですよね。

次に散歩に出掛けた時は、花びらに鳥の跡が残っていないか確認してみてはいかがでしょうか


伊豆大島では例年、1月から3月にかけて「椿まつり」が開催されますが、今年は新型コロナウイルスの影響でオンラインのみでの開催となりました。

興味のある方はぜひ下のリンクを覗いてみてください。

椿まつりオンライン

https://tsubaki-online.tokyo/index.php/event

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2021年03月22日富士箱根伊豆国立公園『沼津管理官事務所』の紹介

富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子

みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。

あっという間に3月も後半ですね。最近は巡視の服装も身軽になり、気持ちがいいです。今日出勤途中にソメイヨシノが咲き始めているのを見かけました。春は旅立ちやスタートの季節ですね。桜が満開になるのを待ちわびながら、私も何か始めてみようと思います。

さて、令和2年度最後の日記は沼津管理官事務所の紹介をしたいと思います。

ご存じの方もいると思いますが、富士箱根伊豆国立公園の中には、箱根・富士五湖・下田・伊豆諸島・沼津と5つの事務所があります。沼津は富士山頂と、富士山の静岡県側、伊豆半島の北側、箱根地域の静岡県側の海から山まで広く管轄しています。よく間違われるのが、富士山の管理をしているので事務所が富士山にあると思われてか、富士山開山中に「今日の富士山の天気はどうですか?」と言う電話がかかってきたりします。(富士山の事を知りたいときは、ぜひ富士登山オフィシャルサイトで確認して下さい)

国立公園の管理をしているので自然の中に事務所があるイメージですが、沼津管理官事務所は静岡県沼津市の沼津合同庁舎の中に事務所があり、周辺にはどんなお店もあるような街の中にあります。現在、事務所にはレンジャー1名と、アクティブ・レンジャー2名が在籍しています。私は主に伊豆半島地域を担当していますが、時々、富士山地域の巡視に行くと伊豆半島とは違う魅力や発見があり、同じ沼津エリアの中でも、気温や植生、地質などが違い巡視範囲が広い大変さもありますが、伊豆半島地域、富士山地域と毎回新鮮に感じられ楽しいです。

先週、沼津管理官事務所・富士山地域担当の刑部アクティブ・レンジャーと静岡県富士宮市と山梨県の県境にある毛無山の巡視に行きましたが、山頂付近はかなり積雪がありました。ここ数日沼津市内は最高気温が20度前後の日が続いていて、伊豆半島もかなり暖かいので久しぶりの雪を見てはしゃいでしまいました。

【 毛無山山頂付近の登山道の様子 】登山道の確認をする刑部アクティブ・レンジャー

【 毛無山富士山展望台から 】パラグライダーを楽しんでいる人がいました。(クリックで拡大)

*毛無山登山は山頂付近の日当たりのいい場所は積雪が少ないですが、それ以外の場所は軽アイゼン程度は必要です。登り始めは全く雪がなく山頂付近から急に積雪がありますので、天気のいい日でも装備をお忘れなく安全登山をお願いします。

最後に今年度巡視中に見かけた虹の写真を2枚紹介します。


【 矢筈山登山道より 】正面に富士山と右下から虹(クリックで拡大)

この日は天気がコロコロと変わり一日中不安定な天気でしたが、山の面白さを感じられた1日でした。


【 白糸の滝 】丁度滝に太陽光が当たり写真右側に虹が出ていました。(クリックで拡大)

令和2年度もたくさんの巡視を行いました。コロナ禍で皆さんに「沼津地域に来て下さい。」となかなか言えない時期が続き歯がゆい気持ちでしたが、こんな時だから気がつけたこともたくさんあり自然の大切さを改めて感じた年でもありました。来年度も引き続き沼津地域の魅力をお知らせしていきたいと思いますので、楽しみにしていて下さい。

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2021年03月19日箱根白浜(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 箱根 山口光子

みなさん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

今回は、冬の芦ノ湖西岸「白浜」巡視状況をお知らせします。

【冬の白浜】

【最近ダイサギが良く現れます】

夏から秋にかけては、BBQや焚火、花火の残骸に悩まされた白浜でした。

夏の白浜についてはこちらをどうぞ⇒アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]_白浜巡視清掃 (env.go.jp)

12月に入って漁期が終わり、白浜を訪れる人は減ったようです。人に会うことが少なくなりました。このまま、春までは芦ノ湖西岸コースのハイカーが時折利用する程度で落ち着くのではと思われましたが、予想に反し、大きな変化が起こっていました。

【上:白浜一面のシカの足跡】

【左下:シカに食べられ、折れたネコヤナギ 右下:シカの毛】

シカです。

これまで箱根地域では明神が岳や仙石原湿原など、別の箇所でのシカ被害が問題となっていましたが、とうとう芦ノ湖西岸でもシカが増えているようです。

その影響により、春から夏にかけて、美しく茂る白浜のネコヤナギが食べられています。そのため、今年はネコヤナギの美しい銀色の花芽は少なそうですが、2月の末になると少量ですが、花芽が芽吹いてきました。植物はたくましいです。


【少量ですが、銀色の花芽が確認できました】

シカも必死で生きていますが、本来いなかった動物が新たに増えることは、やはり自然の状態や生物多様性に大きな変化をもたらすことを体感させられました。今、同様の出来事は、日本の各地で起きています。小さな白浜の状況については、今後も記録を継続します。

また、今年の芦ノ湖はとても水位が低いです。そのため夏と比較して、白浜の面積が広く、良かったこととしては、漂着ゴミや釣り糸ゴミを回収出来る部分が広がりました。

【漂着した長靴のゴミ】

コツコツと拾い続けていますが、終了するにはまだ先は長いようです。ごみ拾いは、続けていくことが大切ですね。

白浜の変化を知ってか知らずか、シカ以外の動物たちも気ままに白浜周辺で生活しています。

【タヌキの足跡でしょうか】

ヒガラの混群が水浴びに訪れたり、カンムリカイツブリが湖面に現れたりと、鳥たちがゆっくり時間を過ごしています。もうすぐ春の訪れも近いのでしょう。花の季節はもう間もなくです。

3月に入ってからは、芦ノ湖の釣りが解禁されました。白浜周辺では道が細く、駐車スペースは基本的にはありませんが、車が増えているのが気になります(箱根港周辺のパーキングの使用を推奨いたします)。人が増えてごみも増える可能性があります。実際に、たばこの吸い殻ゴミが浜に増えはじめました。特に焚き火は国立公園内では禁止されていますので、山火事等の事故につながらないように、すれ違う皆さんには時折声かけをさせて頂いています。

これからも白浜の自然を保つために、定期的な白浜巡視を継続していきます。

※現在箱根ビジターセンターは臨時休館中です。詳細についてはHPをご確認下さい。

http://hakonevc.sunnyday.jp/index.html

 

 

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2021年03月18日富士山が見える場所

富士箱根伊豆国立公園 沼津 刑部美鈴

こんにちは!沼津管理官事務所の刑部です。

最近は花粉症のため、巡視中も杉林の中を歩くのがつらくなってきました。

帰りの車の中で鼻水と目のかゆさに襲われています。花粉の少なかった昨年に比べて、今年は例年通りらしいですが、昨年が少なかっただけに今年がひどく感じられてしまうのは私だけでしょうか。

今回は富士山の絶景が見られる場所をいくつかご紹介します。

【長者ヶ岳】

変わった名前の山ですが、山頂からは富士山と田貫湖の眺めが美しいです。

▲長者ヶ岳山頂より 富士山と田貫湖

春になると長者ヶ岳から天子ヶ岳にかけて、ゴヨウツツジ(シロヤシオ)がきれいに咲くので、のんびりと富士山を見ながらのハイキングも気持ちがよいですね。

長者ヶ岳の山頂へは田貫湖北バンガローサイト駐車場から約2時間半程度です。東海自然歩道の一部を通り山頂に向かいます。登山道の下部は植林の杉や檜の林ですが、上部にいくに従ってブナやミズナラなどの自然木が目立つようになってきます。


▲北バンガローサイト駐車場 ここからも富士山が!

東海自然歩道とは↓

http://www.tokai-walk.jp/about.html

長者ヶ岳の山頂まで歩くのはちょっと大変という方は、田貫湖からでも富士山がきれいに見られます。風がなければこんな風に田貫湖に移る逆さ富士も!

▲田貫湖から見える逆さ富士

休暇村富士の前にあるデッキ付近にはスロープもあるので、車椅子の方でも気兼ねなく散策にきてこの風景を楽しむことができます。ここからの景色も富士山がある風景100選に選ばれています。

富士山がある風景100選とは↓

http://kanto.env.go.jp/to_2017/post_94.html 

独立峰というのはやはり目がいきますし、存在感も大きいですね。

その中でもとりわけ富士山というのは日本一の標高のある山というだけあり、近くで見ると、ものすごい迫力があります。国内外からシーズン中に多くの人が富士山を目指すというのもわかる気がします。

田貫湖には国設の自然学校第1号として2000年にオープンした田貫湖ふれあい自然塾もあり、自然を身近に感じられる場所です。

▲ 田貫湖ふれあい自然塾

田貫湖ふれあい自然塾↓

http://www.tanuki-ko.gr.jp/facility/index.html

▲ ブナの実

長者ヶ岳の山頂でこんなものを見つけました。

ブナの実です。秋に落ちた実が残っていました。熊も大好きなブナの実ですが、人間が食べてもおいしいです。こんな小さな実を熊がきれいに食べるなんてなかなか器用だなあといつも感心してしまいます。ブナの実は6年程の周期で豊作になるといわれています。

ブナは戦後、資材としては腐りやすく役に立たない木として大量伐採され、杉や檜の植林に姿を変えてしまったりもしましたが、森に住む動物たちにとっては貴重な食料を提供し、命をつないでいくものなのですよね。

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2021年03月15日尾瀬新ビジターセンターの除雪作業

尾瀬国立公園 檜枝岐 前川公彦

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所の前川です。

先日、初めて尾瀬沼に行き、新設なったビジターセンター(開所式は7月の予定)での雪下ろし作業を視察しました。

檜枝岐村から尾瀬沼の入り口である沼山峠までは雪上車で移動しました。関係者8人が檜枝岐村の外れにあるミニ尾瀬公園駐車場に集合し、ここから先は除雪されていない国道を進みました。初めて乗る雪上車は絶えずキャタピラーの振動が伝わり、乗り心地が良いとは言えませんが、どんな雪道でも進めるという安心感がありました。途中、カモシカが道路を横切り、少し上がった所からじっと見下ろしていました。カモシカをみるのは初めてですが、案外人を怖がらないなという印象でした。以前、同じ雪上車でこの道を行くのに3時間もかかることがあったそうですが、今回は雪が締まっていたせいか1時間弱で沼山峠駐車場に到着しました。

ミニ尾瀬公園駐車場にて、出発前の準備中

     ミニ尾瀬公園駐車場にて、出発前の準備中

沼山峠駐車場で各人、スキーやスノーシューをはいて出発しました。歩き始めは登りですが、すぐに峠に到着し、そこからは下りとなりました。峠から大江湿原にはそのまま下っていきますが、スキーチームは右側に迂回しながら緩斜面を下りました。大江湿原に入ると平坦な雪原が広がっており、尾瀬沼もすぐそこでした。開放感に包まれ、尾瀬に来た喜びを実感しました。大江湿原を横切って沼に近づくと左手にいくつかの建物が見えてきました。最初に出会うのは長蔵小屋。尾瀬の自然に魅せられて、尾瀬に移り住み、その後は自然保護の大切さを強く訴えた平野長蔵さんのひ孫さんが経営されています。

雪の大江湿原を行く

     雪の大江湿原を行く

長蔵小屋の隣に立つのが新旧の尾瀬沼ビジターセンターです。積雪の状況から、今回は新ビジターセンターの屋根の雪下ろしをすることになりました。地上からの積雪は3m位ありましたが、屋根の上にも2mは積もっているように見えました。屋根の雪はまるでキノコの傘のように新ビジターセンターの屋根に覆いかぶさっていました。建物の周りは雪が少なく、屋根の雪は雪庇となっているので、下から近づくのは危険な状態でした。

新ビジターセンターの屋根に積もった雪の状態

     新ビジターセンターの屋根に積もった雪の状態

ワイヤーソーを用いて端から徐々に切断しながら、屋根の雪を下ろすことになりました。ワイヤーソーといっても、ここでは30㎝程度の間隔でインシュロックを固定(ノコギリの歯の役割を果たします)した30mくらいの化学繊維のロープを用いて、切りたい雪の両側からロープをノコギリのように動かして切断を行いました。大変力のいる作業で、ロープの両側2人ずつで作業を行いました。

ワイヤーソーを屋根の雪の上に回して作業開始

     ワイヤーソーを屋根の雪の上に回して作業開始

両側からワイヤーソーを互いに引き合うこと数分間、引き手の体力も限界に近づいてきた頃、突然屋根の雪が切断され、落下しました。数m離れて撮影していた私にもすごい風圧で飛び散った雪の断片が吹き飛ばされてきました。雪崩の風圧はすごいと聞いたことがありましたが、こんな小規模な雪の落下でもあれほどの風圧を感じたので、本格的な雪崩ではどれほどのものになるのか想像もつきませんでした。

積雪の一部をワーヤーソーで切断したあとの状態

     積雪の一部をワーヤーソーで切断したあとの状態

写真を見ていただくとお分かりになると思いますが、1回の作業で切断できる雪の量は全体からみるとほんのわずかです。これから4日間にわたり新ビジターセンターの雪下ろし作業が続きます。私たちは積雪状況や作業手順の確認を行ったので帰途につきましたが、残る方は旧ビジターセンターに泊まり込みで雪下ろし作業をします。これから帰途につくという時、尾瀬沼の上にも青空が広がり、その向こうには東北地方最高峰の燧ヶ岳がくっきりとその姿を見せてくれました。いよいよこれから尾瀬の春が訪れかと思うと、早くこの尾瀬沼を再訪したい気持ちでいっぱいになりました。

尾瀬沼の向こうに姿を現した燧ヶ岳

     尾瀬沼の向こうに姿を現した燧ヶ岳

次回は尾瀬沼の初春について報告の予定です。

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2021年03月12日トキの天敵対策

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

先週、トキが今年も巣をかけると思われる木に、ポリカーボネート製の波板を設置してきました。

<ポリカーボネート製の波板を設置した営巣木>

トキは毎年同じ木の同じ枝に巣をかけることが多く、例年この木にはNo.161(オス)とNo.149(メス)というペアが営巣し、2015年から2019年までヒナを巣立たせていました。

しかし、昨年の繁殖期、このペアから誕生した巣立ち間近のヒナが巣から姿を消しました。

付近の別の巣でもヒナが消え、そのまた別の巣では、ヒナの死体が発見されました。

このヒナの死体を調査したところ、肉食獣テンのDNAが検出され、ヒナたちはテンの捕食にあっていたことが分かりました。


<トキのヒナの死体から獣医師がDNAサンプルを採取する様子 2020年6月撮影>

日本では、いまだ佐渡にしか生息が確認されていない、絶滅の危機に瀕しているトキ。

今年の繁殖期から、トキの営巣木へ天敵が登るのを防ぐ対策を積極的に行うことになりました。(第19回トキ野生復帰検討会 資料2 p12

対策の一つとして、この営巣木への波板設置があります。

つるつるした素材のものを木の幹に巻き付けることで、テンが木に爪をかけてトキの巣まで登れないようにします。

(過去にも野生下のトキの営巣木に波板を設置したことがありますが、そうした巣で捕食された事例はありません。また、飼育施設でもテン対策として、波板が用いられています。)

まず、波板を設置する前に、テンが営巣木へ飛び移ることのないよう、周囲を刈り払いします。

刈り払いが終わったら、波板を設置していきます。

林内の急な斜面で作業するため、安定した足場を確保するのに苦労します。

インパクトドライバーとコーススレッドを使って波板の四隅と縦二辺の中央の6か所をとめます。

この木は根元で三股に分かれているので、全ての幹に波板を巻いて設置完了です。


<波板設置完了>

今回作業に入った林の近くにある水田ではNo.161、No.149ペアが確認されていますが、今年もこの木に巣をかけるのでしょうか。

今後の動きを注視していきたいと思います。


<No.161、No.149ペア 2017年12月撮影>

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2021年03月12日尾瀬の福島側入山口、檜枝岐村

尾瀬国立公園 檜枝岐 前川公彦

みなさん、こんにちは。

檜枝岐自然保護官事務所に着任しました前川と申します、よろしくお願いします。

2月に着任しましたが、初めてのアクティブ・レンジャー日記を書かせてもらいます。

檜枝岐村は福島県西部の山合いにあり、尾瀬国立公園の福島側の入山口です。豪雪地帯で、この時期は雪深い閉ざされた環境になります。檜枝岐に来て最初に感じたのは積雪の多さです。朝起きたら、村人はまずスコップやスノーダンプで玄関前の除雪を行います。これは雪国の人々の一日の始まりの習慣です。除雪車も朝から除雪を行うので、車の通行には問題がありません。屋根に積もった大量の雪は時に一晩で1m近くにもなり、家がつぶれないように除雪をします。

朝早くから活躍する除雪車

朝早くから活躍する除雪車

雪下ろしをしない屋根にはこんなに積っています

雪下ろしをしない屋根にはこんなに積っています

檜枝岐のメインロードを歩いていて目立つのは、村の象徴でもあるカラフルな衣装をまとった六地蔵です。碑文を読むと、米もできないこの地では、かつての凶作時には餓死者が出て、たくさんの子供が含まれていたため、その霊を弔い、母の嘆きを慰めるために建立されたとあります。今では子宝、子育ての守護として参拝する人も多いそうです。通りがかりに六地蔵を拝む村人の姿を見ることもあります。話は変わりますが、檜枝岐村に来て感心したのは、通りを歩いていると、老若男女の村人から挨拶されることです。今の日本のほとんどの所では廃れてしまった古き良き習慣がここには息づいているように感じました。

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

村に来て、一番うれしかったのは温泉に恵まれていることです。村営の公衆温泉が3つもあり(一軒は現在休業中ですが)、しかも村内全戸に温泉水が供給されているということです。事実、私の入居する村営アパートの風呂も蛇口をひねると温泉が出てきます。雪景色を見ながらゆったり温泉につかっていると、自然を含めて檜枝岐村の豊かさを実感できるような気になります。

通りに面して建つ六地蔵、時折拝んでから通り過ぎる村人の姿も目にします

檜枝岐自然保護官事務所の隣にある「駒の湯」、暖まります

30分も歩けば、村落の端から端まで歩けてしまう檜枝岐村ですが、谷間にあるためなかなか全景が見渡せません。村の南にある中土合公園の展望台に登ると村全体が見渡せます。写真を見ていただくと檜枝岐村がいかに狭隘な山間部に位置しているかが分かるかと思います。

中土合公園展望台からの檜枝岐村全景

中土合公園展望台からの檜枝岐村全景

まだ雪の残る中土合公園に登ってみましたが、誰も登っていないため新雪のラッセルが大変でした。天気も良く、素晴らしい展望でしたが、ふと足下を見ると動物の足跡が・・・。誰もいない公園から村を静かに見下ろす動物の姿を想像すると、檜枝岐村が山の動物に見守られているような気になってきます。

中土合公園に残されていた足跡

中土合公園に残されていた足跡

次回は尾瀬沼に開設中のビジターセンターの雪下ろしについて報告します。

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