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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2022年1月24日

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2022年01月24日雪の上だと全部が丸分かり (伊豆諸島地域)

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 小野可蓮

こんにちは。鳥と花が好きな小野可蓮です。

気付けば昨年の2月に着任してから1年が経とうとしています。

AR日記を読んでくださっているみなさま!いつもありがとうございます。

2022年も伊豆諸島についていっぱい紹介するので、どうかお付き合いくださいませ~!

伊豆大島に住んでいて、冬場によく聞かれる(言われる)こと。

それは大島での冬は寒いか否かについてです! 

「大島はなんだか寒そう~」「大島は(島だし)そんなに寒くないんでしょ~」

色々と言われますが、実際のところは、「まあまあ寒い」です(笑)

本土と比べれば、寒暖差が少なく過ごしやすい日も多い反面、風が強過ぎて参りそうになることもあります。

この冬大島では、12月末から1月上旬にかけて、3,4回も雪が降りました。

「降っても年に1,2回」と地元の方々から聞いていたので驚きました。

今年は雪見られるかな~と淡い期待を抱いていただけだったのですが、昨日も含め、何回も降ってくれています。

▲ 裏砂漠入口 奥に見えるのが三原山 あまり日の当たらない箇所だけ雪が残っていた

大島で初めて見る雪。

黒い溶岩の上だと雪の白もこんなに映えるのですね。

当たり前ではありますが、やはり実際に見てみると「おおお」となりました。

この日(202217日)行った裏砂漠はとにかく静かでした。

でも鳥達が元気そうに活動していたのが印象に残っています。

雪が降った後の晴れの日は、食料を集めるのに大忙しだったのでしょうか。

裏砂漠の入口から進んでいくと、直ぐに足跡を見つけました。

▲ 動物の足跡がくっきりと

さてこの足跡を残していったのは誰でしょう???

その前に、大島に生息する哺乳類を一部紹介しておくとします。

在来種はアカネズミ、オオシマイタチ、キクガシラコウモリなど。

外来種はキョン、タイワンザル、タイワンリスなどがいます。

足跡を識別するためどんなところに着目しているかというと、、、?

・爪の跡が残っているかどうか

・肉球の数、形、大きさ

・歩幅

などなどです。

▲ 動物の足跡の横に人の足跡 大きさや歩幅などを参考に

この足跡、爪の跡はしっかり残っていて、肉球は5個、歩幅は足跡が4つ重なったものが一定の間隔でありました。

あった場所は裏砂漠。

その二つの情報からして、オオシマイタチでないかなと思いました。

足跡と足跡の間隔が広いのは、歩くようにではなく、走るように、もしくは飛ぶように移動している、ということです。

実際に裏砂漠付近ではよく日没頃などオオシマイタチを見かけています。

しばらくするとこんなものも。

(食事中の方は閲覧注意)

▲ 足跡、糞、尿

マーキングですかね?

雪があるとなんでもかんでも跡が残る。

そう、「雪の上だと全部が丸分かり」です。

ここにいた!というのが分かるのは嬉しいですよね。

そこからまた、オスかメスか、何匹くらいいるのか、裏砂漠周辺では何を食べているのか、などなど考え出すと止まりません(笑)

三原山の方にも少し雪が残っていました。

▲ 裏砂漠から見た三原山 (過去に三原山で雪が積もった時の様子はこちらから)

また雪、降るかな?

ちなみに、過去の記事にもあったように、冬場はハギマシコが種子を目当てに三原山や裏砂漠を訪れるようです。

まだカメラには収められていませんが、声+姿は確認できました。

かすかに「チュチュ」と聞こえてきたと思うとすぐ飛んで行ってしまい、中々近付かせてくれません。

今回の記事では大島の冬について紹介しました。

地元で採れる冬の食材が沢山出回り幸せな季節です(ブロッコリー、大根、白菜、じゃがいも、キャベツ、カリフラワー、さつまいも、苺など)。

椿も丁度見頃で、シチトウメジロが飛び回っている姿をよく見かけます。

また、状況が落ち着きましたら、みなさまも伊豆諸島の冬を満喫しに遊びにいらしてくださいね!

【ご注意ください】

伊豆諸島では、自治体ごとに来島のガイドラインを掲げ、島内での感染拡大防止への協力を求めています(2022121日現在)。伊豆諸島へ旅行を計画されている方は、自治体や観光協会のホームページで来島のガイドラインをよく読み、最新の情報を必ず確認してください。

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