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関東地方環境事務所TOPICS【地区便り】日光国立公園のきのこ>きのこエッセイ「きのことインドネシア」

きのこエッセイ「きのことインドネシア」

先日のパークボランティア研修は日光自然博物館からシニアガイド2人を講師に迎えての自然ガイドツアープログラム企画作り。関連させてインドネシア生物多様性保全プロジェクト(インドネシアの自然資源管理と保全のための日イ国際協力事業。1995~2003年)の最後の2年間に携わったエコツーリズム開発分野・ツアープログラム企画に関する 取組をご紹介します。

インドネシアの首都ジャカルタの西南約100kmにある4万ha(当時)のグヌンハリムン(霧の山の意)国立公園の自然保護と周縁山村地域の経済振興のため、プロジェクトはエコツーリズム活動支援でガイドブックやツアーマップ作り、インタープリター養成研修を進めていました。赴任後私はこれら作業の総合化と、地元の期待への対応として実際に公園に観光客を呼び込むための実験ツアーを行いました。

(参考・じゃかるた新聞: http://www.jakartashimbun.com/pages/ecotour.html

人口1000万を超える大都市ジャカルタに比較的近い立地でありながら悪路もあり車で5時間以上かかる辺境にツアー客を招くアドバルーンとしての実験の中途段階から取り入れたキャッチコピーが“西ジャワ最大の熱帯林・光るきのこの森のエコツアー”です。

発端は日本からインドネシアで光るきのこを探したいとの友人の照会です。プロジェクト事務所があるボゴール市の植物園内を探したところ、南国らしく多数の子嚢菌類やオオシロアリタケ等がありました。が、目当てのものはなく、結局プロジェクトの国立公園に見つかりました。「光るきのこの森」は標高約1000m、夜間17℃程度まで冷えこみ、マンサク科やシイ・カシの仲間が優先し、蘭や着生シダが繁茂する森です。ベニタケ科、テングタケ科、イグチ科等のきのことともに、森の特定の範囲(約50m×40m)で、光るきのこは枯葉や枯枝につく小さな子実体として無数に発生します。クヌギタケ属ヤコウタケの仲間と思われ、その幼菌のように見える(本当は別種)小さな粒も、1mm程度の白い仁丹のような姿で光っていました。

私の帰国直前に実施したスタンダードツアープログラム参加者から寄せられた感想を最後にご紹介いたします。

「原生林を満月とともに散歩し、ようやくインドネシアを少し知ったような感じです。エコツアーってなに?光るキノコを見に行くこと?などと出発前考えていましたが、考えさせられる旅行でした。このツアーで、自然を大切にすることと同時に、その自然の延長にある村人たちの暮らしが守られることの大切さに気付きました。」 

「光るキノコとは、自然が作り出した宝石箱のようでした。これを見ると、ダイヤとか、真珠がかすんでしまいます。テナガザルの群れが我々を睥睨し、ヒョウがうろつきまわるのも、この自然の宝石を守らんがためのものかとも思いました。人が立ち入らないジャングルにこんな素敵なものがあるのですね。今まで生きてきて良かった、本当にそう思いました。」

小沢晴司 記

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