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【開催報告】見て、聞いて、やって(体験して)みた。そして、みんなで作ってみた。環境教育プログラム。環境教育リーダー研修基礎講座inとちぎ・益子の里
2008.12.04 関東地方環境事務所
関東地方環境事務所では、“「見て、聞いて、やって(体験して)みた。そして、みんなで作ってみた。環境教育プログラム。」”と題して、環境教育リーダー研修基礎講座を去る9月24日~26日の日程で、益子焼きで有名な地にある「芳賀青年の家」(栃木県益子町)[芳賀青年の家ホームページへ]において開催しました。
環境教育基礎講座は、環境教育・環境学習を推進する人材を育成するため、基本的知識の習得と体験学習を重視した研修を行い、指導者としての能力を育成するとともに、参加者相互の交流によりパートナーシップ構築を図ることを目的に、環境省と文部科学省の共催により全国7地区の地方環境事務所が開催県・教育委員会の協力の下、実施しているものです。
以下、開催しました内容の一部を御紹介します。
■第1日目

講演:環境問題の歴史と環境教育に求められるもの」
講師:宇都宮大学准教授 高橋 若菜 氏

講演:環境教育の基礎
講師:作新学院大学女子短期大学教授 青木 章彦 氏
アイスブレイク
講師:自然教室ネイチャーフレンド

「アイスブレイク」とは、その名のとおり氷を打ち砕くという意味で、ミニゲームなどをとおして、初対面である参加者同士の緊張感をほぐすものです。
3日間の研修をとおして、個人から協働への始まりです。
■2日目 環境教育・環境学習プログラム体験
自然体験型環境教育プログラム「電波で追おう!テレメトリー調査体験」
講師:環境教育ネットワークとちぎ:船津丸 弘樹 氏 青木 章彦 氏


オオタカ?発見
このプログラムは猛禽類のオオタカの生態調査を体験したものです。
今回、オオタカ役は青木先生です。注1発信器を付けた青木先生をみんなが追います。
地図を片手に発信器からの電波の強弱から居場所を突き止めます。手に持っている棒状の物が電波を捕らえる注2アンテナです。
プログラム体験をとおして、調査の成果があり、保護政策が決まると言うことを実感できました。
注1実際の生態調査時にオオタカに付けられる発信器は一定の時間が経過すると外れるようになっています。
注2八木アンテナと呼ばれるもので、テレビのアンテナによく使われています。(日本の八木博士が戦前に発明した物です。)
プロジェクト・ワイルド「ボトルネック遺伝子」[プロジェクト・ワイルドとはEICネットへ]


カード配布 次の未来は?
テーブルの上にカラービーズがあります。
それぞれの色は、遺伝的特性として、「繁殖力がある」、「俊敏性」、「丈夫なあご」、「視力がよい」などを表しています。
「シナリオ・カード」今後の未来を予言しています。例えば、気候の変化により、ある生物の主食としていた木の実の殻が固くなってしまった場合、「丈夫なあご」の遺伝子の特性をもつものが子孫を残せます。
また、大きな災害があって、個体数が激減した場合においては、「繁殖力がある」の遺伝子の特性をもつものが子孫を残すのに優位となります。
遺伝子多様性は、環境の変化に適応する力を強くし、種の健全な維持だということが分かります。
ネイチャーゲーム[ネイチャーゲームとはEICネットへ]
講師:栃木県ネイチャーゲーム協会


ミクロハイクの様子
- (1) 同じものを見つけよう
- 野山にありふれた5種類の自然物(葉っぱ・木の実など)を一定時間、見て記憶したあと、その5種類をまわりから探し出します。
普段、じっくり観察する機会の少ない自然物に触れることによって、同じ種類でも色々なかたちがあるということが発見できました。 - (2) ネイチャービンゴ
- ビンゴカードに「実」、「住みか」、「花」などの項目を記入して、まわりから該当するものを探します。
- (3)ミクロハイク
- 虫眼鏡を片手に観察です。
葉の葉脈、木の幹の皮の溝のまわりに動く虫など、懐かしい体験です。
知識ではなく、見て、触れて感じることが大切と再認識しました。
生活系アクティビティ
講師:チームブルーバード


ミクロハイクの様子
配られた複数のパッケージ(お菓子の袋など)に記載されている原材料をみて、共通するものを探します。
製品に使われている原材料の多くが海外からの輸入に頼っているということが分かります。
開発途上国においては外貨獲得の有力な手段になっている一次産品の生産について、生産拡大による生態系の維持と経済発展の問題、持続可能な社会をつくり上げていくにはどうすればよいかと議論しました。
■3日目
グループワーク
教員・NPO協働授業プログラムづくり
講師:うつのみや環境行動フォーラム 青木 章彦 氏


研修も本日が最終日です。
小学校高学年、中学生を対象にした授業プログラムのづくりです。
「地域の人は学校を知ろう。」、「学校の先生は地域の人の環境活動を知ろう。」とのことで、役割分担をしてお互いの長所を生かしながら議論を深めていきました。
各グループの成果を模造紙にまとめまして、講評を行いました。
作成プログラムの一例

講演:環境教育をどうすすめるか~環境教育リーダーへの期待~
講師:宇都宮大学教育学部教授 陣内 雄次 氏

今回の研修には、関東地域に勤務や居住されている一般市民や学校教員等、約50名の参加をいただきました。
参加者間や参加者と講師間との交流も活発に行われ、「地元での活動報告のパネル展示」のほか、参加者の方からは「地域での活動の仲間づくりができた」、「次回も参加したい」、「内容が予想以上だった」、「基礎講座の次はぜひ中級講座を!」等、好意的なご意見を多数いただきました。
来年度においても、内容の充実に努め開催を予定していますので、皆様の参加をお待ちしております。詳細は、関東地方環境事務所ホームページまたは、環境省「環境教育・環境学習、環境保全活動のページ」[環境省ホームページへ]にてお知らせいたします。
■お問い合せ先
関東地方環境事務所
環境対策課 企画係 寺西、長沢
TEL:048-600-0815
■運営協力
栃木県環境森林部環境森林政策課
栃木県教育委員会
特定非営利活動法人うつのみや環境行動フォーラム
[うつのみや環境行動フォーラムホームページへ]
環境教育ネットワークとちぎ[環境教育ネットワークとちぎホームページへ]
チームブルーバード[チームブルーバード]
栃木県ネイチャーゲーム協会[(社)日本ネイチャーゲーム協会ホームページへ]
自然教室ネイチャーフレンド[自然教室ネイチャーフレンド]ホームページへ
富士重工業株式会社航空宇宙カンパニー
[富士重工業株式会社航空宇宙カンパニーホームページへ]
※順不動