報道発表資料
2013年12月03日
- 結果報告
報道発表:平成25年度アカガシラカラスバト保護増殖検討会の開催結果について(お知らせ)
関東地方環境事務所 野生生物課
(直通:048-600-0817)
課長:徳田 博之
課長補佐:仁田 晃司
関東地方環境事務所では、11月25日(月)に「平成25年度アカガシラカラスバト保護増殖検討会」を開催し、アカガシラカラスバト保護増殖事業の実施結果報告と今後の計画についての検討を行いました。
平成19年度から3年を一区切りとして中期実施計画を策定して中期目標として取り組んできました。今年度は中期計画の更新年にあたり2次中期実施計画で出来たことわかったことを評価し、改めて課題を抽出して第3次中期実施計画(案)を検討しました。
Ⅰ アカガシラカラスバト保護増殖検討会検討員(五十音順 敬称略)
- 川上 和人
- (独行)森林総合研究所
- 鈴木 惟司
- 辻村 千尋
- (公財)日本自然保護協会
- 土居 利光
- (公財)東京動物園協会 恩賜上野動物園 園長
- 羽山 伸一
- 日本獣医生命科学大学 教授
- 樋口 広芳
- 東京大学名誉教授/慶應義塾大学特任教授
- 堀越 和夫
- あかぽっぽネットワーク 代表
Ⅱ アカガシラカラスバト保護増殖検討会での報告及び検討事項
- 小笠原諸島と火山列島に分布する天然記念物で国内希少野生動植物種であるアカガシラカラスバトは、平成23年から24年にかけて目撃情報が父島、母島等で大幅に増加した。この原因としては、ノネコ対策について、関係機関による捕獲や東京都獣医師会の協力で捕獲が進み、アカガシラカラスバトを襲っていたノネコが減ったことにより個体数が増えているものと考えられた。
- アカガシラカラスバトの個体数増加に伴い、小笠原諸島では生息域、利用環境の拡大が確認されたが、反面、生活圏における交通事故やガラス窓等への衝突等、新たなトラブルの増加等に対応するため現地での連携が報告された。
- 第2次中期実施計画を終え成果と課題が議論され、本年度から5年先を見据えた「アカガシラカラスバト保護増殖事業 第3次中期実施計画(案)」が検討された。ここでは、いまだ未解明な生態把握と情報蓄積、更なるノネコ対策や多発する事故対策、普及啓発の促進、域外保全では自然育雛技術の向上等が上げられた。
- アカガシラカラスバトに限らず、事故個体救護を含めた地域動物医療体制・施設整備、ウイルス性疾病や自然災害を含めた大量死のリスクを念頭におく必要性が求められた。
母島で林内にとまる13羽の若鳥(2013年夏:母島)