報道発表資料
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平成25年度の金時山登山者数について(お知らせ)
環境省 関東地方環境事務所
箱根自然環境事務所
所長 高橋 啓介
自然保護官 齋藤 純一
Tel:0460-84-8727
未計測時及び計測不良時の登山者数を推計して計測値と合計すると、年間おおよそ14万人の登山者がいると推測されます。(対平成24年度114.4%)
1.調査の背景
富士箱根伊豆国立公園金時山は、箱根の外輪山の最高峰(1212m)であり、山頂近くには大木のブナ林も見られることから、国立公園特別保護地区に指定されています。山頂からは、西に富士山、南に芦ノ湖、神山が展望でき、箱根地域の中でも人気の高いハイキングコースになっています。山頂には、3方向の尾根にハイキングコースが整備され、南足柄市・小山町、箱根町、御殿場市にそれぞれ登山口があります。
環境省では、神奈川県、静岡県、南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市からの要望を受け、自然環境の保全、適切な利用を推進する観点から、山頂にバイオトイレ(おがくず処理)を整備し、平成22年11月1日から供用を開始しました。なお、トイレの維持管理は、地元の市町が事務局となる金時山トイレ維持管理委員会が行っています。
また、登山道は、登山者の踏圧等の影響で浸食が進んでいることから、神奈川県自然環境保全センター、箱根町及び環境省が連携して、ボランティア等で構成される登山道補修隊で適宜補修を実施しています。
こうした背景を踏まえ、環境省では、平成22年度から、金時山山頂部への正確な登山者数を把握し、公園の適正な利用の推進に資するため、3つの登山道(公時神社・矢倉沢峠コース、乙女峠コース、足柄峠コース)のそれぞれ山頂付近に赤外線カウンターを設置することにより登山者数調査を実施しています。
2.登山者カウンターの概要及びその設置年月日
設置したカウンターは、赤外線反射を利用してセンサーにより通過人数をカウントする仕組みです。日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を把握することができ、土地所有者の了解を得て、各コースに以下の日程で設置しました。
ア.公時神社・矢倉沢峠コース平成22年4月9日(金)
イ.乙女峠コース平成22年4月9日(金)
ウ.足柄峠コース平成22年8月5日(木)
3.今年度の集計結果
平成25年度の計測結果は以下のとおりです。なお、計測値は、4(1)のとおり補正を行いました。
①平成25年度の計測値 136,861人
なお、各コースの計測期間は以下のとおりです。
ア.公時神社・矢倉沢峠コース 平成25年4月1日~平成26年3月31日
(※平成25年11月30日~12月16日は計測不良のため未計測)
イ.乙女峠コース 平成25年4月1日~平成26年3月31日
(※平成25年7月17日~8月15日は計測不良のため未計測)
ウ.足柄峠コース 平成25年4月1日~平成26年3月31日
②平成25年度の推計値 14万人
平成25年度の金時山の登山者数の推計です。これは、平成24年度の推計(12万2千人)と比較して約14%増加となっております。なお、計測不良時のデータは、4(2)のとおり推計を行いました。
③平成25年度における月別登山者数の推移
登山者は、ゴールデンウィーク、11月の土日に集中し、登山道に積雪、凍結がある2月~3月は比較的少なくなる傾向がありました。
図1:平成25年度の各コース別の月別登山者数(推計値)
④各コース別の登山者数の割合
各コース別の登山者数及び全体登山者数における各コース別の登山者数の割合は、多い順に、公時神社・矢倉沢峠コースで約7万8千人(約57%)、足柄峠コースで約3万3千人(約23%)、乙女峠コースで約2万9千人(約20%)です。
図2:全体登山者数における各コース別の登山者数の割合(推計値)
⑤平成25年度における時間別登山者数(計測値)の推移
各コースの時間別では、いずれのコースにおいても11時台に登山者数のピークが認められました。足柄峠コース、公時神社・矢倉沢峠コースでは、早朝の登山者も少数ながら確認できます。
図3:平成25年度及び平成24年度における各コース別の登山者数の時間推移(計測値、中央値)
4.登山者数の補正や推計方法について
(1)計測値について
カウンターが濃い霧に反応し、実測データはカウンターの誤作動の結果を含むと考えられたことから、各登山道の実測データに対して、1秒以内に連続カウントしている部分を排除するという補正、また、夜間の17時から5時までの登山者数はおおむね誤作動と考えられることから、その時間帯の登山者数を排除する補正を行いました。
(2)推計値について
未計測時及び計測不良時のデータは、計測値から下記の方法で推計を行い、計測値との合計を推計値としました。
昨年度の同時期の登山道別の登山者数(5~17時の登山者数)の割合を今年度の未計測時及び計測不良時の割合と同様であると想定し、未計測時及び計測不良時のデータを推計しました。そして算出した推計データを計測値のデータと合算して推計値を導きました。