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関東地方環境事務所

報道発表資料

2014年09月10日
  • 報道発表

平成26年夏期の富士山の中間発表(第2回)について(お知らせ)

環境省関東地方環境事務所
箱根自然環境事務所
所長 高橋 啓介
Tel:0460-84-6920

沼津自然保護官 柳川 智巳
Tel:0559-31-3261

富士五湖自然保護官 房村 拓矢
Tel:0555-72-0353

環境省では、富士山の登山者数を把握するため、平成17年から各登山道の8合目付近に赤外線カウンターを設置して登山者数調査を実施しています。
富士山8合目における平成26年7月1日から8月31日までの登山者数の合計は約24.3万人でした(昨年同時期との比較で約6.7万人の減)。
なお、次回(最終)の発表は9月下旬となります(9月14日までのデータ)。

1.調査の背景

富士箱根伊豆国立公園の重要な構成要素である富士山の登山者数については、平成16年までは山梨県が登山口の車両数や吉田口登山道6合目での通過者数調査等から推計しており、富士山山頂部への登山者数を把握するまでには至っていませんでした。
このため環境省では、平成17年から富士山山頂部への登山者数を把握し、国立公園の適正な利用の推進に資するため、4つの登山道(吉田ルート、須走ルート、御殿場ルート及び富士宮ルート)のそれぞれ8合目付近に赤外線カウンターを設置することにより、登山者数調査を実施しています。

2.今年の集計結果

今年7月1日から8月31日までの結果は以下のとおりです。

(1)富士山の登山者数及び登山道別の登山者数

今回調査期間(7月1日~8月31日)の富士山8合目における登山者数の合計は約24.3万人で、昨年の同期間と比較して約6.7万人減少しました(昨年比-21.6% 吉田:-21.0% 須走:-20.3% 御殿場:-12.5% 富士宮:-25.7%)。なお、これについては、以下の理由を含む各種の理由が複合的に影響したものであると推測されます。

  • 残雪により、山頂までの登山道の開通が昨年より遅れたルートがあった(須走口9日、御殿場口17日、富士宮口10日の遅れ)。
  • 富士山地域の梅雨明けが7月21日と昨年より2週間遅く、また、梅雨明け後も、8/10の台風11号の影響による悪天候など、利用者の多い週末やお盆に登山に適した天候の日が少なかった。
  • 五合目へのマイカー規制が延長された(吉田口22日、須走口1日、富士宮口2日の増加)

※「【参考】登山者数に影響を及ぼすと考えられる予条件」を参照

表1:富士山の登山者数の推移(7月1日~8月31日)
H17年H18年H19年H20年H21年H22年H23年H24年

H25年

H26年

全登山者数
(人)
200,292 221,010 231,542 305,350 292,058 320,975 293,416 318,565 310,721 243,662
吉田
ルート
108,247
(54%)
119,631
(54%)
132,980
(57%)
172,369
(56%)
169,217
(58%)
184,320
(57%)
165,038
(56%)
189,771
(60%)
179,720
(58%)
141,996
(58%)
須走
ルート
25,416
(13%)
30,536
(14%)
33,394
(14%)
52,323
(17%)
43,861
(15%)
48,196
(15%)
40,179
(14%)
35,577
(11%)
36,508
(12%)
29,109
(12%)
御殿場
ルート
8,667
(4%)
9,232
(4%)
11,157
(5%)
16,624
(5%)
11,390
(4%)
9,845
(3%)
15,758
(5%)
15,462
(5%)
17,709
(6%) 
15,503
(6%) 
富士宮
ルート
57,962
(29%)
61,611
(28%)
54,011
(23%)
64,034
(21%)
67,590
(23%)
78,614
(24%)
72,441
(25%)
77,755
(24%)
76,784
(25%)
57,054
(23%)

※括弧内は全体の割合。小数点以下を四捨五入しているため合計が100%にならない場合があります。

図1:富士山の全登山者数及び各登山道別登山者数の推移(7月1日~8月31日)
図1:富士山の全登山者数及び各登山道別登山者数の推移

(2)日別登山者数の推移

今回調査期間(7月1日~8月31日)における各登山道の日別登山者数及び旬別登山者数は、以下のとおりです。なお、4登山道の登山者数の合計が、調査期間において最大だった日は8月2日(土)の8,803人(昨年は7月14日(日)、10,040人)でした。

※今回の調査期間の日別データについては、環境省富士箱根伊豆国立公園のホームページ(次のアドレス)で公開しています。  https://www.env.go.jp/park/fujihakone/data/fuji_tozansha.html

図2:各登山道における日別登山者数
図2:各登山道における日別登山者数
※7/10は台風8号の影響による悪天候、8/10は台風11号の影響による悪天候のため、登山者が非常に少なかった。

表2:富士山の旬別登山者数
7月8月
初旬中旬下旬初旬中旬下旬
吉田ルート 11,276
(79%)
19,804
(67%)
27,755
(77%)
24,476
(70%)
29,470
(84%)
29,215
(99%)
須走ルート 637
(19%)
5,257
(84%)
7,754
(97%)
4,626
(74%)
4,903
(71%)
5,932
(103%)
御殿場ルート 1,403
(117%)
1,696
(58%)
3,261
(92%)
3,547
(91%)
3,010
(84%)
2,586
(101%)
富士宮ルート 2,596
(88%)
5,808
(48%)
12,927
(82%)
11,099
(68%)
12,599
(69%)
12,025
(105%)
合計 15,912
(73%)
32,565
(64%)
51,697
(81%)
43,748
(71%)
49,982
(78%)
49,758
(101%)

※初旬(1日~10日)、中旬(11日~20日)、下旬(21日~31日)
※括弧内は昨年比。小数点以下四捨五入。

(3)時間帯別登山者数の推移

吉田ルートでは、時間によって登山者数の変動が激しく、6時から8時の早朝(※1)、15時から17時までの夕方(※2)、23時から25時までの深夜(※3)に3つの登山者数のピークが認められました。

※1:この時間帯のピークは、主に8合目未満の山小屋で宿泊する登山者及び早朝からの日帰り登山者によるものと推定されます。富士宮ルートも同様と推定されます。

※2:この時間帯のピークは、主に8合目以上の山小屋で宿泊する登山者によるものと推定されます。

※3:この時間帯のピークは、主に山頂で御来光を見る予定の登山者によるものと推定されます。

図3:時間別1時間あたりの登山者数(62日間の中央値)
図3:時間別1時間あたりの登山者数

(4)休日及び平日の登山者数

今回の調査期間(平成26年7月1日~8月31日)における土日祝日及び平日の登山者数平均は、休日5,250人、平日3,347人です。

表3:富士山の休日および平日の登山者数平均
土日祝日平日
合計 5,250 3,347
吉田ルート 2,911 2,016
須走ルート 599 412
御殿場ルート 387 190
富士宮ルート 1,354 729

※小数点以下は四捨五入

3.調査方法概要(従来と同様)

(1)カウンター設置位置

全ての登山口からの利用者を把握するため、山小屋の協力を得てカウンターを4登山道のそれぞれ8合目付近に設置しました。協力頂いた山小屋は以下のとおりです。

  • 吉田ルート:太子館
  • 須走ルート:見晴館
  • 御殿場ルート:赤岩八合館
  • 富士宮ルート:池田館

位置図は、環境省富士箱根伊豆国立公園のホームページ(以下のアドレス)で公開しています。

https://www.env.go.jp/park/fujihakone/data/files/counter.pdf

(2)計測機器について

設置したカウンターは、赤外線反射を利用してセンサーにより通過人数をカウントする仕組みです。日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を把握することができます。

(3)データの欠測について

豪雨の発生や台風の接近時には、カウンターを一時的に山小屋に撤去しているため、データが一部欠測している場合があります。今回の調査期間のデータ欠損は以下のとおり。

欠測期間理由
御殿場ルート 7月10日~7月12日 13:00 台風8号接近のため

(4)カウンターの数値と補正

濃い霧が発生した場合、カウンターが誤作動することが確認されています。そのため、1秒以内に連続カウントしている場合は、霧による誤作動とみなし排除するという補正を行っています。

4.その他

過去の発表資料及び日別データについては、環境省富士箱根伊豆国立公園のホームページ(以下のアドレス)で公開しています。

http://www..env.go.jp/park/fujihakone/data/fuji_tozansha.html

(お願い)

富士山は標高3,776mの日本で最も高い山です。気候の変化が激しく夏でも氷点下になるなど気象条件は厳しいにも関わらず、軽装で登山をする方が多く見受けられます。富士山を登山される方は、現地の情報を十分に収集し、万全な装備で安全に留意して登山するようにお願いいたします。
なお、環境省・山梨県・静岡県では、安全な富士登山の普及を図るため、富士登山に関する登山道の状況や基本的な装備、安全やリスク、規制やマナー、また、気象などのリアルタイム情報を取り入れた『富士登山オフィシャルサイト』を開設しています。

富士登山オフィシャルサイト


【参考】登山者数に影響を及ぼすと考えられる予条件

今回の調査期間(平成26年7月1日~8月31日)の登山者数に影響を及ぼすと考えられる予条件(登山道開通期間、梅雨明け時期、及びマイカー規制期間)についての平成22年以降の比較は以下のとおりです。

(1)登山道開通日

H22年H23年H24年H25年H26年
吉田口 7月1日 7月1日 7月1日 7月1日 7月1日
須走口 7月8日 7月6日 7月8日 7月1日 7月10日
御殿場口 7月9日 7月9日 7月20日 7月1日 7月18日
※ただし6合目迄は10日に開通。
富士宮口 7月9日 7月13日 7月13日 7月8日 7月18日
※ただし8合目迄は10日に開通。

(2)梅雨明け時期(気象庁発表データ 関東甲信地方)

H22年H23年H24年H25年H26年
7月17日ごろ 7月 8日ごろ 7月23日ごろ 7月 7日ごろ 7月21日ごろ

(3)マイカー規制の日数(7月1日~8月31日の間の日数)

H22年H23年H24年H25年H26年
吉田口 15日間
8/6(金)~17(火)
※全て0時~24時
15日間
7/16(土)~18(月)
8/5(金)~16(火)
※全て0時~24時
15日間
7/14(土)~16(月)
8/4(土)~15(水)
※全て0時~24時
31日間
7/12(金)~15(月)
7/26(金)~28(日)
8/2(金)~25(日)
※全て17時~17時
53日間
7/10(木)17時
~8/31(日)17時
須走口 6日間
8/6(金) ~8(日)
8/13(金)~15(日)
※全て0時~12時

26日間
7/15(金)~18(月)
7/22(金)~24(日)
7/29(金)~31(日)
8/5(金)~7(日)
8/12(金)~21(日)
8/26(金)~28(日)
※全て17時~17時

34日間
7/13(金)~16(月)
7/20(金)~22(日)
7/27(金)~8/19(日)
8/24(金)~26(日)
※全て17時~17時
36日間
7/12(金)~15(月)
7/19(金)~21(日)
7/26(金)~28(日)
8/2(金)~25(日)
8/30(金)~9/1(日)
※全て17時~17時
37日間
7/11(金)~13(日)
7/18(金)~21(月)
7/25(金)~27(日)
8/1(金)~24(日)
8/29(金)~31(日)
※全て昼12時~昼12時
富士宮口 17日間
7/16(金)~19(月)
8/6(金) ~15(日)
8/20(金)~22(日) 
※全て17時~17時
26日間
7/15(金)~18(月)
7/22(金)~24(日)
7/29(金)~31(日)
8/5(金) ~7(日)
8/12(金)~21(日)
8/26(金)~28(日)
※全て17時~17時
34日間
7/13(金)~16(月)
7/20(金)~22(日)
7/27(金)~8/19(日)
8/24(金)~26(日)
※全て17時~17時
51日間
7/12(金)17時
~9/1(日)17時
53日間
7/10(木)17時
~9/10(水)17時まで
継続予定

※御殿場ルートは、マイカー規制なし

※0時から24時までの間で1時間でも規制時間があれば1日としてカウント

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