報道発表資料
- 報道発表
(お知らせ)野生下で誕生したトキ同士の抱卵確認及び営巣状況について
平成27年4月10日(金)
関東地方環境事務所
所長 上杉 哲郎
野生生物課長 荒牧 まりさ
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(℡:0259-22-3372)
新潟県佐渡市において、野生下で誕生したトキ同士の2組のペアで、抱卵する様子を確認しました。 |
1 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.A03(2013年生まれ、メス)
(2)確認日
平成27年4月10日(金)
(3)場所
新潟県佐渡市
(4)経過
このペアのうち、足環なし個体は2012年又は2014年の繁殖期に野生下で誕生した個体で、No.A03は2013年の繁殖期に、No.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体で、3月27日に営巣を確認していた。
4月10日午前6時3分頃から8時2分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上にNo.A03(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
前日の午前中に環境省職員が観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、9日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
2 営巣・抱卵を確認したペア
(1)個体番号
No.A02(2013生まれ、オス) 及び No.A01(2013年生まれ、メス)
(2)確認日
平成27年4月10日(金)
(3)場所
新潟県佐渡市
(4)経過
このペアのうち、No.A02は2013年の繁殖期にNo.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体で、No.A01は2013年の繁殖期に、No.33(2008年生まれ、オス)とNo.38(2007年生まれ、メス)のペアから誕生した個体である。
3月中旬に擬交尾する様子が確認され、3月下旬にかけて2羽で行動する様子が観察されていたが、その後、このペアと特定される繁殖行動はほとんど確認されていなかった。
前日の午前及び午後に環境省職員が観察を行ったところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込む様子が確認されたが、個体の特定はできなかった。4月10日午前5時14分頃から7時18分頃にかけて、環境省職員が同巣を再度観察したところ、2羽で擬交尾する様子が見られ巣上にNo.A01(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
3 営巣を確認したペア
(1)個体番号
No.146(2011年生まれ、オス) 及び No.163(2011年生まれ、メス)
(2)確認日
平成27年4月8日(水)
(3)場所
新潟県佐渡市
(4)経過
3月下旬から4月上旬にかけて、同ペアとみられる個体が枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。4月8日午前7時9分頃に、環境省職員が観察したところ、スギの樹上において2羽で巣造りする様子が見られ、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
4 抱卵中止を確認したペア
(1)個体番号
No.91(2009生まれ、オス) 及び No.154(2009年生まれ、メス)
(2)確認日
平成27年4月8日(水)
(3)場所
新潟県佐渡市
(4)経過
このペアは、4月6日に抱卵を確認していたペアである。
4月8日午前6時30分頃から9時39分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣の様子を確認したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
4月9日に巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収した。
なお、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
5 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣・抱卵中
番号 生まれ年 性別 |
状況 |
---|---|
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月15日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.68 2010年 オス No.78 2010年 メス |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.67 2009年 オス No.80 2010年 メス |
3月23日 スギで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.71 2009年 オス No.79 2010年 メス |
3月24日 スダジイで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.137 2011年 オス No.194 2012年 メス |
3月19日 クロマツで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月23日 スギで営巣を確認 3月27日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.127 2010年 メス |
3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.96 2010年 メス |
3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.08 2006年 オス No.25 2008年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月26日 スギで営巣を確認 4月1日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.92 2009年 オス No.200 2012年 メス |
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.136 2009年 オス No.196 2012年 メス |
4月7日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.A03 2013年 メス |
3月27日 クロマツで営巣を確認 4月10日 抱卵確認 (9日夕刻以降に産卵と推定) |
No.A02 2013年 オス No.A01 2013年 メス |
4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
(2)営巣中(抱卵未確認)
番号 生まれ年 性別 |
状況 |
---|---|
No.177 2012年 オス No.199 2012年 メス |
4月3日 サクラで営巣を確認 |
No.72 2009年 オス No.A04 2013年 メス |
4月3日 クロマツで営巣を確認 |
No.146 2011年 オス No.163 2011年 メス |
4月8日 スギで営巣を確認 |
(3)営巣・抱卵中止
番号 生まれ年 性別 |
状況 |
---|---|
足環なし オス No.158 2010年 メス |
3月24 日 クロマツで営巣を確認 3月27日 営巣中止を確認 |
No.105 2010年 オス No.157 2010年 メス |
3月22日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 3月27日 抱卵中止を確認 |
No.50 2007年 オス No.114 2011年 メス |
3月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月3日 抱卵中止を確認 |
No.107 2010年 オス No.95 2010年 メス |
3月26日 スギで営巣を確認 3月29日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 4月6日 抱卵中止を確認 |
No.91 2009年 オス No.154 2009年 メス |
4月2日 スギで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |