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関東地方環境事務所

報道発表資料

2015年04月28日
  • 報道発表

(定例発表)野生下のトキの営巣状況等について

平成27年4月28日(火)

関東地方環境事務所
所長 上杉 哲郎
野生生物課長 荒牧 まりさ
(TEL:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(TEL:0259-22-3372)

本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。
営巣が確認されているペアは21組、そのうち6組で育雛、14組で抱卵が確認されています。

1 ヒナを確認したペア

(Ⅰ)

(1)個体番号

 No.68(2009年生まれ、オス) 及び No.78(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月25日(土)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、2012年の繁殖期からペアを形成し、昨年の繁殖期に4羽を巣立たせたペアで、3月26日に抱卵を確認していた。
 4月25日午前6時42分頃に、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣の観察をしたところ、No.78(メス)がヒナに餌を与える様子を確認し、4月27日にモニタリングチーム(新潟大学職員)が動画撮影を行い映像を確認したところ、12時頃に、巣上にヒナ2羽の姿を確認した。
 24日午前中に観察を行った際は、給餌行動は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.33(2008年生まれ、オス) 及び No.38(2007年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月26日(日)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、2011年の繁殖期からペアを形成し、昨年の繁殖期に3羽を巣立たせたペアで、3月27日に抱卵を確認していた。
 4月26日午前6時55分頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が巣の観察をしたところ、1羽がヒナに餌を与える様子を確認し、7時7分に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。
 24日の日中に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

(Ⅲ)

(1)個体番号

 足環なし(オス) 及び No.201(2012年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月28日(火)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月24日に抱卵が確認されていた。
 4月28日午前10時20分頃から10時50分頃にかけて、環境省職員が動画撮影を行い映像を確認したところ、10時40分頃に、巣上にヒナ1羽の姿を確認した。
 なお、これまでの観察経過から、ふ化日は不明である。

2 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア

(1)個体番号

 No.74(2009年生まれ、オス) 及び 足環なし(メス)

(2)確認日

 平成27年4月27日(月)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、4月1日に抱卵を確認していた。
 4月27日午前8時50分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、足環なし(メス)がヒナに餌を与える様子を確認したことからヒナが誕生しているものと判断した。
 26日午前中に観察を行った際は、給餌行動は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

3 再営巣・抱卵を確認したペア

(Ⅰ)

(1)個体番号

 No.137(2011年生まれ、オス) 及び No.194(2012年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月25日(土)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月27日に抱卵が確認された後、4月13日に抱卵を中止していた。
 4月25日午前5時35分頃から8時頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、巣上にNo.194(メス)が座り込む様子を確認したことから、抱卵を再開したものと判断した。
 4月23日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、23日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
 営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.85(2009年生まれ、オス) 及び No.93(2009年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月25日(土)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、4月14日に抱卵が確認された後、4月16日に抱卵を中止していた。
 4月25日午後6時10分頃から6時23分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子を確認したことから、抱卵を再開したものと判断した。
 4月24日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、24日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
 営巣場所は、3月26日にNo.107とNo.95のペアが営巣していた場所と同位置で、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

4 抱卵中止を確認したペア

(Ⅰ)

(1)個体番号

 No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.157(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月26日(日)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、4月20日に抱卵が確認された後、4月21日に抱卵を中止し、4月22日に再び抱卵が確認されていた。
 4月26日午前6時29分頃から7時4分頃にかけて、モニタリングチーム(市民ボランティア)が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、8時22分頃から8時33分頃にかけて、同巣を再度観察した際にも同様の状態で、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
 なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.48(2007年生まれ、オス) 及び No.69(2009年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年4月28日(火)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月下旬から擬交尾や枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
 4月26日午後6時30分頃から6時33分頃にかけて、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ2羽が交互に座り込む様子がみられたことから、抱卵を開始したものと判断していたが、4月28日午前5時18分頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が2羽で探餌する様子を観察し、6時8分頃に環境省職員が観察したところ、巣が空いた状態が確認され、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
 なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

5 野生下のトキの営巣状況(まとめ)

(1)営巣中(育雛中)

番号生まれ年性別

状況

No.67 2009年 オス

3月23日 スギで営巣を確認

3月26日 抱卵確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

4月24日 ヒナ1羽を確認

No.80 2010年 メス
No.86 2009年 オス

3月15日 スギで営巣を確認

3月22日 抱卵確認

     (21日夕刻以降に産卵と推定)

4月24日 給餌行動を確認

4月26日 ヒナ1羽を確認

No.134 2011年 メス
No.68 2009年 オス

3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

4月25日 給餌行動を確認

4月27日 ヒナ2羽を確認

No.78 2010年 メス
No.33 2008年 オス

3月19日 クロマツで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

4月26日 ヒナ1羽を確認

No.38 2007年 メス
No.74 2009年 オス

3月26日 スギで営巣を確認

4月1日  抱卵確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

4月27日 給餌行動を確認

足環なし メス
足環なし オス

3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月28日 ヒナ1羽を確認

No.201 2012年 メス


(2)営巣中(抱卵中)

番号生まれ年性別

状況

No.71 2009年 オス

3月24日 スダジイで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.79 2010年 メス
No.98 2010年 オス

3月23日 スギで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(24日夕刻以降に産卵と推定)

No.156 2011年 メス
No.92 2009年 オス

4月2日  スギで営巣・抱卵を確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

No.200 2012年 メス
No.146 2011年 オス

4月8日  スギで営巣を確認

4月12日 抱卵確認

(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.163 2011年 メス
No.177 2012年 オス

4月3日  サクラで営巣を確認

4月13日 抱卵確認

(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.199 2012年 メス
No.161 2011年 オス

4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(12日夕刻以降に産卵と推定)

No.149 2012年 メス
No.143 2011年 オス

4月13日 スギで営巣・抱卵を確認

(10日夕刻以降に産卵と推定)

No.183 2013年 メス
No.11 2006年 オス

4月16日 スギで営巣・抱卵を確認

(14日夕刻以降に産卵と推定)

No.03 2005年 メス
No.138 2011年 オス

4月16日 スギで営巣・抱卵を確認

(15日夕刻以降に産卵と推定)

No.195 2012年 メス
No.108 2010年 オス

4月18日 スギで営巣・抱卵を確認

(17日夕刻以降に産卵と推定)

No.114 2011年 メス
足環なし オス

4月22日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(16日夕刻以降に産卵と推定)

No.127 2011年 メス
足環なし オス

4月23日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

No.A03 2013年 メス
No.137 2011年 オス

3月19日 クロマツで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

4月13日 抱卵中止を確認

4月25日 クロマツで再営巣・抱卵を確認

(23日夕刻以降に産卵と推定)

No.194 2012年 メス
No.85 2009年 オス

4月14日 スギで営巣・抱卵を確認

(9日夕刻以降に産卵と推定)

4月16日 抱卵中止を確認

4月25日 スギで再営巣・抱卵を確認

(24日夕刻以降に産卵と推定)

No.93 2009年 メス

(3)営巣中(抱卵未確認)

番号生まれ年性別

状況

No.72 2009年 オス

4月3日  クロマツで営巣を確認

No.A04 2013年 メス

(4)営巣・抱卵中止

番号生まれ年性別

状況

足環なし オス

3月24 日 クロマツで営巣を確認

3月27日 営巣中止を確認

No.158 2010年 メス
No.105 2010年 オス

3月22日 スギで営巣・抱卵を確認

     (観察経過から産卵時期の推定は困難)

3月27日 抱卵中止を確認

No.157 2010年 メス
No.50 2007年 オス

3月25日 スギで営巣・抱卵を確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

4月3日  抱卵中止を確認

No.114 2011年 メス
No.107 2010年 オス

3月26日 スギで営巣を確認

3月29日 抱卵確認

(27日夕刻以降に産卵と推定)

4月6日  抱卵中止を確認

No.95 2010年 メス
足環なし オス

3月27日 クロマツで営巣を確認

4月10日 抱卵確認

(9日夕刻以降に産卵と推定)

4月12日 抱卵中止を確認

No.A03 2013年 メス
足環なし オス

3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(27日夕刻以降に産卵と推定)

4月13日 抱卵中止を確認

No.127 2011年 メス
足環なし オス

3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

4月13日 抱卵中止を確認

No.96 2010年 メス
No.136 2009年 オス

4月7日  スダジイで営巣・抱卵を確認

(5日夕刻以降に産卵と推定)

4月17日 抱卵中止を確認

No.196 2012年 メス
No.08 2006年 オス

3月30日 スギで営巣・抱卵を確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

4月20日 抱卵中止を確認

No.25 2008年 メス
No.A02 2013年 オス

4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月20日 抱卵中止を確認

No.A01 2013年 メス
No.91 2009年 オス

4月2日  スギで営巣を確認

4月6日  抱卵確認

(5日夕刻以降に産卵と推定)

4月8日  抱卵中止を確認

     (卵の殻1個分を回収)

4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認

4月24日 抱卵中止を確認

     (卵の殻1個分を回収)

No.154 2009年 メス
No.50 2007年 オス

4月17日 スギで営巣を確認

4月20日 抱卵確認

(19日夕刻以降に産卵と推定)

4月21日 抱卵中止を確認

4月22日 抱卵確認

(21日夕刻以降に産卵と推定)

4月26日 抱卵中止を確認

No.157 2010年 メス
No.48 2007年 オス

4月26日 スギで営巣・抱卵を確認

(23日夕刻以降に産卵と推定)

4月28日 抱卵中止を確認

No.69 2009年 メス

6 2012年~2015年の繁殖結果・繁殖状況

営巣

ふ化

巣立ち

形成ペア数

ヒナをふ化させたペア数

ふ化した

ヒナの羽数

巣立ちさせた

ペア数

巣立ちした

羽数

2012年

18

3

8

3

8

2013年

24

5

14

2

4

2014年

35

14

36

11

31

2015年

34

6

7

  • ※ 今期形成されたペア34組のうち
    • ・営巣中のペア21組(うち6組が育雛、14組が抱卵、1組が未抱卵)
    • ・営巣、抱卵を中止したペア13組