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関東地方環境事務所

報道発表資料

2015年05月19日
  • 報道発表

(定例発表)野生下のトキの営巣状況等について

平成27年5月19日(火)

関東地方環境事務所
所長 上杉 哲郎
野生生物課長 荒牧 まりさ
(TEL:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(TEL:0259-22-3372)

本日時点での野生下のトキの営巣状況等について、お知らせします。
営巣が確認されているペアは14組、そのうち8組で育雛、6組で抱卵が確認されています。

1 足環装着等を行ったペア

(1)個体番号

 No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)

(2)実施日

 平成27年5月18日(月)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過
  •  6:17 林内作業班6名が営巣木のある林内に入る。親鳥は巣から飛去。
  •  6:24 捕獲作業員が営巣木にロープを用い登り始める。
  •  6:43 巣に到着しヒナ1羽を確認。捕獲作業員がヒナ1羽を捕獲し、収容カゴに入れる。
  •  6:45 収容カゴをロープで下ろし、地上で足環装着、身体測定(自然翼長・跗蹠長、嘴峰長)、羽毛採取(2枚、血液を用いた雌雄判別等に使用)、写真撮影を行う。同時に樹上で巣の計測等を実施。
  •  7:00 収容カゴを樹上に引き上げ、ヒナ1羽を巣に戻す。
  •  7:11 全ての作業を終了し、林内から撤収。
  •  7:49 No.156(メス)が巣に戻る。
  •  7:53 No.156(メス)によるヒナへの給餌を確認。
(5)捕獲したヒナの状況
 ①No.A32
  •   ○体重      1,446g
  •   ○自然翼長    251.7mm
  •   ○跗蹠長     73.7mm
  •   ○推定日齢   25日齢程度
  •   ○装着した足環
    •    ・ナンバーリング:プラスチック製の番号足環(「A32」を刻印)、左関節下
    •    ・補助カラーリング:プラスチック製の黄・橙・白色の足環、右関節下に3個
    •    ・金属リング:環境省が定める全国共通の足環、左関節上
  •   ○ヒナの健康状態 良好
(6)営巣環境等
  •  営巣木:スギ
  •  巣の高さ:13.0m
  •  巣の大きさ:長径70cm、短径60cm、厚さ20cm、深さ5cm
<作業実施体制>
  •   林内作業(6名)
  •   作業統括(環境省職員)
  •   ヒナ捕獲作業員(環境省職員)
  •   足環装着・保定(佐渡トキ保護センター職員2名)
  •   記録(新潟大学職員、環境省職員)
  •   林外作業(2名)
  •   モニタリング等(調査請負事業者職員、市民ボランティア)

2 再営巣・抱卵を確認したペア

(1)個体番号

 No.71(2009年生まれ、オス) 及び No.79(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年5月19日(火)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、4月29日に給餌行動(ヒナ誕生)が確認された後、5月5日に育雛中止を確認していた。
 5月19日午前6時44分頃に、環境省職員が巣を観察したところ、樹上に巣が造られ巣上にNo.71(オス)が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を再開したものと判断した。
 17日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、17日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
 営巣場所は、3月24日に最初の営巣が確認された場所から約20メートル程度離れた雑木林内で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

3 抱卵中止を確認したペア

(1)個体番号

 足環なし(オス) 及び No.A03(2013年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年5月18日(月)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、4月23日に抱卵が確認されていた。
 5月18日午前6時頃から6時10分頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が観察したところ、巣の空いた状態が確認され、同8時25分頃から11時50分頃にかけて、同巣を観察した際にも巣が空いた状態となり、抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
 なお、卵の殻の回収は本日時点で実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

4 野生下のトキの営巣状況(まとめ)

(1)営巣中(育雛中)
番号生まれ年性別状況
No.67 2009年 オス 3月23日 スギで営巣を確認
3月26日 抱卵確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
4月24日 ヒナ1羽を確認
4月29日 ヒナ計2羽を確認
5月12日 ヒナ2羽に足環装着(No.A26,No.A27)
No.80 2010年 メス
No.86 2009年 オス 3月15日 スギで営巣を確認
3月22日 抱卵確認
     (21日夕刻以降に産卵と推定)
4月24日 給餌行動を確認
4月26日 ヒナ1羽を確認
5月5日  ヒナ計2羽を確認
5月12日 ヒナ2羽に足環装着(No.A24,No.A25)
No.134 2011年 メス
No.68 2009年 オス 3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(25日夕刻以降に産卵と推定)
4月25日 給餌行動を確認
4月27日 ヒナ2羽を確認
5月14日 ヒナ計3羽を確認
No.78 2010年 メス
No.33 2008年 オス 3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
4月26日 ヒナ1羽を確認
4月30日 ヒナ計2羽を確認
No.38 2007年 メス
No.74 2009年 オス 3月26日 スギで営巣を確認
4月1日  抱卵確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
4月27日 給餌行動を確認
5月1日  ヒナ1羽を確認
5月5日  ヒナ計2羽を確認
5月13日 ヒナ計4羽を確認、ヒナ4羽に足環装着(No.A28,No.A29,No.A30,No.A31)
足環なし メス
足環なし オス 3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
4月28日 ヒナ1羽を確認
5月8日  ヒナ1羽に足環装着(No.A23)
No.201 2012年 メス
No.98 2010年 オス 3月23日 スギで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
4月29日 ヒナ1羽を確認
5月18日 ヒナ1羽に足環装着(No.A32)
No.156 2011年 メス
No.161 2011年 オス 4月13日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(12日夕刻以降に産卵と推定)
5月15日 ヒナ1羽を確認
No.149 2012年 メス
(2)営巣中(抱卵中)
番号生まれ年性別状況
No.11 2006年 オス 4月16日 スギで営巣・抱卵を確認
(14日夕刻以降に産卵と推定)
No.03 2005年 メス
No.138 2011年 オス 4月16日 スギで営巣・抱卵を確認
(15日夕刻以降に産卵と推定)
No.195 2012年 メス
足環なし オス 4月22日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(16日夕刻以降に産卵と推定)
No.127 2011年 メス
No.A02 2013年 オス 4月10日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
4月20日 抱卵中止を確認
5月3日  クロマツで再営巣・抱卵を確認
(2日夕刻以降に産卵と推定)
No.A01 2013年 メス
No.107 2010年 オス 3月26日 スギで営巣を確認
3月29日 抱卵確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
4月6日  抱卵中止を確認
5月5日  スギで再営巣・抱卵を確認
(4日夕刻以降に産卵と推定)
No.95 2010年 メス
No.71 2009年 オス 3月24日 スダジイで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
4月29日 給餌行動を確認
5月4日  ヒナ1羽の死亡を確認
5月5日  育雛中止を確認
5月19日 再営巣・抱卵を確認(樹種不明)
(18日夕刻以降に産卵と推定)
No.79 2010年 メス
(3)営巣・抱卵・育雛中止
番号生まれ年性別状況
足環なし オス 3月24 日 クロマツで営巣を確認
3月27日 営巣中止を確認
No.158 2010年 メス
No.105 2010年 オス 3月22日 スギで営巣・抱卵を確認
     (観察経過から産卵時期の推定は困難)
3月27日 抱卵中止を確認
No.157 2010年 メス
No.50 2007年 オス 3月25日 スギで営巣・抱卵を確認
(22日夕刻以降に産卵と推定)
4月3日  抱卵中止を確認
No.114 2011年 メス
足環なし オス 3月27日 クロマツで営巣を確認
4月10日 抱卵確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
4月12日 抱卵中止を確認
No.A03 2013年 メス
足環なし オス 3月28日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(27日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認
No.127 2011年 メス
足環なし オス 3月30日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認
No.96 2010年 メス
No.08 2006年 オス 3月30日 スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
4月20日 抱卵中止を確認
(卵の殻1個分を回収)
No.25 2008年 メス
No.91 2009年 オス 4月2日  スギで営巣を確認
4月6日  抱卵確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
4月8日  抱卵中止を確認
     (卵の殻1個分を回収)
4月15日 スギで再営巣・抱卵を確認
4月24日 抱卵中止を確認
     (卵の殻1個分を回収)
No.154 2009年 メス
No.48 2007年 オス 4月26日 スギで営巣・抱卵を確認
(23日夕刻以降に産卵と推定)
4月28日 抱卵中止を確認
     (卵の殻1個分を回収)
No.69 2009年 メス
足環なし オス 4月27日 スギで営巣・抱卵を確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
4月29日 抱卵中止を確認
No.148 2012年 メス
No.92 2009年 オス 4月2日  スギで営巣・抱卵を確認
(29日夕刻以降に産卵と推定)
5月3日  抱卵中止を確認
     (卵の殻1個分を回収)
No.200 2012年 メス
No.72 2009年 オス 4月3日  クロマツで営巣を確認
5月3日 抱卵確認
(2日夕刻以降に産卵と推定)
5月4日  抱卵中止を確認
No.A04 2013年 メス
No.177 2012年 オス 4月3日  サクラで営巣を確認
4月13日 抱卵確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)
5月5日  抱卵中止を確認
No.199 2012年 メス
No.108 2010年 オス 4月18日 スギで営巣・抱卵を確認
(17日夕刻以降に産卵と推定)
5月7日  抱卵中止を確認
No.114 2011年 メス
No.137 2011年 オス 3月19日 クロマツで営巣を確認
3月27日 抱卵確認
(26日夕刻以降に産卵と推定)
4月13日 抱卵中止を確認
4月25日 クロマツで再営巣・抱卵を確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
5月7日  抱卵中止を確認
No.194 2012年 メス
No.106 2010年 オス 4月25日 スギで営巣・抱卵を確認
(観察経過から産卵時期の推定は困難)
5月8日  抱卵中止を確認
No.122 2010年 メス
No.136 2009年 オス 4月7日  スダジイで営巣・抱卵を確認
(5日夕刻以降に産卵と推定)
4月17日 抱卵中止を確認
4月29日  スダジイで再営巣・抱卵を確認
     (27日夕刻以降に産卵と推定)
5月8日  抱卵中止を確認
No.196 2012年 メス
No.90 2009年 オス 5月7日  スギで営巣・抱卵を確認
(6日夕刻以降に産卵と推定)
5月8日  抱卵中止を確認
No.180 2013年 メス
No.143 2011年 オス 4月13日 スギで営巣・抱卵を確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)
5月10日 給餌行動を確認
5月14日 育雛中止を確認
No.183 2013年 メス
No.06 2006年 オス 5月11日 スダジイで営巣・抱卵を確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
5月14日 抱卵中止を確認
No.69 2009年 メス
No.50 2007年 オス 4月17日 スギで営巣を確認
4月20日 抱卵確認
(19日夕刻以降に産卵と推定)
4月21日 抱卵中止を確認
4月22日 抱卵確認
(21日夕刻以降に産卵と推定)
4月26日 抱卵中止を確認
5月10日 スギで営巣・抱卵を確認
     (観察経過から産卵時期の推定は困難)
5月14日 抱卵中止を確認
No.157 2010年 メス
No.146 2011年 オス 4月8日  スギで営巣を確認
4月12日 抱卵確認
(10日夕刻以降に産卵と推定)
5月14日 抱卵中止を確認
No.163 2011年 メス
No.85 2009年 オス 4月14日 スギで営巣・抱卵を確認
(9日夕刻以降に産卵と推定)
4月16日 抱卵中止を確認
4月25日 スギで再営巣・抱卵を確認
(24日夕刻以降に産卵と推定)
5月15日 抱卵中止を確認
No.93 2009年 メス
足環なし オス 4月23日 クロマツで営巣・抱卵を確認
(22日夕刻以降に産卵と推定)
5月18日 抱卵中止を確認
No.A03 2013年 メス

5 2012年~2015年の繁殖結果・繁殖状況

営巣ふ化巣立ち
形成ペア数ヒナをふ化させたペア数ふ化した
ヒナの羽数
巣立ちさせた
ペア数
巣立ちした
羽数
2012年 18 3 8 3 8
2013年 24 5 14 2 4
2014年 35 14 36 11 31
2015年 38 10 18
  • ※ 今期形成されたペア38組のうち
    • ・営巣中のペア14組(うち8組が育雛、6組が抱卵)
    • ・営巣、抱卵・育雛を中止したペア24組