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関東地方環境事務所

報道発表資料

2015年03月27日
  • その他

(お知らせ)野生下で誕生したトキ同士の営巣確認及び今期最初の抱卵中止の確認等について

平成27年3月27日(金)
関東地方環境事務所
所長 上杉 哲郎
野生生物課長 荒牧 まりさ
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(℡:0259-22-3372)

新潟県佐渡市において、野生下で誕生したトキ同士がペアを形成し、営巣を開始しました。野生下で誕生した個体同士による営巣確認は、今回が最初となりますので、以下のとおりお知らせします。
また、3月22日に営巣・抱卵が確認されていたペアについて、今期最初となる抱卵中止が確認されましたので、他の営巣状況と併せてお知らせします。
営巣が確認されているペアは12組、そのうち9組で抱卵が確認されています。

1 抱卵を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

 No.67(2009年生まれ、オス) 及び No.80(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月26日(木)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、2012年、2013年、2014年の繁殖期に各3羽を巣立たせたペアで、3月23日に営巣を確認していた。
 3月26日午前9時10分頃から同45分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に2羽が交互に座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
前日の午前中に環境省職員が観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、25日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.33(2008年生まれ、オス) 及び No.38(2007年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、昨年の繁殖期に3羽を巣立たせたペアで、3月19日に営巣を確認していた。
 3月27日午前5時32分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、巣上にNo.38(メス)が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
 前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、26日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

(Ⅲ)

(1)個体番号

 No.71(2009年生まれ、オス) 及び No.79(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月24日に営巣を確認していた。
 3月27日午前6時頃、モニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
 前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、26日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

(Ⅳ)

(1)個体番号

 No.137(2011年生まれ、オス) 及び No.194(2012年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月19日に営巣を確認していた。
 3月27日午前6時47分頃から7時45分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、巣上に2羽が交互に座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
 前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、26日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

(Ⅴ)

(1)個体番号

 No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月23日に営巣を確認していた。
 3月27日午前6時52分頃、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
 このペアは、3月24日に2羽で林外に出る様子が観察されており、それ以降に産卵した可能性が高いと思われる。

2 営巣・抱卵を確認したペア

(Ⅰ)

(1)個体番号

 足環なし(オス) 及び No.201(2012年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月24日(火)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、2月下旬に擬交尾をする様子が観察され、3月中旬に枝を運ぶ様子をモニタリングチーム(市民ボランティア)が目撃していた。
 3月24日午後2時20分頃に、環境省職員が林内を観察したところ、スダジイの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
 これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。
 営巣場所は、海岸部に近い雑木林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.114(2011年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月25日(水)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 1月中旬頃から2羽で行動する様子が観察され、3月中旬からは同ペアとみられる個体が枝を運ぶ様子が繰り返し確認されていたため、注意して観察を継続していた。3月25日午前8時頃に、モニタリングチーム(市民ボランティア)が観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
 3月22日に2羽で探餌する様子が観察されていることから、それ以降に産卵した可能性が高いと思われる。
 営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。

(Ⅲ)

(1)個体番号

 No.68(2009年生まれ、オス) 及び No.78(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月26日(木)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、2012年の繁殖期からペアを形成し、昨年の繁殖期に4羽を巣立たせたペアである。
1月中旬頃から2羽で行動する様子が観察され、2月中旬からは枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。3月26日午前6時2分頃に、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上にメス(No.78)が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
 前日の午前中に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、25日夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
 営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートルの高さに造られている。

3 営巣を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

 No.74(2009生まれ、オス) 及び 足環なし(メス)

(2)確認日

 平成27年3月26日(木)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 1月下旬頃から擬交尾する様子が観察され、昨年の繁殖期にオス(No.74)が営巣した場所付近で同ペアとみられる個体が巣造りする様子をモニタリングチーム(市民ボランティア)が観察していた。3月26日午前6時30分頃に、環境省職員が観察したところ、スギの樹上において2羽で巣造りする様子が見られ、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
 営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)

(1)個体番号

 No.107(2010年生まれ、オス) 及び No.95(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成26年3月26日(木)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、飼育番号No.80(2004年生まれ、オス)とNo.36(2002年生まれ、 メス)の子できょうだい(同年同巣の兄妹)にあたり、昨年の繁殖期も営巣を確認したペアである。
 1月上旬頃から2羽での行動が観察され、3月中旬頃にかけて擬交尾や枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。3月26日午前7時50分頃に、環境省職員が観察したところ、スギの樹上において2羽で巣造りし、巣材とする草を運ぶ様子も確認されたことから、営巣を開始したものと判断した。
 営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅲ)

(1)個体番号

 足環なし(オス) 及び No.A03(2013年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成26年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアのうち、足環なし個体は2012年又は2014年の繁殖期に野生下で誕生した個体で、No.A03は2013年の繁殖期に、No.67(2009年生まれ、オス)とNo.80(2010年生まれ、メス)のペアから誕生した個体である。
 このペアと特定される繁殖行動は、ほとんど確認されていなかったが、3月26日午前6時頃にモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が3月24日に営巣が確認されていた足環なし(オス)とNo.158(メス)によるクロマツの樹上の巣を観察したところ、巣上において2羽で巣造りする様子が見られた。3月27日午前5時25分頃から6時30分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が同巣を再度観察したところ、2羽で巣造りする様子が継続して確認されたことから、営巣を開始したものと判断した。
 なお、この足環なし個体については、No.158と営巣していた足環なし(オス)個体と同一かどうかを識別することは困難である。
 営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

4 抱卵中止を確認したペア

(1)個体番号

 No.105(2010年生まれ、オス) 及び No.157(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月22日に抱卵開始を確認していたペアである。
 3月27日午前7時55分頃から10時57分頃にかけて環境省職員が巣の様子を確認したところ、巣が空いた状態となり巣に戻る様子が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
 なお、巣の下を踏査したところ、卵の殻等は確認できなかった。巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

5 営巣中止を確認したペア

(1)個体番号

 足環なし(オス) 及び No.158(2010年生まれ、メス)

(2)確認日

 平成27年3月27日(金)

(3)場所

 新潟県佐渡市

(4)経過

 このペアは、3月24日に営巣を確認していたペアである。
 3月25日までは2羽で巣造りする様子が確認されていたが、3月26日に観察を行った際は、巣上において足環なし個体とNo.A03が巣造りする様子が確認され、No.158は確認されなかった。3月27日に同巣を観察した際も同様の状況であったことから、営巣を中止したものと判断した。

6 野生下のトキの営巣状況(まとめ)

(1)営巣・抱卵中

番号 生まれ年 性別

状況

No.86  2009年 オス

No.134 2011年 メス

3月15日 スギで営巣を確認

3月22日 抱卵確認

     (21日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし    オス

No.201 2012年 メス

3月24日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

No.50  2007年 オス

No.114 2011年 メス

3月25日 スギで営巣・抱卵を確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

No.68  2010年 オス

No.78  2010年 メス

3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.67  2009年 オス

No.80  2010年 メス

3月23日 スギで営巣を確認

3月26日 抱卵確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.33  2008年 オス

No.38  2007年 メス

3月19日 クロマツで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.71  2009年 オス

No.79  2010年 メス

3月24日 スダジイで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.137 2011年 オス

No.194 2012年 メス

3月19日 クロマツで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

No.98  2010年 オス

No.156 2011年 メス

3月23日 スギで営巣を確認

3月27日 抱卵確認

(24日夕刻以降に産卵と推定)

(2)営巣中(抱卵未確認)

番号 生まれ年 性別

状況

No.74  2009年 オス

足環なし     メス

3月26日 スギで営巣を確認

No.107 2010年 オス

No.95  2010年 メス

3月26日 スギで営巣を確認

足環なし    オス

No.A03 2013年 メス

3月27日 クロマツで営巣を確認

(3)営巣・抱卵中止

番号 生まれ年 性別

状況

足環なし    オス

No.158 2010年 メス

3月24 日 クロマツで営巣を確認

3月27日 営巣中止を確認

No.105 2010年 オス

No.157 2010年 メス

3月22日 スギで営巣・抱卵を確認

     (観察経過から産卵時期の推定は困難)

3月27日 抱卵中止を確認