報道発表資料
- 報道発表
(定例発表)野生下のトキの営巣状況について
平成28年4月1日(金)
関東地方環境事務所
所 長 上杉 哲郎
野生生物課長 澤 邦之
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(℡:0259-22-3372)
本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。 野生下で誕生したトキ同士による2組目の営巣が確認されました。 営巣が確認されているペアは全体で24組、そのうち21組で抱卵が確認されています。 |
1 抱卵を確認したペアについて
(1)個体番号
No.74(2009年生まれ、オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日
平成28年3月31日(木)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、3月14日に営巣を確認していた。
3月31日午前6時50分頃から7時10分頃にかけてモニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上にNo.74(オス)が座り込む様子が確認され、9時5分頃に環境省職員が観察した際にも1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
3月29日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
2 営巣・抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
No.08(2006年生まれ、オス) 及び No.25(2008年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年3月29日(火)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
2月中旬頃から2羽で探餌する様子が見られ、3月中旬頃から同ペアとみられる個体が、営巣地付近で枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
3月29日午前6時35分頃から6時54分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に不明個体が座り込んでいる様子を確認していた。30日午前9時52分頃から9時58分頃にかけて、同職員が巣を観察したところ、2羽が交代で座り込む様子が確認できたことから、29日の時点で抱卵を開始したものと判断した。
これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。
営巣場所は、水田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号
No.107(2010年生まれ、オス) 及び No.154(2009年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年3月30日(水)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
3月下旬にかけて同ペアとみられる個体が、営巣地付近で枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
3月30日午前7時44分頃から8時06分頃にかけて環境省職員及びモニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
3月29日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。
(Ⅲ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.96(2010年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年3月31日(木)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
3月中旬頃から同ペアとみられる個体が、営巣地付近で枝を運ぶ様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
3月31日午前5時40分頃から6時38分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、クロマツの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込む様子を確認し、7時10分頃から8時頃にかけて同職員が観察した際にも2羽が交代で座り込む様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
3月26日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、畑地に隣接する松林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅳ)
(1)個体番号
No.67(2009年生まれ、オス) 及び No.95(2010年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年4月1日(金)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
この2羽は、飼育番号No.80(オス)とNo.36(メス)の子にあたるきょうだいペアである。
2月中から擬交尾する様子が観察され、3月下旬にかけて2羽で巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
4月1日午前5時10分頃から5時50分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上にNo.95(メス)が座り込む様子を確認し、7時45分頃に同職員が観察した際にも同個体が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
3月31日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、集落に隣接する杉林で、巣は地上から約数十メートル程度の高さに造られている。
3 営巣を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.227(2012年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年3月31日(木)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
3月中旬頃から同ペアとみられる個体が営巣地付近で擬交尾する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
3月31日午前6時58分頃から7時18分頃にかけて、環境省職員が観察したところ、落葉広葉樹の樹上で2羽で巣造りする様子が確認され、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
営巣場所は、集落に隣接する雑木林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号
No.A13(2014年生まれ、オス) 及び No.A04(2013年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年3月31日(木)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
この2羽は、野生下で誕生した個体同士のペアである。
3月上旬頃から営巣地付近で2羽で行動する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
3月31日午前8時33分頃から8時44分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、2羽で巣造りする様子が確認され、スダジイの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。
営巣場所は、集落に隣接する雑木林で、巣は地上から約10メートル程度の高さに造られている。
4 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣・抱卵中
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月17日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月10日 スギで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.A02 2013年 オス No.A01 2013年 メス |
3月18日 アカマツで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.50 2007年 オス No.114 2011年 メス |
3月18日 スギで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.143 2011年 オス No.183 2013年 メス |
3月18日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.205 2012年 オス No.192 2012年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月23日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月18日 クロマツで営巣を確認 3月24日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月17日 クロマツで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.127 2011年 メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.161 2013年 オス No.149 2013年 メス |
3月27日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.72 2009年 オス 足環なし メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月28日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.214 2013年 オス No.203 2013年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月28日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
No.172 2011年 オス No.202 2012年 メス |
3月28日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.110 2010年 オス No.163 2011年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) |
No.11 2006年 オス No.03 2005年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
No.08 2006年 オス No.25 2008年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.107 2010年 オス No.154 2009年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.96 2011年 メス |
3月31日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月14日 スギで営巣を確認 3月31日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.67 2009年 オス No.95 2010年 メス |
4月1日 スギで営巣・抱卵を確認 (31日夕刻以降に産卵と推定) |
(2)営巣中(抱卵未確認)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.84 2009年 オス No.180 2013年 メス |
3月29日 スギで営巣を確認 |
足環なし オス No.227 2012年 メス |
3月31日 落葉広葉樹で営巣を確認(樹種不明) |
No.A13 2014年 オス No.A04 2013年 メス |
3月31日 スダジイで営巣を確認 |
(3)営巣・抱卵中止
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.23 2008年 オス No.26 2008年 メス |
3月16日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (20日夕刻以降に産卵と推定) 3月25日 抱卵中止を確認 |