報道発表資料
- 報道発表
(定例発表)野生下のトキの営巣状況について
平成28年4月12日(火)
関東地方環境事務所
所 長 上杉 哲郎
野生生物課長 澤 邦之(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男(℡:0259-22-3372)
本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。
営巣が確認されているペアは全体で30組、そのうち29組で抱卵が確認されています。
1 抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
No.84(2009年生まれ、オス) 及び No.180(2013年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年4月9日(土)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、3月29日に営巣を確認していた。
4月9日午前6時頃から6時30分頃にかけて、モニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察したところ、巣上にNo.180(メス)が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
4月8日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
(Ⅱ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.227(2012年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年4月11日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、3月31日に営巣を確認していた。
4月11日午前7時35分頃から7時40分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
4月8日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
(Ⅲ)
(1)個体番号
No.211(2013年生まれ オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日
平成28年4月12日(火)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月8日に営巣を確認していた。
4月12日午前8時16分頃から8時42分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣上に1羽が座り込む様子が確認されたことから、抱卵を開始したものと判断した。
4月8日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
2 営巣・抱卵を確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
No.136(2009年生まれ オス) 及び 足環なし(メス)
(2)確認日
平成28年4月10日(日)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
3月下旬頃にかけて同ペアとみられる個体が、営巣地付近で行動する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。
4月10日午前11時5分頃から11時22分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、スギの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子を確認したことから、抱卵を開始したものと判断した。
4月8日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。
営巣場所は、集落に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
(Ⅱ)
(1)個体番号
No.91(2009年生まれ オス) 及び No.181(2013年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年4月11日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、個体の特定ができない状況の中、4月8日の時点でスギの樹上に巣が造られ抱卵する様子が確認されていた
4月11日午前7時45分頃から11時10分頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、不明個体からNo.91(オス)に抱卵を交代する様子が確認され、11時15分頃に、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が抱卵交代後に水田に降りた不明個体を観察したところ、No.181(メス)であることを確認したことから、同ペアであることが判明した。
これまでの観察経過から、産卵時期を推定するのは困難である。
営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。
3 抱卵中止を確認したペア
(Ⅰ)
(1)個体番号
No.08(2006年生まれ、オス) 及び No.25(2008年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年4月8日(金)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、3月29日に抱卵を確認していた。
4月8日午前10時5分頃から10時56分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が2羽で林外にて探餌する様子を観察し、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、10日に巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅱ)
(1)個体番号
No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年4月9日(土)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、3月20日に抱卵を確認していた。
4月9日午前5時57分頃から7時12分頃にかけて、モニタリングチーム(新潟大学職員)が2羽で林外にて探餌する様子を観察し、8時30分頃に巣を観察したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、同日に巣の下を踏査したところ、卵の殻2個分及び割れた卵3個を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
(Ⅲ)
(1)個体番号
No.138(2011年生まれ、オス) 及び No.195(2012年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年4月11日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月4日に抱卵を確認していた。
4月11日午前10時23分頃から10時50分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。
なお、12日に巣の下を踏査したところ、卵の殻5個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。
4 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣・抱卵中
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月17日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.A02 2013年 オス No.A01 2013年 メス |
3月18日 アカマツで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.50 2007年 オス No.114 2011年 メス |
3月18日 スギで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.143 2011年 オス No.183 2013年 メス |
3月18日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) |
No.205 2012年 オス No.192 2012年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月23日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月18日 クロマツで営巣を確認 3月24日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月17日 クロマツで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.127 2011年 メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.161 2013年 オス No.149 2013年 メス |
3月27日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.72 2009年 オス 足環なし メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月28日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.214 2013年 オス No.203 2013年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月28日 抱卵確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
No.172 2011年 オス No.202 2012年 メス |
3月28日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.110 2010年 オス No.163 2011年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) |
No.11 2006年 オス No.03 2005年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) |
No.107 2010年 オス No.154 2009年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.96 2011年 メス |
3月31日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月14日 スギで営巣を確認 3月31日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.67 2009年 オス No.95 2010年 メス |
4月1日 スギで営巣・抱卵を確認 (31日夕刻以降に産卵と推定) |
No.177 2012年 オス No.199 2012年 メス |
4月4日 スギで営巣・抱卵を確認 (3日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.A21 2014年 メス |
4月5日 スダジイで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.A14 2014年 メス |
4月7日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス 足環なし メス |
3月31日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (4月8日に同ペアであることを確認) (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.187 2012年 オス No.232 2013年 メス |
4月8日 スギで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) |
No.84 2009年 オス No.180 2013年 メス |
3月29日 スギで営巣を確認 4月9日 抱卵確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) |
No.136 2009年 オス 足環なし メス |
4月10日 スギで営巣・抱卵を確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.227 2012年 メス |
3月31日 落葉広葉樹で営巣を確認(樹種不明) 4月11日 抱卵確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) |
No.91 2009年 オス No.181 2013年 メス |
4月8日 スギで営巣・抱卵を確認 (4月11日に同ペアであることを確認) (観察経過から産卵時期の推定は困難) |
No.211 2013年 オス 足環なし メス |
4月8日 スギで営巣を確認 4月12日 抱卵確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) |
(2)営巣中(抱卵未確認)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.A13 2014年 オス No.A04 2013年 メス |
3月31日 スダジイで営巣を確認 |
(3)営巣・抱卵中止
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.23 2008年 オス No.26 2008年 メス |
3月16日 スギで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (20日夕刻以降に産卵と推定) 3月25日 抱卵中止を確認 |
No.08 2006年 オス No.25 2008年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月8日 抱卵中止を確認 (卵の殻1個分を回収) |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月10日 スギで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 (卵の殻2個分及び割れた卵3個を回収) |
No.138 2011年 オス No.195 2012年 メス |
4月4日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月11日 抱卵中止を確認 (卵の殻5個分を回収) |