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関東地方環境事務所

報道発表資料

2016年04月26日
  • 報道発表

(定例発表)野生下のトキの営巣状況について

平成28年4月26日(火)

関東地方環境事務所

所 長    上杉 哲郎

野生生物課長 澤  邦之(℡:048-600-0817)

佐渡自然保護官事務所

首席自然保護官 広野 行男(℡:0259-22-3372)

本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。

営巣が確認されているペアは、全体で40組、そのうち7組で育雛、30組で抱卵が確認されています。

1 ヒナを確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

No.33(2008年生まれ、オス) 及び No.38(2007年生まれ、オス)

(2)確認日

平成28年4月23日(土)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月25日に抱卵を確認していた。

4月23日午前5時10分頃から8時19分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、No.38(メス)がヒナに給餌する様子がみられ、その際に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。また、4月24日6時25分頃から7時48分頃にかけてモニタリングチーム(市民ボランティア)が巣を観察した際に、巣上にヒナ2羽の姿を確認した。

22日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

(Ⅱ)

(1)個体番号

No.86(2009年生まれ、オス) 及び No.134(2011年生まれ、メス)

(2)確認日

平成28年4月26日(火)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月25日に抱卵を確認していた。

4月26日午前6時30分頃から7時47分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、No.134(メス)がヒナに給餌する様子を確認し、その際に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。

25日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

     

2 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

No.205(2012年生まれ、オス) 及び No.192(2012年生まれ、メス)

(2)確認日

平成28年4月25日(月)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月23日に抱卵を確認していた。

4月25日午前5時7分頃から5時20分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、No.192(メス)がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断した。

22日に観察を行った際は、給餌行動等は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

(Ⅱ)

(1)個体番号

足環なし(オス) 及び No.96(2010年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月26日(火)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月31日に抱卵を確認していた。

4月26日午前6時3分頃から7時35分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、足環なし個体(オス)がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断した。

25日に観察を行った際は、給餌行動等は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。

3 再営巣・抱卵を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

No.23(2008年生まれ、オス) 及び No.26(2008年生まれ、メス)

(2)確認日

平成28年4月24日(日)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月22日に抱卵が確認された後、3月25日に抱卵中止を確認していた。

4月24日午前8時40分頃から8時50分頃にかけてモニタリングチーム(市民ボ

ランティア)が巣を観察したところ、スギの巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を再開したものと判断した。

4月22日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

営巣場所は、集落及び水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)

(1)個体番号

No.50(2007年生まれ、オス) 及び No.114(2011年生まれ、メス)

(2)確認日

平成28年4月25日(月)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月20日に抱卵が確認された後、4月13日に抱卵中止を確認していた。

4月25日午前8時57分頃から9時5分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学

職員)が巣を観察したところ、スギの巣上にNo.114(メス)が座り込んでいる様子が確認されたことから、営巣・抱卵を再開したものと判断した。

4月22日に観察を行った際は、抱卵が確認されていなかったことから、同日の夕刻以降に産卵した可能性が高いと思われる。

営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

4 営巣・抱卵を確認したペアについて

(1)個体番号

No.212(2013年生まれ オス) 及び No.218(2014年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月25日(月)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

4月上旬頃から営巣地周辺において2羽で行動する様子が確認されていたが、営巣地点が把握できない状況となっていた。

4月25日午後4時17分頃から4時23分頃にかけて、環境省職員及びモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が調査を行ったところ営巣地点が判明し、巣を観察したところ、ヤマザクラの樹上に巣が造られ巣上に1羽が座り込んでいる様子が確認されたことから、同ペアが抱卵を開始しているものと判断した。

これまでの観察経過から、産卵時期を特定することは困難である。

営巣場所は、休耕田に隣接する雑木林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

5 営巣を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

No.85(2009年生まれ オス) 及び No.93(2009年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月22日(金)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

4月中旬頃にかけて営巣地付近で同ペアとみられる個体が行動する様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。

4月22日午前6時頃から6時5分頃にかけて環境省職員が巣を観察したところ、No.93(メス)が巣造りする様子が確認され、スギの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。

営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

(Ⅱ)

(1)個体番号

No.48(2007年生まれ オス) 及び No.69(2009年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月26日(火)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

3月中旬頃から営巣地付近において2羽で行動する様子が観察され、4月中旬頃から巣造りする様子が確認されていたため、注意して観察を継続していた。

4月26日午前5時頃から5時30分頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察したところ、No.69(メス)が巣造りする様子が確認され、スギの樹上に巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断した。

営巣場所は、水田に隣接する杉林で、巣は地上から約十数メートル程度の高さに造られている。

6 抱卵中止を確認したペアについて

(Ⅰ)

(1)個体番号

No.172(2011年生まれ、オス) 及び No.202(2013年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月22日(金)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、3月28日に営巣を確認していた。

4月22日午前8時49分頃から9時20分頃にかけて、環境省職員が巣を観察したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できなかったことから、抱卵を中止したものと判断した。

なお、同日に巣の下を踏査したところ、卵の殻1個分を確認し回収したが、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

(Ⅱ)

(1)個体番号

No.A18(2014年生まれ オス) 及び No.217(2014年生まれ メス)

(2)確認日

平成28年4月24日(日)

(3)場 所

新潟県佐渡市

(4)経 過

このペアは、4月21日に営巣・抱卵を確認していた。

4月24日午後4時5分頃に環境省職員が巣を観察したところ、巣が空いた状態となり抱卵の継続が確認できず、4月25日午前8時5分頃にモニタリングチーム(新潟大学職員)が観察した際にも抱卵の継続が確認できなかったことから、24日の時点で抱卵を中止したものと判断した。

なお、卵の殻の回収は本日時点では実施しておらず、巣内の観察は困難であり、抱卵を中止した理由は不明である。

7 野生下のトキの営巣状況(まとめ)

 (1)営巣中(育雛中)

番号 生まれ年 性別

状 況

足環なし    オス

No.201 2012年 メス

3月17日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月14日 ヒナ2羽を確認

4月22日 ヒナ計3羽を確認

No.68  2009年 オス

No.78  2010年 メス

3月18日 クロマツで営巣を確認

3月24日 抱卵確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

4月21日 給餌行動を確認

4月26日 ヒナ1羽を確認

No.A02 2013年 オス

No.A01 2013年 メス

3月18日 アカマツで営巣を確認

3月20日 抱卵確認

(19日夕刻以降に産卵と推定)

4月21日 ヒナ1羽を確認

No.33  2008年 オス

No.38  2007年 メス

3月17日 クロマツで営巣を確認

3月25日 抱卵確認

(24日夕刻以降に産卵と推定)

4月23日 ヒナ1羽を確認

4月24日 ヒナ計2羽を確認

No.205 2012年 オス

No.192 2012年 メス

3月22日 スギで営巣を確認

3月23日 抱卵確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

4月25日 給餌行動を確認

No.86  2009年 オス

No.134 2011年 メス

3月22日 スギで営巣を確認

3月25日 抱卵確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

4月26日 ヒナ1羽を確認

足環なし     オス

No.96  2011年 メス

3月31日 クロマツで営巣・抱卵を確認

(26日夕刻以降に産卵と推定)

4月26日 給餌行動を確認

(2)営巣中(抱卵中)

番号 生まれ年 性別

状 況

No.143 2011年 オス

No.183 2013年 メス

3月18日 スギで営巣を確認

3月22日 抱卵確認

(19日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.127 2011年 メス

3月24日 クロマツで営巣を確認

3月26日 抱卵確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.161 2013年 オス

No.149 2013年 メス

3月27日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.72  2009年 オス

足環なし     メス

3月24日 クロマツで営巣を確認

3月28日 抱卵確認

(25日夕刻以降に産卵と推定)

No.110 2010年 オス

No.163 2011年 メス

3月29日 スギで営巣・抱卵を確認

(28日夕刻以降に産卵と推定)

No.11  2006年 オス

No.03  2005年 メス

3月29日 スギで営巣・抱卵を確認

(27日夕刻以降に産卵と推定)

No.107 2010年 オス

No.154 2009年 メス

3月30日 スギで営巣・抱卵を確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

No.74  2009年 オス

足環なし     メス

3月14日 スギで営巣を確認

3月31日 抱卵確認

(29日夕刻以降に産卵と推定)

No.67  2009年 オス

No.95  2010年 メス

4月1日  スギで営巣・抱卵を確認

(31日夕刻以降に産卵と推定)

No.177 2012年 オス

No.199 2012年 メス

4月4日  スギで営巣・抱卵を確認

(3日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.A21 2014年 メス

4月5日  スダジイで営巣を確認

4月6日  抱卵確認

(5日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.A14 2014年 メス

4月7日  クロマツで営巣・抱卵を確認

(5日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

足環なし     メス

3月31日 スダジイで営巣・抱卵を確認

(4月8日に同ペアであることを確認)

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

No.187 2012年 オス

No.232 2013年 メス

4月8日  スギで営巣・抱卵を確認

(5日夕刻以降に産卵と推定)

No.84  2009年 オス

No.180 2013年 メス

3月29日 スギで営巣を確認

4月9日  抱卵確認

(8日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.227 2012年 メス

3月31日 落葉広葉樹で営巣を確認(樹種不明)

4月11日 抱卵確認

(8日夕刻以降に産卵と推定)

No.91  2009年 オス

No.181 2013年 メス

4月8日 スギで営巣・抱卵を確認

(4月11日に同ペアであることを確認)

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

No.A13 2014年 オス

No.A04 2013年 メス

3月31日 スダジイで営巣を確認

4月13日 抱卵確認

(12日夕刻以降に産卵と推定)

No.135 2006年 オス

No.184 2013年 メス

4月15日 スギで営巣・抱卵を確認

(11日夕刻以降に産卵と推定)

No.169 2011年 オス

No.157 2010年 メス

4月13日 スギで営巣を確認

4月15日 抱卵確認

(14日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.148 2012年 メス

4月18日 スギで営巣・抱卵を確認

(14日夕刻以降に産卵と推定)

No.106 2010年 オス

No.182 2013年 メス

4月18日 スギで営巣・抱卵を確認

(15日夕刻以降に産卵と推定)

No.211  2013年 オス

足環なし     メス

4月8日  スギで営巣を確認

4月12日 抱卵確認

(8日夕刻以降に産卵と推定)

4月15日 抱卵中止を確認

4月19日 再営巣・抱卵を確認

(18日夕刻以降に産卵と推定) 

No.A09 2014年 オス

No.219 2014年 メス

4月19日 スギで営巣・抱卵を確認

(18日夕刻以降に産卵と推定)

No.81  2007年 オス

No.66  2009年 メス

4月18日 落葉広葉樹で営巣・抱卵を確認

(4月19日に同ペアであることを確認)

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

No.90  2009年 オス

No.79  2010年 メス

4月21日 スギで営巣・抱卵を確認

(20日夕刻以降に産卵と推定)

足環なし     オス

No.234 2013年 メス

4月16日 スギで営巣を確認

4月21日 抱卵確認

(20日夕刻以降に産卵と推定)

No.23  2008年 オス

No.26  2008年 メス

3月16日 スギで営巣を確認

3月22日 抱卵確認

(20日夕刻以降に産卵と推定)

3月25日 抱卵中止を確認

4月24日 再営巣・抱卵を確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

No.50  2007年 オス

No.114 2011年 メス

3月18日 スギで営巣を確認

3月20日 抱卵確認

(19日夕刻以降に産卵と推定)

4月13日 抱卵中止を確認

4月25日 再営巣・抱卵を確認

(22日夕刻以降に産卵と推定)

No.212 2013年 オス

No.218 2014年 メス

4月25日 ヤマザクラで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

(3)営巣中(抱卵未確認)

番号 生まれ年 性別

状 況

No.92  2009年 オス

No.200 2012年 メス

4月15日 スギで営巣を確認

No.85  2009年 オス

No.93  2009年 メス

4月22日 スギで営巣を確認

No.48  2007年 オス

No.69  2009年 メス

4月26日 スギで営巣を確認

(4)営巣・抱卵中止

番号 生まれ年 性別

状 況

No.08  2006年 オス

No.25  2008年 メス

3月29日 スギで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月8日  抱卵中止を確認

(卵の殻1個分を回収)

No.98  2010年 オス

No.156 2011年 メス

3月10日 スギで営巣を確認

3月20日 抱卵確認

(19日夕刻以降に産卵と推定)

4月9日  抱卵中止を確認

(卵の殻2個分及び割れた卵3個を回収)

No.138 2011年 オス

No.195 2012年 メス

4月4日  スギで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月11日 抱卵中止を確認

(卵の殻5個分を回収)

4月25日 No.195の死体を確認、回収

No.214 2013年 オス

No.203 2013年 メス

3月22日 スギで営巣を確認

3月28日 抱卵確認

(27日夕刻以降に産卵と推定)

4月15日 抱卵中止を確認

(卵の殻2個分を回収)

No.136  2009年 オス

足環なし     メス

4月10日 スギで営巣・抱卵を確認

(8日夕刻以降に産卵と推定)

4月18日 抱卵中止を確認

(卵の殻3個分を回収)

No.204 2013年 オス

No.224 2012年 メス

4月14日 イヌシデで営巣を確認

4月17日 抱卵確認

(14日夕刻以降に産卵と推定)

4月18日 抱卵中止を確認

No.172 2011年 オス

No.202 2012年 メス

3月28日 スギで営巣・抱卵を確認

(観察経過から産卵時期の推定は困難)

4月22日 抱卵中止を確認

(卵の殻1個分を回収)

No.A18 2014年 オス

No.217 2014年 メス

4月21日 スギで営巣・抱卵を確認

(20日夕刻以降に産卵と推定)

4月24日 抱卵中止を確認

8 2012年~2016年の繁殖結果・繁殖状況

営巣

ふ化

巣立ち

形成ペア数

ヒナをふ化

させたペア数

ふ化した

ヒナの羽数

巣立ちさせた

ペア数

巣立ちした

羽数

2012年

18

3

8

3

8

2013年

24

5

14

2

4

2014年

35

14

36

11

31

2015年

38

12

21

8

16

2016年

48※

7

10

※ 現時点までに形成されたペア48組のうち

・営巣中のペア40組(うち7組が育雛、30組が抱卵、3組が未抱卵)

・営巣・抱卵を中止したペア8組