報道発表資料
- 報道発表
野生下で誕生したトキ同士のペア(5組目)のヒナ誕生等について
平成28年5月14日(土)
関東地方環境事務所
所 長 上杉 哲郎
野生生物課長 澤 邦之
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(℡:0259-22-3372)
本日、4月13日に抱卵を確認していた野生下で誕生したトキ同士のペア(5組目)から、ヒナが誕生しているのを確認しましたので、お知らせします。
また、本日時点での野生下のトキの営巣状況について、併せてお知らせします。
営巣が確認されているペアは、全体で27組、そのうち17組で育雛、9組で抱卵が確認されています。
1 ヒナを確認したペアについて
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.227(2012年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年5月14日(土)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月11日に営巣・抱卵を確認した後、4月30日に抱卵中止し5月9日に再営巣・抱卵を開始したものと判断していた。
5月14日午前8時18分頃から8時23分頃にかけて環境省職員が巣の様子を観察したところ、巣上に親鳥とともにいるヒナ2羽の姿を確認した。
4月11日に確認された営巣・抱卵が継続していた状況であり、5月9日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
2 給餌行動(ヒナ誕生)を確認したペア(野生下で誕生したトキ同士のペア)について
(1)個体番号
No.A13(2014年生まれ オス) 及び No.A04(2013年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年5月14日(土)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月13日に営巣・抱卵を確認していた。
5月14日午前6時53分頃から9時5分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、親鳥がヒナに餌を与える様子を確認したことから、ヒナが誕生しているものと判断した。
5月12日に観察を行った際は、給餌行動は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
3 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)営巣中(育雛中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月17日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月14日 ヒナ2羽を確認 4月22日 ヒナ計3羽を確認 |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月18日 クロマツで営巣を確認 3月24日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月21日 給餌行動を確認 4月23日 ヒナ1羽を確認 4月26日 ヒナ計2羽を確認 5月2日 ヒナ計3羽を確認 5月9日 ヒナ計4羽を確認 5月12日 ヒナ4羽に足環装着(No.A34,A35,A36,A37) |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月17日 クロマツで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月23日 ヒナ1羽を確認 4月24日 ヒナ計2羽を確認 5月1日 ヒナ計3羽を確認 |
No.205 2012年 オス No.192 2012年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月23日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月25日 給餌行動を確認 5月5日 ヒナ1羽を確認 5月10日 ヒナ1羽に足環装着(No.A33) |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 5月13日 ヒナ1羽に足環装着(No.A42) |
足環なし オス No.96 2011年 メス |
3月31日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 給餌行動を確認 5月2日 ヒナ2羽を確認 5月10日 ヒナ計3羽を確認 5月12日 ヒナ計4羽を確認、ヒナ4羽に足環装着(No.A38,A39,A40,A41) |
足環なし オス 足環なし メス |
3月31日 スダジイで営巣・抱卵を確認(4月8日に 同ペアであることを確認) (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月28日 ヒナ1羽を確認 4月30日 ヒナ計2羽を確認 5月6日 ヒナ計3羽を確認 |
足環なし オス No.127 2011年 メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月30日 ヒナ1羽を確認 5月2日 ヒナ計2羽を確認 5月9日 ヒナ計3羽を確認 |
No.107 2010年 オス No.154 2009年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 5月2日 ヒナ1羽を確認 |
No.161 2013年 オス No.149 2013年 メス |
3月27日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 5月2日 ヒナ1羽を確認 5月6日 ヒナ計2羽を確認 5月13日 ヒナ計3羽を確認 |
No.177 2012年 オス No.199 2012年 メス |
4月4日 スギで営巣・抱卵を確認 (3日夕刻以降に産卵と推定) 5月3日 ヒナ1羽の死亡を確認 5月5日 ヒナ1羽を確認 5月10日 ヒナ計2羽を確認 |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月14日 スギで営巣を確認 3月31日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 5月6日 ヒナ1羽を確認 5月8日 ヒナ計2羽を確認 |
No.110 2010年 オス No.163 2011年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 5月8日 ヒナ1羽を確認 |
足環なし オス No.A21 2014年 メス |
4月5日 スダジイで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 5月10日 給餌行動を確認 |
足環なし オス No.A14 2014年 メス |
4月7日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 5月10日 ヒナ1羽を確認 |
No.A13 2014年 オス No.A04 2013年 メス |
3月31日 スダジイで営巣を確認 4月13日 抱卵確認 (12日夕刻以降に産卵と推定) 5月14日 給餌行動を確認 |
足環なし オス No.227 2012年 メス |
3月31日 落葉広葉樹で営巣を確認(樹種不明) 4月11日 抱卵確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) 5月14日 ヒナ2羽を確認 |
(2)営巣中(抱卵中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.135 2006年 オス No.184 2013年 メス |
4月15日 スギで営巣・抱卵を確認 (11日夕刻以降に産卵と推定) |
No.169 2011年 オス No.157 2010年 メス |
4月13日 スギで営巣を確認 4月15日 抱卵確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
足環なし オス No.148 2012年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
No.106 2010年 オス No.182 2013年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (15日夕刻以降に産卵と推定) |
No.211 2013年 オス 足環なし メス |
4月19日 スギで営巣・抱卵を確認 (18日夕刻以降に産卵と推定) |
No.92 2009年 オス No.200 2012年 メス |
4月15日 スギで営巣を確認 4月27日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.213 2013年 オス No.230 2013年 メス |
4月27日 スギで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.48 2007年 オス No.69 2009年 メス |
4月26日 スギで営巣を確認 5月1日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) |
No.136 2009年 オス 足環なし メス |
5月6日 スギで営巣・抱卵を確認 (3日夕刻以降に産卵と推定) |
(3)営巣中(抱卵未確認)
5月13日(金)の発表時から内容に変更がないため、省略します。
(4)営巣・抱卵・育雛中止
5月13日(金)の発表時から内容に変更がないため、省略します。
4 2012年~2016年の繁殖結果・繁殖状況
営巣 |
ふ化 |
巣立ち |
|||
形成ペア数 |
ヒナをふ化 させたペア数 |
ふ化した ヒナの羽数 |
巣立ちさせた ペア数 |
巣立ちした 羽数 |
|
2012年 |
18 |
3 |
8 |
3 |
8 |
2013年 |
24 |
5 |
14 |
2 |
4 |
2014年 |
35 |
14 |
36 |
11 |
31 |
2015年 |
38 |
12 |
21 |
8 |
16 |
2016年 |
52※ |
20 |
42 |
※ 現時点までに形成されたペア52組のうち
・営巣中のペア 27組(うち17組が育雛、9組が抱卵、1組が未抱卵)
・営巣・抱卵・育雛を中止したペア 25組