報道発表資料
- 報道発表
野生下のトキの営巣状況等について
平成28年5月31日(火)
関東地方環境事務所
所 長 上杉 哲郎
野生生物課長 澤 邦之
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 広野 行男
(℡:0259-22-3372)
本日時点での野生下のトキの営巣状況について、お知らせします。 本日までに、5組で巣立ちを確認し、営巣が確認されているペアは、全体で19組、そのうち13組で育雛、5組で抱卵が確認されています。 |
1 巣立ちを確認したペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
No.33(2008年生まれ、オス) 及び No.38(2007年生まれ、オス)
(2)確認日
平成28年5月30日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月23日にヒナ誕生を確認していた。
5月30日午前7時40分頃から8時頃にかけてモニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣を観察した ところ、ヒナ1羽が巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認されたことから、1羽が巣立ちをしたと判断した。また、5月31日午前8時50分から9時20分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したとこ ろ、ヒナ計2羽が巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認された。
5月28日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が 高いと思われる。
(Ⅱ)
(1)個体番号
No.205(2012年生まれ、オス) 及び No.192(2012年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年5月30日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月25日にヒナ誕生を確認していた。
5月30日午前9時15分頃から9時22分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、ヒナ1羽が巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認されたことから、同個体が巣立ちをしたと判断した。
5月29日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。
(Ⅲ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.96(2010年生まれ メス)
(2)確認日
平成28年5月31日(火)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、4月26日にヒナ誕生を確認していた。
5月31日午前10時15分頃から10時25分頃にかけてモニタリングチーム(新潟大学職員)が巣を観察したところ、ヒナ1羽が巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認されたことから、同個体が巣立ちをしたと判断した。
5月30日に観察を行った際は、巣立ちは確認されていなかったことから、それ以降に巣立ちした可能性が高いと思われる。
2 ヒナを確認したペアについて
(1)個体番号
No.98(2010年生まれ、オス) 及び No.156(2011年生まれ、メス)
(2)確認日
平成28年5月29日(日)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
このペアは、5月8日に再営巣・抱卵を確認していた。
5月29日午前6時9分頃から8時14分頃にかけて環境省職員が巣の様子をビデオカメラで撮影し、撮影した映像を確認したところ、No.156(メス)がヒナに給餌する様子がみられ、その際に巣上にヒナ1羽の姿を確認した。
5月25日に観察を行った際は、ヒナの姿は確認されていなかったことから、それ以降にふ化した可能性が高いと思われる。
3 足環装着等を行ったペアについて
(Ⅰ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.A14(2014年生まれ メス)
(2)実施日
平成28年5月30日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
5月30日午前7時40分頃から環境省職員等5名が営巣地に入り、捕獲作業員がクロマツの営巣木に登りヒナ2羽 を捕獲した。捕獲したヒナを地上に下ろし足環装着及び身体測定等を実施後、ヒナを巣に戻したうえで、8時48分頃に現場から撤収した。
9時51分頃にNo.A14(メス)が巣に戻り、同個体がヒナとともに落ち着いて滞巣する様子が確認された。
なお、ヒナの推定日齢は、21日齢から22日齢程度で、個体の足環番号は、No.A53からNo.A54である。
(Ⅱ)
(1)個体番号
足環なし(オス) 及び No.227(2012年生まれ、メス)
(2)実施日
平成28年5月31日(火)
(3)場 所
新潟県佐渡市
(4)経 過
5月31日午前6時12分頃から環境省職員等6名が営巣地に入り、捕獲作業員がスダジイの営巣木に登りヒナ2羽を捕獲した。捕獲したヒナを地上に下ろし足環装着及び身体測定等を実施後、ヒナを巣に戻したうえで、7時45分頃に現場から撤収した。
9時40分頃にNo.227(メス)が巣に戻り、同個体がヒナとともに落ち着いて滞巣する様子が確認された。
なお、ヒナの推定日齢は、21日齢から22日齢程度で、個体の足環番号は、No.A55からNo.A56である。
4 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)巣立ち
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月17日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月14日 ヒナ2羽を確認 4月22日 ヒナ計3羽を確認 5月18日 ヒナ3羽の巣立ちを確認 |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月18日 クロマツで営巣を確認 3月24日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月21日 給餌行動を確認 4月23日 ヒナ1羽を確認 4月26日 ヒナ計2羽を確認 5月2日 ヒナ計3羽を確認 5月9日 ヒナ計4羽を確認 5月12日 ヒナ4羽に足環装着(No.A34,A35,A36,A37) 5月26日 ヒナ1羽(No.A36)の巣立ちを確認 5月28日 ヒナ計3羽(No.A34,A35,A36)の巣立ちを確認 5月31日 ヒナ計4羽(No.A34,A35,A36,A37)の巣立ちを確認 |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月17日 クロマツで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月23日 ヒナ1羽を確認 4月24日 ヒナ計2羽を確認 5月1日 ヒナ計3羽を確認 5月30日 ヒナ1羽の巣立ちを確認 5月31日 ヒナ計2羽の巣立ちを確認 |
No.205 2012年 オス No.192 2012年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月23日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月25日 給餌行動を確認 5月5日 ヒナ1羽を確認 5月10日 ヒナ1羽に足環装着(No.A33) 5月30日 ヒナ1羽の巣立ちを確認 |
足環なし オス No.96 2011年 メス |
3月31日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 給餌行動を確認 5月2日 ヒナ2羽を確認 5月10日 ヒナ計3羽を確認 5月12日 ヒナ計4羽を確認、ヒナ4羽に足環装着(No.A38,A39,A40,A41) 5月31日 ヒナ1羽の巣立ちを確認 |
(2)営巣中(育雛中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
3月22日 スギで営巣を確認 3月25日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 5月13日 ヒナ1羽に足環装着(No.A42) |
足環なし オス 足環なし メス |
3月31日 スダジイで営巣・抱卵を確認(4月8日に 同ペアであることを確認) (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月28日 ヒナ1羽を確認 4月30日 ヒナ計2羽を確認 5月6日 ヒナ計3羽を確認 5月16日 ヒナ3羽に足環装着(No.A43,A44,A45) |
足環なし オス No.127 2011年 メス |
3月24日 クロマツで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 4月30日 ヒナ1羽を確認 5月2日 ヒナ計2羽を確認 5月9日 ヒナ計3羽を確認 |
No.107 2010年 オス No.154 2009年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 5月2日 ヒナ1羽を確認 |
No.161 2013年 オス No.149 2013年 メス |
3月27日 スダジイで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) 5月2日 ヒナ1羽を確認 5月6日 ヒナ計2羽を確認 5月13日 ヒナ計3羽を確認 5月18日 ヒナ3羽に足環装着(No.A46,A47,A48) |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
3月14日 スギで営巣を確認 3月31日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 5月6日 ヒナ1羽を確認 5月8日 ヒナ計2羽を確認 5月19日 ヒナ計3羽を確認 5月20日 ヒナ計4羽を確認、ヒナ4羽に足環装着(No.A49,A50,A51,A52) |
No.110 2010年 オス No.163 2011年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 5月8日 ヒナ1羽を確認 |
足環なし オス No.A21 2014年 メス |
4月5日 スダジイで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 5月10日 給餌行動を確認 5月17日 ヒナ1羽を確認 5月25日 ヒナ計2羽を確認 |
足環なし オス No.A14 2014年 メス |
4月7日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 5月10日 ヒナ1羽を確認 5月16日 ヒナ計2羽を確認 5月30日 ヒナ2羽に足環装着(No.A53,A54) |
足環なし オス No.227 2012年 メス |
3月31日 スダジイで営巣を確認 4月11日 抱卵確認 (8日夕刻以降に産卵と推定) 5月14日 ヒナ2羽を確認 5月31日 ヒナ2羽に足環装着(No.A55,A56) |
足環なし オス No.148 2012年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) 5月20日 給餌行動を確認 5月24日 ヒナ1羽を確認 |
No.106 2010年 オス No.182 2013年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 (15日夕刻以降に産卵と推定) 5月23日 ヒナ1羽を確認 |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月10日 スギで営巣を確認 3月20日 抱卵確認 (19日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 (卵の殻2個分及び割れた卵3個を回収) 5月8日 再営巣・抱卵を確認(4月20日に同ペアで あることを確認) 5月29日 ヒナ1羽を確認 |
(3)営巣中(抱卵中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.169 2011年 オス No.157 2010年 メス |
4月13日 スギで営巣を確認 4月15日 抱卵確認 (14日夕刻以降に産卵と推定) |
No.213 2013年 オス No.230 2013年 メス |
4月27日 スギで営巣・抱卵を確認 (25日夕刻以降に産卵と推定) |
No.136 2009年 オス 足環なし メス |
5月6日 スギで営巣・抱卵を確認 (3日夕刻以降に産卵と推定) |
No.179 2012年 オス No.120 2010年 メス |
5月2日 スギで営巣を確認 5月6日 抱卵確認 (5日夕刻以降に産卵と推定) 5月10日 抱卵中止を確認 5月15日 再営巣・抱卵を確認 |
No.11 2006年 オス No.03 2005年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (27日夕刻以降に産卵と推定) 5月3日 抱卵中止を確認 (卵の殻2個分を回収) 5月18日 再営巣・抱卵を確認 |
(4)営巣中(抱卵未確認)
5月24日(火)の発表時から内容に変更がないため、省略します。
(5)営巣・抱卵・育雛中止
5月24日(火)の発表時から内容に変更がないため、省略します。
5 2012年~2016年の繁殖結果・繁殖状況
営巣 |
ふ化 |
巣立ち |
|||
形成ペア数 |
ヒナをふ化させたペア数 |
ふ化した ヒナの羽数 |
巣立ちさせた ペア数 |
巣立ちした 羽数 |
|
2012年 |
18 |
3 |
8 |
3 |
8 |
2013年 |
24 |
5 |
14 |
2 |
4 |
2014年 |
35 |
14 |
36 |
11 |
31 |
2015年 |
38 |
12 |
21 |
8 |
16 |
2016年 |
53※ |
23 |
49 |
5 |
11 |
※ 現時点までに形成されたペア53組のうち
・巣立ちさせたペア 5組
・営巣中のペア 19組(うち13組が育雛、5組が抱卵、1組が未抱卵)
・営巣・抱卵・育雛を中止したペア 29組