報道発表資料
- 報道発表
野生下のトキの今期最初の巣立ち等について
平成30年5月28日(月)
関東地方環境事務所
所 長 笠井 俊彦
野生生物課長 横田 寿男
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 若松 徹
(℡:0259-22-3372)
新潟県佐渡市において、本日、5月28日にヒナを確認していた野生下のトキのペアにおいて、今期最初の巣立ちを確認しました。
また、本日時点での野生下のトキの営巣状況について、併せてお知らせします。
営巣が確認されているペアは、当ペアも含め全体で30組、そのうち3組で巣立ち、20組で育雛、7組で抱卵が確認されています。なお、野生生まれ同士のペアは、30組のうちの3組となります。
1 巣立ちを確認したペアについて
(1)個体番号
No.161(2011年生まれ、7歳オス) 及び No.149(2012年生まれ、6歳メス)
No.161:第9回放鳥個体(2013年9月27日飛翔、野生復帰ステーション生まれ)
No.149:第8回放鳥個体(2013年6月7日飛翔、野生復帰ステーション生まれ)
※2015年からペアを形成しており、以降、毎年ヒナを巣立ちさせている。
※今期の初営巣、初抱卵、初ふ化を確認してきているペア。
(2)確認日
平成30年5月28日(月)
(3)場 所
新潟県佐渡市(新穂地区)
(4)経 過
このペアは、3月14日に今期初となる営巣を、3月22日には今期初となる抱卵を、4月24日には今期初
となるふ化を確認していた。
ヒナの数は、4月24日時点で1羽、4月26日時点で2羽、5月5日に3羽確認しており、5月16日に今
期初となる足環装着作業を実施し、3羽に足環装着(No.B41,42,43)を行っていた。
本日、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が巣の様子をモニタリングしたところ、6時2分頃に2
羽(No.B41,42)のヒナが巣の近くの枝に両脚で留まる様子が確認されたことから、2羽が巣立ちをしたと判
断した。なお残るヒナ1羽(No.B43)は、巣内におり今後、巣立ちを迎えることが期待される。
※本日のモニタリングにおいて、No.50/114ペア及びNo.172/NRペアでも各ヒナ1羽が巣立ちしていることを
確認しています。
2 野生下のトキの営巣状況(まとめ)
(1)巣立ち
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.161 2011年 オス No.149 2012年 メス |
3月14日 スダジイで営巣を確認 3月22日 抱卵確認 (21日夕刻以降に産卵と推定) 4月24日 ヒナ1羽を確認 4月26日 ヒナ計2羽を確認 5月5日 ヒナ計3羽を確認 5月16日 ヒナ3羽に足環装着(No.B41,B42,B43) 5月28日 ヒナ2羽(No.B41,B42)の巣立ちを確認 |
No.50 2007年 オス No.114 2011年 メス |
3月25日 スギで営巣・抱卵を確認 (24日夕刻以降に産卵と推定) 4月25日 ヒナ1羽を確認 4月28日 ヒナ計2羽を確認 5月16日 ヒナ2羽に足環装着(No.B44,B45) 5月28日 ヒナ1羽(No.B44)の巣立ちを確認 |
No.172 2011年 オス 足環なし メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (26日夕刻以降に産卵と推定) 5月1日 ヒナ1羽を確認 5月9日 ヒナ計2羽を確認 5月11日 ヒナ計3羽を確認 5月28日 ヒナ1羽の巣立ちを確認 |
(2)営巣中(育雛中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.91 2009年 オス No.181 2013年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 |
No.107 2010年 オス No.154 2009年 メス |
3月28日 スギで営巣・抱卵を確認 (23日夕刻以降に産卵と推定) 4月27日 ヒナ1羽を確認 5月4日 ヒナ計2羽を確認 |
No.98 2010年 オス No.156 2011年 メス |
3月28日 スギで営巣を確認 3月30日 抱卵確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 4月29日 ヒナ1羽を確認 |
足環なし オス No.A21 2014年 メス |
3月27日 スダジイで営巣を確認 4月2日 抱卵確認 5月1日 ヒナ1羽を確認 5月21日 ヒナ計2羽を確認 5月25日 ヒナ計3羽を確認 |
足環なし オス No.240 2014年 メス |
4月3日 スギで営巣・抱卵を確認 5月1日 ヒナ1羽を確認 5月17日 ヒナ計3羽を確認、ヒナ3羽に足環装着 (No.B47,B48,B49) |
No.67 2009年 オス No.95 2010年 メス |
4月5日 スギで営巣・抱卵を確認 5月4日 ヒナ1羽を確認 5月11日 ヒナ計2羽を確認 5月18日 ヒナ計3羽を確認 |
No.257 2014年 オス No.230 2013年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 5月4日 ヒナ1羽を確認 5月16日 ヒナ計2羽を確認 |
足環なし オス No.201 2012年 メス |
3月27日 スダジイで営巣を確認 4月2日 抱卵確認 5月7日 ヒナ3羽を確認 |
足環なし オス No.227 2012年 メス |
4月5日 スダジイで営巣を確認 4月9日 抱卵確認 5月7日 ヒナ2羽を確認 |
No.92 2009年 オス No.200 2012年 メス |
4月3日 スギで営巣・抱卵を確認 5月8日 ヒナ2羽を確認 5月23日 ヒナ2羽に足環装着(No.B55,B56) |
No.08 2006年 オス No.25 2008年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 5月9日 ヒナ1羽を確認 5月23日 ヒナ計2羽を確認 |
No.177 2012年 オス No.199 2012年 メス |
4月11日 スギで営巣・抱卵を確認 5月9日 ヒナ1羽を確認 5月16日 ヒナ計2羽を確認 |
No.A13 2014年 オス No.A11 2014年 メス |
4月2日 スダジイで営巣・抱卵を確認 5月10日 ヒナ1羽を確認 5月25日 ヒナ計3羽を確認 |
No.250 2013年 オス 足環なし メス |
4月9日 スギで営巣・抱卵を確認 5月10日 ヒナ1羽を確認 |
No.212 2013年 オス No.237 2013年 メス |
5月14日 スギで営巣・ヒナ3羽を確認 5月22日 ヒナ3羽に足環装着(No.B52,B53,B54) |
No.255 2014年 オス No.232 2013年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 5月15日 ヒナ1羽を確認 5月22日 ヒナ計2羽を確認、ヒナ2羽に足環装着 (No.B50,B51) |
No.74 2009年 オス 足環なし メス |
4月9日 スギで営巣を確認 4月16日 抱卵確認 5月17日 ヒナ1羽を確認 5月21日 ヒナ計2羽を確認 |
No.211 2013年 オス No.A04 2013年 メス |
4月10日 スギで営巣・抱卵を確認 5月21日 ヒナ1羽を確認 |
No.86 2009年 オス No.134 2011年 メス |
4月13日 スギで営巣を確認 4月17日 抱卵確認 5月21日 ヒナ1羽を確認 5月24日 ヒナ計2羽を確認 |
No.90 2009年 オス No.79 2010年 メス |
4月24日 スギで営巣・抱卵を確認 5月24日 ヒナ1羽を確認 |
(3)営巣中(抱卵中)
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.246 2013年 オス No.284 2015年 メス |
4月8日 スギで営巣・抱卵を確認 4月10日 抱卵中止を確認 4月21日 再営巣・抱卵を確認 |
No.238 2014年 オス No.69 2009年 メス |
5月1日 スギで営巣・抱卵を確認 |
足環なし オス 足環なし メス |
4月26日 スギで営巣を確認 5月4日 抱卵確認 |
No.11 2006年 オス 足環なし メス |
5月15日 スギで営巣・抱卵を確認 |
No.23 2008年 オス No.26 2008年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 5月18日 再営巣・抱卵を確認 |
未識別個体※ オス 未識別個体※ メス |
5月25日 スダジイで営巣・抱卵を確認 |
No.267 2014年 オス No.313 2016年 メス |
5月14日 スギで営巣を確認 5月26日 抱卵確認 |
(4)営巣・抱卵・育雛中止
番号 生まれ年 性別 |
状 況 |
No.A32 2015年 オス No.234 2013年 メス |
4月1日 クロマツで営巣・抱卵を確認 4月2日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス 足環なし メス |
3月26日 コナラで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月4日 抱卵中止を確認 |
No.209 2013年 オス No.A26 2015年 メス |
3月26日 スギで営巣・抱卵を確認 (23日夕刻以降に産卵と推定) 4月4日 抱卵中止を確認 |
No.251 2014年 オス No.277 2015年 メス |
3月28日 スギで営巣を確認 3月31日 抱卵確認 (29日夕刻以降に産卵と推定) 4月7日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.182 2013年 メス |
3月30日 スギで営巣・抱卵を確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 4月8日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス 足環なし メス |
3月16日 クロマツで営巣を確認 3月26日 抱卵確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 |
No.A09 2014年 オス No.239 2014年 メス |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.A47 2016年 メス |
4月1日 ケヤキで営巣・抱卵を確認 4月9日 抱卵中止を確認 |
No.A18 2014年 オス No.148 2012年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 4月9日 抱卵中止を確認 |
No.241 2012年 オス No.275 2015年 メス |
4月11日 卵殻回収 (11日以前に営巣・産卵と推定) |
足環なし オス No.287 2016年 メス |
4月5日 スダジイで営巣を確認 4月9日 抱卵確認 4月16日 抱卵中止を確認 |
No.252 2014年 オス No.218 2014年 メス |
4月13日 スギで営巣・抱卵を確認 4月16日 抱卵中止を確認 |
No.254 2014年 オス No.190 2010年 メス |
4月1日 スギで営巣を確認 4月19日 卵殻回収 (19日以前に産卵と推定) |
足環なし オス No.A14 2014年 メス |
4月2日 クロマツで営巣・抱卵を確認 4月20日 抱卵中止を確認 |
No.179 2012年 オス No.224 2012年 メス |
4月18日 スギで営巣・抱卵を確認 4月20日 抱卵中止を確認 |
No.11 2006年 オス 足環なし メス |
4月24日 卵殻回収 (24日以前に営巣・産卵と推定) |
No.294 2015年 オス No.273 2014年 メス |
4月17日 卵殻回収 (17日以前に営巣・産卵と推定) 4月24日 卵殻回収 (24日以前に再営巣・産卵と推定) |
足環なし オス 足環なし メス |
3月29日 タブノキで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.263 2012年 オス No.A36 2016年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.33 2008年 オス No.38 2007年 メス |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 4月19日 再営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.68 2009年 オス No.78 2010年 メス |
3月26日 クロマツで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月9日 抱卵中止を確認 4月20日 再営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.A22 2014年 オス No.96 2010年 メス |
3月29日 クロマツで営巣を確認 4月2日 抱卵確認 4月9日 抱卵中止を確認 4月20日 再営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.85 2009年 オス No.93 2009年 メス |
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 4月7日 抱卵中止を確認 4月12日 再営巣・抱卵を確認 4月15日 抱卵中止を確認 4月23日 再営巣・抱卵を確認 4月26日 抱卵中止を確認 |
No.216 2013年 オス No.A44 2016年 メス |
4月9日 アカマツで営巣・抱卵を確認 4月27日 抱卵中止を確認 |
No.214 2013年 オス No.203 2013年 メス |
3月28日 スギで営巣を確認 3月30日 抱卵確認 (28日夕刻以降に産卵と推定) 4月4日 抱卵中止を確認 4月27日 卵殻回収 (27日以前に再営巣・産卵と推定) |
足環なし オス No.A10 2014年 メス |
4月5日 スダジイで営巣・抱卵を確認 5月1日 抱卵中止を確認 |
No.106 2010年 オス No.A62 2016年 メス |
3月29日 スギで営巣・抱卵を確認 (観察経過から産卵時期の推定は困難) 4月26日 ヒナ1羽を確認 5月2日 育雛中止を確認、ヒナ1羽行方不明 |
No.179 2012年 オス No.218 2014年 メス |
4月24日 スギで営巣を確認 5月3日 卵殻回収 (3日以前に産卵と推定) |
No.233 2013年 オス No.265 2014年 メス |
4月2日 スギで営巣・抱卵を確認 5月7日 抱卵中止を確認 |
No.87 2009年 オス No.97 2010年 メス |
4月16日 スギで営巣・抱卵を確認 5月8日 抱卵中止を確認 |
No.242 2012年 オス No.258 2015年 メス |
4月4日 トチノキで営巣を確認 5月14日 卵殻回収 (14日以前に産卵と推定) |
No.110 2010年 オス No.163 2011年 メス |
4月6日 スギで営巣・抱卵を確認 5月15日 抱卵中止を確認 |
No.143 2011年 オス No.A54 2016年 メス |
5月4日 スギで営巣を確認 5月16日 抱卵中止を確認 |
No.252 2014年 オス No.203 2013年 メス |
5月8日 スギで営巣・抱卵を確認 5月16日 抱卵中止を確認 |
No.81 2007年 オス No.66 2009年 メス |
3月27日 スギで営巣・抱卵を確認 (22日夕刻以降に産卵と推定) 4月26日 ヒナ1羽を確認 5月16日 ヒナ1羽に足環装着(No.B46) 5月17日 育雛中止を確認、ヒナ1羽(No.B46)の死亡を確認 |
No.136 2009年 オス 足環なし メス |
4月4日 スギで営巣を確認 4月6日 抱卵確認 5月14日 ヒナ1羽を確認 5月17日 育雛中止を確認、ヒナ1羽行方不明 |
No.204 2012年 オス No.120 2010年 メス |
4月8日 スギで営巣・抱卵を確認 4月24日 抱卵中止を確認 5月13日 再営巣・抱卵を確認 5月18日 抱卵中止を確認 |
No.205 2012年 オス No.192 2012年 メス |
4月27日 スギで営巣を確認 5月18日 卵殻回収 (18日以前に産卵と推定) |
足環なし オス 足環なし メス |
4月23日 コナラで営巣・抱卵を確認 5月21日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.A03 2013年 メス |
4月23日 スギで営巣・抱卵を確認 5月21日 抱卵中止を確認 |
No.221 2014年 オス No.183 2013年 メス |
4月3日 スギで営巣・抱卵を確認 5月2日 ヒナ1羽を確認 5月14日 ヒナ計2羽を確認 5月22日 育雛中止を確認、ヒナ1羽の死亡を確認、ヒナ1羽行方不明 |
No.207 2013年 オス No.266 2014年 メス |
4月3日 スギで営巣・抱卵を確認 5月14日 ヒナ1羽を確認 5月22日 育雛中止を確認、ヒナ1羽行方不明 |
No.A59 2016年 オス No.311 2016年 メス |
4月26日 スギで営巣を確認 4月27日 抱卵確認 5月22日 抱卵中止を確認 |
足環なし オス No.287 2016年 メス |
5月7日 スダジイで営巣・抱卵を確認 5月25日 抱卵中止を確認 |
※未識別個体:ペアでの営巣行動が明らかに観察されているものの、足環等の個体識別が困難であり、現状では個体が確定できないため「未識別個体」として記載しています。今後の観察によって、個体が識別された段階で個体の識別情報を追記していきます。
3 過年度の同時期との比較
営巣 |
中止 |
ふ化 |
巣立ち |
|||
ペア数 |
ペア数 |
ペア数 |
ふ化 羽数 |
ペア数 |
巣立ち 羽数 |
|
2012(5/28日時点) |
16(18) |
9(15) |
3(3) |
8(8) |
1(3) |
3(8) |
2013(5/28日時点) |
24(24) |
15(22) |
5(5) |
14(14) |
1(2) |
1(4) |
2014(5/28日時点) |
35(35) |
20(24) |
14(14) |
36(36) |
3(11) |
5(31) |
2015(5/29日時点) |
38(38) |
28(30) |
11(12) |
20(21) |
3(8) |
4(16) |
2016(5/27日時点) |
53(53) |
29(34) |
22(25) |
48(53) |
2(19) |
4(40) |
5(5) |
2(12) |
5(5) |
8(9) |
0(3) |
0(6) |
|
2017(5/26日時点) |
64(65) |
22(34) |
35(36) |
85(92) |
5(31) |
9(77) |
9(9) |
2(2) |
8(8) |
16(18) |
0(7) |
0(15) |
|
2018 |
74 |
44 |
28 |
55 |
3 |
4 |
11 |
8 |
2 |
6 |
0 |
0 |
※括弧内の数字は最終的な結果です。
※2016年以降の下段の数字は野生下で誕生したトキ同士のペアの繁殖結果です。
※ペア数には、営巣・抱卵等を中止したペア数も含んでいます。