報道発表資料
- 報道発表
令和2年度の金時山登山者数について(お知らせ)
令和3年5月20日(木)
環境省 関東地方環境事務所
富士箱根伊豆国立公園管理事務所
所長:千葉 康人
国立公園利用企画官:三浦 克己
自然保護官補佐:高木 俊哉
環境省では、箱根のハイキングコースとして人気の高い金時山の登山者数を把握するため、平成22年度から山頂付近の3登山道に赤外線カウンターを設置して登山者数調査を実施しており、今般、令和2年度の調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
令和2年度の登山者数は、67,550人となりました。(前年度比約76%)
1.調査の背景
金時山は、箱根の外輪山の最高峰(1,212m)であり、山頂近くには大木のブナ林も見られることから、富士箱根伊豆国立公園の特別保護地区に指定されています。山頂からは、西に富士山、南に芦ノ湖、神山等が展望でき、箱根地域の中でも人気の高いハイキングコースになっています。山頂には、3方向の尾根にハイキングコースが整備され、南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市にそれぞれ登山口があります。
環境省では、神奈川県、静岡県、南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市からの要望を受け、自然環境の保全と適切な利用を推進する観点から、山頂にバイオトイレ(おがくず処理)を整備し、平成22年11月1日から供用を開始しました。なお、トイレの維持管理は、地元の市町が事務局となる金時山トイレ維持管理委員会が行っています。
また、登山道は、登山者の踏圧等の影響で浸食が進んでいることから、箱根町及び環境省が連携して、ボランティア等で構成される登山道補修隊で適宜補修を実施しています。
こうした背景を踏まえ、環境省では平成22年度から金時山山頂部への登山者数を把握し、公園の適正な利用の推進に資するため、各登山ルートに赤外線カウンターを設置することにより登山者数調査を実施しています。
2.登山者カウンターの概要
設置したカウンターは、赤外線反射を利用したセンサーにより通過回数を計測する仕組みです。日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を推計することができます。土地所有者の了解を得て、平成22年から山頂を結ぶ以下の3つの登山道沿いの頂上直下にカウンターを設置しています。
ア.公時神社・矢倉沢峠コース
イ.乙女峠コース
ウ.足柄峠コース
3.令和2年度の集計結果
①令和2年度の計測値 67,550人
各コースの計測期間は以下のとおりです。
ア.公時神社・矢倉沢峠コース 令和2年4月1日~令和3年3月31日
イ.乙女峠コース 令和2年4月1日~令和3年3月31日
ウ.足柄峠コース 令和2年4月1日~令和2年6月22日
(6月23日~6月30日は計測不良、7月~3月は登山道の通行止め期間が含まれるため除外)
②年度別の登山者数
図1:年度別の登山者数(計測値)
注1:平成26年度は機器の故障が多く発生し、データの信頼性に欠けることから推計していません。
注2:令和2年度の足柄峠コースは、7月に土砂崩れが発生しており、通行止め期間を含む7月以降は計測の対象としていません。
③令和2年度の月別・コース別登山者数
登山者は特に秋の紅葉シーズンに増加した一方で、例年突出しているゴールデンウイークのある5月は、大幅に登山者数が減少しました。
図2-1:令和2年度の月別・各登山者数の推移(計測値)
注1:令和2年度の足柄峠コースは、7月に土砂崩れが発生しており通行止め期間を含む7月以降は計測の対象としていません。
図2-2:(参考)前年度の月別・各登山者数の推移(計測値)
④時間別登山者数の推移
各時間帯の登山者数を平均した時間別登山者数は、公時神社・乙女峠コースで11時台に登山者数のピークが認められました。
図3:令和2年度のコース別・時間別登山者数の中央値(計測値)
注1:令和2年度の足柄峠コースは、7月に土砂崩れが発生して通行止めとなったため、計測の対象としていません。
4.登山者数の補正及び推計方法について
●計測値
カウンターが濃い霧に反応し、実測データはカウンターの誤作動の結果を含むと考えられることから、各登山道の実測データに対して、1秒以内に連続カウントしている部分を排除するという補正、また、夜間の17時から早朝5時までの登山者数はおおむね誤作動と考えられることから、その時間帯のデータを排除する補正を行いました。
【参考】
令和元年度の金時山登山者数について(お知らせ)