報道発表資料
- 報道発表
野生下のトキの今期最初の営巣確認について
新潟県佐渡市において、野生下のトキ2ペアについて、今年最初の営巣を確認しましたので、お知らせします。
1 営巣を確認したペアについて
(1)個体番号
①No.385(4歳オス) 及び No.258(7歳メス)
※No.385:平成30年(2018年)野生復帰ステーション生まれ
第21回放鳥個体(令和元年(2019年)9月27日飛翔)
No.258:平成27年(2015年)多摩動物公園生まれ
第14回放鳥個体(平成28年(2016年)6月10日飛翔)
②足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)
※いずれも足環のない野生下生まれのトキであるため、年齢等は不明です。
※放鳥トキは、足環の個体番号で個体識別できます。野生下で誕生したトキは、一時捕獲して足環を装着した
個体のみ個体識別できます。野生下で誕生したトキの個体番号はアルファベット+2桁の数字です。
(2)確認日
令和4年3月17日(木)
(3)場 所
新潟県佐渡市(新穂地区)
(4)経 過
①のペアは、1月頃から一緒に探餌する姿が観察されていたため、注意して観察を継続していました。
本日午前5時50分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、枝運びする様子及
びスダジイの樹上において2羽で巣を整える様子を確認し、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣
を開始したものと判断しました。
巣は地上から15メートル程度の高さに造られています。
②のペアは、3月に入ってから2羽で林に出入りする姿が観察されていたため、注意して観察えを継続して
いました。
本日午前6時40分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、スギの樹上において
1羽が巣を整える様子を確認し、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断しま
した。
巣は地上から十数メートル程度の高さに造られています。
2 その他の個体の状況
現在、佐渡島内においては、放鳥トキが153羽、野生生まれのトキが325羽程度生息しているとみられ、
そのうち、繁殖可能な年齢(2歳以上)の個体は、270羽程度(足環のない個体を除く)となっています。
現時点においては、100組程度のトキが、特定のエリアを中心にペアで行動する様子を観察しており、
今後順次、営巣が確認できるものと見込まれます。
3 野生下のトキの繁殖状況の概要
令和4年3月17日(木)までにペアが形成され、営巣しているのは2組です。
4 2012年~2021年の野生下の繁殖結果及び2022年の繁殖状況
年 | 営巣 | ふ化 | 巣立ち | 繁殖活動終了 | ||
ペア数 | ペア数 | ふ化羽数 | ペア数 | 巣立ち羽数 | ||
2012 | 18 | 3 | 8 | 3 | 8 | 6月21日 |
2013 | 24 | 5 | 14 | 2 | 4 | 7月5日 |
2014 | 35 | 14 | 36 | 11 | 31 | 6月24日 |
2015 | 38 | 12 | 21 | 8 | 16 | 6月19日 |
2016 | 53 | 25 | 53 | 19 | 40 | 7月8日 |
2017 | 65 | 36 | 92 | 31 | 77 | 7月19日 |
2018 | 77 | 32 | 67 | 27 | 60 | 7月6日 |
2019 | 99(120) | 37 | 84 | 33(40) | 76(95) | 7月16日 |
2020 | 86(127) | 33 | 83 | 26(38) | 67(85) | 7月3日 |
2021 | 103(147) | 26 | 59 | 20(34) | 44(76) | 6月28日 |
2022 | 2 | - | - | - | - | - |
※野生下のトキが増えたことにより、2019年以降は全てのペアを網羅したデータを得ることができないと
考えられます。このため、2022年の繁殖結果は、7月頃に速報値として実測値を公表し、10月頃に最終
的な繁殖結果として統計手法による推定値を公表する予定です。
※2019年以降の括弧内の数字は最終的な繁殖結果の推定値です。なお、ふ化ペア数及びふ化ヒナ数は、根拠
データが繁殖期モニタリングのみであるため、推定していません。
- ■ 問い合わせ先
- 関東地方環境事務所
野生生物課長 佐藤 大樹
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 澤栗 浩明
(℡:0259-22-3372)