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関東地方環境事務所

報道発表資料

2022年03月17日
  • 報道発表

野生下のトキの今期最初の営巣確認について

 新潟県佐渡市において、野生下のトキ2ペアについて、今年最初の営巣を確認しましたので、お知らせします。

1 営巣を確認したペアについて

(1)個体番号

 ①No.385(4歳オス) 及び No.258(7歳メス)

  ※No.385:平成30年(2018年)野生復帰ステーション生まれ

       第21回放鳥個体(令和元年(2019年)9月27日飛翔)
   No.258:平成27年(2015年)多摩動物公園生まれ

       第14回放鳥個体(平成28年(2016年)6月10日飛翔)

 ②足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)

  ※いずれも足環のない野生下生まれのトキであるため、年齢等は不明です。

 ※放鳥トキは、足環の個体番号で個体識別できます。野生下で誕生したトキは、一時捕獲して足環を装着した

  個体のみ個体識別できます。野生下で誕生したトキの個体番号はアルファベット+2桁の数字です。

(2)確認日

 令和4年3月17日(木)

(3)場 所

 新潟県佐渡市(新穂地区) 

(4)経 過

  ①のペアは、1月頃から一緒に探餌する姿が観察されていたため、注意して観察を継続していました。

  本日午前5時50分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、枝運びする様子及

 びスダジイの樹上において2羽で巣を整える様子を確認し、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣

 を開始したものと判断しました。

  巣は地上から15メートル程度の高さに造られています。

  ②のペアは、3月に入ってから2羽で林に出入りする姿が観察されていたため、注意して観察えを継続して

 いました。

  本日午前6時40分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察したところ、スギの樹上において

 1羽が巣を整える様子を確認し、巣材がある程度積み重なっていたことから、営巣を開始したものと判断しま

 した。

  巣は地上から十数メートル程度の高さに造られています。

2 その他の個体の状況

  現在、佐渡島内においては、放鳥トキが153羽、野生生まれのトキが325羽程度生息しているとみられ、

 そのうち、繁殖可能な年齢(2歳以上)の個体は、270羽程度(足環のない個体を除く)となっています。

  現時点においては、100組程度のトキが、特定のエリアを中心にペアで行動する様子を観察しており、

 今後順次、営巣が確認できるものと見込まれます。

3 野生下のトキの繁殖状況の概要

 令和4年3月17日(木)までにペアが形成され、営巣しているのは2組です。

4 2012年~2021年の野生下の繁殖結果及び2022年の繁殖状況

営巣 ふ化 巣立ち 繁殖活動終了
ペア数 ペア数 ふ化羽数 ペア数 巣立ち羽数
2012 18 3 8 3 8 6月21日
2013 24 5 14 2 4 7月5日
2014 35 14 36 11 31 6月24日
2015 38 12 21 8 16 6月19日
2016 53 25 53 19 40 7月8日
2017 65 36 92 31 77 7月19日
2018 77 32 67 27 60 7月6日
2019 99(120) 37 84 33(40) 76(95) 7月16日
2020 86(127) 33 83 26(38) 67(85) 7月3日
2021 103(147) 26  59  20(34)  44(76)  6月28日 
2022 2 - - - - -

 ※野生下のトキが増えたことにより、2019年以降は全てのペアを網羅したデータを得ることができないと

  考えられます。このため、2022年の繁殖結果は、7月頃に速報値として実測値を公表し、10月頃に最終

  的な繁殖結果として統計手法による推定値を公表する予定です。

 ※2019年以降の括弧内の数字は最終的な繁殖結果の推定値です。なお、ふ化ペア数及びふ化ヒナ数は、根拠

  データが繁殖期モニタリングのみであるため、推定していません。

■ 問い合わせ先
関東地方環境事務所
野生生物課長 佐藤 大樹
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 澤栗 浩明
(℡:0259-22-3372)