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関東地方環境事務所

報道発表資料

2022年03月25日
  • 報道発表

野生下のトキの今期最初の抱卵確認等について

 新潟県佐渡市において、野生下のトキ2ペアについて今期最初の抱卵を確認しましたので、お知らせします。

1 抱卵を確認したペア

(1)個体番号

①足環なし(オス) 及び 足環なし(メス)

 ※いずれも足環のない野生下生まれのトキであるため、年齢等は不明です。

②No.320(8歳オス) 及び 足環なし(メス)

 ※No.320:平成26年(2014年)出雲市トキ分散飼育センター生まれ

      第18回放鳥個体(平成30年(2018年)6月8日飛翔)

  メスは足環のない野生下生まれのトキであるため、年齢等は不明です。

※放鳥トキは、足環の個体番号で個体識別できます。

 野生下で誕生したトキは、一時捕獲して足環を装着した個体のみ個体識別できます。

 野生下で誕生したトキの個体番号はアルファベット+2桁の数字です。

(2)確認日

 令和4年3月25日(水)

(3)場 所

 ①新潟県佐渡市(佐和田地区)

 ②新潟県佐渡市(羽茂地区)

(4)経 過

  ①のペアは、3月に入ってから2羽で林に出入りする姿が観察されており、3月17日にケヤキの樹上で営

 巣していることを確認していました。

  本日5時45分頃、モニタリングチーム(調査請負事業者職員)が観察していたところ、1羽が巣上で座り

 込む様子が確認できたことから、抱卵を開始したものと判断しました。

  なお、3月24日のモニタリングでは、座り込む様子は確認されていなかったため、現在抱卵している卵

 は、3月24日の夕刻以降に産卵したものと推定されます。

  巣は地上から十数メートル程度の高さに造られています。

  ②のペアは、3月に入ってから2羽で林に出入りする姿が観察されており、3月23日にスギの樹上で営巣

 していることを確認していました。

  本日6時15分頃、モニタリングチーム(環境省職員)が観察していたところ、 メス(足環なし)が巣上

 で座り込む様子が確認できたことから、抱卵を開始したものと判断しました。

  なお、3月24日のモニタリングでは、座り込む様子は確認されていなかったため、現在抱卵している卵

 は、3月24日の夕刻以降に産卵したものと推定されます。

  巣は地上から十数メートル程度の高さに造られています。

2 野生下のトキの繁殖状況の概要

令和4年3月25日(金)までに確認されたペアの状況は以下のとおりです。

・抱卵中のペア2組(1組)

・未抱卵のペア5組(3組)

※括弧内は野生下で誕生したトキ同士のペアの数

3 野生下のトキの2012年~2021年の繁殖結果及び2022年の繁殖状況

営巣

ふ化

巣立ち

繁殖活動終了

ペア数

ペア数

ふ化羽数

ペア数

巣立ち羽数

2012

18

3

8

3

8

6/21

2013

24

5

14

2

4

7/5

2014

35

14

36

11

31

6/24

2015

38

12

21

8

16

6/19

2016

53

25

53

19

40

7/8

2017

65

36

92

31

77

7/19

2018

77

32

67

27

60

7/6

2019

99(120)

37

84

33(40)

76(95)

7/16

2020

86(127)

33

83

26(38)

67(85)

7/3

2021

103(147)

26

59

20(34)

44(76)

6/28

2022

-

-

-

-

-

※野生下のトキが増えたことにより、2019年以降は全てのペアを網羅したデータを得ることができないと考え

 られます。このため、2022年の繁殖結果は、7月頃に速報値として実測値を公表し、10月頃に最終的な繁殖 

 結果として統計手法による推定値を公表する予定です。

※2019年以降の括弧内の数字は最終的な繁殖結果の推定値です。なお、ふ化ペア数及びふ化ヒナ数は、根拠

 データが繁殖期モニタリングのみであるため、推定していません。

■ 問い合わせ先
関東地方環境事務所
野生生物課長 佐藤 大樹
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 澤栗 浩明
(℡:0259-22-3372)