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関東地方環境事務所

報道発表資料

2025年07月30日

野生下のトキにおける2025年繁殖結果 について(速報値)

 野生下のトキにおける2025年繁殖結果について、モニタリングデータによる速報値をお知らせいたします。なお、最終的な繁殖結果の数値は、今後の調査結果も合わせて統計分析手法による解析を行い、推定値として公表する予定です。
 今期は、例年と同程度となる101ペアの営巣が確認できました。そのうち33ペアから66羽のヒナが誕生し、19ペアのヒナ40羽が巣立ちしました。巣立ち率としては、例年と比べてやや低い数値となっています。

1 野生下のトキにおける2025年の繁殖結果(速報値)

 7/25(金)、2ペアが育てていたヒナ4羽が巣立ったことを確認しました。現時点でこれらの他に繁殖中のペアは確認されていないため、今期の野生下のトキにおける繁殖活動は終了したと判断します。
 繁殖モニタリングデータに基づく、野生下のトキにおける2025年の繁殖結果は以下のとおりです。
  • 佐渡島内の両津、金井、新穂、畑野、真野、佐和田、相川、羽茂地区において、101ペアが営巣。
  • 101ペアのうち33ペアから66羽のヒナが誕生し、19ペアのヒナ40羽が巣立った(巣立ち率は約19%)。 
  • 野生下で誕生したトキ同士(純野生ペア)による営巣は49ペア(営巣ペアのうち約49%)。そのうち17ペアから35羽のヒナが誕生し、11ペアのヒナ22羽が巣立った(巣立ち率は約23%)。
 ※巣立ち率は、「巣立ちが確認できたペア数÷営巣ペア数×100」により計算しています。
 
 今年のふ化が確認されたヒナの数は例年と同程度となりましたが、育雛中のヒナの死亡率が比較的高かったことから、巣立ち率は例年と比べてやや低くなっています。今後、内容についての詳しい評価を行っていきます。
 さらに、今後得られる生存率やねぐら出調査の結果も合わせて統計分析手法による推定を行い、今期の最終的な繁殖結果を推定値として公表します(2026年2月頃を予定)。

2 報道に関するお願い

 特段の配慮を必要とする繁殖期は終了したと考えていますが、8月以降もトキの生息に配慮した地域ルールにご注意いただき、適正な取材活動を行っていただきますようお願いいたします。

 トキとの共生ルール(平成20年9月)
 http://kanto.env.go.jp/wildlife/tokitonokyousei.jpg
 トキのみかた(平成28年3月)
 http://kanto.env.go.jp/tokinomikata.pdf

(参考)過去の繁殖結果との比較

営巣 ふ化 巣立ち 繁殖活動
終了日
ペア数 ペア数 ヒナ数 ペア数 ヒナ数
2012 18 3 8 3 8 6/21
2013 24 5 14 2 4 7/5
2014 35 14 36 11 31 6/24
2015 38 12 21 8 16 6/19
2016 53 25 53 19 40 7/8
2017 65 36 92 31 77 7/19
2018 77 32 67 27 60 7/6
2019 99(120) 37 84 33(40) 76( 95) 7/16
2020 86(127) 33 83 26(38) 67( 85) 7/3
2021 103(147) 26 59 20(34) 44( 76) 6/28
2022 91(162) 33 73 22(49) 51(106) 7/28
2023 115(165) 23 48 16(27) 34( 55) 6/23
2024 93(185) 37 81 28(59) 65(129) 7/9
2025 101( - ) 33 66 19( - ) 40( - ) 7/25
 
※括弧内の数字は、統計分析手法による最終的な繁殖結果の推定値です。なお、ふ化ペア数及びふ化ヒナ数は、繁殖期モニタリングデータのみからでは統計分析手法による推定ができないため、観測データのみの公表としています。

お問い合わせ先

関東地方環境事務所
野生生物課長  刈部 博文
(℡:048-600-0817)
佐渡自然保護官事務所
首席自然保護官 北橋 隆史
(℡:0259-22-3372)