平成27年度の金時山登山者数について(お知らせ)
平成27年度の金時山登山者数について(お知らせ)
平成28年6月2日(木)
環境省関東地方環境事務所
箱根自然環境事務所
所長 小口 陽介
自然保護官 木暮 朋子
Tel:0460-84-8727
環境省では、箱根のハイキングコースとして人気の高い金時山の登山者数を把握するため、平成22年度から山頂付近の3登山道に赤外線カウンターを設置して登山者数調査を実施しており、今般、調査結果がまとまりましたので、お知らせします。
計測不良時の登山者数を推計して計測値と合計すると、年間おおよそ9万9千人の登山者がいると推測されます。(対平成25年度70.4%)
1.調査の背景
富士箱根伊豆国立公園金時山は、箱根の外輪山の最高峰(1212m)であり、山頂近くには大木のブナ林も見られることから、国立公園特別保護地区に指定されています。山頂からは、西に富士山、南に芦ノ湖、神山が展望でき、箱根地域の中でも人気の高いハイキングコースになっています。山頂には、3方向の尾根にハイキングコースが整備され、南足柄市・小山町、箱根町、御殿場市にそれぞれ登山口があります。
環境省では、神奈川県、静岡県、南足柄市、箱根町、小山町、御殿場市からの要望を受け、自然環境の保全、適切な利用を推進する観点から、山頂にバイオトイレ(おがくず処理)を整備し、平成22年11月1日から供用を開始しました。なお、トイレの維持管理は、地元の市町が事務局となる金時山トイレ維持管理委員会が行っています。
また、登山道は、登山者の踏圧等の影響で浸食が進んでいることから、神奈川県自然環境保全センター、箱根町及び環境省が連携して、ボランティア等で構成される登山道補修隊で適宜補修を実施しています。
こうした背景を踏まえ、環境省では、平成22年度から、金時山山頂部への正確な登山者数を把握し、公園の適正な利用の推進に資するため、3つの登山道(公時神社・矢倉沢峠コース、乙女峠コース、足柄峠コース)のそれぞれ山頂付近に赤外線カウンターを設置することにより登山者数調査を実施しています。
2.登山者カウンターの概要
設置したカウンターは、赤外線反射を利用してセンサーにより通過人数をカウントする仕組みです。日時、方向(上り下りを識別)が記録され、日ごとの登山者数等を把握することができ、土地所有者の了解を得て、平成22年から、以下の各コースに設置しています。
- ア.公時神社・矢倉沢峠コース
- イ.乙女峠コース
- ウ.足柄峠コース
3.今年度の集計結果
平成27年度の計測結果は以下のとおりです。なお、計測値は、4(1)のとおり補正を行いました。
①平成27年度の計測値 93,475人
なお、各コースの計測期間は以下のとおりです。
- ア.公時神社・矢倉沢峠コース 平成27年4月1日~平成28年3月31日
(※平成27年6月30日~7月6日、9月2日~10月7日は計測不良) - イ.乙女峠コース 平成27年4月1日~平成28年3月31日
- ウ.足柄峠コース 平成27年4月1日~平成28年3月31日
②平成27年度の推計値 9万9千人
平成27年度の金時山の登山者数の推計です。これは、平成25年度の推計(14万人)と比較して約30%減少となっております。なお、計測不良時のデータは、4(2)のとおり推計を行いました。
③年別登山者数の推移
④平成27年度における月別登山者数の推移
登山者は、ゴールデンウィーク、秋に集中し、登山道に積雪、凍結がある2月~3月は比較的少なくなる傾向がありました。
⑤各コース別の登山者数の割合
各コース別の登山者数及び全体登山者数における各コース別の登山者数の割合は、多い順に、公時神社・矢倉沢峠コースで約5万4千人(約55%)、乙女峠コースで約1万8千人(約18%)、足柄峠コースで約2万7千人(約27%)です。
⑥平成27年度における時間別登山者数(計測値)の推移
各コースの時間別では、いずれのコースにおいても11時台に登山者数のピークが認められました。公時神社・矢倉沢峠コース、足柄峠コースでは、早朝の登山者も少数ながら確認できます。
4.登山者数の補正や推計方法について
(1)計測値について
カウンターが濃い霧に反応し、実測データはカウンターの誤作動の結果を含むと考えられたことから、各登山道の実測データに対して、1秒以内に連続カウントしている部分を排除するという補正、また、夜間の17時から5時までの登山者数はおおむね誤作動と考えられることから、その時間帯の登山者数を排除する補正を行いました。
(2)推計値について
計測不良時のデータは、平成25年度に正常に計測できた同時期・期間における登山道別の登山者数の割合から推計データとして算出し、正常な計測値データと合算して推計値としました。
※平成26年度のデータについて
昨年度は、機器の故障が多く発生し、データの信頼性に欠けることから採用しませんでした。