「羽田ミヤコタナゴ通信」の創刊について(お知らせ)
「羽田ミヤコタナゴ通信」の創刊について(お知らせ)
平成28年8月19日(金)
環境省関東地方環境事務所 野生生物課
課長 澤 邦之
広域鳥獣保護管理専門官 鈴木 真野
直通:048-600-0817
那須自然保護官事務所
自然保護官 齋藤 明光
直通:0287-76-7512
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(以下、種の保存法)」により国内希少野生動植物種に指定されているミヤコタナゴにつきまして、環境省は栃木県大田原市羽田沼及びその周辺を生息地保護区として指定し、地域、行政、試験研究機関、学校等と一緒にその保全に取り組んでまいりました。 この度「羽田ミヤコタナゴ通信」を創刊し、その保全の取組を定期的に情報共有させていただくこととしましたのでお知らせします。 なお、次回の発行は11月頃を予定しております。 |
1.背景
ミヤコタナゴは、かつて関東地方に広く分布する「ごく普通の魚」でしたが、河川改修工事や圃場整備事業、水田の休耕田化、都市化にともなう生息環境の荒廃などによってその生息域が激減しました。
そのような中、昭和63年に羽田の水路でミヤコタナゴが「発見」されました。ミヤコタナゴのみならずその産卵母貝であるマツカサガイの極めて高密度の生息が確認されたことから、羽田は重要な生息地であると認められ、平成6年12月に全国で初の生息地保護区に指定されました。
ところが、生息地保護区指定後からミヤコタナゴの生息数は減少を続け、平成14年以降確認されなくなってしまいました。
しかし、生息個体が確認されなくなっても、地域の営農方法、水路の維持管理体制、水路の構造など、羽田はミヤコタナゴ個体群の安定した存続を支えていける潜在能力を持っています。そのため、羽田ミヤコタナゴ個体群回復のために、さまざまな取組が行われてきました。
2.「羽田ミヤコタナゴ通信」創刊の経緯
生息個体が確認されなくなってから10年程後、羽田地区へのミヤコタナゴ再導入(再導入:個体群が消失した本来の生息域に対する意図的な個体の移動及び放出)を視野に入れ、「羽田ミヤコタナゴ再導入に向けた協議会」の立ち上げに向けた打合せが平成23年1月より始まりました。そして、平成23年7月に「羽田ミヤコタナゴ再導入に向けた協議会」が発足しました。協議会のメンバーは地域の方々をはじめ、行政、試験研究機関、学校等広範囲にわたり、一体となって色々な取組をおこなっています。
その発足以来、年に2,3回羽田小学校において協議会の公開開催を行ってきましたが、発足から5年を経て出席者が固定化しており、地域への周知・情報発信が滞っていることが危惧されていました。そこで、公開開催に代わる地域への周知・情報発信の方法を協議会として検討し、この度「羽田ミヤコタナゴ通信」を創刊し、羽田地域全戸及び羽田小学校全児童への配布を実施することとしました。
今後は年に3回程度、この「羽田ミヤコタナゴ通信」を発行し、情報を発信していきます。