アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
南アルプスの四季(春・夏)
2019年03月19日南アルプス自然保護官事務所の本堂です。
先日、紹介しました野呂川広河原インフォメーションセンターの2階では展示を行うとともに、アンケートを実施しています。野呂川広河原インフォメーションセンターの印象について、どの展示が印象に残ったかなどの項目を設け、毎年多くの方にご協力いただいています。今後、取り上げてほしい展示内容については、さまざまなご意見をいただいており、中でも多いのが『南アルプスの四季について知りたい!』というご意見です。そこで、南アルプスの1年を春と夏、秋と冬の2回に分けて紹介していこうと思います。
【春 3月から5月】
△雪で白く染まる白峰三山
街では桜や梅などの花が咲き始める頃ですが、標高が高い山はまだまだ冬らしさを感じられます。この写真は3月に夜叉神峠で撮影したものですが、標高1,700mあたりでもまだ白さが残っていますね。2月や3月に本格的な雪が降ることが多いため、12月や1月よりも白く、綺麗な白峰三山を楽しむことができます。
△新緑深まる4月
秋から冬はほとんどの木が葉を落とし、閑散とした登山道になりますが、春になると景色が一変!新緑が鮮やかになります。春が来た!という気持ちになります。4月下旬から5月にかけてシロバナノヘビイチゴやミツバツツジなどの花が少しずつ咲き始めます。
△春のオベリスク
鳳凰三山周辺の山小屋はゴールデンウィークに短期間の営業をしてくださいます。(営業期間等については各山小屋にお問い合わせください。)そのため、多くの方が残雪の鳳凰三山へ訪れます。オベリスクの景色なんて変わらないでしょ!と思った方。残雪量や緑の量、紅葉の色づき方によっても見え方が変わります。山は登るごとに違う景色を見せてくれます。自然との出会いは一期一会ですね。
【夏 6月から8月】
△広河原での開山祭のようす
6月下旬になると野呂川広河原インフォメーションセンターや北沢峠で開山祭が行われます。開山祭と同じ頃に山梨県側の交通機関が運行し始め、野呂川広河原インフォメーションセンターは多くの登山者で賑わいます。開山祭は一般の方の参加も可能です。ぜひ、参加してみてください!
△ライチョウ親子の砂浴び
ライチョウは6月頃に卵を産み、7月上旬頃に孵化します。子育てはメスのみが行います。この砂浴びの行為を人間で表すと、お風呂。お母さんも子どもも気持ちよさそうにしていました。ライチョウを見つけた際は近づいたり、触れたりすることのないよう、そっと見守ってください。
△荒川岳のお花畑
夏と言えば、高山植物!!南アルプスは高山植物が豊富です。写真は、南アルプス南部の荒川岳のお花畑です。南アルプスの中でも一番大きいお花畑と言われています。シナノキンバイやハクサンイチゲなどで斜面が色鮮やかに染まっていました。登山道の脇にあるお花畑であり、多くの方が足を止めて写真を撮影されています。
南アルプスの四季(春・夏)はいかがでしたでしょうか。次回は南アルプスの四季(秋・冬)をお届けします。お楽しみに♪