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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

【報告】自然観察会「初秋の湯坂路と石仏石塔群を訪ねて」(箱根地域)

2019年09月20日

こんにちは。富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

気温はすっかり秋ですね。仙石原のススキ原草原もススキが穂を出し、観光される方が増えてきました。

さて、今月7日(土)に箱根地域自然に親しむ運動の第7回自然観察会「初秋の湯坂路と石仏石塔群を訪ねて」を開催しました。

このイベントは、芦の湯付近に残る鎌倉時代に造られた石仏や石塔を巡り、古道「湯坂路」での自然観察を楽しみ小涌谷駅までトレッキングするもので、22名の方がご参加いただきました。

今回は昨年紹介出来なかった場所を紹介したいと思います。※昨年の様子は★コチラ

【今回のコース】高低差320m、距離5km、所要時間約5時間


【開会の様子】

昨年とは打って変わっての晴天!駒ヶ岳の麓、精進池畔にある「石仏群と歴史館」からスタートです。


【精進池】

景色のよいこの場所には悲しい伝説があります。

その昔、仲秋の名月になると周辺の村を襲い暴れ回った大蛇が棲んでいたとされている。その大蛇は女性に成りすましていたが、旅人に恋をしてしまいました。暴れる夜、旅人に逃げてもらおうと、大蛇は自分の正体を旅人に明かしてしまったがために、村にバレてしまい、それを退治しようとした村人が池に鉄やら槍やらを投げ込んだところ、大蛇が怒り竜巻を起こしました。翌日、池の湖畔には大蛇とその旅人が遺体となって発見され、以来「精進池」と呼ばれるようになりました。

【東光庵】

萱葺き屋根が残る趣のあるこの建物は、江戸時代末期、国学者を中心とした江戸の文人・黒客が集会場として賑わった場所。現在も手入れや修復され、定期的に俳句会が開催され、使われている場所です。一般の方も入れるため、休憩にはもってこいの場所です。

【鷹巣山山頂のヤマハギ】

秋の七草の「萩」の一種。甘い香りとその容姿につられ一休憩。初秋の秋を彩る代表種です。

【ムササビの食痕】

鷹巣山で発見したムササビが食べたイロハモミジ。基本草食で葉っぱを折りたたんで食べるため、シンメトリーになることが多いです。カエデやツバキなどの木の下に探してみると見つけやすいです。

このあと、千条ノ滝へ下り、滝を鑑賞しつつ休憩し、小涌谷駅まで降りて解散しました。

晴天に恵まれ、少し日差しが強く熱かったですが、涼しい秋の風が吹き抜け、秋の草花やその場に生きる生きものの痕跡を沢山見られ、とても充実した観察会になりました。

残る観察会はあと2つ。

◆11月19日(火)紅葉の箱根路を訪ねて

◆11月29日(金)箱根の冬鳥観察会

他にも今回解説してくださいましたパークボランティアの観察会もございます。

宜しかったら是非ご参加くださいませ!★全体イベントはコチラ

〈今回のイチオシ写真〉

【芦ノ湖覆う雲海】

観察会の朝、大観山より撮影しました。芦ノ湖一面に雲が発生し、外輪山よりあふれ出た雲が手前の須雲川へ流れていくなんとも素敵な光景でした。