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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

3年ぶりの仙石原ススキ草原山焼き(箱根地域)

2022年03月22日

皆さん、こんにちは。

富士箱根伊豆国立公園管理事務所の山口です。

前回1月には箱根湿生花園内植生復元区の火入れを紹介しましたが、今回は3月10日に3年ぶりに実施された、仙石原すすき草原山焼き実行委員会による「第31回仙石原ススキ草原山焼き」をご紹介します。

この山焼きは、かつて仙石原で定期的に行われてきた台ヶ岳の山焼き(1970年代に一度失われていた慣習)が、平成元年よりススキ草原の維持を目指して再開され、現在に至るものです。これまで、雑木が育たないように火入れ管理を継続することで、美しいススキ草原が維持されてきました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の流行に伴い、観光客の過密な集合を避けるため、2020年から実施が中止されていました。中止の影響で、この2年間のススキはきれいに生えそろっていない様にも、地元の人たちには感じられていたようです。

当日は朝7時に、天気の状態を確認して実施の判断がされました。ススキ草原に隣接する県道75号線は通行止めとなり、多くの警察や消防隊の皆さんがヘルメット着用で作業を進め、緊張感も感じられる中で煙が上がり始めました。周囲の森などを焼かないように、初めに防火帯(事前に5~10m幅でススキを短く刈り込んだ部分)沿いのススキを焼いていきます。

【防火帯沿いのススキを燃やし始めた煙】

【作業を見守る関係者の皆さん】

【台ヶ岳との境目の防火帯沿いに火が付いた状況】

 そして、しばらくすると一気にススキ草原が燃え上がります。

【全体に火が付いた状況】

【ススキが燃え切ったところから火が収まってきた状況】

写真でも迫力はありますが、この山焼きはやはり一度は実際に体感して頂きたいです。少し離れている関係者の待機場所からも、顔に感じる炎の強い熱気や、舞い上がるすすや煙のにおいは、想像を超えて興奮を覚えます。今年は一般観光客向けの見学席はありませんでしたが、コロナ禍が落ち着いた頃には見学が再開され、観光客の皆さんも見学が出来ることを祈るばかりです。

 

今年は天候にも恵まれ、午前中には台ヶ岳の麓側のススキ(有名なススキ草原側)を、午後には仙石原湿原側のススキを、きれいに焼き終わって山焼きは終了しました。

【午後に行われた仙石原湿原側の山焼きの状況】

【天然記念物区域内の外周に火が付いている状況】

山焼きを終えた黒いススキ草原には猛禽類が現れて、焼き跡に現れる地中に隠れていた生き物を探していました。

【山焼きが終わった状況】

【作業に従事された関係者の皆さん】

ここから春に向かって、植物たちの急成長する際の景観変化が始まります。秋にはススキの美しい黄金の穂がきれいに生えそろい、訪れる人の目を楽しませてくれるでしょう。今から楽しみになりますね。そして来年は再び野焼きの季節を迎え・・・コロナ禍を終えて、そんな繰り返しが普通に行われる日常が取り戻せることを信じています。