2021年7月 5日
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2021年07月05日今年も『モリアオガエル』に会えました!
富士箱根伊豆国立公園 沼津 山田優子
みなさま、こんにちは。沼津管理官事務所の山田です。
7月になりました。今年の半分が終わったなんて時間が経つのは本当に早いです。
さて、今回の日記では6月梅雨の晴れ間に昨年度も日記で紹介した猫越(ねっこ)岳山頂の池に『モリアオガエル』の産卵を確認に行って来ましたので紹介したいと思います。
猫越岳山頂の池は伊豆山稜線歩道の仁科峠駐車場から天城峠方面に1時間程歩いたところにあります。モリアオガエルの産卵場所として有名で、普段は森に住むモリアオガエルも、産卵の時期はこの池へやってきます。森の中ではなかなか見る事が出来ませんが、梅雨のこの時期運が良ければ目の前で産卵の様子などが観察できるのです。木の下でしばらく目を凝らして眺めていると、今にもジャンプしそうなポーズのモリアオガエルを発見しました。
夜行性のモリアオガエルですが、昨年同様に日中も池の分岐に近づくと大合唱が聞こえてきました。今年も元気に活動しています。ふと、夜はもっと凄い大合唱のかな?と思ったのですが、夜中に何も知らずこの大合唱が聞こえたらちょっと怖いかもしれませんね。
多くの卵塊とモリアオガエルを確認しましたので、写真で紹介します。
【 中央:モリアオガエルの産卵 右側:卵塊 】(クリック拡大)
池の周りの木にはたくさんの卵塊を確認できました。人気のある木は枝が池にせり出している木です。卵塊の中で孵化したオタマジャクシが安全に池に落下できるように考えて選んでいるのでしょうか。
そして今年も「モリアオガエルを探せ!!」をお楽しみ下さい。
下の写真の中にモリアオガエルがいます。どこにいるでしょうか?(写真クリック拡大)
卵塊もいくつか写っていますので拡大して観察してみて下さい。
昨年より少し難易度を上げております。よく見て下さいね。
ヒント:カエルの目を探して下さい。目が慣れてくると見えてきます。何匹かいますよ。
さて見つかりましたか?難しかったでしょうか?
それでは、、、答えです ↓
4匹も隠れていました!実際にはもう少し隠れていますが、しっかり確認出来るモリアオガエルだけをカウントしています。見つからなかった人は、もう一度写真をクリック拡大して確認してみてくださいね。
毎年池に着いてしばらくの間、声は聞こえるのに姿はなかなか確認出来ません。不思議としばらく見ていると次々に発見できます。見ていた場所で発見出来たとき、ずっと見ていたのにこんなにいたの!?とビックリします。本当にかくれんぼが上手です。
たくさんのオタマジャクシも池の中で確認できました。水面に落下したオタマジャクシは1ヶ月程でカエルの姿に成長し森へ帰っていきます。
【 オタマジャクシ(クリック拡大) 】
最後に昨年目の前でたまたま見つけたモリアオガエルが同じ木にいるか確認にいくと、、、
残念ながら同じ木にはいませんでした。今年も多くのモリアオガエルが無事に森に帰り元気に成長してまた来年会えるといいなと思います。
皆様、こんにちは。
佐渡自然保護官事務所の近藤です。
このたび結婚が決まり、今月いっぱいで退職し、佐渡を離れて故郷の愛知県に戻ることになりました。
<近藤、フィールドにて>
2014年10月に着任してから約7年。
トキとともに歩む日々でした。
時系列に大きなイベントを振り返りたいと思います。
■2016年
放鳥されたトキではなく、野生下で誕生したトキのペアから42年ぶりにヒナが巣立ちました。日々観察を続けてきた私たちには感動の瞬間でした。
<野生下で誕生したトキのペアから誕生し、42年ぶりに巣立った幼鳥3羽>
■2018年
佐渡トキ野生復帰10周年記念式典の開催に関わり、同年、11年ぶりに中国から提供されたトキ、オスの楼楼(ロウロウ)とメスの関関(グワングワン)が佐渡トキ保護センターに到着する様子を見届けました。
<佐渡トキ野生復帰10周年記念式典の様子>
<佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションでのロウロウ・グワングワンの様子>
■2019年
トキの野生復帰が順調に進み、トキは環境省のレッドリストにおいて「野生絶滅」から「絶滅危惧IA類」に見直されました。
<あぜで休息するトキ17羽>
1羽1羽トキを観察し、個々の動向を日々追っていた私には、記憶に残るトキたちがたくさんいます。
<近藤の記憶に残るトキたちを取り上げたアクティブ・レンジャー日記記事>
「野生下で生きる」2020年3月9日
「野生復帰を支えたトキたち」2019年12月24日
「帰って来たNo.264」2018年11月30日
「孤高のメストキ」2018年07月27日
「海を渡ったトキたち」2018年11月6日
「トキの個体特性」2018年10月18日
「92×200の奇跡」2018年06月01日
見上げればトキが舞う佐渡の空。
いつか本州でもこのような景色が見られることを心待ちにしています。
愛知県に戻っても、「トキと共生する佐渡の里山」として世界農業遺産に認定された佐渡の里山環境の素晴らしさ、佐渡に息づく伝統文化、そして大好きな佐渡の人たちの温かさを、自らの経験をもとに、広め続けていきます。
今後とも、佐渡とトキ野生復帰を応援いただけますと幸いです。
約7年間、本当にありがとうございました。
<2008年9月25日に行われた第1回放鳥の唯一の生き残りで、国内の野生トキでは最高齢(15歳)のNo.11。また会う日までどうか元気で。>