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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

いざゆかん、夏の『金時山』

2024年08月30日
篠 優花
皆さま、こんにちは。箱根事務所の篠です。
前回の投稿から時間が経ってしまいましたが、今回は6~7月にかけて2回、金時山を巡視した際のお話しをいたします。
 
金時山は、いくつもの伝説を残し昔ばなしでも知られる坂田金時(金太郎)が幼少期に遊び場としていたことでも有名な山です。
 
箱根外輪山の北に位置するこの山は、頂上から美しい富士山が見られることもあって登山客の方にも大人気です。私が巡視に向かった日はいずれも平日でしたが、それでも多くの登山客の方とすれ違いました。
 
金時山には複数の登山コースがありますが、今回の巡視では金時見晴パーキングから矢倉沢峠を経て登り下りする短めのコースと、金時登山口から矢倉沢峠を経て登り、頂上から帰りは金時神社登山口を目指して下るコースを選択しました。
いずれも距離は長くありませんが、勾配があり階段や坂が長く続きますので、よい運動になります。

金時山の生き物たち

6月の巡視中に、複数のソウシチョウを見かけました。
人慣れしているようで、美しいさえずりを響かせながら登山道のすぐそばの木の枝に止まります。

名前の「ソウシ」は相思相愛の「相思」に由来するとのこと。
つがいは仲睦まじく、離れた場所に置くと互いに鳴き合うのだそうです。
 
色鮮やかでかわいらしい野鳥ですが、彼らは外来種であり特定外来生物として規制されています。
見つけた特定外来生物を生きたまま許可無く運搬することはできないため、不用意に捕まえないようにご注意ください。
 
ソウシチョウ
休憩中のソウシチョウ
ソウシチョウ
お食事中のソウシチョウ
7月の巡視ではアサギマダラを見かけました。
浅黄色の翅と水雨模様の胸部が美しく、目を引く蝶です。
また、アサギマダラは旅をする蝶であり、とても長い距離を飛行するそうです。
過去に、箱根ビジタセンターでも展示をしていたことがあります。
当時の記事も併せてご紹介いたしますので、是非読んでみてくださいね。
アサギマダラ
お洒落なトラベラー、アサギマダラ

山頂トイレのおはなし

景色を眺め、鳥や昆虫の声や存在に目を向けているとあっという間に山頂です。
山頂からは、天気がよければ富士山を一望できます。
 
そして、金時山の山頂には仮設トイレが設置されております。
金時山山頂のトイレは、環境省、神奈川県、静岡県、南足柄町、箱根町、小山町、御殿場市が共同で維持管理していて、日頃の主な管理は山頂の金太郎茶屋の管理人さんが対応をしてくれています。
 
このトイレは水洗式ではなくバイオトイレと呼ばれる特殊な構造となっています。
詳細については以前、私の前任者が記事を掲載しておりますので、こちらも是非読んでみてください。

なお、トイレを利用する際には、「使用費の100円(維持管理協力金)」のお支払いのご協力をよろしくお願いいたします。
 
山頂トイレ

おまけ

金時山巡視を終えて事務所に帰庁した後、ふと干していた登山靴を見るとミスジチョウがひと休みしていました。識別のポイントは翅(はね)の3本線のうち、一番頭側の線の形です。
ミスジチョウの仲間にはコミスジチョウ、ホシミズジチョウなどがいますが、みんな少しずつ線の形が異なります。気になる方は是非調べてみてくださいね。
 
以上、金時山の巡視記録でした!
それでは、また次回の記事でお会いしましょう。
ミスジチョウ
りりしい横顔のミスジチョウ
ミスジチョウ
はねを広げたミスジチョウ