羽田ミヤコタナゴ生息地保護区「ミヤコタナゴの部屋」
羽田ミヤコタナゴ生息地保護区「ミヤコタナゴの部屋」
ミヤコタナゴとは
東京都文京区小石川の東京大学附属植物園内の池で採集された個体に基づき、1909年に新種として発表された日本固有種です。「東京のタナゴ」という意味で、ミヤコタナゴと名付けられました。
かつては関東地方に広く分布する「ごく普通の魚」でしたが、河川改修工事や圃場整備事業、休耕田化、都市化にともなう生息環境の荒廃などによってその生息域が激減し、現在では、羽田をはじめとする数ヶ所でしか自然状態での生息が確認されていません。
羽田ミヤコタナゴ生息地保護区の概要
羽田(はんだ)ミヤコタナゴ生息地保護区は、栃木県有数のハクチョウ飛来地としても知られる農業用貯水池の羽田沼(約4ha)、そこから流下する農業用水路(750m)及びその周辺の農地(水田など)等からなります。羽田沼の水源は湧水であり、また、水路の最下流部は伏流していることから、完全な閉鎖性水域です。
関東地方の多くの地域でそうであったように、羽田でもミヤコタナゴ(オシャラクブナと呼ばれていましたが)はごく普通の魚でした。そのようななか、羽田の水路でミヤコタナゴが「発見」されたのは、昭和63年でした。
ミヤコタナゴとマツカサガイの極めて高密度の生息が確認されたことから重要な生息地であると認められた羽田は、平成6年12月、生息地保護区に指定されました。これは、種の保存法の平成5年4月施行以来、初の生息地保護区指定でした。
生息地保護区指定を受け、地元では地権者を中心とした「羽田ミヤコタナゴ保存会」が結成されました。羽田ミヤコタナゴ保存会は、環境省と栃木県から生息地保護区の管理業務(巡視、清掃等)を受託し、行っています。
また、生息地保護区指定以降、栃木県は保護増殖事業(環境省からの委託事業)として、水産試験場での飼育、外来魚駆除、生息状況調査、さらに様々な調査研究等を行っています。