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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

南アルプスの地味な(!?)生き物 その1 「ふしぎな生き物」

2014年12月12日
南アルプス国立公園 大石佳織

こんにちは。
南アルプス自然保護官事務所の周辺でも雪が降るようになりました。ここのところ、山から足が遠のいて、少しさびしい毎日を過ごしていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。

さて、山に行けないなら、行ったつもりになってしまおう!
というわけで、冬の間は夏の活動中に出会った生き物を紹介していこうと思います。

何から紹介しようかなと、写真を見返してみたところ...
あら...?なんか地味な生き物ばかり写真に収めているような...。
夏の間、私は地味な生き物に吸い寄せられていたようです。

地味でも南アルプスの大切な生き物です。
今回はちょっとふしぎな生き物を紹介します!


夏、高山帯の稜線を歩いていると、ハイマツの根元などに何やら白いものが...

見たことあるという方もいるのではないでしょうか?

【見たことあるという方もいるのではないでしょうか?】

小動物の骨!?
枯れた枝??
ちらっと見ただけでは、生き物の感じがしないふしぎな白い物体...。

でも、よくよく見ると「生えてる」んです。
こいつは一体何者なのか!?

実は、地衣類という生き物です。
調べてみると「ムシゴケ」。
そっくりの種類に「トキワムシゴケ」というのもあるようなので、どちらかわかりませんが、高山帯に分布する種類だそうです。

【じっくり見ると陶器みたいで綺麗だし、かわいい。と思うのは私だけ?】

足もとには目立たないけど、花とは別の美しさのあるふしぎな生き物がひっそり生きています。

あまり注目されない生き物にスポットを当てて紹介するのがきっと私の使命。
これから地味な(!?)生き物を紹介していきます。お楽しみに!


◆南アルプスの生き物を知ろう!まめまめ知識
【 「地衣類」って何?? 】
菌類と藻類が一緒になって生きている(共生している)生き物。
キノコとも植物とも違う不思議な生き物です。

「地衣類」には、今回紹介したムシゴケの他にも、ウメノキゴケやハナゴケなど『コケ』と名のつくものがたくさんありますが、「コケ植物」(スギゴケ、ゼニゴケなど)とは全く別の生き物です。

ややこしいですね。