ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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日光国立公園

102件の記事があります。

2017年09月12日カッコウ親子(?)の子育て

日光国立公園 高橋祐子

 日光国立公園管理事務所の高橋です。

 日光国立公園日光地域では、パークボランティアの皆さんが活動してくださっています。

パークボランティアとは、環境省とともに国立公園の自然解説や保護を行ってくださる縁の下の力持ちのような方たちの事です。

 日光で活躍するパークボランティア会員の中には自然解説を得意とするエキスパート達がいます。

 この日も自然観察会を行って大盛況に終わり、みんな大満足。下の写真は、そんな活動の一コマです。

 そして帰りには、こんなかわいい光景も!

 カッコウのひなです。

 親はアオジ、親よりもひなの方が大きいという少し変な光景ですが、カッコウは托卵をする種なのでこのようなこともあります。

 親鳥は、大きく開いたカッコウひなの赤い口の中に、どうしてもエサを押し込みたくなるようです。

 その本能を利用して、ひなは他種の親に育ててもらうことができます。

 日光エリアの豊かな生態系の中で見られた、とても珍しい光景でした。

 秋も見どころいっぱいの日光国立公園、ぜひたくさんの方のお越しをお待ちしています。

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2017年08月31日堅果類の豊凶調査

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは!

日光も8月は雨が続き、夏はどこに行ったか?梅雨が戻ったか?というような天気が続きました。奥日光では8月も下旬となり晩夏というか初秋という雰囲気になっています。

今年の夏の奥日光は、クマの出没が多く小田代原でも木道脇のカラマツがクマ矧ぎに会うという事件がありました。秋に向けて、クマの動向はどうなるかと気になるところです。

 

【小田代原木道脇のカラマツのクマ矧ぎ】

秋にクマのメインの食物となる堅果類の豊凶調査(ドングリの結実状況調査)に参加しましたので報告します。栃木県では林業センターが県内を4地区に分けて、堅果類(ミズナラ・コナラ・クリ)の豊凶調査を実施しています。今回は奥日光の調査として林業センターのM研究員に指導を受けて、戦場ヶ原周辺のミズナラの結実調査を行いました。

方法は調査対象木から任意で枝先の3箇所を選び、そこに木の枠を当てて枠内のドングリの数をカウントするというやり方です。

【ミズナラの枝先に木枠を当てる】

対象木はほとんどが20mを越える大きな木です。その枝先のドングリ数をカウントするために、測竿(樹高測定用の伸縮するプラスチックの竿12mの長さ)の先に、20cm×50cmの木の枠をぶら下げて、枝先に当てます。枠内のドングリ数を双眼鏡を使って数えるというものです。結実がカウントしやすいように、測竿を使用して(先にカギをつけます)枝を下向きに引っ張ることも必要です。3,4人の調査員が必要で、測竿が柔らかくて安定せず、測竿を持つ二人が技術体力腕力のいる作業です。

【木枠を当ててドングリ数のカウント】

全部で9本のミズナラを調査しましたが、ほとんどの枝先で結実が見られず。今年も奥日光のミズナラは凶作のようです。ドングリ類が凶作ですと、クマの出没は晩秋まで続くことが知られており、気の抜けない秋になりそうです。

【千手が浜のマルバダケブキとカラスアゲハ】

とはいえ、奥日光は秋の花が咲き始めています。千手が浜ではマルバダケブキやキオンが花盛りです。紅葉前の秋の花々を見に来てください。

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2017年08月17日第2回「山の日」記念全国大会 in 那須2017

日光国立公園 吉川 美紀

みなさんこんにちは。

 昨年から「山に親しむ機会を得て山の恩恵に感謝する日」として国民の祝日に制定された「山の日」、趣旨のとおり登山を楽しんだ方も多いのではないでしょうか。

 8月11日・山の日、日光国立公園が位置する栃木県那須町では、第2回「山の日」記念全国大会が開催されました!

 大会では、記念式典や歓迎フェスティバルが催され、開催地・那須の魅力、山の魅力がたっぷり詰まった一日となりました。

 記念式典には中川環境大臣も出席し挨拶を述べられ、式典の終盤には、今回の大会開催地・那須(栃木県那須町)より、次の開催地である大山(だいせん)(鳥取県米子市、大山町)へバトンが渡されました。

(記念式典 中川環境大臣挨拶)

 歓迎フェスティバルでは、山や那須に関係するブースが軒を連ねて大会を盛り上げました。

 環境省ブースでは、関東管内の各地の事務所の中から「オススメの山」を紹介!

 バラエティに富んだ山々の紹介に、「この山登ったことある!」「この写真みたいな風景を見に、山に行ってみたい」などなどみなさん興味津々でした。



(歓迎フェスティバル)

 また、歓迎フェスティバルでは第2回「山の日」記念全国大会を記念して、当所が主催した写真コンテストの表彰式も行われました。「那須の山々」をテーマに写真を募集した本コンテストは、県内外から作品の応募があり、最優秀賞を含む9作品が選出されました。


(山の日写真コンテスト 上位入賞作品)

 入賞作品は年内中、栃木県内の施設にて巡回展示を行います。どの作品も実際に那須の山に行ってみたくなるような写真ばかりです。ぜひ、お近くにお越しの際はご覧になってください!

(山の日写真コンテスト 巡回展スケジュール)

 ※クリックで大画面表示になります。

 8月11日が終わっても、まだまだ栃木県内各所では山の日連携イベントが開催される予定です。ぜひ、遊びどころ満載のとちぎの山へお出かけください!

 第2回「山の日」記念全国大会連携イベント:http://www.mountainday.net/event/

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2017年08月10日奥鬼怒湿原

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは!

ここ数回、奥日光の自然情報をお伝えしましたが、今度は、奥鬼怒方面に巡視で出かけてきましたので、

報告させていただきます。

鬼怒川の最奥には、奥鬼怒温泉郷と言われる4箇所の温泉がありますが、そこに行くには一般車両は乗り

入れができず、宿の送迎バスか徒歩でたどり着くしか無いという秘湯です。

その秘湯のある谷間から急斜面を登った山の上には別天地が存在します。奥鬼怒湿原です。

【湿原のワタスゲ】

8月4日に訪れた時には、まだワタスゲの白い綿帽子がたくさん見られました。

奥鬼怒湿原は広さでは、尾瀬ヶ原などには遙かに及びませんが、周囲は山に囲まれていない平坦地に

発達した湿原で、山上の別天地感がすごくあります。

【池塘と鬼怒沼山】

この地も、シカの食害の影響はあり、日光沢温泉のご主人の話では、ヒオウギアヤメなどがかなり少なくなっているようです。今回も通常は食べないと言われているコバイケイソウが食べられているのを確認し、シカの足跡も多く見ました。

【シカに食害された?コバイケイソウ】

今回お花はそれほど観察できませんでしたが、サワランやキンコウカなどを見ることができました。

【湿原の池塘】

帰りには、カモシカが見送りに来てくれました!

【日光沢温泉の近くで会ったカモシカ】

奥鬼怒湿原は、一般車両の終点の女夫淵から歩き始めると、日帰りでは大変ですので、奥鬼怒温泉に泊まって、ゆっくりと歩かれることをおすすめします。紅葉の時期の奥鬼怒も素晴らしいところです。ぜひお出でください。

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2017年08月09日奥日光のクマ!!

日光国立公園 高橋祐子

 みなさん、こんにちは

 日光国立公園管理事務所の高橋です。

 日光国立公園ではクマの目撃例が現在もまだ増えています。

 私たちが重点的に見回りを行っている奥日光エリアも例外ではなく、7月17日に発見された木道脇のクマはぎをきっかけに、クマ除けのための鐘を設置することになりました。

 ただし、一つ忘れてはいけないのは、この辺りは本来クマの生息域だということです。今年はたまたま人間の活動域と重なってしまい目撃例が多発していますが、もともと私たちがクマの生息域に入っていっています。

 『もしクマに出会ったら...』とういう注意書きを見かけますが、まずは出会わないように気を付けることも大切です。クマはとても臆病な生き物なので、人間の気配を感じたら本来自ら遠ざかってくれるはずです。静かな場所を歩く際には、人間が通ることをクマに気付いてもらえるようにしてみてください。代表的なのはクマ鈴やラジオなどです。私はたまにヤッホーしてみたり、手をたたいたりもしています。

 また、『クマは人を襲って食べる』というイメージがあるかもしれませんが、これは勘違いです。どちらかといえば、クマは腐った肉が好きです。襲ったばかりの肉は食べません。人を襲う時は、食べるためではなく、身を守るためです。今年も事故なく、クマとうまくすれ違うことがきればと思っています。

 8月1日に行った巡視の際には、頑張って樹脂を出し、怪我の修復を行っている様子が見られました。

 でも、幹を一周剥がされてしまったので回復は難しいでしょうね。色々な形で、多様性が繰り広げられています。

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2017年07月28日集まる蝶たち

日光国立公園 太田祐司

 みなさん、こんにちは!

 前回(7月13日)のAR日記は、奥日光のカミキリムシを紹介させていただきました。今度は蝶の紹介です。蝶と言えば花に集まり吸蜜するのが普通で、時には樹液に集まりますが、これも樹液中の糖分を求めているのかなと思います。

 巡視で山野を歩いていると、どうして蝶がこんなところに集まるのかな?と思う光景に出会います。

人の腕にとまるウラジャノメ

 最初はウラジャノメ。この写真の蝶は人が近づいても逃げず、そのうち人間の腕にとまって汗を吸っているように見えました。

トイレに集まるクロヒカゲ

 次は、クロヒカゲ。トイレの窓の網戸に集まっていました。この写真を撮影した日は雨がぱらついていたので、最初は雨を避けているのかなと思いましたが、よく見てみると口吻を伸ばして網戸のナイロンネットをなめるようにしていました。

獣糞に集まるフタスジチョウ

 続いて、フタスジチョウ。

 栃木県内では奥日光にだけ生息する、日光国立公園を代表する蝶です。

 食草はホザキシモツケで、この花の多い戦場ヶ原や小田代原で良く観察できます。

 木道を歩いていると、この蝶が集団で木道に集まっている光景に出会います。こういう時は大体、木道に転がっている獣糞に集まっています。

            

コンクリート面に集まるフタスジチョウ

 この写真は、あずま屋のコンクリート面に集まっていたものです。湿ったコンクリート面に集まっているのをよく見ますが、この写真の場合は何かこぼれたものを吸っている可能性もあります。

 今年は、例年よりもフタスジチョウの個体数が多くみられるような気がします。特に小田代原では多く観察できます。

 獣糞やコンクリート面に集まっている蝶は雄で、繁殖のためにナトリウム分やアンモニアを摂取しているということのようです。

 戦場ヶ原や小田代原ではホザキシモツケやノアザミ、イブキトラノオなどが咲き始め夏の花のシーズンです。涼しい奥日光に来てこれらの花とともに、蝶の観察なども楽しいです。

 戦場ヶ原や小田代原は特別保護地区なので、動植物の採集はできませんので、観察だけでお願いします。

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2017年07月26日AR写真展開催のお知らせ(日光)

日光国立公園 番場美奈子

7月もそろそろ終わりますね。

日光事務所の周りではヒグラシが多く鳴いていて涼しげな気分になります。

今回はお知らせです。

国立公園・野生生物フォトコレクション-アクティブ・レンジャー写真展-

の日光開催が727日から814日までの期間となっています。

場所は日光湯元ビジターセンターです。

開館時間は8:30から17:30までです。

会場のそばの湯ノ湖では、釣りや湖畔散策も楽しめます。

是非お立ち寄り下さい。

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2017年07月20日クマレクチャー

日光国立公園 番場美奈子

今年の奥日光はツキノワグマの目撃情報が多く寄せられます。

ただ、被害情報はなく、目撃されてもクマの方が去って行くようです。

そのような状況もあり、国立公園内の巡視等の業務に関わる人向けに、自然公園財団の方によるクマレクチャーが臨時で開催されました。

このクマレクチャーは日光湯元ビジターセンターで毎週土曜日14時から定期開催されていますので、興味のある方は是非。

クマレクチャーではまず、ツキノワグマの習性や出くわしてしまった時の対応の講義を受けました。

・基本的にはクマの方がヒトを避ける

・高い音が良く聞こえるのでクマ鈴は有効

 (山菜などのクマの好物を持っていると効果がないことも)

・嗅覚は非常に発達していて犬以上

 (香水など好みの臭いについてくることも)

・夏は食べ物を探して行動範囲が広くなる

・朝方、夕方に活発に動く

・子連れのクマは神経質で危険

・出くわしてしまったらゆっくりその場を去る

(急いで逃げて刺激してはいけないがその場に留まってもいけない!)

など

講義のあとは、クマに出くわして危機的状況になってしまったときの対処として、クマスプレーの噴射を実践しました。

スプレーの成分は唐辛子で、これをクマの顔めがけて噴射します。

目や鼻に入ると唐辛子の強い刺激でクマが動揺して退散または、こちらが逃げる隙をつくることが期待できます。私たちの巡視の際は必携です。

最近、ニュースでとりあげられることもあるツキノワグマ。

現在は本州と四国に分布していますが、九州では絶滅したと考えられており、四国でも絶滅のおそれが高いそうです。

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2017年07月13日奥日光のカミキリムシ

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは!

前回(7月3日)の私のAR日記は、奥日光の巨樹を紹介させていただきました。

今回は、そんな樹木を食べる奥日光のカミキリムシを紹介させてください。

最初はシラフヒゲナガカミキリ。その名のように触角の長い、大きさは19mmから28mmぐらいの

割と大型のカミキリムシです。奥日光の亜高山帯のオオシラビソ等針葉樹の衰弱木に集まり産卵します。

笹の上のシラフヒゲナガカミキリ

奥日光は天然カラマツも多く生育しており、各地で巨木を見ることができます。

天然カラマツの樹皮下を食害するのがミドリヒメスギカミキリ。天然カラマツの巨木を注意して見れば、樹皮上を這い回っているのが観察できるかもしれません。体長は8mmから12mmぐらいなので注意深くないと気づきませんが、金属光沢のある緑色から青緑色に輝くきれいなカミキリムシです。

カラマツの幹上のミドリヒメスギカミキリ

次はアラメハナカミキリ。鞘翅がザラザラした感じが名前の由来の様です。体長は12mmから19mmぐらいの小さなカミキリムシです。亜高山帯の針葉樹の、樹皮が剥がれ落ちた立ち枯れ木に集まり、産卵します。

針葉樹の立ち枯れ木にとまるアラメハナカミキリ

今回紹介したカミキリムシは、いずれも針葉樹林に生息します。生木に食い入るものから、枯れ木を食して分解の促進に役立つものもいます。奥日光の涼しい針葉樹林の中で、樹木を眺めて、こんな虫を観察するのはいかがでしょうか?

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2017年07月03日奥日光の巨樹たち

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは。

奥日光では大人気のクリンソウもほぼ終了で、戦場ヶ原のワタスゲもピークを過ぎました。小田代原のレンゲツツジやアヤメがこれからは見頃でしょうか?

奥日光は、そんなきれいな花ばかりではなく、大きな樹木も見応えがあります。

そんな巨木を紹介させてください。

光徳園地の三本楢

最初は光徳牧場のそばの光徳園地にある木です。

光徳園地には大きなミズナラが三本並んで生育しています。

この周りではお昼時、修学旅行の子供たちがお弁当を広げています。

牧場のアイスクリームを食べながら、園地の野外卓に座って眺めてください。

戦場ヶ原の赤沼発の低公害バスに乗って、西ノ湖入り口で下車し約20分ほど歩くと柳沢川を渡る吊り橋があります。橋を渡ると巨木の森になります。この当たりは千手が原と呼ばれ、ハルニレやミズナラの巨木が林立しています。森を抜けると西ノ湖です。ここではヤチダモ林が有名ですが、湖岸には巨木も多いです。

西ノ湖の西岸にあるドロノキの巨木

撮影は6月上旬だったので、ズミの花も咲いていました。

西ノ湖の千手楢

北岸には多くの太い枝を張りだしたミズナラの巨木があります。遠くから見ると千手観音の手のように枝を張り出しています。

この巨木を支えるために、根も大きく盛り上がり、まるで熱帯雨林にある樹木の板根のような雰囲気です。

これらの巨木はお花のような派手さはありませんが、何か神々しさを感じます。

奥日光は日光市街地が雨でも、晴れていることがあります。梅雨時でも是非、見に来てください。

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