ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年08月16日富士山のトイレチップ(協力金)のその後、、、!

富士箱根伊豆国立公園 池田興平

こんにちは 箱根から日記をお届けします!

箱根から富士山は近く、同じく富士箱根伊豆国立公園の中にあります。

いま富士山は、開山期間が一ヶ月を過ぎてお盆休みも重なり最盛期を迎えています!

そんな富士山に、今回はトイレチップについてフォーカスを当ててみたいと思います。

私が所属する富士箱根伊豆国立公園管理事務所では富士山頂の公衆トイレのチップ(協力金)の回収業務を行っています。

(山頂トイレの写真)

山頂公衆トイレは一回の使用につき三〇〇円のチップ(協力金)をお願いしています。

富士山の公衆トイレでチップの協力をお願いしている背景としては

山頂という特殊な環境下であるため維持費用が多く掛かるためです。

富士山のトイレは、オガクズやかき殻を用いたバイオ式のトイレであるため

バイオにより一次処理後は廃棄物を麓まで運んでから処理します。

このような運搬費のほか、清掃要員の人件費や施設のメンテナンスなど多くの費用が掛かってきます。

詳しくは富士山オフィシャルサイトの【富士山のトイレ】を参照してください。

http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/toilet.html

そしてトイレチップは山頂からブルドーザによって運ばれます。

(山頂付近を走るブルドーザ)

偏に回収業務といっても、

このように雲の上から降りてくると、思うと大変な労力がかかっているのだなと感じます。

それにしても、晴れ間の富士山頂からは絶景ですね!

そしてブルドーザが約3時間かけて5合目まで降りてきます。


御殿場口5合目の基地まで運ばれたものを回収し完了です。

通常2,3週間程度に一度の回収を行うため

回収するタイミングによってチップの重さは変わってきます。

今回の回収では2つのチップ計量をおこなったところ

荷物入れの重さを省いて一つ50キロほどだったので


丁度二つ合わせておおよそ100キロの重さのトイレチップ(協力金)を回収しました。

では、持ち帰ったトイレチップ(協力金)はというと、、、

山頂で回収したものということで、塵や埃をタオルでふき取りをする作業をします。

銀行に入金をする際に、機械が壊れないようにする目的があります。

100キロのものお金を次々と洗浄していく作業は根気が必要とされますが

協力頂いた皆様の協力金のため丁寧に作業をしてきます。

今後も世界遺産である富士山の環境保全のため、そして登山者の皆様が安心して登山が出来るように

トイレ使用時にはトイレチップ(協力金)のご理解と、ご協力をお願いいたします。

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2018年08月16日天城山自然観察会―八丁池とブナの森を巡るコース―を開催しました!

富士箱根伊豆国立公園 松岡宏明

皆さま、こんにちは!沼津管理官事務所の松岡宏明です!

いきなりですが、811日(土)が何の日かご存知でしょうか?

この日は「山の日」という祝日で、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」日として成立した日です。以前にも記事にしましたが、沼津管理官事務所でも自然観察会を開催していました。

今回は、伊豆半島にある天城山周辺の森や八丁池をめぐるコースを、天城自然ガイドクラブという、いわゆるプロのガイドの方々に、このコースの案内をしていただきました!

東京や神奈川といった県外にお住まいの方や伊豆半島に住んでいる地元の方など36名に参加していただき、環境省のスタッフとガイドたちを合わせて総勢50人を超える大所帯で、5つの班にそれぞれガイドが二人以上つくという非常に豪華で規模の大きい観察会になりました。

△開会式の様子

ガイドの方からは道中の樹木や植物、そこに暮らす生き物たちの生態について、天城山周辺の地形や地質について、国立公園の保護地域に関する話や鹿による食害の問題(鹿が森の木の若芽や樹皮、草などを食べすぎることで森林における次世代の更新がうまく行われなくなり、結果的に山の保水力などを引き起こしてしまう問題)、なぜこの森林が重要なのかという根本的な問いなど、基本的な部分から難しいことまで優しく丁寧な言葉で説明をしていただきました。

また、参加者が実際に木と触れ合う時間も取られていて、参加者は樹皮に触れてみたり、においをかいでみたり、抱き着いてみたりされていました。その中でも人気だったのは、ヒメシャラの木で、この木の特徴として外樹皮がツルツルしていて、水が通る導管と外樹皮が近いため、人が触れると冷たく感じます。観察会当日は少し蒸し暑かったので、ヒメシャラの木に抱き着いてクールダウンしている方もいました。

△ヒメシャラと天城山における鹿による食害の説明を受ける参加者

※木幹の左下部分が鹿に食べられてしまった箇所

△抱き着いてみるとひんやり冷たいヒメシャラ

さらに、なんといってもこのコースの目玉はブナの巨樹で、中には名前をつけられるほどの名木もあり、参加者は写真を撮ったり、周囲を歩いてみたり、触ってみたりと思い思いの楽しみ方をされていました。

△天城山周辺のブナの特徴について説明を受ける参加者

△「精霊ブナ」を見上げて周囲をじっくりと観察する参加者

朝から夕方までどっぷりと天城山周辺の自然を堪能した参加者の皆さまに少しだけ観察会後に感想を伺いました。

地元の方々にお話を伺うと、「自分が住むすぐ近くにこのような素敵な場所があるなんて実感していなかった」、「魅力の再発見につながった」と語る方もいらっしゃいました。また、県外から来られた方からは、「自然との親しみ方を学ぶいい機会になった」、「幻想的なブナ林の風景に心癒されました」という話をされている方もいて、まさしく、「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」を体感する日になったのではないでしょうか。

皆さまも伊豆半島や天城山周辺にお出かけしてみてはいかがでしょうか?

沼津管理官事務所 松岡宏明(まつおか・ひろあき)

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2018年08月16日子どもパークレンジャー(箱根地域)第2弾

富士箱根伊豆国立公園 箱根 三瓶雄士郎

暑い日が続いていますが、皆さまはいかがお過ごしでしょうか。                      箱根地域は猛暑も過ぎ去り、さわやかな風が吹き抜け、どこか秋の様子を感じます。

今回は8月7日に開催した「箱根ジオパーク2018『国立公園を守る子どもパークレンジャーになろう』をご報告いたします。

午前は箱根ジオミュージアムで箱根火山群の成り立ちや火山の基礎知識についてスライドでの紹介や、お手製の実験器具を使った噴火実験や岩石の見極めクイズなどをして、箱根ジオパークの重要性・希少性を楽しく詳しく教えていただきました。

↑箱根火山群を教えてくださった学芸員の山口氏。映像を交えながら箱根火山の歴史を教えてくださいました。

↑噴火実験の様子。噴火したときに火口からどのように岩石が噴出するのか学ぶことが出来ました。写真は噴石が飛び出した時の様子。子どもたちが意外にも冷静なのが一番の驚きです・・・。

↑岩石クイズの様子。NPO法人ホールアース研究所 津田氏の解説の下、富士箱根伊豆国立公園+丹沢で見られる岩石クイズを行いました。写真は塩酸を垂らして石灰岩を見極める実験の様子。

午後は箱根ビジターセンターへ移動し、金太郎岩までの道のりを自然観察しながら散策したり、事務所前で第1弾でも行ったコーラでの噴出実験やホットケーキミックスを使った「マグマケーキ」作りをして、箱根の自然と岩石の成り立ちをについて美味しく、楽しく学びました。

↑箱根ボランティア解説員連絡会の太田氏による自然観察。赤いウィンナーのような物がぶら下がっているのが特徴の「ツチアケビ」やスギやヒノキの違いなど、箱根地域の動植物の紹介をしてくださいました。

↑金太郎岩の紹介。この岩はどこから転がってきたのか、この岩は火山岩なのかをNPO法人ホールアース研究所 津田氏が解説してくださいました。写真は金太郎岩の破片に磁石をくっつけて火山岩なのか調べている様子。

↑マグマケーキ作りの様子。溶岩から出来る石はなぜボコボコしているのか理解するため、ホットケーキミックスを使ってカップケーキを作り、膨張剤で生地が発砲している様子をマグマと火山ガスに見立てて解説してくださいました。

最後に相原レンジャーより国立公園の説明や今起きている箱根の環境問題について、箱根ビジターセンター内の展示を使用しながら分かりやすく説明してくださり、国立公園について、自然の大切さを教えていただきました。

↑「シカ問題」について解説している様子。「町内で見たことあるよ!」と声が上がっていました。

箱根での子どもパークレンジャーは残すところ、あと一回となりました。

箱根町内に住む小学校3年生から6年生が対象ですが、親子参加も出来ます。
第4回 平成30 年8 月22 日(水) 9:30~12:00
「子どもパークレンジャー箱根サマースクール2018~富士箱根伊豆国立公園の成り立ち~」

について開催致します。

前日の8月21日まで募集しておりますので、是非お申込みをお待ちしております!

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2018年08月15日伊豆諸島の紫陽花リレー:ラセイタタマアジサイ<伊豆諸島地域>

富士箱根伊豆国立公園 伊豆諸島 椋本 真里奈

梅雨が明けて猛暑の到来、夏休み真っ只中ですね。

しかし、「梅雨の花」として知られるアジサイが夏季も見られるってご存じでしたか?

伊豆諸島には、主に2種類のアジサイが自生しています。

  •  ○ ガクアジサイ

  •  ○ ラセイタタマアジサイ

ガクアジサイは入梅時(6-7月)に花を咲かせますが、ガクアジサイが花期を終えた頃ラセイタタマアジサイの出番がやってきます。まさに今からが見頃です!

ガクアジサイとラセイタタマアジサイは共に伊豆諸島の準固有種で、伊豆諸島地域の全ての有人島(大島、利島、新島、式根島、神津島、三宅島、御蔵島、八丈島)で見られます。

伊豆諸島ではこの2種のアジサイがセットで分布することが多く、沢筋の不安定な立地等に群落を作ります。林の縁にもよく自生しているので、山側の車道を通れば簡単に見つかります。

※ガクアジサイについては、昨年度の花期に記事にしたので詳しくは以下をご覧下さい

https://kanto.env.go.jp/blog/2017/06/post-380.html

では今回紹介するラセイタタマアジサイとはどんなアジサイでしょうか?

一言で言うと、とにかく大きい!!

これは、ラセイタタマアジサイ(左)とガクアジサイ(中央)と一般的なアジサイ(右)の葉っぱを比較してみたものです。

ガクアジサイも普通のアジサイより大型ですが、ラセイタタマアジサイはそれをさらに上回るこのサイズ!

2mほどの低木がこのサイズの葉を付けるとなると、その存在感は圧巻です。

その様子から、大島では「サワフサギ(沢塞木)」なんて別名があります。

2018/8/7 大島・間伏林道にて撮影)

なるほど、びっしり沢を塞いでいますね!

分かりにくいかもしれませんが、中央の赤いラインが沢の流れです。

若い火山島である大島は、土壌に多く火山灰が含まれているため大変水はけがよく、川や池はほとんどありません。雨が降ったときしか沢に水は流れませんが、紫陽花とは根っこの強い植物なのでその流れにも耐えられるのでしょう。

ラセイタタマアジサイの「タマ」は、その蕾が球形であることから由来すると言われています。

直径3-4cmほどのまんまるの蕾です。

一般的な花をイメージすると、何枚かの苞葉が花を一包みにしているのかと思ってしまいますが、なんとこのラセイタタマアジサイ、それぞれの苞葉の間に蕾を持っているようです。

外側から内側へ、苞葉⇒蕾⇒苞葉⇒蕾...と交互にサンドイッチされているような構造なのですね。


全ての蕾が開ききっても、ラセイタタマアジサイの花は葉っぱに足して小振りなものです。

ガクアジサイほど色味のバラエティもなく、白~淡紫色と控えめで質素な咲き姿がまさに「日本の花」といった様子です。

ちなみに、花に見える部分は「装飾花」と呼ばれる萼片(がくへん)であり、おしべやめしべは持っていません。種を作るのは、中央にある本物の花たちです。

ガクアジサイ-ラセイタタマアジサイ群集は、伊豆諸島固有の風景です。

ここでしか見られない野生植物を、ぜひ観察しに来てください。

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