ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

RSS

2018年12月11日ライチョウを見かけたらいきものログへ!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは南アルプス山域を歩いていてライチョウを見たことはありますか?南アルプス山域では北部の甲斐駒ヶ岳から南部のイザルガ岳の間で生息しています。

荒川岳 中岳避難小屋付近にて

△荒川岳 中岳避難小屋付近にて

仙丈ヶ岳 仙丈小屋付近にて

△仙丈ヶ岳 仙丈小屋付近にて

赤石岳にて

△赤石岳にて

これまでの調査で北部エリアでの減少傾向が強いとされ、中でも白峰三山の個体が少なくなってきています。

南アルプス山域のライチョウだけではなく、日本各地で自然環境が変わりつつあり、身近にいる生きものたちから高山帯に生息・生育する生きものたちが数を減らしています。その生きものたちを守るために環境省が行っている取り組みの一つがインターネットを通して生きものの情報を集める「いきものログ」です!誰でも報告することができ、日本中のみなさんと情報共有することができます。「いきものログ」がどのような仕組みなのか、みなさんにご紹介します!

1.登録しよう

パソコンやスマートフォンから誰でも登録することができます。(15才以下の方は保護者の同意が必要です)生きものの情報報告、閲覧、調査への参加などさまざまな機能を無料で利用することができます。アプリでの利用もできるので、スマートフォンでの利用ができるほかGPS機能で写真位置情報を自動で記録したり、オフラインでも地図などの一部の機能を利用することができます。

2.報告しよう

生きものを見つけたら場所、日付、写真などをウェブサイトから報告することができます。日本各地で見られた生きもののデータが一目で分かります。よく見られる生きものや報告件数の多いユーザーのランキングがウェブに掲載されます。

3.検索しよう

生きものの名前や場所を検索すると自分や他のユーザーの報告の中からいつ、どこで、どんな生きものが観察されたのかを調べることができます。検索結果は地図で見たり、データをダウンロードして活用させることもできます。

いきものログのホームページはこちらです。

→ https://ikilog.biodic.go.jp/

ライチョウを見かけたら登山道から外れずに、ライチョウへは触れず、近づかず、遠くから観察してください。高山植物の観察や撮影の際も登山道から外れたり、ロープより先へ踏み込まないようにしてください。

みなさんから報告された情報の集積で新たな生息状況が判明し、生きものの保護・保全に繋がります。植物、動物、菌類、藻類等、さまざまなジャンルで報告・検索できます。あなたの発見を日本中の人と共有してみませんか?

ページ先頭へ↑

2018年12月11日平成30年度第2回パークボランティア研修会 実施報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。                        12月1日(土)に箱根地区で活動するパークボランティア(以降:PV)の皆様に向けて、今年度第2回目の研修会を開催致しました。その様子をご紹介します。

テーマは「今後の富士箱根伊豆国立公園について」

前記「11月27日箱根地区パークボランティア 創立30周年記念式典の開催(箱根地域)」でもお伝えしましたが、箱根地区PVは今年度で創立30周年という大きな節目に当たり、今後活動して行く上で、活動に関係する環境省・PV・(一財)自然公園財団箱根支部(以降:財団/箱根ビジターセンターを管理しています)と共に方向性を見定めることをねらいとした内容です。

午前は、講義として以下の2名にご講演いただきました。

◆当事務所 石川拓哉 所長 「これからの富士箱根伊豆国立公園について」

全国のPV活動の紹介と富士箱根伊豆国立公園全体の管理体制と箱根地域で力を入れていく事業(仙石原湿原シカ対策、箱根VC機能強化)について説明されました。

◆財団 加藤和紀 氏 「PVが利用しやすい箱根ビジターセンターづくり」

環境省の「箱根VC機能強化」事業に伴う計画の説明や9月に全PV向けに実施したアンケートを基に作成したQ&Aを発表してくださいました。

午後はグループワーク「今後のPV活動について」の意見交換会を行いました。

 PV8~9名、事務所職員・財団職員各1名ずつ計10~11名の班を3班に分け、それぞれの項目「VCの利用について」「ボランティアステーションの利用について」「技術の向上」「スムーズなネットワークづくり」「継続的に活動していくために」について思っている問題点・課題点をポストイットに記入し、模造紙に貼り付け、班の中でどのように解決して行くか意見交換を行い、発表していただきました。

↑意見交換会の様子。各テーマに対しての意見出しです。

↑各班の意見発表。各チームで共通している意見や、それぞれ活動されているフィールドごとでの意見、思ってもみないとても参考となる提案が沢山出てきました。

この場で出た意見は、皆さまからの「提案」として捉え、PV活動に反映していくため、環境省と財団で短期・中期・長期計画にまとめ、PVの皆さまと財団と一緒になって議論していきたいと思います。少しでもPVが長く楽しく活動出来るように一丸となって、この先40周年、50周年と続けて行けるようにサポートして行きたいと思います。

ページ先頭へ↑

2018年12月04日南アルプスの山々にまつわる歴史や信仰

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

突然ですが、みなさんは南アルプス登山の歴史がいつ頃から始まっているかご存じでしょうか?南アルプス登山の歴史は平安時代、鳳凰三山へ修験者が登山したことが始まりと言われています。南アルプスの山々は人里離れた奥深い自然地域ですが、古くから信仰の対象となっており、人々との関わりがありました。今回はその歴史・信仰をみなさんにお伝えしたいと思います。

■夜叉神峠(やしゃじんとうげ)

夜叉神峠にある祠

△夜叉神峠にある祠

昔、甲斐の国の水出川(みでいがわ)といえば山崩れや大洪水を起こす、国一番の暴れ川でした。芦安村の人々は常にこの川に悩まされていて、その源には凶暴な夜叉神が棲んでいるといわれるようになりました。度重なる災害を朝廷に奏上したところ、天皇は勅使を出し、夜叉神を鎮めるため村が一望できる現在の夜叉神峠に村人とともに祠を建ててお祈りしました。以来、この川は静まり、人々は安心して暮らせるようになり、水出川も「御勅使川(みだいがわ)」と呼ばれるようになりました。

引用:「南アルプス 歩きながら覚える 夜叉神峠・鳳凰三山の高山植物 コラム:夜叉神峠の由来」より

編集:特定非営利活動法人 芦安ファンクラブ

神様の名前がそのまま峠の名前になっているということが驚きですよね。この祠は夜叉神峠を少し鳳凰三山方面へ進むと右手に見えてきます。白峰三山を楽しみながら、祠にもお祈りしてみてはいかがでしょうか。

■子授け地蔵伝説【鳳凰三山・地蔵ヶ岳】

地蔵ヶ岳山頂直下にあるお地蔵さん

△地蔵ヶ岳山頂直下にあるお地蔵さん

赤抜沢の頭と地蔵ヶ岳間の「賽の河原」と呼ばれる開けたところにお地蔵さんがあることをご存知でしょうか?このお地蔵さんは子授けのために地蔵ヶ岳に登拝した夫婦が、奉られている地蔵を1体持ち帰り、お願いがかなうと2体にしてお礼の登拝をしていたということで知られています。山梨県韮崎市の山岳会「白鳳会」では、「子授け信仰」を後世に継承するため、地蔵を山頂に運び上げる活動を続けています。1980年代に始まり、これまでに約20体を安置しているそうです。

参考記事:http://sannichi.lekumo.biz/ashiyasu/2015/06/post-2c15.html

■駒ヶ岳信仰【甲斐駒ヶ岳】

山頂にある祠

△山頂にある祠

甲斐駒ヶ岳は、江戸時代に信州人、今右エ門の次男 小尾権三郎という人によって現在の北杜市側の黒戸尾根から開山されました。黒戸尾根の登山道上にはところどころに剣や記念碑があります。麓の駒ヶ岳神社を拠点に駒ヶ岳講が盛んに行われ、現在でも駒ヶ岳神社では白装束の講者たちが般若心経を唱えて参拝したあと山頂を目指すという、講中登山が引き継がれています。

景色や高山植物を楽しみながら登ることも楽しみ方の一つですが、歴史や信仰を学んで登るのもまた新たな楽しみ方の一つになるのではないでしょうか?同行者にハナタカな一面を披露できること間違いなしですね!

ページ先頭へ↑

2018年11月30日帰って来たNo.264

佐渡 近藤陽子

みなさま、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。


▲佐渡市外海府からの日本海 

新潟県佐渡市では、不安定な天気が続き、冬がもうそこまで迫ってきています。

 以前、No.264という個体番号が付けられ、本州に渡ったメスのトキについてお話ししました。このNo.264が、先日佐渡へ戻って来ました。

 11月17日(土)、No.264は、ねぐらとして使っていた富山県黒部市の神社にある池のふちで死んでいるのが確認されました。富山県で鳥インフルエンザの簡易検査が行われ、陰性を確認しました。そして死因を特定する解剖のため、佐渡へ送られてきました。

 264を見守って来た私たちには辛い現実でした。

 死因は溺死。しかし、どうして溺死に至ったのかまでは分かりませんでした。外傷はなく、健康状態も良好で、胃の中はエサで満たされていました。

  

▲解剖前の計測    
     

▲解剖開始

 No.264が冷たくなって佐渡へ戻ってきたことは本当に残念でしたが、死体が回収できたことは幸運でした。野生下でトキの死体を回収できることはほとんどありません。彼女の解剖から得られた知見は、今後のトキ野生復帰のために大いに活かされることでしょう。

 そして、これで本州からトキがいなくなったわけではありません。

 11月8日(木)、No.333という個体番号が付けられた2017年いしかわ動物園生まれのメスのトキが、新潟県長岡市にて確認されました。

日本海を渡り、本州へ飛来するトキの数は増えています。

 野生のトキを見たことがある方は多くはないでしょう。でも一度、大空を舞うトキを見ていただきたい。佐渡に来て4年経った今でも私は「こんなに美しい鳥が日本にいるのか」と感動を覚えます。

▲水田上空を飛翔するトキ

 人が暮らす里地里山の豊かな環境に生きるトキ。日本が誇るこの美しい自然と生き物たちが、この先ずっと見られる未来であってほしい。本州へ渡るトキたちが、多くの人の心に残り、自然へ関心を向けるきっかけになればと思います。

 No.333、これからどんな動きを見せてくれるのでしょうか。本州でも元気に過ごしていることを願っています。

ページ先頭へ↑

ページ先頭へ