ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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2018年10月22日秋を見つけに(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

だんだんと寒くなってきましたね。事務所がある箱根の湖尻周辺では、朝の気温が10℃を下回り始め、木々が色づき始め、いよいよ秋が始まってきたなーと実感しています。

 今回は、事務所のすぐ裏手にある箱根ビジターセンター(以降:箱根VC)から姥子駅までの「自然探勝路」という自然を堪能できるコースのご照会です。片道15~20分、往復でも1時間かからない季節の草木や野鳥観察など手軽に自然を満喫したい方にうってつけのコースです。

↑コースマップ。箱根VCより配布している資料です。

私がオススメするのは、登りは箱根VCから石畳の坂道を経て姥子駅まで行き、下りは駅舎裏口から行くことが出来る散策路を経て金太郎岩展望台→金太郎岩を見て回り箱根VCまで戻るコースです(黄線のコース)。石畳が醸し出す歴史の重厚感と箱根らしい自然の中を散策出来るのがこのコースの魅力です。地図に明記した番号をご参考に以下の写真をご覧ください。

↑①木々の間に延びる石畳の坂路。

↑②金太郎岩展望台(左図)。下ると童話「金太郎」が投げたと言われる金太郎岩(右図)があります。

もう少し経てば、紅葉と芦ノ湖が眺望できる隠れた名スポットです。

↑③富士山がある風景100選No.2「箱根ロープウェー姥子駅周辺」事務所から一番近い登録地です。

 

また、足下は秋の花、枝先には実りの秋を感じます。

↑秋の花実コレクション

秋を彩る花実は今週から来週末頃までが見頃です。

是非、小さな秋を探しに箱根へお越しくださいませ!

~コース上での注意点~

・国立公園内ですので、動植物の採取はご遠慮ください。

・石畳は雨が降った翌日は大変滑りやすいです。通行にご注意ください。

・コースは一部複線化しています。箱根VCで地図と案内をお聞きの上、散策に行かれると安心且つ、より散策を楽しむことができます。

・朝方は気温が低いため、防寒着をご持参ください。

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2018年10月18日トキの個体特性

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

▲今季初確認のコミミズク(2018年10月9日撮影)

 新潟県佐渡市では、トキの野生復帰の取組が進められており、佐渡の自然界に生息するトキの数は約370羽になりました。私たち、佐渡のアクティブ・レンジャーは、トキ野生復帰の取組を評価する上で重要な、トキのモニタリング(追跡調査)を行っています。日々トキを観察していると、いつの間にか1羽1羽の特性が頭に入ってきて、トキ観察の面白さにつながっています。



今回は、私たちの記憶に残るトキの一部をご紹介いたします。

■「ジャマイカくん」

個体番号:174(第10回放鳥、いしかわ動物園生まれのオス)

名前の由来:脚についている補助カラーリングの色が、ジャマイカを連想させるため(上から みどり・きいろ・あか)。

記憶に残る理由:足環の色はカラフルでおしゃれだが、メスにモテない控えめ草食系男子で、職員の同情を買っているから。


■「ぴみみ」と「きぴぴ」ペア

個体番号:212(第12回放鳥、佐渡の野生復帰ステーション生まれのオス)と237(第13回放鳥、佐渡トキ保護センター生まれのメス)

名前の由来:脚についている補助カラーリングの頭文字から(212:上からピンク・どり・どり、237:上からいろ・ンク・ンク)

記憶に残る理由:繁殖期になると突然姿を消し、山奥でこっそり繁殖している要注意ペアだから。

▲ぴみみ


▲きぴぴ
 

■「ろくちゃん」

個体番号:06(第1回放鳥、佐渡トキ保護センター生まれのオス)

名前の由来:個体番号から

記憶に残る理由:2008年の記念すべき第1回放鳥個体で、人のすぐ近くまで来てエサを食べるため、多くのスタッフに愛されたが、繁殖は一度も成功せず、トキのメスにはモテなかったから。2015年10月、残念ながら猛禽類に襲われ死亡が確認されました。


■「にひゃくじゅう」

個体番号:210(第12回放鳥、出雲市トキ分散飼育センター生まれのオス)

名前の由来:個体番号から

記憶に残る理由:放鳥後、ほかのトキが平野の水田やビオトープで確認されている中、トキがいるとは全く予想していなかった山奥のダム湖周りの林道へ下りて採餌する珍しい行動を取るトキだったから。2015年9月、残念ながら骨格と羽のみになって、いつも確認されていたダムから離れた海岸に死体が打ち上げられているところを発見されました。


 トキの個体特性を把握できる理由の一つに、トキにはそれぞれお気に入りのエサ場、お気に入りのねぐらがあることがあげられます。この地域に行くと、この番号のトキたちがいるだろう、と大方予想して私たちはモニタリングをしています。実際に私たちがモニタリングで使用しているトキの識別表も、地区別に分けられています。

 

▲トキ識別表

 佐渡のトキは約370羽にまで増え、今までトキが確認されていなかった場所でもトキが見られるようになりました。営巣場所も島内各所に広がり、すべての営巣場所を把握するのは困難です。しかし、日々トキをモニタリグすることで、私たちもトキが好みそうな場所がどのような環境なのかが分かってきました。私たちのモニタリング技術もトキたちによって磨かれていっています。

 

 トキの放鳥が始まって10周年。まだまだトキには未知の部分がたくさんあります。トキから学んだことを活かし、これからもモニタリングを続けていきたいと思います。

▲佐和田海岸からの夕日

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2018年10月18日10月14日(日)【バリアフリーで楽しむ秋の箱根】行事報告(箱根地域)

富士箱根伊豆国立公園 三瓶雄士郎

こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。

今回は10月14日(日)に箱根ボランティア解説員連絡会と共同開催した「バリアフリーで楽しむ秋の箱根」の様子をお伝え致します。

 このイベントは当初、箱根ボランティア解説員連絡会の主催行事でしたが、平成21年度より環境省も協力して開催する共催行事としているものです。今回は降水確率が低いのにも関わらず、開催前に雨が降るというハプニングに見舞われましたが、開始時は晴れて無事開催することが出来ました。

 場所は箱根ビジターセンター前のバリアフリー観察路で実施しました。

階段がなく、舗装路でゆったりと歩けるため、ご高齢の方、身体が不自由な方、小さなお子様も参加出来るイベントです。季節の花実を観察したり、紅葉を楽しんだりして、秋の箱根を満喫しました。

↑紅葉が始まり、とても和やかな雰囲気の中で開催できました。

↑豊作のガマズミの実。甘酸っぱい実りの秋ですね。

↑種子から仙人のひげのような毛が生えることから由来した「センニンソウ」

 ふわふわの毛はとても気持ちが良いです!

↑拾ってきた落ち葉でステンドグラス作り

 セロハンテープで台紙の裏に貼り付けて陽に透かすと・・・

↑こんな感じに出来ました!自然な色は素敵ですね!

↑今回のイベント中に感じたことを俳句にする「ハイクで俳句」

 以下のような素敵な俳句が出来ました。

・ホンザンショウ 緑のじゅうたん きれいだね

・葉の陰に ムラサキの実 ひそやかに

・針さして それいけ開け 神輿草(みこしぐさ)

↑最後はパークボランティアのハーモニカ伴奏による童謡「紅葉」を全員で合唱しました。

ゆったりとした雰囲気に包まれながら、今回の観察会を終えました。

普段はあれを観察しなきゃ!これを見に行かなきゃ!と急ぎ足になってしまいますが、時間をあまり気にせず、ゆったりと観察出来るのも、とても良かったなと改めて認識しました。参加者も終始笑顔で楽しまれていましたので来年も是非開催したいと思います。

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2018年10月17日台風24号被害と小田代湖

日光国立公園 太田祐司

みなさん、こんにちは。日光国立公園の太田です。

9月30日夜に通過した台風は、奥日光地域に多大な影響を与えました。戦場ヶ原を流れる湯川は増水し木道を一部水没させて、一時的に戦場ヶ原の木道の閉鎖を余儀なくされました。湯滝の下流の湯川沿いの栃木県管理の歩道は、木道の流出や土砂崩壊などで通行できませんでしたが、現在は復旧していて全ての歩道は通行できます。

暴風の影響も大きく、歩道への倒木の他に大木の根返りや幹の折損がかなりの箇所で見られました。環境省の直轄の園地にあるシンボルツリー的な巨木もダメージを受けました。

湯元スキー場にはウラジロモミの巨木がありましたが、折れて倒れました。【樹高約30m ウラジロモミ】

【倒木 幹に空洞あり】

光徳園地は修学旅行の子供達がハイキング時に昼食休憩を取る場所で、ミズナラの樹林が広がり、胸高直径1m越の巨木が多く見られます。

【光徳園地の三本楢】

この園地には三本楢と呼びたくなるような三本並んだミズナラの巨木がありましたが、そのうちの1本が幹折れ倒木しました。

【右端のミズナラが幹折れ】

これらの樹木は山林内で倒木したわけではないので、倒木の搬出処理が必要で、巨木であるだけに、その費用も馬鹿になりません。早期に撤去するために努力中です。

他にも中禅寺湖の西側の千手が原の森でも、数本の巨木が倒木しました。これらの樹木は、奥日光の景観を構成する大事な巨木だったので残念ですが、良く観察すると樹幹に腐朽が入り、空洞等がある木がほとんどでした。

【折れたミズナラの樹幹は空洞】

このような巨木が倒れれば、施設破損等は避けられず、人身事故にもつながりかねません。

直轄地の樹木の点検に努力しなければならないという思いを新たにしました。

台風24号は日光国立公園にダメージを与えましたが、腐朽木を倒した点を長い年月で考えれば自然のサイクルの一環とも言えるかもしれません。

しかし台風は、明るい話題も提供してくれました。大雨の影響で小田代原に雨水が溜まり、幻の湖といわれる小田代湖が出現し、紅葉見物の観光客に思わぬ景観を見せてくれました。

【出現した小田代湖】

小田代湖は7年ぶりの出現で、テレビニュースでも取り上げられました。

10月末までは滞水していて湖が見られる可能性があるそうです。奥日光は紅葉が盛りの時期に向かいます。ぜひ、おいでください。

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