ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園

48件の記事があります。

2017年02月10日お知らせ:2月17日南アルプスのニホンジカ対策に関する活動報告会があります

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。
昨日からの雪で、自然保護官事務所がある芦安は銀世界に変わりました!
(今朝の芦安 2月10日撮影)

木の枝に雪がついて花のようです

雪には苦労や危険がつきものですが・・・うーん、やっぱりきれいですね!

なお、この雪の影響で夜叉神峠登山口へ続く林道南アルプス線が通行止めになっています。除雪が終わるまでは通行止めが続くようですので、入山予定の方は山梨県県営林道通行規制情報を確認してからお出かけくださいね。
参考:山梨県ホームページ山梨県県営林道通行規制情報


さて、来週217日(金)に、長野県伊那市でニホンジカ対策に関する活動報告会があります。

 「南アルプス食害対策協議会活動報告会」
  日時:217日(金) 1330から1615
  会場:伊那市役所5階501502会議室 (伊那市下新田3050番地)
  ※ 申込み不要、参加費無料
  お問合せ:南アルプス食害対策協議会事務局 (伊那市 農林部 耕地林務課) 
  
TEL 0265-78-4111 内線2416
(報告会のチラシ。クリックすると大きな画像で見られます)

南アルプス食害対策協議会活動報告会リーフレット

南アルプス食害対策協議会は、南アルプスの長野県側でニホンジカ問題に対し、調査や防鹿柵の設置、捕獲など様々な活動を実施しています。
活動報告会は毎年この時期に開催され、いつも興味深い話をたくさん聞くことができて参考になるので、私はいつも楽しみにしています。

もちろん南アルプス自然保護官事務所の仁田自然保護官も活動報告を行いますよ!
内容は、仙丈ヶ岳での植生モニタリング調査結果について。
仙丈ヶ岳では防鹿柵を設置した2008年から3年に1回、防鹿柵の内側と外側で植生調査を実施しています。その結果と、そこから見えてきたことについてご紹介しますので、ご興味のある方は、是非お越しください!

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2017年01月31日南アルプスの「ニホンジカ」と「ライチョウ」について、こんな展示をしています

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。
ここ数日の暖かい陽気で自然保護官事務所がある芦安周辺の山々に積もった雪はかなり減っています。
寒いのは苦手なのですが、あまり雪が少なくなってしまうとニホンジカが南アルプスの高山に登る時期が早まるのでちょっと心配しています。


さて、今日は南アルプス自然保護官事務所で作成した、ニホンジカ問題やライチョウ保護に関する展示についてご紹介します。

● 野呂川広河原インフォメーションセンターでの展示

南アルプス 北岳の登山口である広河原には「野呂川広河原インフォメーションセンター」があります。
※野呂川広河原インフォメーションセンターは現在、冬期閉鎖中です!

(建物外観。バス乗り場の前にあります)



この建物の2階では、平成27年度から山梨県森林総合研究所と共催で、南アルプスのニホンジカ問題について紹介しています。

(展示の様子)

山梨県森林総合研究所は、北岳の植生被害をランク分けして地図で紹介しています。

一方、南アルプス自然保護官事務所で作成した展示は、南アルプスの景観が変化した様子を紹介したり、対策について説明しています。

また、平成28年度からは階段の壁面にライチョウ保護の話を少し紹介しています。

(ライチョウの展示。スペースの関係で量は少なめ)

この夏、広河原を訪れる機会のある方はぜひご覧くださいね。

● 写真展などでの展示
ニホンジカやライチョウについてより多くの人に知ってもらうため、機会を見つけては様々な場所で展示をしています。

自然保護官事務所のある芦安で開催される「新緑やまぶき祭」や「国立公園・野生生物フォトコレクション」の南アルプス会場などでも展示をしてきました。

(平成28年度の国立公園・野生生物フォトコレクション(南アルプス会場)での展示の様子)

これはライチョウの保護について紹介する展示です。

この時はライチョウという鳥について学ぶクイズも一緒に置かせてもらい、お子さんにとても好評でした!

● より多くの人に展示を見てもらうために
いろいろな場所で展示をする場合、会場によって使用できるスペースの大きさや形状が異なるため、これまではバラバラの素材を会場で貼りつけて展示してきました。

この方法は、それぞれの場所にあった展示ができるのですが、いかんせん作業に時間がかかります。

そこで、「いつでも」「どこでも」「誰でも」展示ができるように、ポータブル(?)展示を作成しました!
(ポータブル?展示)




...単に模造紙に貼りつけただけです。

が、これを貼る壁面がありさえすれば、いつでもどこでも誰でも簡単に展示ができるようになりました!

(ちょっと混み合っているのと、若干斜めになっている部分はご愛嬌ということでお許しください...。)

ちなみにおおよそのサイズは、高さ160cm×幅110cm。
漢字にはふりがな付き。


この展示は、仁田自然保護官が講師を務めた南アルプス学講座(1月21日(土)開催)の早川町の会場にも出張し、掲示されました。
現在は南アルプス自然保護官事務所内の壁に貼りつけてありますが、貸し出し可能ですよ。

冬の間、現場に行く機会がほとんどない南アルプスのアクティブ・レンジャーは、事務所内でこのような展示物の作成もしています!

+++ 野呂川広河原インフォメーションセンターについて +++++++++++

 開館期間:6月中旬から11月上旬

 ※現在、冬期通行止めのため広河原へはアクセスできません。
 ※展示にご興味のある方は、6月下旬頃のバス運行開始までお待ちください。
  南アルプス国立公園ホームページアクセス・施設のページもご覧ください。
++++++++++++++++++++++++++++ 南アルプス自然保護官事務所 +++



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2016年12月22日南アルプス市で「国立公園・野生生物フォトコレクション」始まります

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。

12月24日から南アルプス市櫛形生涯学習センターで、関東地区のアクティブ・レンジャーによる写真展「国立公園・野生生物フォトコレクション」が始まります!
チラシ


  ※写真展について詳細は、コチラをご覧ください。

今日、展示してきました。準備万端です!
(展示の様子)
会場の様子

動物、

鳥、

昆虫、

マイマイ、

植物、

レンジャー(!)、

壮大な景色。
とてもバラエティに富んだ内容になっています。
展示作業をしながら、各地を旅しているような気分になりました。
皆さんも近くにお越しの際は是非お立ち寄りください。

また、この写真展では、現地に足を運ばないとなかなか入手できない関東地区の国立公園などのパンフレットの配布もしています。

気に入った写真が撮影された地域のパンフレットを手に入れて詳しくチェックするのもいいですね。 今後の旅行計画の参考にすることもできますよ。

また、櫛形生涯学習センターには図書館が併設されているので、写真を見て気になったことを本で調べてみることもできるかもしれません。
なお、図書館の開館時間・休館日は生涯学習センターとは異なりますのでご注意ください。

詳しくは南アルプス市立図書館ホームページでご確認ください。

(会場の櫛形生涯学習センター)



冬休みのお子さんやご家族で、またお一人でふらっと立ち寄ってくださるのも歓迎です。
会場は2階ですが、エレベーターもありますので、皆さまどうぞお気軽にお越しください。

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2016年12月01日南アルプスの「ニホンジカ対策ワーキンググループ」とは?

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。


今日は会議についてお伝えしたいと思います。

11月29日、南アルプス市で「ニホンジカ対策ワーキンググループ」が開催されました。

(会議の様子)


●「ニホンジカ対策ワーキンググループ」とは?

南アルプスに関わる山梨県、長野県、静岡県、周辺10市町村、地主、林野庁及び環境省が構成メンバーです。

平成21年6月に発足した「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」が時を経て、平成28年11月29日に南アルプス自然環境保全活用連携協議会傘下の「ニホンジカ対策ワーキンググループ」へ移行しました。


●何のために発足した?
南アルプスでは1990年代末頃からニホンジカによる影響が高山帯でも見られるようになったため、高山帯・亜高山帯の植生(お花畑)を保全するため、国や自治体でそれぞれ対策を始めました。
そして、平成216月 関係行政機関間で情報を共有することにより効率的・効果的な取り組みにつなげる場として「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」が発足しました。

●ニホンジカ対策方針を策定!
さらに、「南アルプス高山植物等保全対策連絡会」では多くの検討を重ねて平成23331日「南アルプス国立公園ニホンジカ対策方針」を策定しました。そして5年後、状況の変化を把握するとともに名称を簡素化し、平成28331日「南アルプスニホンジカ対策方針」として改訂・更新されました。
南アルプスニホンジカ対策方針では、南アルプスの高山・亜高山帯に影響を及ぼすニホンジカへの対策を、関係行政機関が連携・協力して実施するために、保全対象や目標、役割、実施すべき対策等を示しています。

※詳しくは南アルプス国立公園の各種資料のページにある、南アルプスニホンジカ対策方針をご覧ください。


ここまでカタく書きましたが、これまでの経緯を平たく言うと以下のような感じです。
その1: 南アルプスでの異変に気付く >
1990
年代末頃から、南アルプスの関係者が山の異変に気付き始めました。
  南アルプスで高山植物のお花畑が減っていたり、
  樹木の皮が剥されていたり、
  植物が失われて土壌が流れ出てしまっていたり...
そして、「ニホンジカによる影響が拡大している」ということに気づき、県や市町村、国が対策を始めました。

(左から順に、ニホンジカによる食痕、樹皮剥ぎ痕、植物が失われ土壌が流れてしまった場所)





< その2: 現場の状況をちゃんと調べて整理しよう(平成20年度) >

平成20年、環境省はニホンジカによる影響などの現状を把握するとともに、今後の対策について専門家と検討しました。

その結果、ニホンジカからの影響は深刻で、関係者が協力して対策を進めていく必要があることがわかりました。

< その3: 情報共有の場が誕生(平成21年6月) >

南アルプスの自然が壊れてしまうのを食い止めるために皆で集まって、それぞれが、

 ・どんな対策をしているのか

 ・その対策の効果はどうなのか

 ・どんな課題があるのか

等の情報交換と意見交換をし、より良い対策につなげていく場を作りましょう!
ということで「南アルプス高山植物等保全対策連絡会(現、ニホンジカ対策ワーキンググループ)」が誕生しました。


11月29日の会議では、南アルプス自然環境保全活用連携協議会傘下のワーキンググループに移行した経緯が協議会事務局から報告され、了承されました。

また、オブザーバーとして招いた専門家から、南アルプスの高山帯を利用するニホンジカの移動経路調査結果と、そこから見えてくるニホンジカの行動特性等についてお話しいただきました。

さらに、ニホンジカの行動特性を踏まえた捕獲効果の検証が改めて必要であること等の助言も頂きました。

(北岳山荘付近でくつろぐニホンジカ)
北岳山荘付近でくつろぐニホンジカ

山に登ればシカの気配を頻繁に感じ、姿を見かけることもあります。
防鹿柵の外側では高山植物が食べられ、昔の写真に見られたお花畑は衰退し、植物が失われて土壌が流れ出てしまったような場所さえあります。
このワーキンググループで共有される情報が有効に活用されるよう、今後も関係者と協力し取り組み続けます。

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2016年11月15日南アルプスは冬へ...野呂川広河原インフォメーションセンター閉所

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。

北岳の登山口、広河原(山梨県南アルプス市)にある施設、
野呂川広河原インフォメーションセンターの開館期間が終わり、
11月10日に閉所作業が行われました。

閉所作業が行われたこの日、北岳は雪をかぶってすっかり冬の顔と
なっていました。
(北岳。11月10日撮影)
北岳。11月10日撮影

他にも冬の気配が感じられるものがありました。
一つはつらら。
(つらら。11月10日撮影)
つらら。11月10日撮影

さらに、ちょっと変わったものも見つけました。
(枯れた植物の茎についた氷。11月10日撮影)
枯れた茎にできた氷の柱。11月10日撮影
枯れた植物の茎に沿って、氷が幕のように広がっていました。
これは「シモバシラ」という種類の植物に見られる現象だそうです。
茎や葉が枯れた後も根が水の吸収を続け、茎に水が送られるために
このような氷の幕ができるそうです。
ただ、如何せん枯れた茎しか残っていないので、この植物が本当に
シモバシラかどうかは確認できていません。
調べてみると、シソ科の植物ではこの現象が観察されることがある
ようなので、もしかすると他の種類かもしれません。

このように、南アルプスも冬へと季節を進めています。
広河原や北沢峠への道路は冬季閉鎖となり、来年の6月中旬頃まで
野呂川広河原インフォメーションセンターはしばし眠りにつきます。
来シーズン、林道の安全が確認され、バスの運行が始まる頃に再び
オープンします。来年も皆さまのお越しをお待ちしています。

+++++ バス等の運行について++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
山梨県側から広河原方面へ入るバス・タクシーは11月9日、
長野県伊那市側から北沢峠方面に向かうバスは11月15日をもって
今シーズンの運行は終了です。


来シーズンのバス運行情報等は、来年度以降、各運行機関から発表
される情報をご確認ください。

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

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2016年10月21日黄葉を見に広河原へ来ませんか?

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。

北岳の登山口である広河原(山梨県南アルプス市)も秋が深まり、紅(黄)葉シーズン
となっています。
(10月20日のアサヨ峰。広河原の吊橋から撮影)



広河原は標高日本第三位の間ノ岳(3,190m)を源流とする野呂川がつくる白鳳渓谷に
位置しており、標高日本第二位の北岳(3,193m)を間近に見ることができる場所です。
(10月20日の北岳。広河原の吊橋から撮影)


周辺にはカツラ、ハウチワカエデ、ウリハダカエデなど多様な樹木が生育していて、
紅葉・黄葉を楽しめます。山の上の方にあるダケカンバやカラマツの黄葉を眺めるのも
いいですね。

バス乗り場前にある「野呂川広河原インフォメーションセンター」では、2階にインフォ
メーションコーナーや休憩スペースもあるので、周辺の情報を聞いたり、お弁当を食べたり
ゆっくりすることもできます。
吊橋を渡った先には山小屋があり、ここではランチやコーヒーもいただけるので散策後、
ちょっと一服ということも可能です。


また、広河原と北沢峠(山梨・長野県境)を結ぶ約10㎞の区間を走る南アルプス林道バスに
乗って、車窓から白鳳渓谷を眺めるのもおススメです。
ちなみに北沢峠行きのバスでは、左側の座席に座ると渓谷がよく見え、右側に座ると北沢峠近くで
甲斐駒ヶ岳がよく見えます。渓谷か、甲斐駒ヶ岳か、どちらを取るかはあなた次第!

今年は紅い葉が少ないのかな?と感じますが、それでも南アルプスの秋の景色は格別です。
南アルプス国立公園で秋の景色を楽しんで、帰りに周辺エリアの温泉に寄る...なんていう
週末の過ごし方はいかがでしょうか?

(広河原のハウチワカエデ。10月20日撮影)



【 ご注意 】
広河原へはマイカーで行くことができません。
山梨県南アルプス市芦安、または山梨県早川町奈良田からバス・タクシーをご利用ください。
また、長野県伊那市長谷から南アルプス林道バスを乗り継いでアクセスすることも可能です。
アクセスやバス運行について詳細は下記ホームページをご覧ください。

 アクセス :南アルプス国立公園
 バス運行情報:山梨交通ホームページ(芦安~広河原、奈良田~広河原)
        南アルプス市マイカー規制・登山バス・乗合タクシーのページ(広河原~北沢峠)
        伊那市南アルプス林道バスのページ(長谷仙流荘~北沢峠)

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2016年10月06日荒川岳の衣の色がどんどん変わる!

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。
自然保護官事務所のある芦安では、今年もニホンジカの恋の季節が深まっているようです。
ラッティングコール(繁殖期のオスの鳴き声)が夕暮れ時になると頻繁に響き渡っています。

さて、山の秋は駆け足で過ぎていきますが、先日、荒川岳でそのことを実感しました。
(荒川三山の1つ、中岳。9月30日撮影)


9月30日から10月2日にかけて南アルプス南部の荒川岳へ、防鹿柵の冬支度の作業確認に
行ったのですが、行きと帰りで荒川岳の衣(草木)の色が深まったんです。
(荒川三山の1つ、悪沢岳の南東斜面。9月30日の様子)

ほどほどに色づいてはいますね。

(悪沢岳の南東斜面。10月2日の様子)


この2枚の写真はほぼ同じ場所を撮影したものです。
天候が異なるので分かりにくいのですが、9月30日と比較してグッと色の鮮やかさが増した
と思いませんか? たった3日で変わるんですね。

今年の紅葉・黄葉はイマイチ(ナナカマドが紅葉せずに黄色や茶色になって落葉している)と
言われていますが、それでも山の秋は美しいですね。
稜線の紅葉・黄葉は終わり、これから紅葉・黄葉前線は標高を下げていきます。

秋は駆け足で進んでいきますが、南アルプスをくだってくる秋はもう少し楽しめそうです。

【登山者の皆さまへ】
■事前の情報収集をしっかりと!
荒川岳周辺では、山小屋の営業は10月3連休までとなっています。
すでに今シーズンの営業を終えている小屋もあるので事前に情報を確認してお出かけください。
南アルプス南部エリアの山小屋情報はコチラをご覧ください。

■寒さ対策を十分に!
冷え込みも厳しくなっています。9月30日は中岳避難小屋付近で氷が張るなど、朝は氷点下です。
装備の確認をお願いします。

秋山シーズンも安全第一で楽しく登山しましょう♪

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2016年09月26日雨の日

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。

秋雨前線と台風の影響を受けたシルバーウィーク前半、南アルプス中部に位置する
塩見岳(長野県と静岡県の境)では、植生復元活動が実施される予定でした。
しかし、作業現場近くまで行ったものの雨、風ともに強く危険な状況となったため
撤退を余儀なくされました。本当にお天気が安定しませんね。

作業ができなかった上、天気が悪くて景色も見えない...。残念な日。
でも、嘆いていても仕方がない。上が見えぬなら下を向いてしまおう!
ということで、足元に目を向けてみました。

(ダチョウゴケ 小河内岳近くにて9月17日撮影)


これはダチョウゴケ。立ち上がって枝を広げる姿は可愛いものです。
ダチョウの羽に形が似ていることからこの名が付いたそうです。
「ダチョウ 羽」と検索して写真を見比べてみてください。
確かにダチョウの羽に似ています。

(ミヤマスナゴケ 9月17日撮影)


こちらはミヤマスナゴケ。
烏帽子岳から小河内岳の間の登山道沿いでは、他の種類のコケとともに黄金色の
大きな群落をつくっている様子を見ることができます。尖った葉先が霧などの水分を
集めやすいようで、雫をたくさんつけていました。

さらに、亜高山帯の針葉樹林では冷たい雨の中、こんな生きものとの出会いが...。
(登山道わきに現れた生きもの。9月18日撮影)


アズマヒキガエルと思われる個体です。
頭からおしりまで15cm以上の巨体です。この種は水辺でなくても生きていけるので、
こうして山で出会うこともあります。一見するとイボだらけなので「気持ち悪い」と
感じる人もいるかもしれません。

しかし、よくよく見るとキレイな目をしています。
(「伏し目がちな潤んだ瞳」は言い過ぎ?)

まるっと開いた鼻の穴、ゆっくりした動き、ぽってりした体型...見ていると可愛いと
思えてきますが、みなさんはどうでしょうか?

視点を変えれば、雨の日は雨の日なりに楽しめますね♪
ただ、秋山の風雨は冷たく、少し立ち止まっただけで体温がぐんぐん奪われます。
みなさんも装備をしっかり整え、防寒具など適切に使って秋山に臨むようお願いします。

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2016年09月20日実りの秋

南アルプス国立公園 大石 佳織

みなさん、こんにちは。

先日、うちの近所にクマが出ました。姿は見ていませんが、近所のクルミの木へ
実を食べに来ていたようです。これから秋が深まるとクマも冬に備えて夢中で食料
を探すので、山に入られる皆さん、クマ鈴をつけるなど対策をなさってください。

さて、山ではあちこちで実を見かけます。
(左上:コケモモ      右上:ガンコウラン
 左下:オオヒョウタンボク 右下:ウラジロナナカマド)

コケモモやガンコウラン、ナナカマドは、ライチョウなどの野生生物にとって
貴重な食料です。みなさん、食べてしまわないでくださいね!
ちなみにオオヒョウタンボクには毒があるそうです。

さて、こちらはホシガラス。
(ハイマツの実を食べるホシガラス。ピンボケですみません...。)

日本では四国以北の亜高山帯から高山帯に生息し、南アルプスではよく出会います。
名前の通りカラスの仲間(カラス科)ですが、黒茶色の体に星をちりばめたような
白のまだら模様があります。頭には模様がなく黒茶一色、羽と尾は黒色です。
「ギャーギャーッ」としわがれ声で鳴くのも特徴で、姿が見えなくてもすぐわかります。
大きさは、街中で見るカラスよりもひとまわり小さく、ハトより少し大きいくらいです。
この写真からはわかりませんが、目がくりっと大きくてめっちゃかわいいんですよ。

好物はハイマツの実のようで、食べている姿をよく目にします。くちばしで器用にもぎ
取って食べやすい場所へ運んでから食べる習性があり、登山道周辺でもホシガラスが
食べた実の残骸を見かけることがあります。私はこれを「ホシガラスのお食事処」と
勝手に呼んでいます。
(ホシガラスのお食事処。手前は新鮮なもの、奥の茶色いものは古い食べかす。)


秋の山では紅葉・黄葉だけでなく、木の実から野生生物に思いを馳せたり、ホシガラス
のような生きものの行動を観察したりするのも楽しいですよ♪

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2016年09月14日開山二百年

南アルプス国立公園 大石 佳織

こんにちは。

みなさん、こちらの山はご存知でしょうか?
綺麗な山だと思いませんか?こちらは『南アルプスの貴公子』なんて呼ばれること
もある山です。
(南アルプスの貴公子。9月2日小仙丈ヶ岳付近から撮影)

この山の名は『甲斐駒ヶ岳』。
南アルプス北部、長野県伊那市と山梨県北杜市にまたがる山で、標高は2,967mです。
長野県の伊那地方では『東駒ヶ岳』とも呼ばれています。

山頂を見ると真っ白ですね。この白い部分は何だと思いますか?
初めて見る人は「雪が積もっている!」と驚きます。
しかし、雪ではありません。

白色の正体は『花こう岩』。
南アルプスでは甲斐駒ヶ岳や鳳凰三山などで見られる岩で、これらの山では白い岩と
青い空のコントラストを楽しむことができます。
(甲斐駒ヶ岳の白と青のコントラスト!)


さて、この甲斐駒ヶ岳は今年、開山200年を迎えています。
延命行者小尾権三郎が、文化13年(1816年)に現在の山梨県北杜市側から黒戸尾根を
登る道を開いたそうです。開山後は甲斐駒ヶ岳講が生まれて多くの人が登るようになり、
現在でも黒戸尾根の登山道では信仰にまつわる石碑や石仏などを見ることができます。
しかし、この黒戸尾根は標高差約2,200m(登り始めの場所によっては標高差2,500m!!)
のとても厳しいルートです。北岳に登るよりもキツイでしょう。

現在は北沢峠(長野県伊那市側)からの登山道もありますし、北沢峠から片道1時間半ほどの
仙水峠から甲斐駒ヶ岳を間近に眺めるだけにするという選択肢もあります。標高約3,000mの
高山なので、自分の体力や時間に合わせて計画を立て、安全に楽しく登山してくださいね。
ちなみに仙水峠では、大小の岩がゴロゴロと広がる『岩塊斜面』という面白い地形を見ることも
できますよ。
(仙水峠の岩塊斜面。2014年9月下旬撮影)


【 東駒ヶ岳について 】
長野県の伊那谷では西側に中央アルプス(木曽山脈)の木曽駒ヶ岳が、東側に南アルプス(赤石山脈)
の甲斐駒ヶ岳がそびえていることから、木曽駒ヶ岳を『西駒ヶ岳』、甲斐駒ヶ岳を『東駒ヶ岳』と呼ん
でいます。伊那市の情報などをチェックすると『東駒ヶ岳』と載っているのを発見できます♪

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