ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園

62件の記事があります。

2017年11月14日国立公園・野生生物フォトコレクションin飯田市

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさんこんにちは!

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1126日(日)まで、長野県の飯田市美術博物館にて「国立公園・野生生物フォトコレクション」を開催しています! 関東地方環境事務所管内で活動するアクティブ・レンジャー達が、国立公園や国指定鳥獣保護区で昨年度撮影した、イチオシの風景や動植物をご紹介します。

国立公園・野生生物フォトコレクションのチラシ

★国立公園・野生生物フォトコレクション(アクティブ・レンジャー写真展)

 開催場所  飯田市美術博物館

 開催期間  平成29年11月9日(木)から11月26日(日)

      【 開館時間 】午前9時30分から午後5時(入館は午後4時30分まで)

      【 休館日 】月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日

 入 場 料  無料 

 飯田市美術博物館ホームページ      http://www.iida-museum.org/

  国立公園・野生生物フォトコレクション http://www.iida-museum.org/8387/

先日、展示の設営をしてきました。

展示のようす  展示のようす

(展示のようす)

美しい景色、人々、植物はもちろん、動物や鳥、昆虫やキノコまで!!アクティブ・レンジャーたちが日々の業務で現地に足を運ぶなかで見つけた、お気に入りの瞬間を展示しています。写真をご覧になって、行ってみたいと思う場所があれば、各国立公園のパンフレットも配布していますので、ぜひお手にとってみてください。この写真展は、今年の4月から関東地方環境事務所管内の国立公園や国指定鳥獣保護区を巡回し、現在展示中の南アルプス会場を含めて、残すところ5か所となりました。行きたかったけどまだ行けていない方、会場の近くにお住まいの方、近くまで遊びに行かれる方。足を運んでみてください!

南アルプス自然保護官事務所からは、「南アルプスとニホンジカ」と題して、南アルプスのお花畑を守るための取り組みやニホンジカの生態について展示をしています。

南アルプスとニホンジカについての展示

(南アルプスとニホンジカについての展示)

また、飯田市美術博物館では、1224日(日)まで企画展「世界最南端のライチョウがすむ 南アルプス」が開催中です。雄大な南アルプスの山々を背景にした見事なバードカービング(野鳥彫刻)のライチョウ、南アルプスに産する多様な昆虫の標本や、美しい高山植物の写真などが展示されています。展示説明会や講演会などのイベントも数多く開催されていますので、南アルプスのことをもっともっと知りたい!という方はぜひ、ご覧ください。

詳細は、飯田市美術博物館ホームページ(http://www.iida-museum.org/)内、

企画展「世界最南端のライチョウがすむ 南アルプス」をご覧ください。

みなさんのお越しをお待ちしております!!

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2017年11月07日塩見岳で高山植物保護作業を行いました

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

事務所がある芦安は晴れていても気温が低く、ストーブが必需品になっています。夜にはシカの鳴き声が聞こえてきて、秋の深まりを感じます。

南アルプスのそこここで見られるニホンジカへの対策は、先日ご紹介した防鹿柵(ぼうろくさく)や個体数調整(捕獲)だけではありません。シカが食べ尽くしたために植生が失われ(裸地化)、土壌浸食が起きた場所では植物の生育が難しく、防鹿柵だけでは効果があまり期待できません。そういった場所では、伏工(カバーによる斜面の保護)といった方法がとられます。

10月7日から109日にかけ、環境省事業として、塩見岳で南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの方々と伏工を行いました。

かつて塩見岳東側斜面には、シナノキンバイやハクサンイチゲなど数多くの高山植物が咲くお花畑がありました。ですが、ニホンジカの採食圧や踏圧により徐々に植生の変化が進み、やがてシカの好まない植物すら減って山肌が露出するありさまとなっています。

塩見岳東側斜面の植生の変化(1979年から2009年)

(塩見岳東側斜面 左:増澤武弘氏撮影 右:鵜飼一博氏撮影)

植生が消失して裸地化が進み、土壌浸食が起きてしまうと、植生の自然回復は困難になります。植生を回復させるためには、まず土壌浸食を食い止め、植物が生育する基盤をつくらなければなりません。この場所では、植生回復及び土壌浸食防止を目的として、2009年(平成21年)から毎年、ヤシマットの敷設が行われています。

塩見小屋をベースに、午前・午後の2回、切り分けたマットを運搬。運んだマットをお花畑内の裸地部分に敷き、四隅や途中部分に張りピンを木槌で打ち、シュロ縄で固定をします。この作業を2回繰り返し、マットを二重に敷きます。マットを二重に設置するのは、霜の防止のためです。最後に押さえの石を置いて完成です。

1回目の作業の様子

(1回目の作業の様子)

施工箇所

(施工箇所)

マットで覆うことによって土が流れにくくなるだけでなく、霜や厳しい風を防ぐことで、飛んできた種が芽を出し育ちやすくなるようにしています。一般的な伏工では牧草や肥料を配合した化学繊維資材が使われることも多いのですが、この作業では、高山の自然環境に配慮して、外来種の混入防止のため高温処理した生分解性のヤシマットを使用しています。時間はかかりますが、いつかはこの場所にも緑と、そしてお花が戻ってきてほしいですね。

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2017年10月24日3,033m、仙丈ヶ岳の頂へ

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

最近になって、急激に冷え込んできましたね。季節の変わり目なので、体調管理には十分気を付けたいですね。

10月4、5日に仙丈ヶ岳へ行ってきました。

登山開始時には雨が降ったり止んだりを繰り返していましたが、2,600m 付近まで登ると青空が見えてきました。後ろを振り向くと・・・雲が切れ、白い甲斐駒ヶ岳 (2,967m)が顔を出してくれました!急峻な甲斐駒ヶ岳の山容はいつ見てもかっこいいですね。

ガスの切れ間から顔を出す甲斐駒ヶ岳

(ガスの切れ間から顔を出す甲斐駒ヶ岳)

甲斐駒ヶ岳のほか、栗沢山(2,714m)や、仙水峠から鳳凰三山に続く早川尾根も見ることができました。

さらに標高を上げ、3,033mの頂上に来てみるとそこは雲の上でした。

3,033m、仙丈ヶ岳の山頂

(標高3,033m 仙丈ヶ岳の山頂)

この日は雲が高く、残念ながら展望がありませんでしたが、天気が良い日には日本高山第1位富士山(標高3,776m)、第2位北岳(標高3,193m)、第3位間ノ岳(標高3,190m)をはじめ、八ヶ岳、中央アルプス、北アルプスの山々を楽しむことができます。仙丈ヶ岳は、南アルプス山域の中では比較的危険箇所が少なく、南アルプス入門の山としても多くの方に親しまれています。

そしてこの仙丈ヶ岳で忘れてはならないのが、地形です。

仙丈ヶ岳を代表する藪沢カール

(仙丈ヶ岳を代表する藪沢カール)

2万年前の氷河の作用によって形成されたカール(圏谷)が特徴的です。カール(圏谷)とは、氷河によって山頂付近が削られてできたもので、スプーンで削ったように丸みを帯びた緩やかな谷地形のことをいいます。中でも藪沢カール、小仙丈カール、大仙丈カールが有名です。氷河地形の他にも岩稜帯や原生林、夏には高山植物のお花畑も楽しむことができます!

仙丈ヶ岳で見られる紅葉もとてもきれいでした。

紅葉で色付く仙丈ヶ岳

(紅葉で色づく仙丈ヶ岳 10月4日撮影)

仙丈ヶ岳は何度登っても、そのたびにいろいろな楽しみ方ができるのでオススメです!

【仙丈ヶ岳への登山を計画されるみなさまへ】

山梨県側と長野県側ではバスの最終運行日が異なりますのでご注意ください。

(山梨県側)

芦安-広河原、奈良田-広河原、広河原-北沢峠のバスの運行は11月5日(日)まで

路線バス 詳しくはコチラ⇒http://yamanashikotsu.co.jp/

乗合タクシー 詳しくはコチラ⇒http://ashiyasu-kankou.co.jp/taxi_for_hill_climbing2/

(長野県側)

戸台-北沢峠のバスの運行は11月15日(水)まで

※1日4便の運行。10月からの運行時間が月曜日(祝日を除く)から金曜日は始発8:05 。ご注意ください。

詳しくはコチラをご覧ください。⇒http://www.inacity.jp/kankojoho/sangaku_alps/minamialps/minamialps_jikokuhyo.html

馬の背ヒュッテ、仙丈小屋は10月15日で営業を終了しています。北沢峠こもれび山荘は11月2日(木)まで、長衛小屋は11月4日(土)(※11月1日からは素泊まりのみ)までの営業になります。

また、10月16日から仙丈ヶ岳登山道の藪沢新道、五合目(藪沢・小仙丈ヶ岳分岐)から馬ノ背への藪沢ルート(トラバース道)が通行止めになっています。

詳しくはコチラをご覧ください。⇒http://www.inacity.jp/kankojoho/index.html

バス及びタクシーの時刻、山の状況を確認した上で安全に登山を楽しんでくださいね。

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2017年10月18日今シーズンの荒川岳防鹿柵撤去へ

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

少し前の話になってしまいますが、10月の初め頃に荒川岳防鹿柵(ぼうろくさく)の撤去作業を行いました。

初めて南アルプス南部へ足を運びましたが、一つ一つの山がとても大きく、圧倒されっぱなし。

雲一つない快晴の悪沢岳(東岳)

(雲一つない快晴の悪沢岳(東岳))

すれ違う登山者数も少なく、静かな山歩きが楽しめました。

登山をするときにまわりをよく見てみると、あちらこちらにシカの痕跡があることをご存じでしょうか。シカそのものに出会うこともあれば、シカの通った痕、フン、樹皮はぎや植物を引きちぎって食べた痕が見られることもあります。荒川岳周辺ではシカの足跡や食痕が見られます。

シカの足跡が見られる丸山(3,032m)付近

(丸山(3,032m)付近で見られるシカの足跡)

矢印の箇所をさらにズームしてみると・・・

ズームしてみるとシカの足跡が・・・!

シカの足跡が・・・!

昔の南アルプスでは、ニホンジカは見られなかったのですが、平成10年ごろから急激に増加。そして、稜線や登山道付近にも現れるようになり、植生や景観に深刻な影響を及ぼしています。この問題に対応するために、国、県、市町村、NPOが協力し、北岳、仙丈ヶ岳、三伏峠、荒川岳、聖平、茶臼岳など南アルプス各地に防鹿柵を設置しています。防鹿柵のおかげで、少しずつ植生が回復してきている箇所もありますが、失われる前に比べるとまだまだ・・・。自然のバランスが1度崩れてしまうと、元の状態までに回復するのには長い時間が必要になります。じっくり時間をかけて、いつか素晴らしいお花畑が見ることができるようになることを願います。

今回作業をした柵はこちらです。真ん中にある扉は、防鹿柵のゲートです。

荒川三山の登山道上に設置されている防鹿柵

(荒川三山登山道上に設置されている防鹿柵及びゲート)

防鹿柵の範囲に登山道の一部が含まれているため、通行のためにゲートを設置しています。

この扉を閉め忘れてしまうと、柵の中にシカが入って植物を食べてしまう可能性があります。シカから高山植物を守るためにも、「開けたら閉める」の徹底にぜひご協力をお願いします。

【登山されるみなさんへ】
この時期の南アルプスは冷え込みが激しくなってきます。氷点下の朝もあるので、防寒対策をしっかりして登山してくださいね。また、日没も早くなっています。一例として、北岳の日の入りは7月17日には19:13ですが、10月17日には17:19と、ぐっと早くなります。暗くなってからの行動は多くの危険が伴いますので、必ずヘッドライトを持ってください(予備電池も忘れずに!)。遅くなってからの小屋やテントサイトへの到着は、すでに就寝している他の登山者や小屋の方にも迷惑をかけることになるので、早めの到着を心がけるようお願いします。登山口への到着が遅くなったときは、無理に登らず朝を待つなどして、計画を変更することも大切です。

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2017年09月27日北岳巡視に行ってきました!

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日、大樺沢ルートから右俣→草すべり→広河原のルートで北岳巡視に行ってきました!

もうじき10月。高山植物にはもう会えないんだろうな・・・と思いながら歩いていたところ、なんと!

いくつかの高山植物に出会うことができました。

ハクサンフウロ ミヤマコウゾリナ

(ハクサンフウロ)                (ミヤマコウゾリナ)

ハクサンフウロ(8月)、ミヤマコウゾリナ(8月)、ヤマハハコ(8月)、ミヤマキンポウゲ(7月)など。また、前回の日記(9/5)でもご紹介しました、センジュガンピ(7月)やキツリフネ(8月)も見ることができました。冷え込みが厳しくなってきているにも関わらず、たくましく咲いている植物たちには強さを感じますね。【()内は花期を示します。】現在は、多くの高山植物が終わり秋らしい姿になってきていますが、高山植物のシーズンになるとこれまでご紹介した高山植物以外にもたくさんの種類の花が咲き誇り、みなさんをお出迎えしてくれます。綺麗なお花が登山の疲れを癒やしてくれますよ!

高山植物のシーズンは終わってしまいますが、これからは木々の紅葉を楽しむことができます。右俣登山道上ではわずかながらに木々や植物が色をつけ始めました。

右俣・草すべり合流ルート付近の紅葉の様子 9/25

北岳上部の紅葉の見頃は来週くらいではないでしょうか。

広河原の紅葉の見頃はもう少し遅くなるかと思います。北岳周辺では登山をしなくても、広河原園地や広河原から北沢峠の間の林道などで紅葉を楽しむことができます。もしかすると紅葉とともに北岳の冠雪を見ることができるかもしれません!秋深まる広河原へ足を運んでみてはいかがでしょうか?

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2017年09月05日北岳で見ることができる変わった高山植物

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日、白根御池小屋から二俣分岐の周回ルートで北岳巡視に行ってきました!今回は、巡視中に見つけたユニークな植物たちをみなさんにご紹介したいと思います。

1つ目は『センジュガンピ』というお花です。

北岳のあちこちで見ることができるセンジュガンピ

(北岳のあちこちで見ることができるセンジュガンピ)

花弁の先が浅く裂け、フリルのようになっているのが特徴です。花は白く、ちょこんと咲いていて可愛らしい姿です。独特な名前と形がとても印象的なこのセンジュガンピ、実は、私が初めて覚えた高山植物なのです!花期は7月中旬から8月上旬。盛りは過ぎてしまっていますが、もしかするとまだ見ることができるかもしれません。ぜひ、みなさんに見ていただきたい植物のひとつです。

2つ目は『タカネナデシコ』です。

ピンク色が鮮やかなタカネナデシコ

(ピンク色が鮮やかなタカネナデシコ)

タカネナデシコは、センジュガンピと同じくナデシコ科の植物です。五弁花であるところは同じですが、花弁の先が細く、深く裂け、糸のような形をしています。このような形の花はなかなか見ることができないですよね。鮮やかで大きなピンクの花がよく目立つので、すぐに見つけることができると思います。より低い標高に生育するカワラナデシコを含め、このなかまは変異が大きいので、いろいろと見比べてみるのも面白いかもしれません。南アルプス国立公園においては、保護対象として指定植物に選ばれています。

3つ目は『キツリフネ』です。

大樺沢ルート下部で見つけたキツリフネ 夜叉神峠のツリフネソウ                          
(大樺沢ルート下部で見つけたキツリフネ)   (夜叉神峠のツリフネソウ)

カラフルで唇のような形の大きな花がぶら下がり、モビールのようにも見えます。黄色いツリフネソウ、というのが名前の由来です。ツリフネソウの名は、キツリフネによく似た紅紫色の花(写真右)がぶら下がった様を、吊り下げた舟の姿に見立てたようです。後ろに突き出た『距』には蜜が入っており、虫たちに人気の花です。花に触れるとすぐに落ちてしまうので、見つけた際は、触らずに温かく見守ってください。

歩いていると珍しい光景を見ることができました!

クガイソウの蜜を吸う?ベニヒカゲ

(クガイソウの蜜を吸う?ベニヒカゲ)

クガイソウにベニヒカゲがちょうど止まっているところを写真に収めようと粘りました。シャッターを押そうと構えると飛んで行ってしまうので、やっと撮れた1枚です。手前の植物が写ってしまったのはご愛敬ということで・・・・・・。

ベニヒカゲは年に1回、8月頃発生します。橙に黒の斑点が特徴です。登山者の汗を吸いにくることもあるようです。

今年の春はとても寒く、遅くまで雪が残っていたために花の時期がずれこみ、この時期まで高山植物を楽しむことができています。ですが、9月になれば夏とは打って変わり、気温がぐっと下がります。標高が高いところでは、街と比べて朝晩はかなり冷え込みます。ふつう、標高が100m上がると気温は0.6度下がるといわれています。事務所がある芦安の標高は670mほど、広河原インフォメーションセンターの標高は1520m、北沢峠は2030m。単純に計算しても、芦安に比べて広河原インフォメーションセンターでは約5℃気温が下がり、北沢峠でも約8℃気温が下がります。北岳山頂ではなんと15℃も違うことになります!雨はもちろん、たとえ晴れていても風が吹けばかなり寒さを感じます。これから登山される場合には、寒さ対策を十分に行った上で安全に登山を行ってください。みなさんにとって楽しい登山になりますように。

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2017年08月15日野呂川広河原インフォメーションセンターの展示を新しくしました!

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

すでにお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、先日、野呂川広河原インフォメーションセンター2階の展示を新しくしました!

以前の南アルプスとニホンジカの展示現在の展示。左:ライチョウ保護の話、右:南アルプスの変化(ニホンジカ)

(以前の展示。南アルプスとニホンジカ)

(現在の展示。左:ライチョウ保護の話、

右:南アルプスの変化(ニホンジカ))

バス・タクシー乗り場やトイレのある1階を利用される方が多いのですが、実は2階には展示・休憩スペースがあります。ご存じでしたでしょうか。

これまでの展示をまとめ、ライチョウ保護とニホンジカ問題という、南アルプスの2大トピックが一目でわかるポスターを掲示しています。かわいいライチョウの写真も増えたので、ぜひご覧ください!

そして今回、新しく作った展示がこちら!

(新展示「クマについて知ろう!」)

(新展示「クマについて知ろう!」)

現在、インフォメーションセンターでのアンケートをもとに、展示の更新を進めています。第1弾として、クマについての壁面展示をつくりました。今回は、そもそもクマとはどんな動物なのか、その特徴やくらしぶりをはじめ、南アルプスのクマの状況や、クマと出会わないためにはどうすれよいかといった情報をまとめました。南アルプスはクマの生息地であり、今年、野呂川広河原周辺でも数回目撃されています。南アルプスにお越しになる際には、クマの生態や目撃情報、いざというときの対処方法など、クマについての情報を集めてみることをおすすめします。

南アルプス市観光協会のホームページでは、クマの目撃情報が随時更新されています。

→ http://www.minami-alpskankou.jp/

また、野呂川広河原インフォメーションセンターの2階出入り口にクマの目撃情報を掲示していますので、山行前にご覧ください。

展示の下にはアンケートを設置しています。展示に関するご感想やリクエスト、インフォメーションセンターについてのご要望等がございましたら、アンケートにぜひご協力ください。

本格的に夏山シーズンが始まりましたね!夏休みの時期、平日も多くの登山者で賑わっています。山の深い南アルプスでは、大自然を存分に感じることができます。そんな南アルプスですが、ちょっと休憩したくなったとき、雨が降ってきたとき、自然についてもっと知りたいと思ったときには、ぜひ、野呂川広河原インフォメーションセンターに足を運んでみてください!きっと、今までとは少し違った角度から南アルプスを知る楽しみを見つけていただけると思います。

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2017年07月24日北岳で見ることができる高山植物を紹介します!

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

7月も半ばを過ぎ、北岳ではキタダケソウの花が終わりを迎えています。キタダケソウは、世界中で北岳でしか見ることができない貴重な高山植物(固有種)です。例年は北岳の開山前に盛りを過ぎてしまうのですが、今年は雪が多く、キタダケソウの開花期が遅くなったので、たくさんの方がキタダケソウを見ることができたのではないでしょうか。キタダケソウの花は終わりましたが、北岳のお花畑はこれから見頃を迎えます。

そこで、今回は北岳で見られる高山植物をいくつかみなさんにご紹介します。

1つ目は大樺沢ルートで見つけた『ミヤマカラマツ』です。

大樺沢ルートで見つけたカラマツソウ

ミヤマは深山に生える、という意味で、高山植物によく見られます。カラマツの名は、花の形がカラマツの葉に似ていることから付けられたそうです。葉はのこぎりの歯のようにぎざぎざ(鋸歯状)になっています。モミジカラマツというよく似た植物もありますが、その名の通り、葉がモミジの葉のよう(掌状)になっています。どちらか分からなくなってしまったときは、葉の形をよく見て見極めてください!

2つ目は白根御池小屋から二股分岐に向かって進んだルートで見つけた『ミヤマキンポウゲ』です。

白根御池小屋から二股分岐に向かって進んだルートで見つけたミヤマキンポウゲ

花は小さめですが、金色で光沢があり可愛らしい花です。漢字だと「深山金鳳花」と書かれます。

なんだか、かっこいいですよね。このミヤマキンポウゲは白根御池小屋から北岳へ向かう草すべりルートでも見ることができます。花期が7月中なのであと少ししか見ることはできませんが、ぜひ探してみてください。

見たことがある!という方もいらっしゃるかと思いますが、3つ目に紹介するのは『シナノキンバイ』です。

ミヤマキンポウゲと同じくキンポウゲ科の植物なので、姿がよく似ていますね。

二股分岐で見つけたシナノキンバイ

花そのものが大きく、鮮やかな黄色が綺麗ですよね。黄色い花はほかにもいくつかありますが、シナノキンバイの鮮やかな黄色は一際目立ちます。花期も8月中旬までと長く、二股分岐で群生を見ることができるので、二股経由で登られる方はぜひ見つけてください。

ほかにも北岳ではたくさんの高山植物がみなさんを出迎えてくれます。

北岳には、世界中で北岳にしかない固有種がいくつもあります。高山植物は、短い生育期間や、強風・低温といった厳しい環境条件に耐えながら、非常に長い時間をかけて成長し、花を咲かせます。そのようなぎりぎりの環境で育つ植物は、踏みつけなどの攪乱に非常に弱く、ダメージから回復するにはとても長い時間がかかります。そこでみなさんにお願いです!!登山道から離れた場所に綺麗な花が咲いているのを見つけたときには、登山道から外れずに楽しむようにしてください。お花畑へ踏み込むと、植物が踏みつぶされ、貴重なお花畑が失われてしまいます。踏みつけが続くとやがて植物は枯れ、むき出しになった地面から土壌が流れ出し、その場所にはもう植物が生えなくなってしまいます。そのようなことにならないためにも、登山者ひとりひとりの自然を思うやさしい心で、これからも北岳の自然を、南アルプスの山々の自然を守っていきましょう!

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2017年06月27日南アルプス開山式と長衛祭

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月24日に山梨県南アルプス市の広河原で「南アルプス開山祭」が、

長野県伊那市と山梨県南アルプス市の県境にある北沢峠では「長衛祭」が行われました。

南アルプス開山祭は南アルプスの先駆者の偉業への感謝の意と登山者の安全を記念し、毎年6月最終週に行われています。

約200人が参加した祭では、地元芦安中学校生徒による「北岳の歌」などの合唱や、夜叉神太鼓の力強い演奏が披露されました。最後には蔓払い(つるはらい)の儀式が行われ、明治時代の山の案内役の姿をした参加者によって払われた蔓の間をくぐり、参列者は安全を祈願しました。

わたしも安全登山を祈願し、払われた蔓の間をくぐり抜けてきました!

蔓払いの儀式によって払われた蔓の門

(蔓払いの儀式によって開かれ蔓の門のようす)

長衛祭は『南アルプス開拓の父』と呼ばれ、現在の'藪沢新道'や'栗沢山ルート'の開拓を行ったほか、

長衛小屋や藪沢小屋を建設し、南アルプスの山々を愛した竹沢長衛の尽力を偲んでこの開山の時期に行われており、今年でなんと59回目になるそうです!

多くの方が参加した長衛祭

(多くの方が参加した長衛祭)

芦安小学校児童と長谷小学校児童による「ふるさと」の合唱や森の音楽会が行われ、祭後には農業・林業被害の深刻化をもたらしているイノシシやシカの肉を使った成敗汁が振る舞われました。

開山祭当日、広河原から見た北岳

(広河原から見た雲がかかった北岳 撮影日:2017.6.24)

夏山シーズンが到来したものの、山によってはまだ冬装備が必要な場所もあります。

登山される方は装備や今の自分の体力と相談しながら安全に登山を楽しんでください!

また、南アルプス北部・南部ともに7月中旬頃から始まる小屋や予約が必要な小屋もありますので、事前に情報収集を行った上で計画を立ててください。

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2017年06月16日登山者カウンター設置しました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

6月といえば梅雨ですが、雨が降らないのであまり梅雨らしくないですね。

さて、南アルプス自然保護官事務所では、6月12日に、北岳登山道上の2か所に登山者カウンターを設置してきました。

この登山者カウンターは、登山道の利用状況を調査するために平成22年から毎年設置をしているものです。

広河原から北岳山頂に続く大樺沢ルート、白根御池ルートのそれぞれについて、どのような時間に、どのくらいの人がどの季節に利用しているのかを調べています。

取り付けの様子

(取り付けの様子)

わたしも保護官も登山者カウンター設置は初めてだったので、いろいろと試行錯誤を重ね、なんとか完成させることができました。

今後は定期的に通ってメンテナンスを続け、雨にも、風にも負けず、夏の暑さにも負けずにカウントしてくれることを期待したいと思います。
今年はどのくらいの人が登られるのか、結果が楽しみです。

このようにして設置したカウンターですが、カウンターの正面で立ち止まったり、複数人が同時に通過してしまったりするとうまくカウントできないことがあります。

カウンターを見かけた際には、1人ずつ、立ち止まらずに通過するようご配慮いただけるとありがたいです。
みなさまのご協力、よろしくお願いします。

来週23日から冬季閉鎖が終わり、バスや乗合タクシーで広河原や北沢峠に入れるようになります。

いよいよ南アルプス全体の山開きですね!

12日の北岳の様子です。広河原から見てもこれほどの雪の量です。

まだ雪が残る北岳

(まだ雪が残る北岳)

大樺沢に残るたくさんの雪

(大樺沢に残るたくさんの雪)

さらにズームアップしてみると、大樺沢にはびっしりと雪がついています。

開山まであと1週間ほどですが、果たしてこの雪はどのくらい溶けるのでしょうか...?

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