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アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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南アルプス国立公園

96件の記事があります。

2018年11月13日今シーズン最後の北岳巡視

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

111日に今シーズン最後の北岳巡視に行ってきました。この日は1日中天気が良く、今シーズン最後の巡視を気持ちよく締めくくることができました。

北岳の登山口の橋を渡ってすぐ、赤や黄色のじゅうたんが出迎えてくれました。落葉しても綺麗さは健在です。

赤や黄色の葉っぱじゅうたん

△赤や黄色の葉っぱじゅうたん

台風が来る週末が何度も続いて色づきが心配されましたが、そんな心配もご無用!さまざまな樹木が広河原を色鮮やかに染め、広河原の紅葉を目的に多くの方が足を運んでくださいました。10月後半には冠雪した北岳と広河原の紅葉を見ることもできました。(冠雪した北岳と広河原の紅葉については「1023日更新 南アルプス、雪の便り」をご覧ください)

白根御池小屋・大樺沢分岐から白根御池小屋ルートを2時間ほど歩くと見えてくるのが白根御池小屋です。この小屋の前には大きな池があり、この池こそが「白根御池」です。雨を降らせる雨乞いの池として知られています。これまでにこの池の前を何度も通過したことがありますが、この日はなんと池に氷が張っていました!

氷が張った白根御池

△氷が張った白根御池

日が差しているものの朝晩の気温が低いせいか脇にあった氷を投げても割れませんでした。標高2,400m付近でも気温がかなり低くなっていたようです。白根御池小屋から稜線に出るまでの間は登山道に影響はないものの、道脇にはちらほら雪が見られました。

稜線に出てからはところどころ雪や氷。降雪し、それらが踏み固められて表面はつるつるになっていました。そのため、小太郎尾根分岐辺りからアイゼンを着用!日影の部分はもちろん、日が差しているところでもかちこちに凍っていました!

雪化粧した富士山

△雪化粧した富士山

稜線からは仙丈ヶ岳や甲斐駒ヶ岳、鳳凰三山の南アルプス主峰はもちろんのこと、富士山も見ることができました!夏の真っ青な富士山もいいですが、雪化粧した富士山もきれいですね。

下山は右俣から大樺沢ルートを使いました。大樺沢ルートは沢沿いのため、橋が凍っている可能性があります。広河原目指して歩いていると凍っている橋に直面!橋がつるつるになっていました!どのくらいつるつるなのか写真がないのが残念。。。わたしは靴を脱ぎ、渡渉することに。沢の水は思っているよりはるかに冷たかったですが、なんだかスッキリした感覚でした♪

静寂に包まれた北岳

△静寂に包まれた北岳

無事、広河原に下山。歩いてきた道を振り返ると、雲がかかって暗くなった北岳が。なんだか、物寂しさを感じます。南アルプスは着々と冬支度を進めています。広河原や北沢峠へ向かう道路は冬季閉鎖になり、来年の6月下旬まで野呂川広河原インフォメーションセンターは冬眠に入ります。

戸台から北沢峠へのバスは15日まで運行しています。来シーズンのバス運行情報等は、来年度以降、各機関から発表される情報をご確認ください。

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2018年11月06日鳳凰三山巡視(後編)

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先週の「鳳凰三山巡視(前編)」の続きになります。先週の記事はこちらから。

23日は夜叉神峠登山口から薬師岳小屋まで、24日は鳳凰三山を往復で歩き、夜叉神峠登山口まで歩くというロングコースです。23日の夜は雨が降ったので、朝方の冷え込みにより登山道が凍っていないか心配でしたが、歩いてみると凍っているところはなく、今回はアイゼンの出番はありませんでした。

砂払岳と富士山(薬師岳付近から撮影)

△砂払岳と富士山(薬師岳付近から撮影)

標高2,780mの薬師岳は薬師岳小屋から歩いて10分ほど。薬師岳付近からは富士山が見えました。雨上がりだったせいか、空にはどんよりとした雲がかかっていました。砂払岳は鳳凰三山には含まれていませんが、薬師岳小屋から10分くらいの場所にあります。山のてっぺんにあるごつごつとしている岩は鳳凰三山と同様、花崗岩でできており、地面も土から花崗岩の砂に変わります。普段の鳳凰三山の稜線部は花崗岩の砂でさらさらしていますが、雨が降ったことにより砂がぎゅっと締まり、歩きやすさを感じました。

薬師岳から鳳凰三山の最高峰観音岳(標高2,840m)を通過し、1時間ほど歩くと赤抜沢の頭に着きます。ここは、高嶺や早川尾根方面へ抜ける登山道と地蔵ヶ岳(標高2,764m)へ向かう分かれ道になっています。私が個人的にオススメしたいオベリスク絶景スポットはこの赤抜沢の頭から見るオベリスクです!地蔵ヶ岳をまるっと見ることができる場所なのです!!

赤抜沢の頭から見たオベリスク

△赤抜沢の頭から見たオベリスク

どうでしょう!このダイナミックなオベリスク!ほんの少しですが、紅葉している木があり、この時期ならではの光景です。赤抜沢の頭に着く頃には、どんよりしている雲は無くなり甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳、八ヶ岳連峰もよく見えました。

薬師岳から見る白峰三山

△薬師岳から見る白峰三山

観音岳から薬師岳の稜線では北岳、間ノ岳、農鳥岳から成る白峰三山を横目に歩くことができます。なぜか北岳山頂部分の雲は1日中取れず、お目にかかることはできませんでしたが、間ノ岳や農鳥岳はちらちらっと顔を出してくれました。夜叉神峠から見る白峰三山もいいですが、鳳凰三山から見る白峰三山はより雄大さを感じることができます。白峰三山にも雪が定着してきました。真っ白になった白峰三山になるのが楽しみです♪2日間とも雨に降られることなく歩くことができ、素晴らしい景色を見ることができたので大満足でした!

鳳凰三山の登山口は主に夜叉神峠登山口、青木鉱泉、御座石温泉があります。季節的な道路規制もなく1年中アクセスできるのでアプローチは比較的簡単に行えます。ですが、夏期でもどのルートも歩行時間が長いです。積雪期になってきますと夏期よりもさらに時間がかかるのでしっかりと計画を立てて登るようにしてください。鳳凰三山にある山小屋も営業形態が夏期シーズンと変わっているので、事前に確認を取るようにしてください。また、アイゼンやピッケル等の冬山装備を携帯して入山するようにしてくださいね。

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2018年10月30日鳳凰三山巡視(前編)

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1023日から24日にかけて、夜叉神峠ピストンで鳳凰三山の巡視に行ってきました。

夜叉神峠は標高1,770m、夜叉神峠登山口から約1時間。南アルプス山域の中でもアクセスが良く1年を通して登ることができます。日本第2位の高峰、北岳をはじめとする白峰三山の展望や季節の花を楽しむことができるトレッキングコースとして多くの方に親しまれています。これまでにも何度か夜叉神峠には登ったことはありますが、紅葉の時期に行くのは初めてなのでとてもわくわくでした!

登山道の脇にはミズナラ、ハンノキ、ミヤマザクラ、イタヤカエデなど数多くの樹木が生育しています。登山口からしばらく歩くと緑の中にほんのり色付く木々が現れました。

緑の中にほんのり色付く木々

△緑の中にほんのり色付く木々

ご覧の通り、登山道にはまだ雪はありません。凍っている箇所もないので、今現在は安全に歩くことがことできます。雪はありませんが、落ち葉がたくさんある場所で滑ってしまわないように、下りの際は気をつけてくださいね。

綺麗に色付く木々

△綺麗に色付く木々

先ほどの写真から20分ほど歩いた場所です。こちらは緑よりも黄色や赤がよく目立ちます。色付いている木々をよく見てみると、この付近はカエデが多く生育しているようです。紅葉した木々を下からのぞいてみるとこんな景色が。

下から紅葉した木々を見る

△下から紅葉した木々を見る

少し逆光で見えづらい感じもしますが、いろいろな形をした葉が赤や黄色に染まっていて綺麗です。空も青くて良く映えます。山を歩いているとつい下を見て歩いてしまう時間が多いですが、ふと足を止めて空を見上げてみてください。この時期にしか見ることができない景色を見ることができますよ♪

白峰三山

△白峰三山

この写真を撮った時には白峰三山が綺麗に見えましたが、数分すると北岳や農鳥岳にガスがかかりだしました。ナイスタイミングに撮影できました!白峰三山には、うっすらと雪が付いていました。先日更新した冠雪した北岳に比べると、かなり雪が減ってしまいました。冬になると白峰三山上部全体が雪で真っ白になります。今年も白銀の白峰三山の姿を見るのが楽しみです。同じ山、同じルートでも、季節が変われば全く違う景色や楽しみ方ができます。夜叉神峠付近にはキャンプ場もあるので夜には満点の星空を楽しむことだってできちゃいます!夜叉神峠付近の紅葉は終盤を迎えているように感じられましたが、少し標高を下げると綺麗な紅葉を見ることができます。高山はすでに雪山に変わりつつありますが、まだまだ秋の山を楽しみたいという方にオススメの場所です♪

夜叉神峠から6時間ほど歩くと鳳凰三山の1つ、薬師岳が現れます。この先は標高がぐんと上がり、積雪や凍結の可能性があるため、軽アイゼン等が必要になってくるエリアです。鳳凰三山編はまた次回更新します。お楽しみに!

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2018年10月23日南アルプス、雪の便り

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

日本のあちらこちらの山で初冠雪の便りを耳にします。南アルプスの山々にも冬の便りがぞくぞくと届いています!そこで今回は、南アルプス北部の冠雪の姿をみなさんにご紹介したいと思います。

例年、日本アルプスの中で1番最初に冠雪するのは北アルプスですが、今年は南アルプスのほうが早かったようです。

広河原から見た北岳

△広河原から見た北岳

左俣やバットレスなどの上部がうっすら白くなっているのが確認できます。今年も北岳の雪と広河原の紅葉コンビの写真を撮影できました!紅葉部分に山の陰が被ってしまっていますが、もう少し楽しむことができそうです。北岳の紅葉は終わりを迎えてきていますが、白鳳渓谷の紅葉も色づいています。この時期の広河原インフォメーションセンターには登山目的のみならず、紅葉狩りを目的として来られる方も多くいらっしゃいます。多くの方に白鳳渓谷の紅葉を楽しんでいただきたいです♪

うっすら白くなっている仙丈ヶ岳と甲斐駒ヶ岳

△うっすら白くなっている仙丈ヶ岳(写真左側)と甲斐駒ヶ岳(写真右側)

10月23日現在、登山道へ雪が見え始めるのは稜線部からとなっています。北岳のお隣の甲斐駒ヶ岳や仙丈ヶ岳、鳳凰三山もうっすらと冠雪していました。写真右側に写る甲斐駒ヶ岳は花崗岩によって年中白っぽく見えますが、雪を被るとその白さが際立ちますね!!

北岳肩ノ小屋から見た北岳方面

△北岳肩ノ小屋から見た北岳方面

北岳肩ノ小屋はおよそ標高3,000m。この日は日が射しているもののやはり寒かったです。これまで夏に見ていた北岳とは打って変わって、雪で白くなって、より山体の大きさを感じることができます。ここから先は雪が積もっているところや岩がむき出しになっているところがあります。アイゼン等の雪山装備を必ず準備して登るようにしてください。

間ノ岳方面

△間ノ岳方面

間ノ岳方面も真っ白になっています。この日は天気も良く、空気が澄んでいました。今年度、防鹿柵や伏工作業で登った塩見岳や荒川岳まで一望できました!高山植物が咲く夏の南アルプスも綺麗ですが、雪で白くなった南アルプスもとっても綺麗です!!

● 南アルプス登山を計画されている方へ

北岳各地の山小屋は11月初旬で有人から無人になりますので、ご注意ください。また、山梨県側のバスや乗り合いタクシーの運行は114日をもって終了します。長野県側のバスは1115日まで運行予定です。これからますます寒くなってきます。文中にも記述しましたが、アイゼンやピッケル等の冬山装備を携帯して登るようにしてください。北岳はすでに秋山ではなく、雪山です!!ご自身の体力・技術に応じた山を選んでください。閉山まで残りわずか!みなさんにとって安全で楽しい登山になりますように。

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2018年10月16日北岳の紅葉

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

1010日に北岳に行ってきました。ルートは大樺沢ルートを登り、白根御池小屋経由で下山しました。広河原から見た北岳のようすです。

広河原から見た北岳

△広河原から見た北岳

1週間前の記事(109日更新)の北岳は102日に撮影したもので、赤や黄色よりもまだ緑色が強いという印象でしたが、1週間ほどでずいぶん紅葉が進みました。広河原の紅葉は今週くらいが見頃になるかなと思います♪

大樺沢ルートから見た紅葉のようす

△大樺沢ルートから見た紅葉のようす

大樺沢ルートの2,200m付近のようすです。広河原から見る北岳とほぼ同じアングルですが、標高を上げて近くで見てみると色が濃く、綺麗に色付いていました。今年度、台風や大雨の影響で何度も通行止めになってしまっていた大樺沢ルート。「計画に入っていたけど、ルート変更した」という方も多いと思います。平成22年度から毎年、登山者カウンターを2基設置しています。(登山者カウンターについての記事はコチラ )そのうち1基は大樺沢ルート上に設置しており、入山・下山ともにほぼ毎年、大樺沢ルートを利用される方が多いです。ですが、現時点では白根御池小屋ルートでの入山・下山が圧倒的に多いです。現在、大樺沢ルートは多くの方のご支援により復旧しています。今回、歩いてみて登山道が不明瞭なところもなく安全に通行できます。大樺沢ルートから登られる方は山の斜面を見ながら大樺沢の川の音を楽しんでみてはいかがでしょうか。

白根御池小屋経由ルート・大樺沢ルート分岐から2時間ほど歩き、二俣に到着。登ってきた道を振り向くと、鳳凰三山の一部、観音岳、地蔵ヶ岳を見ることができます。

二俣からのようす

△二俣からのようす

薬師岳は観音岳の右側にあり、山に隠れてしまって見えません。代わりと言っては何ですが、左側に白鳳峠を見ることができます。白鳳峠は広河原インフォメーションセンターから10分ほどのところに登山道があり、早川尾根や鳳凰三山へ続く峠です。白鳳峠の上部は岩塊流(がんかいりゅう)と呼ばれる岩石がたくさんあり、北岳側からはそのようすがはっきりと見ることができます。

今回は山頂へ行かずに、白根御池小屋方面へ。15分ほど歩くと池が見えてきます。

白根御池

△白根御池

この池は白根御池といい、江戸時代の山梨の地誌「甲斐国志」でも紹介されている池です。大加牟婆(おおかんば)池として登場し、池に石を投げ入れて竜神を怒らせ、雨を降らせる雨乞いの池だったと言われています。この白根御池の看板は以前までかなりぼろぼろでしたが、つい最近、ようやく新しい看板に変わりました!白根御池小屋近辺に来られた際は、ぜひ、ご覧ください♪

この日はお昼頃までは日も差し、暖かく感じられました。これからの時期は朝晩だけでなく、日中も冷え込んできます。なお、大樺沢ルートは沢沿いのため、橋に氷が張ることもあります。通行には十分気をつけてください。また、日の入りも早くなってきているので、ヘッドライトおよび予備電池の携帯をおすすめします。みなさんにとってステキな紅葉シーズンになりますように!

● 南アルプス南部 茶臼岳、聖岳の登山を考えている方へ

先日の台風24号、25号の影響により、登山道の崩落や橋の全壊により通行することができません。なお、復旧については現在、未定とのことです。詳しくはこちら(オクシズ)をご覧ください。

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2018年10月09日南アルプス北部で秋を感じてみませんか?

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

先日南アルプス南部の紅葉のようすをお伝えしましたが、北部でも紅葉が始まっています。

広河原から見た北岳

△広河原から見た北岳

広河原から見た北岳のようすです。写真では分かりづらいですが、北岳上部は紅葉がかなり進んでいます。広河原の紅葉真っ盛りまではもう少しのようです。まだ北岳は冠雪していませんが、運がいいと広河原の紅葉とともに北岳の冠雪を見ることができます!

広河原を散歩していると秋のお花見つけました!

ノコンギク

△ノコンギク

秋頃に花をつけるこのお花は【ノコンギク】です。高標高域に咲くのではなく、広河原や林道など比較的低標高域に咲きます。この可愛らしい紫色の花を見つけると秋を感じます。広河原では、あちらこちらで咲いているので探してみてください。

広河原よりも標高が500mほど高い北沢峠では木々の色づきがかなり進んでいます。

木々が紅葉・黄葉している北沢峠

△木々が紅葉・黄葉している北沢峠

北沢峠はシラビソやトウヒなど紅葉しない樹木が多いですが、ところどころで赤や黄色に樹木が染まっており、絵の具で塗ったような見事な色付きでした!空を見上げると太陽の日差しでより綺麗に見ることができますよ♪この日は1日中太陽が出ていましたが、標高2,000mほどの北沢峠ではフリースを着ていても少し肌寒く感じました。お越しの際は暖かい格好で来てくださいね。

 北沢峠に現れた沼  普段の光景

△北沢峠に現れた沼               △普段の光景

(撮影場所は若干異なります。)

北沢峠の長野県側、こもれび山荘の前に大きなくぼみがあるのをみなさん、ご存じでしょうか?夏はコバイケイソウなどがこのくぼみいっぱいに咲きます。このくぼみに先日の台風24号の影響によってなんと、大きな沼ができてしまったようです!!台風後は毎回北沢峠休憩所の現地確認に訪れます。その際、川の増水はよく見かけますが、北沢峠前のくぼみに沼ができているなんて事はありませんでした。継続的に大雨が降っていたものと考えられます。水位が高いので、水が完全に引くまで時間がかかりそうです。今なら水面に反射した紅葉した木々を見ることができますよ!

今回の台風24号は南アルプスに大きな爪痕を残しました。道路や登山道が通行止めになっている場所もあります。また、南アルプス南部では営業を終了した小屋が多くなり、南アルプス北部でも今週末で営業終了という小屋もあります。下調べを十分に行い、楽しく安全な登山を心がけてくださいね!

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2018年10月02日南アルプスにも秋がやってきました

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

928日から29日にかけて荒川岳へ行ってきました。南アルプスでも紅葉が始まっています!

富士山と白峰南嶺と紅葉

△富士山と白峰南嶺と紅葉

千枚小屋(標高2,600m付近)周辺でも徐々に色付き始めています。赤や黄色の色づきが空の青さに映えますね!千枚小屋周辺からは富士山や笊ヶ岳や笹山(黒河内岳)などを含む白峰南嶺を望むことができます。ガイドさんによると静岡県側から見る富士山は山頂の両サイドに猫の耳のような突起を見ることができるそうです。登られた方はぜひ、注目して見てみてください。

千枚岳直下から見る荒川岳斜面の紅葉

△千枚岳直下から見る荒川岳斜面の紅葉

千枚岳(標高2,880m)付近では荒川岳斜面の紅葉を楽しむことができます。黄色や赤く色付いた木々が綺麗です。これからさらに色付くことでしょう。楽しみですね!

タカネマツムシソウ

△タカネマツムシソウ

千枚岳からのルートは高山植物がたくさん咲いています。今年は花期が2週間ほど早まっているせいか、昨年の同時期に見ることができた高山植物はほとんど枯れていました。唯一、綺麗に見ることができたのはこのタカネマツムシソウです。花の周りにある丸い葱坊主のようなものは花が落ちたタカネマツムシソウです。綺麗な花の容姿からは想像できない形です。

△悪沢岳

△悪沢岳

悪沢岳も秋へ姿を変えていました。夏は鮮やかな緑に包まれていましたが、秋はオレンジや黄色に変身!同じ山でも季節を変えて登ってみると異なった顔を見せてくれるので、何度登っても楽しむことができますよね♪

高標高域では冷え込みがかなり激しくなっています。日が差していても立ち止まったり、風が吹くと急激に寒くなってしまいます。寒さに対応できる服装を準備するようにしてください。また、南アルプス南部の山小屋は夏季に有人だった山小屋が無人の冬季小屋となっているところも多くなっていますので、最新の情報を収集して安全に秋山を楽しんでください。

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2018年09月25日南アルプスの隠れスター!栗沢山

南アルプス国立公園 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

みなさんは『南アルプスの山』と聞いてどんなことを思い浮かべますか?「アクセスが悪い」、「歩行時間が長い」、「登山初心者向けの山がない」などが挙げられると思います。確かに、マイカー規制がゆえに、時間に縛られた登山になってしまいますし、山小屋や山頂に着くまでの歩行時間がルートによっては日帰りでは難しいところもあります。そのため、気軽に登ることはできず、重装備になりがちかと思います。

南アルプスに登りたいけど、重装備はまだ持てない!日帰りでバスの時間にも追われない登山がしたい!今年こそ南アルプスデビューしたい!そんなあなたにぜひ、ご紹介したい山があります!

栗沢山頂上から見る甲斐駒ヶ岳

△栗沢山頂上から見る甲斐駒ヶ岳

長衛小屋から約2時間。標高2,714mの栗沢山です。北沢峠の標高が約2,000mなので、標高差は700mほどになります。栗沢山は早川尾根の最北端にあり、甲斐駒ヶ岳(東駒ヶ岳)の真正面に位置しています。山頂からは写真のようなとてもかっこいい甲斐駒ヶ岳を見ることができます。

栗沢山山頂から見る仙丈ヶ岳

△栗沢山山頂から見る仙丈ヶ岳

甲斐駒ヶ岳のほかにも仙丈ヶ岳や北岳、鳳凰三山やアサヨ峰などを見ることができます。360度展望を楽しむことができるので、「次はあの山に登りたい!」と目標とする山も決めることもできますね。アサヨ峰は早川尾根の中で1番標高が高い山で山梨百名山および日本三百名山に選ばれています。体力に自信がある方はアサヨ峰まで足を伸ばしてみるのもいいかもしれません。

栗沢山への主な登山口は長衛小屋から栗沢山山頂直登コースと仙水峠経由コースの2つに分かれます。

栗沢山直登コースの樹林帯

△栗沢山直登コースの樹林帯

栗沢山山頂直登コースは樹林帯を進みます。森林限界が高いので、頂上付近になるまでひたすら樹林帯の中を歩きます。視界が開けてくるとハイマツ帯、岩場になります。岩場と言っても高度感があるわけではなく、マークもきちんとあるのでご心配なさらず。北岳や仙丈ヶ岳を横目に爽快な稜線歩きを味わえます。

仙水峠経由コースは樹林帯をしばらく歩くと無数の岩石が現れます。

仙水峠下にある無数の岩

△仙水峠下にある無数の岩

この岩石は岩塊流(がんかいりゅう)と呼ばれ、氷期に凍結破砕作用で生産された岩屑が斜面下方へ移動し、後に細粒が流水によって除去されたために生じた地形のことをいいます。仙水峠は日本を代表する岩塊流の1つです。南アルプスでは仙水峠のほかに、早川尾根上にある白鳳峠でも同じような地形を見られます。

どちらのルートも変化に富んでおり、さまざまな景色を楽しむことができます。周回コースにすると両方のルートを楽しむことができるのでオススメです!日帰りにこだわらず、下山後は山小屋に宿泊して北沢峠周辺のコケなどを楽しむのもいいですね♪

山登り初心者の方、南アルプス主峰を制覇したけど栗沢山は登ってないというあなた!これからの紅葉の季節をこの栗沢山に登ってみてはいかがでしょうか?

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2018年09月18日塩見岳での高山植物保護作業

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官事務所の本堂です。

915日から17日にかけて、環境省事業として塩見岳にて南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの方々と伏工作業を行いました。

塩見岳東峰山頂直下ではかつてシナノキンバイやハクサンイチゲなどが見られるお花畑が広がっていましたが、ニホンジカの採食圧や踏圧によって植生の変化が進み、やがてニホンジカが好まない植物すらなくなり、山肌がむき出しになってしまいました。氷河跡地の上部は土壌が薄く、一度表土が剥がれ落ち、土壌侵食が起きてしまうと、植生の自然回復は困難になってしまいます。そのため、2009年(平成21年)から毎年、塩見岳東峰山頂直下ではヤシマットの設置を行っています。

作業のようす その1

△作業のようす その1

作業のようす その2

△作業のようす その2

前日は雨に打たれましたが、伏工作業当日は時折晴れ間もあり、暑すぎず寒すぎず、作業を行いやすい天候でした。南アルプス高山植物保護ボランティアネットワークの方々にもご協力いただき、塩見小屋から一人ひとり歩荷したマットをお花畑の裸地部分に敷き、四隅や途中部分に張りピンを木槌で打ち、シュロ縄で固定します。最後に抑えの石を置いて完成です。マットで覆うことによって土壌が流れにくくなるほか、マットはヤシ繊維製マットを使用し、耐久性があるので、保温性を高めることができます。地面の温度変化が穏やかになると、飛んできた種から芽が出やすくなる効果もあります。昨年設置したマットには新しい命が宿っていました!

昨年設置したマットに定着した植生

△昨年設置したマットに定着した植生

すでに高山植物は枯れてしまっていましたが、マットにはオンダテなどが根をつけていました。わたしは昨年に引き続き、2回目の参加になりますが、伏工の効果をはっきりとみることができたのでこの作業にやりがいをとても感じました。元のお花畑に戻るまでかなりの年月がかかってしまうと思いますが、いつかこの場所に緑やお花畑が戻ってきてくれることを願います。

山を歩いていると木々がほんのり黄色や赤色に染まっていました。高山植物のシーズンが終わり、いよいよ紅葉シーズンの始まりですね!!コケモモやナナカマドの実も赤くなり、一足先に秋を感じてきました。

赤く色づいたナナカマドの実

△赤く色づいたナナカマドの実

広河原でも白鳳渓谷の紅葉を一目見ようと多くの方で賑わいます。野呂川の清流の音を聞きながら紅葉を楽しむのもいいですね♪朝晩問わず、日中も冷える日がありますのでお越しの際は防寒着を必ず持ってきてくださいね。

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2018年09月11日野呂川広河原インフォメーションセンターの展示をリニューアル!

南アルプス国立公園 南アルプス 本堂舞華

みなさん、こんにちは。

南アルプス自然保護官の本堂です。

先日、野呂川広河原インフォメーションセンターの展示を新しくしました。

新しく設置した展示

△新しく設置した展示

展示場所は1階と2階を結ぶ階段の壁になります。

展示のようす その1

△展示のようす その1

展示のようす その2

△展示のようす その2

展示のタイトルは「南アルプス国立公園 -アクティブ・レンジャーが見た南アルプスのいろんな顔-」です。南アルプスには珍しい動植物や素晴らしい景色、自然の魅力がたくさんあります。何度登っても毎回違った顔を見せてくれるので全く飽きません!そんな南アルプスが私は大好きです。巡視や防鹿柵などの日々の活動の中で心引かれた風景や動植物を集めました。場所の関係もあり、展示数は多くありませんが、少しでも南アルプスのいろいろな魅力をみなさんに伝わればいいなぁと思います。そして、この自然を守っていきたいと思っていただけると幸いです。

バス・タクシー乗り場、お手洗いがある1階を多くの方が利用されますが、2階に休憩・展示スペースがあることをご存じでしょうか。野呂川広河原インフォメーションセンター2階には南アルプスの自然についての展示や登山道情報、山の雑誌や本が揃っています。また、2階のクマ対策の展示の下にはアンケートを設置してあります。展示に関するご感想やリクエスト、インフォメーションセンターについてのご要望等がございましたら、アンケートにぜひご協力ください。ちょっと休憩したくなったとき、雨が降ってきたとき、自然についてもっと知りたいと思ったときには、ぜひ、野呂川広河原インフォメーションセンターに足を運んでみてください。きっとこれまでよりも違った角度で南アルプスを見ることができるかもしれません。

展示設置を行った日の野呂川広河原インフォメーションセンターから見た北岳は真っ白でした・・・

9月10日の広河原から見た北岳

910日の広河原から見た北岳

このあと大雨が降り、気温がぐっと下がって寒くなりました。街ではまだ半袖でもちょうどいいくらいですが、山ではもう長袖、もしくはフリースがちょうどいいくらいです。朝晩冷え込みが激しいのでフリース等の防寒着が必須です。北岳の登山道で一定期間、通行止めになる区間もあります。詳しくはこちらをご覧ください。 →  http://www.minami-alpskankou.jp/cat15/ 連休が続きますが、安全に無理をしない登山を心がけましょう。

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