ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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佐渡

44件の記事があります。

2016年12月28日間もなく繁殖期!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。



<飛翔する16羽のトキの群れ:12/8撮影>

 日本各地で鳥インフルエンザが猛威をふるっています。佐渡島内での発生は確認されていませんが、トキ関係者の間では緊張が続いています。

 そのような中、佐渡のトキたちは着々と繁殖期に向けて準備を整えていっています。島内の複数のトキたちにおいて、繁殖期が近いことを知らせる羽色の変化が確認されました。

 トキは繁殖期が近付く12月頃になると、首のあたりの黒い皮膚が厚くなり、粉状になってはがれ落ちます。これを水浴びをしてこすりつけることにより、頭から背中にかけて羽根の色を灰色に染めていきます。このように羽根の色を変えるのはトキだけだと言われています。


<着色が始まった個体(右)と、着色していない個体(左):12/8撮影>

 灰色に染まった羽根は、トキが繁殖可能な状態であることを表すとともに、巣で卵を抱く際の保護色の役目を果たすとも考えられています。

 今年は、放鳥したトキではなく、野生下で誕生したトキ同士のペアから「純野生トキ」が42年ぶりに巣立ちました。野生下で誕生したトキは生存率・繁殖成功率ともに高い傾向にあります。
 来年の繁殖期の結果や、いかに。トキたちに期待して、モニタリングにのぞみ
たいと思います。


 それでは皆様、よいお年をお迎えください。






トキに近づかず、やさしく静かに見守りましょう。

地域に迷惑をかけないようにしましょう。農地へ無断で入らないようにしましょう。

車から降りずに観察しましょう。

大きな音や光を出さないようにしましょう。

繁殖期間(2月~6月)は、巣に近づかないようにしましょう。

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2016年12月02日放鳥トキ、山形県に飛来!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。



 山々は雪に覆われ始め、いよいよ佐渡でも冬到来です。

 寒さも厳しくなってきた11月11日、佐渡から遠く離れた「山形県鶴岡市」で、トキ1羽の飛来が確認されました。



 
 このトキは、個体識別用に脚に付けられているリングによって、今年6月に佐渡で放鳥されたNo.258(1歳、メス)だと判明しました。

 No.258は10月25日の佐渡の小木(おぎ)地区での確認を最後に、観察されていませんでした。

<佐渡の小木地区にて枯木にとまるNo.258>

 佐渡から山形県鶴岡市までは、直線距離にしておよそ150㎞。佐渡から本州へは最短でも30㎞以上に及ぶ佐渡海峡を渡らなければなりません。

 この海を渡り、しかも山形県で確認されたというニュースは、モニタリングチームを驚かせました。こうしたトキの驚きの行動を身近に経験できることは、トキモニタリングの醍醐味です。

 さて、本州へのトキの飛来は先月10月13日に新潟県長岡市で確認されたNo.276(1歳、メス)に続き19例目、山形県への飛来は3例目です。

 まだまだ若く、これからどのような動きをするのか全く読めないNo.258。次はどこに現れるのでしょうか。私たちの身近な場所に飛来することがあるかもしれません。

++++++++++++++ 【トキを目撃した際は下記へご連絡ください】 ++++++++++++++

関東地方環境事務所 佐渡自然保護官事務所

電話番号:0259-22-3372

FAX  :0259-22-3379

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

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2016年11月30日トキモニタリングの す ご い 紹介します!

佐渡 原奈緒子

皆様、はじめまして!

新しく、佐渡地区のアクティブ・レンジャーとして着任いたしました、原奈緒子です。

このアクティブ・レンジャー日記を通して、より多くの方々に私たちの仕事内容やトキの事について知って頂けたらと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。

今回は、アクティブ・レンジャーの主な業務である、トキのモニタリング方法について紹介致します。

~モニタリングのココがすごい!~

トキのモニタリング業務は、環境省の職員だけでなく、地域のボランティアの方々や新潟大学などと連携してモニタリングチームを作り、毎日、日の出前からトキの行動を追跡しています。なんとこのモニタリングはトキが初めて放鳥された2008年から一日たりとも途絶えたことがないのです。これもモニタリングチームのトキに対する熱い思いのあらわれですね。

~モニタリングの道具がすごい!~

普段のモニタリングで使用している道具は無線機・双眼鏡・望遠カメラ・・・

そして、今回紹介する'スコープ'です。

これがスコープ。車の窓に装着して使用します。

車に装着したスコープ

トキはどこにいるでしょうか・・・?

スコープから観察する風景

*トキが驚かないように、200m程度離れたところから、車内で観察するのが基本です!

赤枠内に注目!! 3羽いるのが見えるでしょうか?

トキの位置拡大

これをスコープから覗いてみると、、、

スコープから覗いて見るトキ

こんなに大きく見えるのです!これなら足環もばっちり読めますね。

スコープはそれぞれの個体に装着している足環を読み、個体識別するために必要不可欠な頼れる道具なのです。

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2016年10月21日放鳥トキ、本州に飛来!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。
 
 <10月1日 佐渡市外海府の枯木にとまるNo.247>

 佐渡では、稲刈りも終盤を迎え、山々は紅葉で色づき始めています。

 さて、先月9月23日~24日にかけて、第15回目となるトキの放鳥が佐渡で行われました。オス5羽、メス14羽の計19羽が飛び立ちましたが、このうちの2羽が、佐渡から海を渡った新潟県弥彦村と長岡市でそれぞれ確認されました。

 10月10日、新潟県弥彦村で2014年生まれのメスのトキ(個体番号269)が、
 
 <9月23日 放鳥直後の269>

 10月13日、新潟県長岡市で2015年生まれのメスのトキ(個体番号276)が確認されました。
 
 <9月23日 放鳥直後の276>

 放鳥当日、この2羽が野生下へと飛び立って行く様子を観察していた私にとって、本州での確認は嬉しいニュースでした。

 放鳥直後のトキたちは、新しい環境に適応するため、早朝から長時間飛び回ります。どこが安全なねぐらなのか、どこが良い餌場なのか、あちこち飛び回って一生懸命情報を収集します。飛び疲れて止まりたくても安心して休める止まり木がどこにあるのか分かりません。分からないことだらけの新しい「野外」という環境は、運が悪ければ天敵に襲われてしまう場所でもあります。放鳥直後から一度も確認されないトキや放鳥数日後に死体で確認されるトキもいます。

 順化ケージという守られた環境とは異なる厳しい野生下で、環境に適応し逞しく生きる新規放鳥トキたちを確認できた時は本当にホッとします。

 No.269、No.276、よく生きていてくれた!10月20日現在も本州で確認されているこの2羽。今後も継続して観察されることを願っています。

 来年は、本州でのトキたちの繁殖にも期待できるかな...?

 
 <2016年生まれの幼鳥。佐渡にて。>


  

  ① トキに近づかず、やさしく静かに見守りましょう。

  ② 地域に迷惑をかけないようにしましょう。農地へ無断で入らないようにしましょう。

  ③ 車から降りずに観察しましょう。

  ④ 大きな音や光を出さないようにしましょう。

  ⑤ 繁殖期間(2月~6月)は、巣に近づかないようにしましょう。

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2016年09月28日第15回放鳥 

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。



 佐渡では稲刈りの全盛期。晴れた日は朝からコンバインの音がし、通勤路では収穫した米を運ぶ農作業車をよく目にするようになりました。

 トキたちは、夏場のように農道やあぜでエサをとることが減り、大好物のドジョウが豊富な刈田に集まるようになりました。


 さて、トキたちにとっては食欲の秋となるこの時期、第15回目となるトキの放鳥が9月23~24日、トキ野生復帰ステーションで行われました。今回放鳥されたトキは1歳から6歳までのオス5羽、メス14羽の計19羽です。

 今回新たに放鳥されたトキには、目印となる2色のマーカーが翼の2カ所(初列風切と小翼羽)に塗られています。


初列風切に青、小翼羽に緑が塗られたNo.269


 放鳥されたばかりのトキは、定まったねぐらを持っておらず、新しい環境の情報を得るために広範囲を飛び回り、普段トキが飛来しないような場所で確認されることがあります。

 野外に出た時は、空に目を向けてみてください。トキが舞う姿を見ることができるかもしれません。


初列風切に橙、小翼羽に赤が塗られたNo.263  


初列風切に橙、小翼羽に青が塗られたNo.264


初列風切に黄、小翼羽に赤が塗られたNo.276


初列風切に黄、小翼羽に緑が塗られたNo.277


第15回放鳥トキ識別表

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2016年09月15日平成28年度「国立公園・野生生物フォトコレクション」

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。



 平成28年度「国立公園・野生生物フォトコレクション」のご案内です。



 環境省関東地方環境事務所では、平成22年度から、管内のアクティブ・レンジャーが撮影した管内の動植物や風景の写真を紹介し、自然の素晴らしさ、大切さを伝え、自然保護や国立公園について普及啓発を行うことを目的に、巡回写真展「国立公園・野生生物フォトコレクション」を関東各地で開催しています。

 佐渡では、第7回目となる写真展を、9月3日(土)から9月25日(日)まで、トキの森公園資料展示館で開催しております。関東地方環境事務所管内の11の事務所で勤務するアクティブ・レンジャー合計15名が新たに撮影した写真計45点を展示し、活動現場からの雄大な自然や活き活きとした生き物の姿をご紹介します。


 佐渡自然保護官事務所からは、トキの写真3点を出品しております。

 トキの森公園へご来場の際は、トキ資料展示館へも足を運んでみてはいかがでしょうか。

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2016年06月21日第14回放鳥終了

佐渡 相原夏帆

 佐渡は田植えも一段落し、新緑のまぶしい季節となりました。

<水田にて休息するウミネコ>

 野生のトキは、繁殖が終わったペアが群れに合流しています。冬は2~3羽で探餌している様子がよく見られましたが、ここ最近は10羽近くの群れで餌を探す様子が見られるようになり、季節の変化を実感しています。

 6月10日から4日間をかけて、第14回放鳥が行われました。トキの放鳥は2008年に始まり、毎年春と秋の2回行っています。今回は合計18羽のトキが放鳥されました。

 放鳥されるトキは、観察時に遠くからでも識別できるよう、特別にアニマルマーカー(動物専用の染料)を使用して着色されています。この着色された羽は、一年ほどで生え替わります。

<上空を旋回するNo.255>

 今回の放鳥では、1日目に18羽中15羽が飛び立ち、残りの3羽は4日目に飛び立ちました。4日目は3羽まとまってドジョウを食べ、満腹になったところで野外へと飛んで行きました。

 放鳥されたトキは、その後地上に降りて探餌している様子や、ねぐらで休んでいる様子などが確認されました。うまく馴染めたようで一安心です。

 今年は野生下で生まれたトキ同士のペアからヒナが誕生し、無事巣立ちました。野生下のトキの生存個体数は160羽を超え、トキの定着・野生復帰に向けて新たな節目を迎えています。

 今回放鳥されたトキが繁殖に参加し、元気なヒナを見せてくれることを期待しています。

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2016年06月10日42年ぶり!「純野生トキ」、巣立ち!

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。


 佐渡では日中、汗ばむ陽気になりました。
 昼間のトキたちは暑さから、口を開けて呼吸をし、体温調節をするようになりました。

 さて、佐渡ではトキのヒナの巣立ちが続々と確認されています。
 6月1日(水)には、1974年以来、42年ぶりに、日本の野生下で生まれ育ったトキのペアから誕生したヒナ、「純野生」トキの巣立ちを確認しました。

<巣立ちした純野生トキのNo. A45>

 環境省では「両脚を巣の外に完全に出すこと」を巣立ちと定義しています。

 トキの放鳥が始まってから8年。かつて日本中の空を飛び回っていたトキたちと同じように、人の手から離れ、みずからの力で生き抜いて行く、野生トキのペアから誕生したヒナの巣立ち。真の野生復帰への大きな一歩と言えるでしょう。

 「純野生」トキたちが、来年も再来年も誕生し、佐渡だけではなく、再び日本各地の空を飛び回る姿が見られる日が来ることを願うばかりです。

 巣立ち後もずっと観察できますように。逞しく生き抜いて行ってほしい。

 祝!純野生トキ誕生・巣立ち!!

<2016/6/10現在、育雛中の野生下生まれ同士ペアとヒナ2羽>

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2016年05月13日5月の佐渡

佐渡 近藤陽子

 皆様、こんにちは。


<飛翔するNo.135:2016年4月5日撮影>


 気が付けば山を覆っていた雪は溶け、水田には稲が植えられ、新緑のまぶしい季節になりました。

 佐渡ではトキの繁殖期真只中。5月10日には今期初となるトキのヒナへの個体識別のための足環装着も行われました。


<今期初、足環を装着されたNo.A33:2016年5月10日撮影>

 繁殖期のモニタリングは通常のモニタリングと異なります。
 普段のモニタリングでは、どこにどの番号のトキがいて、何をしていたかを確認します。
 繁殖期のモニタリングでは、どのトキとどのトキがペアか、そのペアがどこに巣を作っているのか、そのペアにヒナは生まれたのか、そのペアのヒナは何羽いるのか、といったペアごとの詳細を確認するモニタリングになります。
 
 2016年5月13日(金)現在、確認されている営巣中のペア数は27。日ごとに変わる全てのペアの状況を把握するのはなかなか大変です。

 しかし、こうして多くのペアからヒナが誕生し、そのヒナが成長していく姿を観察できることは大きな喜びです。

 モニタリングを行う中で、ふ化しても弱って死んでしまったり、ある程度成長しても天敵に襲われてしまったりと、トキたちが自然の中で生きることの厳しさを目の当たりにします。それでも、多くのヒナは巣立ち、成長し、逞しく生き抜いていきます。 


<巣立ちしたヒナ2羽:2015年5月28日撮影>


<巣立ちしたヒナ1羽:2015年5月25日撮影>


<巣立ちしたヒナ1羽と親鳥2羽:2015年6月1日撮影>


 佐渡の自然と佐渡の人によってトキは約150羽まで増えました。

 今年も多くのヒナが巣立ち、1年後も2年度もたくましく生きる姿が観察できることを願い、今日もモニタリングに励みます。


<飛翔する2015年生まれのNoA32:2016年3月10日撮影>

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2016年02月16日着任のごあいさつ

佐渡 相原夏帆

はじめまして。

新しく佐渡自然保護官事務所に着任いたしました相原夏帆と申します。

これからこのAR日記を通して、日々の活動を伝えていきたいと思います。

先日さっそく、佐渡ARの重要な仕事である野生トキのモニタリングを行いました。

モニタリング業務は、佐渡島内に生息するトキの個体数の把握や行動記録等を目的としており、地域の市民ボランティアの方々と協力しながら記録を積み重ねていきます。

歩き回るトキの足環のナンバーを読み取るのはとても難しいですが、識別できたときの喜びはひとしおです。

先日は初めて、ねぐらから飛び立つトキと、ゆっくりと水田を歩き餌をとるトキの様子を観察することができました。雪の里山で見る朱鷺色はとても美しいもので、いつまでもこの風景を残していきたいと思いました。

今後もトキの野生復帰に向け努めてまいりますので、どうぞよろしくお願いします。

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