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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

令和6年 冬の様相 (主として奥多摩周辺)

2024年03月27日
秩父多摩甲斐国立公園 青木 敏彦
 令和6年は元日の能登半島地震、2日は羽田空港における航空機の衝突事故が発生し、心配のうちに始まりました。
3月下旬になりましたが、東京でソメイヨシノの開花宣言はまだ出ていません。(3月26日現在)
暖冬の予報でしたが、過ぎれば気温の変動が大きく、関東地方を通過する南岸低気圧の影響で降雪も何度かあり、
見渡す奥多摩の山々にはまだ残雪が僅かに視認できます。
ARになって2度目の冬を迎え、奥多摩地域を中心に巡視等を行いました。
冬の秩父多摩甲斐国立公園(主として活動は奥多摩エリア)は、空気が澄み落葉し眺望が素晴らしいことが特徴の一つです。

1. 榧ノ木尾根(1月中旬):「奥多摩湖鷹ノ巣山線(歩道)」

目的:登山道状況確認ほか。
合同巡視:東京都多摩環境事務所さん・東京都レンジャーさん
状況:眺望に恵まれ気持ちの良い尾根です。
   一部に地形が平坦で落葉が道を覆い「道迷い」の多発地点もあり、指導標やガイドロープ及び危険個所の確認等を行いました。
積雪:この時はなし。
尾根上に設置されている道標
道迷い回避のガイドロープ

2. 三頭山ヌガザス尾根(1月下旬):「奥多摩湖三頭山線(歩道)」

目的:奥多摩湖の川野よりヌカザス山まで登山道状況を確認しました。
合同巡視:東京都レンジャーさん
状況:痩せ尾根・道迷い箇所の道標等の整備状況を確認しました。急坂は慎重に降りましょう。
積雪:この時はなし
特記:カモシカを発見しました。(遠くて写真は撮れず)
山頂北側の痩せ尾根を登る
樹間越しに飛龍山方面の眺望

3.雲取山石尾根(3月中旬):「日原七ツ石山線(歩道)」

目的:五十人平周辺の確認ほか。
合同巡視:東京都多摩環境事務所さん・東京都レンジャーさん
積雪:標高が高く十分な積雪がありました。陽の当たる尾根は雪解けしているものの、北斜面や樹林帯内は膝くらいの積雪でした。
   滑り止めは当面必要と思われます。
七ツ石山頂より雲取山を望む
ダンシングツリー(石尾根)

4.大岳山(3月中旬):「氷川鋸山線(歩道)」「御岳山三頭山線(歩道)」

目的:鋸尾根の階段・鎖等の状況、大ダワのトイレ(冬季使用可)の確認ほか。
合同巡視:奥多摩ビジターセンターさん
状況:岩場や急登も階段や鎖、道標も良く整備されていました。
積雪:標高を上げると(概ね1,000m以上)は残雪(3~4cm程度)が現れ、アイゼン等の滑り止めの選択を迷います。
   当面は、念のため滑り止めの持参をお勧めします。
特記:大岳山は当事務所から視認出来、巡視したい思いがかないました。
鋸尾根に設置されたアルミ製の階段
鋸山・大岳山間の尾根上の積雪状況

5. 瑞牆山(3月下旬):「瑞牆山線(歩道)」「里宮平金峰山線(歩道)」

目的:登山道状況の確認ほか。
積雪:トレースはついていますが、登り出しから雪道の行動となり、滑り止めは当面必要です。
   富士見平小屋は冬季休業中でした。
特記:展望に恵まれ、南アルプス・八ヶ岳を間近に望めました。
   また瑞牆山の全容が眺められる地点からはいつもその容姿に感動を覚えます。

富士見平小屋付近
瑞牆山雄姿
木製階段