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関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

豪雪地尾瀬。。。

2024年03月07日
檜枝岐 奥 美絵
最近、「冬期、尾瀬に入りたいのですがどうやったら入れますか?」
「来週尾瀬に行こうと思うのですが登山する事は可能ですか?」といったお問い合わせを頻繁に頂きます。

→回答「複数ある登山口への道路は積雪のため冬期通行止めとなり、
シャトルバスも運行していないことから基本尾瀬への入山は出来ません!」

(※会津駒ヶ岳は、冬期間も登山口へのアクセスが可能です。)
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(↑福島県檜枝岐村から御池登山口、沼山峠登山口に向かう冬期通行止めの国道352号)
尾瀬は、冬期積雪量が2m~4mほどにもなる  豪雪地 なのです!
その為、尾瀬のシーズンは5月上旬~10月末までの半年、11月以降の半年は雪に覆われる為、尾瀬はオフシーズンとなります。

そんな中、冬の間に2、3度、山小屋関係者や業者(雪下ろしのスペシャリスト)の方々は尾瀬に入り山小屋やビジターセンターの屋根の雪下ろしを行います。(雪下ろしをしないままでいると雪の重みで施設が損傷したり、潰れてしまう恐れがあるためです。)
尾瀬好きの私としては真冬の尾瀬がどのようになっているのかかなり気になるところです。
毎年、環境省所管施設である尾瀬沼ビジターセンター等の雪下ろしには檜枝岐自然保護官事務所職員も同行していますが、残念ながら、今年2月上旬の雪下ろしはタイミングが合わず同行できませんでした。

下記写真は、雪下ろしに行かれた山小屋関係者様からいただいた写真です。
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こちらは今年3月5日の尾瀬沼地区
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こちらは2年前の同時期の尾瀬沼地区
同じ建物では無いので少しわかりにくいですが、今年の写真(左)は2月半ばに1度雪下ろしをしているものの、半月経っても屋根に雪が積もっていません。 それに比べ2年前の写真(右)の屋根にはこんもりと 雪! 建物もすっぽりと埋まっています。
山小屋さんのお話だとこちらが例年の冬の尾瀬だそうです。
想像以上の積雪量ですね!!

ところで、 雪が少ないとどうなるのでしょうか?

積雪量が少ないと通常よりも早く雪が溶け、早い時期に地表が現れます。雪が無くなったことで植物達も早くに芽吹き始めます。ところが、まだ朝晩冷え込むことの多い時期、せっかく芽吹いた新芽が霜にやられてしまうのです。昨年がまさにその状態でした。昨年も暖冬と言われ雪が少なく早くに地表が現れ、芽吹いた新芽が霜にやられてしまいお花の少ない年となってしまいました。
 
暖冬と言われる今年、昨年と同じような状況にならないことを祈るばかりです。
​◆◆おまけ◆◆
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雪が降った翌日の事務所前
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除雪中の事務所前
冬が来る前、「檜枝岐事務所の冬の朝は、まず除雪から始まる!」と聞いていました。
が、朝の除雪も今年は数える程度。今年度4月に雪とは縁遠い地域から檜枝岐に着任してきた私には、積雪も除雪も除雪道具も全てが新鮮です。今年は雪が降り始めるのも遅く、あっという間に雪のシーズンが終わってしまいそうです。暖冬と言わずもう少し豪雪地を味わいたいものです。