アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
冬鳥観察会inイタリ池(箱根地域)
2019年01月30日こんにちは!富士箱根伊豆国立公園管理事務所の三瓶です。
今年に入って全く雨が降らないですね。まだ雪景色が見られていないのが少し心配です。
さて、前記「芦ノ湖水鳥調査」でお伝えしたとおり、箱根には越冬を目的に様々な水鳥がやってきます。
今回は箱根自然解説活動連絡協議会主催の自然講座「冬鳥観察会inイタリ池」にスタッフとして参加してきました。
開催場所は箱根カントリー倶楽部内にある「イタリ池」と呼ばれる調整池の周辺。
このゴルフ場は、動植物との共生に配慮された自然環境が保たれているため、多くの動植物が生息し、その緩急を好むカモ類をはじめ多くの冬鳥が多く飛来します。
今回は箱根カントリー倶楽部のご協力の下、普段は会員以外に解放されていないその場所で観察することが出来ました。
【観察中の様子(イタリ池前)】
この池は芦ノ湖に比べて水深が浅く、日が良く当たるため藻類が繁殖しやすい環境になっているため、その環境を好んだ水鳥を多く観察できました。
【ハシビロガモ(左のカラフルのカモ)とオカヨシガモ(右の全身灰色のカモ)】
浮遊する藻類を好む水鳥で、ため池や湖などの止水域を好む水鳥です。集団で行動し、浮遊する藻類をかき集めて食べる行動がよく見られました。
【オオバン】
草食性の水鳥で水草や写真の様に陸地の草本類も食べます。クイナ科に属するため、カモ類特有の水かきが足にないのが特長です。西日本に多い傾向でしたが、近年だと水辺があればどこでも観察できる種類です。
【ツグミ】
開けた草地から林縁部など日当たりの良い環境を好む冬鳥です。「ケケケ」と鳴いて飛ぶことが多いので、その声が聞こえたら探してみましょう。
【ノスリ】
小動物(ネズミやトカゲなど)を好む大型の猛禽類です。参加者の1人が赤丸箇所に止まっているのを、この距離を肉眼で発見したそうです・・・。すごすぎる・・・。
〈確認できた種類*五十音順〉※下線が冬鳥です。
アカハラ、アトリ、アオサギ、ウソ、オオバン、オカヨシガモ、ハシビロガモ、カイツブリ、カワウ、カワセミ、カワラヒワ、キジ(鳴き声のみ)、キンクロハジロ、シメ、シロハラ、ツグミ、トビ、ハシボソガラス、ヒドリガモ、ホオジロ、ホシハジロ、マガモ、モズ など(参考:タヌキ)
上記の種類だけでも、多くの野鳥が生息、越冬している事が分かりました。多くの野鳥を観察できたので、参加者も満足された様子でした。引き続き、来年度も観察できるようにこの環境を維持していただきたいですね。