アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
明神ヶ岳の山頂でみえたもの
2020年04月27日アクティブレンジャー(AR)日記をご覧の皆さま、はじめまして。
今年度より富士箱根伊豆国立公園にアクティブレンジャーとして着任致しました、高木と申します。
前職では、動物の飼育管理に携わっていましたが、より自然環境に近い場所で人と自然環境の
共生のことを考えたいと思い、この自然豊かな箱根で仕事をさせて頂くことになりました。
さて、まだまだ箱根の魅力を知っていく途中の段階ですが、付近の山に巡視にも行き始めています。
今回はその中でも明神ヶ岳(みょうじんがたけ)を歩いた時の様子をご紹介したいと思います。
▲明神ヶ岳とフジザクラ
明神ヶ岳は、箱根の観光名所でもある大涌谷などを含む箱根山、
それをさらに取り囲む箱根外輪山の一部です。
箱根外輪山では、麓に公時(きんとき)神社があり金太郎ゆかりの地でもある金時山が有名ですが、
そこから南東へと続く明神ヶ岳は、山頂が開けていて天気が良ければ大涌谷や富士山も良く見える気持ちのいいところです。
4月上旬の明神ヶ岳から南に下るルート上では日当たりの良いところでタチツボスミレが咲いていたり、
▲タチツボスミレ
岩の上など目立つところにテンのものと思われる糞が点在していたり、
生き物が活動的になってきていることを実感しました。
山頂は開けていて気持ちが良く、東側には相模湾が望めました。個人的には最高のロケーションです。
また、土砂の流出がある一帯では植生復元の為の作業地(立ち入り禁止です)があるのですが、そこではゴミが多数見受けられました。
半分地面に埋まっているような状態でしたが、手に取ってみると空き缶はぼろぼろでデザイン的にも恐らく昭和のもの(もう令和ですので、2世代も前ですね...)です。
▲山頂の植生復元作業地
▲山頂から相模湾への眺望
山を歩いていると時たま出会う残念な光景ですが、土砂からゴミが出てくる景色には驚きますし、山積した人間の行動1つ1つが与える影響について思い知りました。
この日は回収の為のゴミ袋等を準備していなかった為、ゴミの撤去は出来ませんでしたが
感染症が少し落ち着いた頃にでも回収作業が行えればと思います。
何十年後にこの山を登るであろう人達の為にも、ゴミのない綺麗な景色を作っていきたいですね。
初めての投稿で少し暗いお話になってしまいましたが、今後も箱根の魅力や現状を伝えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。