ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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富士箱根伊豆国立公園 沼津

231件の記事があります。

2013年04月03日田貫湖の展望デッキと木道歩道が新しくなりました。

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

昨年度から行われていた田貫湖畔の展望デッキ及び木道歩道の改修工事が終了しました。


改修工事中には通行制限などのご迷惑をおかけしましたが、みなさまのご協力により、無事に工事完了となりました。
ご協力いただきありがとうございました。

新しい展望デッキは、階段とスロープの2コースで湖畔近くまで行くことができるようになりました。(以前はスロープのみでした)
また、スロープの傾斜が以前より緩やかになるなど、様々な方に楽しくご利用いただけるようになったと思います。

この展望デッキは田貫湖越しの「ダイヤモンド富士」が見られるポイントとして有名な場所です。
「ダイヤモンド富士」が見られる時期は、4月20日前後と8月20日前後。
間もなく今年度1回目のチャンスがやってきます。

毎年、多くの方がこの時期に展望デッキでカメラを構えますが、マナーの問題も発生します。
周りの人に迷惑となる行為をせず、楽しく鑑賞・撮影をしていただきますようお願い致します。

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2013年03月13日伊豆山稜線歩道から見た富士山

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島には「伊豆山稜線歩道」が整備されています。
伊東市の天城高原にある天城高原ゴルフ場から、八丁池や天城峠・仁科峠などを経由して沼津市の戸田峠の間を歩くことができます。
その間には所々に富士山を望める場所があります。

先日、伊豆山稜線歩道の内、戸田峠~猫越峠の巡視を行った際はとても良い天気に恵まれ、きれいな富士山を撮影することができたのでご紹介します。


左上:仁科峠展望台 右上:猫越(ねっこ)展望台
左下:猫越峠~大ブナ峠間の歩道にて 右下:小達磨山下にて


仁科峠展望台から300m程猫越峠方面へ歩いた歩道より
富士山の右手は箱根の山々です。


猫越展望台より、引きの図。
富士山の左手には南アルプスの山々が見えます。

こんな富士山を見ることができる伊豆山稜線歩道は、距離も長くアップダウンもあります。
また比較的風当たりが強い場所でもあります。
コースタイムや天気を確認し、装備を整えて体調を万全にしてお出かけ下さい。

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2013年02月27日大室山の山焼き

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

大室山は、伊豆半島東海岸の伊東市にある標高579.6mの山です。


大室山

約4000年前の伊豆東部火山群の活動中に噴火してできた単成火山で、平成22年に単成火山の典型例として国の天然記念物に指定されました。

以前は麓から歩いて登ることができましたが、現在は山自体の保存や植生保護のため、リフトでのみ登ることができます。

この大室山では、毎年2月の第2日曜日に「山焼き」が行われます。
700年以上続いていると言われている行事で、カヤで覆われた山肌を焼くことで害虫を駆除し、春に芽吹く植物の育成を助け、大室山の自然を維持していくために行われています。

当日は風もなくいいお天気で、山焼きを見学するために大勢の人が大室山の麓を訪れていました。
山焼きは、万全の安全体制の下行われましたが、点火から焼き終わるまでたったの20分でした。
その早さに驚いたのは言うまでもありません。


終了後の様子

今は写真のような状態ですが、植物が芽吹いてくれば緑に覆われた大室山の姿が見られるでしょう。

大室山の西側には「さくらの里」という公園があります。
間もなく、桜の花の向こう側に新芽で覆われた緑の大室山の姿が見られることと思います。
ぜひ足を運んでみて下さい。

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2013年02月13日明神池(みょうじんいけ)

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島西側の海岸線に整備されている『西伊豆歩道』は、北部の大瀬崎から南部の堂ヶ島まで10コースあります。
先日、その内の井田コース(大瀬崎の少し南)を巡視しました。

コース内には『明神池』と呼ばれる淡水の池があります。
明神『池』と呼ばれていますが、海に面した入り江の湾口が閉ざされて次第に淡水に変わっていった『海跡湖(かいせきこ)』で、鯉やオオタニシといった淡水で生息する生き物が見られます。


明神池(松林の向こうは海)
明神池の周囲は約650mで、1周することができます。
歩道脇には東屋やベンチが整備されているので、のんびりするのもオススメです。
巡視した日には、スイセンやロウバイの花を見ることができましたが、春になれば池の周囲の桜が咲いてきれいなことでしょう。

コースはここから標高を上げて、展望地の『煌めきの丘』へと登ることになります。
足元がゴツゴツしているので、ご利用の際にはお気をつけ下さい。
『煌めきの丘』は展望地としても有名な場所です。


『煌めきの丘』より富士山を望む

写真からもおわかりかと思いますが、コースは集落から海岸線に出て明神池を通り、この展望台まで続いています。
けっこうな高さを登りますので、コースを歩く際には適した服装にていらして下さい。

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2013年01月30日松林の景観を守る活動

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島東側にある城ヶ崎海岸は、伊豆高原の大室山から流れ出た溶岩と海の浸食作用によって形成された海岸線や松林の景観が美しいことで知られる観光地です。


城ヶ崎海岸

この景観を保全するため、地元の方々は定期的に清掃活動をおこなうなど様々な作業を実施しています。
しかし、数十年前、城ヶ崎海岸の松に異常が確認されました。
「マツノザイセンチュウ」の感染による松枯れです。
※マツノザイセンチュウは、カミキリムシの体に付いて移動し、カミキリムシが松の幹を食べたところから木の中に侵入します。

このことから、地元の方々は薬剤散布などの対策を始め、10年ほど前からは「樹幹注入」を行うようになりました。
「樹幹注入」は、松の幹に直接薬剤を注入して、マツノザイセンチュウの侵入・感染を防ぐというものです。
毎年冬に行われる「樹幹注入」作業。
今年は1月19日の早朝から実施され、私も参加してきました。

「樹幹注入」が冬の寒い時期に行われるのは、マツノザイセンチュウが侵入する春~夏になる前に、松の木全体に薬剤が行き渡るようにするためです。
また、松の木の蒸散が盛んになり、薬剤を吸いやすくなるのが太陽の光を浴びる頃なので、作業は早朝の暗い内から始まります。
そんな寒い時期の早朝から始まる作業には、多くの地元の方が参加します。

作業は、樹木医の先生の指導のもと行われます。
と言っても、みなさんはすでに何度も行っていることなので、手早く「作業確認」をして各自作業場所へと散らばっていきます。
実際に作業の様子を見ていると、みなさん手際よく次々に薬剤を取り付けていきます。


取り付けられた薬剤

薬剤を取り付けた後は、松の木が吸収するのを待ってから容器を取り外し、開いた穴を専用の殺菌剤と粘土で埋めていきます。
ここまでの作業を確実に行うことで、今後も松の木は元気よく成長することができます。

早朝から始まった作業が終わるのは午後3時前後。
朝早くからの作業にもかかわらずみなさんの様子はとても元気で、「地元の自然環境を守っていく」という熱意を感じた1日となりました。
この「樹幹注入」により、枯れてしまう松の木が見られなくなったことから今後も続けられていく予定です。

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2013年01月16日逆さ富士

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

先日、田貫湖へ行った際に、素晴らしい逆さ富士を見ることができました。


(田貫湖展望デッキより)

何度もこの場所に来ていますが、ここまで波が立っていない状態に出会えたのは初めてでした。
滅多にないチャンスのため、写真に収めたいし自分の目で見たいし・・・と、少し焦りつつ風が吹かないことを祈りながら撮影しました。

いつでもこのような良い天気に恵まれるといいのですが、そうはいきません。

田貫湖ふれあい自然塾で開催されていた「平成24年度国立公園・野生生物フォトコレクション」(写真展)が終了したため、撤収作業に向かった1月14日(月)は全国的に悪天候でした。
事務所がある沼津は大雨でしたが、田貫湖は雪。

(田貫湖北側の広場にて)

標高約660mの場所にある田貫湖と、海沿いの低い場所にある事務所との差をヒシヒシと感じました。

この日は、連休最終日。
前日までお天気が良かったこともあるのでしょう。
雪が積もった道路をノーマルタイヤの車が徐行運転しているのを見かけました。
冬場の富士山周辺にいらっしゃる時は、人も車もしっかりと冬装備を整えていただけますようお願い致します。

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2012年12月26日平成24年度国立公園・野生生物フォトコレクション開催

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

田貫湖ふれあい自然塾にて「平成24年度国立公園・野生生物フォトコレクション」(写真展)を開催しております。
関東地方の6つの国立公園と8つの鳥獣保護区で活動しているアクティブ・レンジャー15名が、業務の中で撮影した景色や自然を、みなさまにお届けいたします。

開催場所:田貫湖ふれあい自然塾(静岡県富士宮市佐折633-14)
開催期間:平成24年12月22日(土)~平成25年1月13日(日)
開館時間:9:30~16:30


また、田貫湖ふれあい自然塾では、様々な体験プログラムを準備しておりますので、お近くにお越しの際にはぜひお立ち寄りいただき、楽しんでいって下さい。

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2012年12月19日金冠山(きんかんざん)

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

伊豆半島には、富士山がよく見える場所がたくさんあります。
この金冠山もそんな場所の1つです。

金冠山山頂より(2012年12月12日撮影)
富士山の左手に見える山々は南アルプスです。

写真の中の標識にもあるように、金冠山は816mの山です。
伊豆半島の北西部にあり、1番簡単に登れるコースは戸田峠(へだとうげ)からで、峠の駐車場に車を止めると20~30分程で登ることができます。
他にもコースはいくつかありますが、今回は金冠山の西側にある真城峠(さなぎとうげ)から山頂までのコースを巡視しました。
登り始めてすぐに急な斜面が現れるので、足を滑らせないよう注意が必要です。その斜面を登り切ったあとは、比較的なだらかな傾斜が続きます。


歩道は上の写真のような木のトンネルが続きますが、時折眺めの良い場所もあります。


歩道途中の展望地より。

真城峠から山頂までは1時間半~2時間ほどです。
他に、最初にご紹介した戸田峠から山頂までのコース、達磨山レストハウスから山頂まで40~50分ほどのコース、沼津市民の森キャンプ場から1時間ほどで登ることができるコースもあります。
これから一層寒くなりますが、その分空気が澄んでより眺めの良い日もありますので、ぜひ足を運んでみて下さい。

<注意>
伊豆半島でも標高が高い場所では雪が降ります。ハイキング程度でもきちんとした装備でお出かけ下さい。

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2012年12月05日発端丈山(ほったんじょうさん)

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

発端丈山は、伊豆半島西側の内浦湾沿いにある標高410mの山で、周辺は国立公園の第3種特別地域になっているため、定期的に巡視を行っています。
先日も、周辺や施設の状況を確認するために巡視をしてきました。
特に危険と思われる場所もなく問題はありませんでした。

発端丈山は410mと低い山ですが、山頂までは急な斜面が続くので、登っている最中は多少の苦しさを感じます。
それでも途中にある展望地からは下のような眺めを楽しむことができます。


左手の島は「淡島」、奥には沼津の町と愛鷹山が見えています。
また、雲がなければ富士山が裾を広げた姿を見ることができます。

山頂からは360度ぐるりと景色を眺めることができます。
(夏場は山頂の周りの木々の葉が生い茂るので、見づらい可能性があります)

山頂の様子

発端丈山山頂までは、いくつかのコースがあります。
どのコースも短時間で登ることができますが、発端丈山の東側にある葛城山からのルートなどもあるので、登山の際にはどのコースを進みどの登山口に下りるのかを確認して、迷うことがないようご注意下さい。

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2012年11月21日愛鷹山系・越前岳

富士箱根伊豆国立公園 沼津 橋本 和加子

越前岳は富士山の南側にある愛鷹山系最高峰(1,504m)の山で、富士箱根伊豆国立公園富士山地域内では最南端に位置します。


富士山八合目から見た愛鷹山系。(奥に見えているのは天城山系)

越前岳登山にはいくつかのルートがありますが、越前岳北側の十里木駐車場から往復する方が、最も多いように思われます。
次に利用者が多いルートは、越前岳の東側にある山神社という場所からの往復です。
こちらのルート途中には、富士山がきれいに見える「富士見台」という展望地があり、旧五十銭札に起用されました。


富士見台より

ここまでひたすら登りが続く登山道ですが、この富士山が見られればその疲れも吹き飛ぶことでしょう。
また、山頂から富士山は少ししか姿を見られませんが、伊豆半島・駿河湾・下界の町・南アルプスなどを見ることができます。(快晴時)



山頂までは、どちらのルートも往復4~5時間程度です。
山頂付近にはアシタカツツジ群落があり、開花の時期には目を楽しませてくれます。
比較的登りやすい山なので、四季折々の様子を感じる登山にオススメです。

注意:愛鷹山系は太平洋側の暖かい地域にありますが、冬場には霜が降り滑りやすくなったり雪が積もることもあります。
準備・装備はしっかりとして、楽しく登山をして下さい。

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