関東地域のアイコン

関東地方環境事務所

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

登山道整備!

2023年10月30日
檜枝岐 奥 美絵
みなさんこんにちは!
檜枝岐自然保護官事務所の奥です。
 
10月下旬、尾瀬の山小屋も少しずつ閉まり、橋の撤去、トイレの閉所作業等が行われ、尾瀬のシーズンも終わりを迎えています。
 
小屋閉め後の見晴地区。
来訪者もなく、寂しくなりました。
そんな中、尾瀬では10/16(月)~22(日)に笠ヶ岳にて、尾瀬ガイド協会の主催で近自然工法による登山道整備が行われ、数日参加しました。
昨年に引き続き、今年も講師に「一般社団法人 大雪山・山守隊」の岡崎哲三さんお招きし、7日間の工程で実施されました。


 
 
1日目は午前中にみっちりと近自然工法の講習を受けた後、笠ヶ岳へ登山道の視察に行きました。
 
登山道を見ながら状況と原因と施工について話を聞きます。
2日目から作業に取りかかりました。
この日はお天気が悪く、強風で、気温も低かった為、標高2,000mの尾根沿いでの作業は、かなり寒く厳しかったです。

写真は整備箇所付近から使用出来る倒木を運び出しているところです。

足下も悪く、傾斜のある場所での作業は全身筋肉痛となりました。

 
10月半ばを過ぎると、尾瀬はグンと気温が下がります。
最終日は、前日の雨が雪に変わり、尾瀬は真っ白でした。



 
 
雪の中を登ります。
 
原見岩から望む尾瀬ヶ原
最後2日間はボランティアさんを募り、ボランティアさんも一緒に作業をしました。
付近の倒木で足りない分は、下から木材を背負って上がりました。
 
 
今回、近自然工法での登山道整備に参加させて頂き、とても勉強になりました。
講師の岡崎さんは言っておられました。

近自然工法は、人の為の登山道整備では無く、自然の為の登山道整備なのだと。

この言葉が一番私の心に残っています。

普段私達が自然を楽しむ為に山に入ると、少なからずその土壌を踏み、植物に影響を与える→裸地化→泥濘→浸食=生態系を壊す。 
近自然工法とは、その荒廃した場所をよく観察しその地に合った施工で、生態系を復元させる工法である。

私達が自然に踏み入り壊してしまった自然を、少しでも修復することが出来たらと思います。
因みに、こちらは昨年度の整備場所。
一面泥濘だった場所に倒木を利用し、木道を設置したことにより、踏圧での植物への影響箇所が減り、人が踏まなくなった場所に植物が生えてきています。
今年の施工場所が、来年どうなっているのかとても楽しみです♪