檜枝岐

尾瀬沼ビジターセンターの積雪

2023年02月01日
檜枝岐 前川公彦

尾瀬沼へ

みなさん、こんにちは。
全国的に寒い日が続いていますが、こちら檜枝岐村でも毎日のように降雪が続いています。
1月末に毎年行っている尾瀬沼ビジターセンターの除雪に行ってきました。当初は1泊2日で行く予定でしたが、天候が不安定なため日帰りで行くことになりました。
朝6時に檜枝岐村の外れのミニ尾瀬公園を出発したので、沼山峠に着く頃に日の出を見ることができました。沼山峠からスキーに履き替えて尾瀬沼を目指しました。冬道の標識やピンクテープが木の上の方にあり、雪がまだ少ないことを示していました。この日は曇り予報でしたが、思ったより天気が良くなり、晴れ間も覗くようになりました。大江湿原は広大な雪原になっていました。
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沼山峠にて日の出を迎える
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高い位置にあった冬道案内
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冬の尾瀬沼

除雪を始める

尾瀬沼ビジターセンターに着くと、昨年はビジターセンター全体がほとんど雪で覆われて小山のようなイメージでしたが、今年は壁面や屋根の下に隙間が見えて建物の格好をしていました。早速、旧ビジターセンターから除雪機やハシゴなどの道具類を運び出し、みなで仕事にとりかかりました。昨年はハシゴを使わずに屋根まで登れましたが、今年は雪が少なくハシゴがないと屋根に上がれません。雪が少ないとはいっても屋根の上には2mくらいは積もっていましたので、上層から下層まで何回かに分けて雪を屋根の下に落とします。屋根の下に溜まった雪は除雪機を使って遠くに飛ばし、雪を落とすための空間を開けます。昨年は除雪機がパワー不足で経験のある村人でも難儀しましたが、今年は別の除雪機に替えたので特にトラブルもなく順調に雪を飛ばしてくれたようです。
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雪原の大江湿原
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屋根の雪庇を落としたところ
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除雪機活躍中!

除雪の腕

休憩時にふと隣の除雪状況を見ると、私と比べて3倍くらいの面積が除雪されています。こちらも汗をかきながら働いているのにと思って観察すると、スノーダンプに一回に乗せる雪の塊の量が断然違うことに気づきました。私は目の前の雪を掘って下ろすという感覚でしたが、村の慣れた人はブロックにして「大きな塊のまま切り出し、そのまま屋根の下に滑り落とす」という感じの動きです。それはあたかも頭の中の設計図に従って雪を切り出すような動きでした。体力の問題もありますが、私のように目の前の雪を手当たり次第に掻き出すのとでは除雪量に歴然たる差が出てきて当然です。
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除雪作業中
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残すところはあと僅か

帰途へ

この日は燧ヶ岳も見えていましたが、最後まで雲が取れなかったため、山頂部を見ることはできませんでした。除雪作業が終わり、来た時とは逆のコースをたどって沼山峠に向かいました。下りでは雪が重く、シールを付けたままなので途中でころんだりしましたが、一仕事終わり、軽やかな気分で峠に戻ることができました。
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燧ヶ岳と長蔵小屋
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沼山峠頂上部にて

今年のミズバショウは?

今回のビジターセンター除雪のトピックは何と言っても雪の少なさでした。比較のため、過去2年間の尾瀬沼ビジターセンターの積雪の状態を掲載します。実感としては、雪の多かった昨年の半分くらいの積雪量でした。雪が少ないということは除雪が楽になるという一面がありますが、尾瀬にとっては良い面ばかりではないようです。昨年は積雪量が非常に多い年で、春先も遅くまで残雪がありましたが、ミズバショウなどの開花の当たり年でした。一説によると、残雪が多いと花の芽が春先の霜から守られ、開花が良くなるということです。花の開花の善し悪しはそれ以外の要因もあるようなので、必ずしも春先の残雪ばかりが開花状況を左右する訳ではないと思いますが、さて今年の花の開花はどうなるのでしょうか。
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2021年3月
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2022年1月
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2023年1月