ACTIVE RANGER

アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]

関東地方環境事務所のアクティブ・レンジャーが、活動の様子をお伝えします。

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佐渡

89件の記事があります。

2019年06月27日2019年「環境省 アクティブ・レンジャー写真展」開催中

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市新穂青木(にいぼあおき)では、「朱鷺と暮らす郷」認証米PRのため、佐渡市と生産農家とがコラボレーションして企画された田んぼアートが見頃を迎えています。

<佐渡市新穂青木の田んぼアート 6/20撮影>


さて、今回の日記は、2019年「環境省 アクティブ・レンジャー写真展」についてです。

関東地方環境事務所では、平成22年度から、管内のアクティブ・レンジャーが撮影した動植物や風景の写真を多くの人々に紹介し、自然の素晴らしさ、大切さを伝え、自然保護や国立公園について普及啓発を行うことを目的とする巡回写真展「アクティブ・レンジャー写真展」を開催しています。 

佐渡島内では、6月21日(金)から7月10日(水)までの予定で、佐渡汽船両津港ターミナル2階待合室で開催しています。

展示する写真は、関東地方環境事務所管内の13の自然保護官事務所等に勤務する21名のアクティブ・レンジャーおよびアクティング・レンジャーが撮影した計28点の作品です。国立公園や国指定鳥獣保護区といった日本を代表する雄大な自然風景やそこに生きる貴重な動植物の活き活きとした姿をご紹介します。



<会場の様子>

両津港へお越しの際は、写真展へも足を運んでみてはいかがでしょうか。

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2019年06月17日佐渡の空へ!

佐渡 菅野萌

皆さまこんにちは。 

佐渡自然保護官事務所の菅野です。

佐渡では野生下のトキのヒナがすくすくと育っています!

▲幼鳥は顔がオレンジ色です

すでに畦などで採餌をしている幼鳥の姿も確認されるようになりました。

「お外デビュー」といったところでしょうか。

この先の成長が楽しみでしかたありません!

さて、「お外デビュー」をしたのは野生下のトキだけではありませんよ!

6/7に第20回放鳥があり、飼育下のトキ20羽が新たに佐渡の空へと飛び出していきました。

放鳥されたトキは3ヶ月前から「順化ケージ」という場所で過ごし、飛翔や採餌など、

野外で生きていくすべを学んできました。

▲順化ケージ内の様子(放鳥終了後に撮影)

今回の放鳥はソフトリリースという方式をとり、順化ケージの扉を開けておくことで

トキが自然に飛び立つのを待ちました。

放鳥する際に私たちアクティブ・レンジャーは何をしていたのかというと・・・

順化ケージから離れたところで、放鳥口から出て行ったトキたちがどこへ飛んでいったのか、

事故などがないかモニタリングできるようモニタリングチームの皆さんと一緒にスタンバイしていました。

▲モニタリングは大ベテランのメンバーも一緒で心強い

順化ケージ内の様子をモニターで確認している職員から「トキが放鳥口近くの池までおりてきました」

と連絡が入ると、「そろそろかな!?」とドキドキしながら順化ケージの方を見守ります。

「飛びました!」

その連絡を受けて、急いでスコープで姿を追います。

▲新規放鳥のトキたち

新規放鳥個体は翼にアニマルマーカーで色がつけられているので、色の組み合わせで

どの個体かを識別することができます。

ケージ外に飛び出したトキの動きは様々で、さっそく枯れ木にとまって休息しはじめたり、

しばらく順化ケージの上をぐるぐる回っていたり。

新規放鳥のトキたちの目に、初めて空から見る佐渡の景色はどう映っていたのでしょう。

地域の方々が温かく見守ってくれる佐渡で、力強く生きていってね!

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2019年06月04日珍客「サドコブヤハズカミキリ」

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市ではトビシマカンゾウやイワユリが見頃を迎えています。


<佐渡弥彦米山国定公園にも指定されている長手岬のイワユリ>

佐渡は朝晩涼しいですが、日中は30度近くになる日も多くなりました。

そんなある日、事務所1階の階段で、とある昆虫が発見されました。




カミキリムシの仲間の「サドコブヤハズカミキリ」と思われます。

日本海に浮かぶ佐渡島。

佐渡で暮らす昆虫の中には、こうした閉鎖的な環境で世代交代を繰り返し、翅が退化して飛ぶことができなくなった種も多いそうです。

サドコブヤハズカミキリも翅が退化し、飛ぶことができません。

事務所の階段に現れたサドコブヤハズカミキリ。林から出てきて、とことこと駐車場を横切り、事務所の建物の中までやって来たようです。

職員みんなで観察したのち、林へ返しました。

佐渡の生きものと言えばトキが思い浮かびますが、トキ以外にも多くの貴重な生き物がいることを思い起こさせる良い機会でした。

<佐渡固有種/固有亜種>

・サドノウサギ

・サドモグラ

・サドトガリネズミ

・サドカケス

・サドガエル

・サドマイマイ など

  

サドガエル            サドカケス

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2019年05月28日トキの巣の下に落ちているもの

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市では、田植えが行われ、美しい田園風景が広がっています。

この時期、トキたちは子育てに大忙し。多くの巣でヒナの誕生が確認されています。

<巣で親鳥の帰りを待つヒナ2羽>

その一方で、巣作りしていたのにやめてしまったペア、卵を温めていたのにやめてしまったペアなども確認されるようになりました。このようにトキが繁殖を中止した場合、トキがいないのを確認してから、巣の下へ行き、落下物の回収を行います。

巣の下には、繁殖に関わるたくさんのヒントが落ちています。今回は巣の下に落ちている落下物3つをご紹介します。

1.卵の殻


巣の下に行くと、多くの場合、卵の殻が落ちています。卵の殻を用いて、トキが何個卵を産んだのか(産卵数)、卵は有精卵だったのか(有精卵率)、などを調べます。

有精卵を調べるためのルミノール反応検査の様子。検査液に卵殻を入れ、有精卵だと青白く光ります。

(※トキの卵の大きさ:6.7×4.5㎝、69gほど。ニワトリの卵よりも少し大きい。)

2.巣材

巣の直下は、巣材となる枝や枯草が落ちています。場合によっては、強風などで落下した巣そのものが落ちていることもあります。

3.ヒナの死体

できることなら発見したくない悲しい落下物がトキのヒナです。運悪く巣から落ちたのか、捕食者から逃げるうちに落ちたのか、または捕食されて落ちたのか、落下の要因はヒナの状態を確認して検討されます。ヒナの脚や翼の一部、骨しか残っていないこともありますが、体の一部でも残っていれば、落下原因や死因、捕食者の解明に役立ちます。

現在、佐渡で確認されているトキのペアは80を超えますが、例年繁殖を成功させ無事にヒナを巣立たせることができるペアは半分にも及びません。1巣1巣の状況を確認するモニタリングを行う中で、ヒナを巣立たせることがいかに難しいかを思い知らされます。多くの困難を乗り越えて巣立つトキのヒナたち。巣立ち後もたくましく生き抜いていってほしいと願います。

※巣から落ちたトキの卵の殻やヒナを見つけた場合は、佐渡自然保護官事務所にご連絡ください。

 電話:0259-22-3372

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2019年05月17日早く帰ってきてよー!

佐渡 菅野萌

皆さま初めまして。

4月1日より佐渡自然保護官事務所のアクティブ・レンジャーに着任しました菅野萌です。

魅力いっぱいの佐渡やトキの事などを発信していきたいと思います。よろしくお願いいたします。

今、佐渡ではトキたちの繁殖期真っ只中です。

今年も無事に野生下のトキのペアからヒナが誕生しました。

滞巣する親鳥とヒナ1羽(2019年5月8日撮影)

(巣内の親とヒナ:5月8日撮影 

※横枝のすぐ下に親鳥の顔があります。中央の白っぽいかたまりがヒナです。)

佐渡自然保護官事務所では、アクティブ・レンジャーの業務として野生下のトキのモニタリング調査を行っており、地域のボランティアさんなどと協力してトキの行動を観察します。

今は繁殖期なので、トキが巣で卵を抱いているかどうか、ヒナがいるかどうかなどを調査して回っています。

トキはオスとメスとで交代しながら卵を温めるので、通常はどちらかが巣にいるはずなのです。

抱卵交代するペア

(抱卵を交代するペア:4月24日撮影)

「今日もきちんと卵を抱いているな」と、遠くから観察していると、時々そのトキが大きな声で「タアーオ!!」と鳴くときがあります。

どうやら、なかなか自分のつがい相手が帰ってきてくれないようなのです。

いくらお腹が空いていても、大事な卵があるのでつがい相手が帰ってきてくれるまで巣を離れるわけにはいきません。

「どこ行っているのよ-!早く帰ってきてよ-!!」と呼びかけているのでしょうか。

抱卵は空腹との闘いなのかもしれませんね。

トキの子育てシーズンはまだまだ続きます。

この先も無事に野生下のヒナが孵ってくれることを願うばかりです。

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2019年04月11日トキ、繁殖中

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

<サクラと大佐渡山脈 2019.4.5. 撮影>

新潟県佐渡市では、4月に入っても雪が降る不安定な天気が続いていましたがが、ここ数日、だいぶ暖かくなってきました。トキの繁殖も順調に進んでいます。

今年は、佐渡の自然界で巣を作り、産卵の準備をしているペアが14組、すでに産卵し卵を温めているペアが7組確認されています。これから、ますます増えていくと予想されます。

<巣を整えているトキのペア 2019.3.25 撮影>

佐渡の自然界には、345羽のトキが生息していると推定されており、トキの巣立ち数は年々増加傾向にあります。今年の繁殖期は何羽のヒナが巣立つのでしょうか。引き続き、観察を続けていきます。

~おまけ~

渡りの途中、佐渡に立ち寄った旅鳥の「シマアジ」が加茂湖にいました。

佐渡の豊かな自然は、トキだけでなく、こうした渡り鳥たちも支えているようです。

<シマアジのオス 2019.4.2 撮影>

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2019年03月08日第20回放鳥訓練開始!

佐渡 原奈緒子

みなさんこんにちは、佐渡自然保護官事務所の原です。

各地でウメやサクラの開花状況が話題になっており、春の訪れを感じます。

佐渡の羽茂(はもち)地区にある度津(わだつ)神社では一本だけ気が早いサクラがいて、3分咲きを楽しむことができました。

▲羽茂 度津神社のサクラ 3月3日撮影

3月5日(火)に第20回放鳥に向けた訓練が始まりました。

訓練個体はオス14羽、メス6羽の合計20羽です。

放鳥のための準備として、野外における個体識別用の足環を装着し、放鳥直後の個体であることが識別できるように羽にアニマルマーカーを塗ります。準備を終えたトキたちは、佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションにある順化ケージの中に放されて、飛翔・採餌などの野生下で生きていくために必要な力を身につけていきます。

▲羽への着色はアクティブレンジャーもお手伝いします。

▲順化ケージへ放鳥される様子

▲順化ケージに放されたトキ

順化ケージに放されたトキたちはこれから約3ヶ月間ケージ内で様々な訓練をしていきますが、ちょうど今はトキの繁殖期にあたります。順化ケージ内で繁殖が行われないように、メスは繁殖齢に達していない1歳の若鳥のみを選んでいます。飼育下の個体は野生下に比べて成長が遅いため、この時期には野生下で見ることができない幼顔のトキも含まれています。

▲順化ケージでの訓練が始まったばかりのトキ(左:メス、右:オス)

順化ケージがある佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションは一般には公開しておりませんが、敷地内に順化ケージを見下ろすことができる観察棟があり、こちらは無料で一般公開しています。周りの林では小鳥のさえずりも聞こえ、トキ以外の野鳥観察にもおすすめですし、2階からは佐渡の美しい田園風景が一望可能なスポットです。佐渡にお越しの際は立ち寄ってみてはいかがでしょうか。

▲観察棟から見える順化ケージ

◇新潟県佐渡トキ保護センター 野生復帰ステーション

http://tokihogocenter.ec-net.jp/station/index.html

◇放鳥トキ情報 野生下のトキに関する最新情報を毎週更新中!

http://blog.goo.ne.jp/tokimaster

◇公式ツイッター 「佐渡の車窓から」好評連載中!

https://twitter.com/kankyoshosado01?s=09

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2019年02月13日佐渡のアクティブ・レンジャーの一日

佐渡 原奈緒子

みなさん、こんにちは 佐渡自然保護官事務所の原です。

▲身を寄せ合って風に耐えるトキ(2018年12月28日撮影)

皆さんはアクティブ・レンジャー(以降AR)と聞くと、どんなイメージを持ちますか?

今日は少し他の地域とは異なる業務を行う、佐渡のAR のお仕事について紹介したいと思います。

・お日さまよりも早起き!

通常の業務は8時30分からですが、週に2回程度、繁殖期(2~6月)には週3回程の頻度で、他の職員や地域のボランティアさんと協力してトキのモニタリングを行います。モニタリングではトキのねぐら出やえさ場の利用状況、足環の判読による個体識別等を行うためトキがねぐら出する時間よりも前にスタンバイします。トキのねぐら出時刻は季節によって異なりますが、大体日の出と同じくらい。

つまり私が家を出るのは日の出前、真っ暗な時間に出勤するのもすっかり慣れてしまいました。

▲6:15頃 朝日が昇り始める頃からトキのねぐら出を待ちます。

・フィールドは里地!足は車!

学生時代、調査で山に行くと登山道で黄緑色の制服を着たレンジャーさんを見かけることがあったので、当時私が持っていたARのイメージは山登りでした。しかし、所変われば業務内容も変わるものです。佐渡のフィールドは小佐渡東部鳥獣保護区を含む全佐渡島内。そして、トキがいる場所、利用する場所は里地が主なので、山登りはめったにありません。それに加えて、トキを観察するときは影響がないように車内から観察するという地域ルールがあるため、モニタリングでの移動手段は車です。車の移動距離は1日で100kmを超えることもありますが、おそらく関東管内で一番歩かないARかもしれません。

▲車内からフィールドスコープを使ってトキの観察をする様子

こんな風に観察していると通りすがりの人に「あそこにトキがいたよ」と

話しかけられることもしばしばあります。

・トキの声がBGM

佐渡自然保護官事務所はトキの順化訓練施設である佐渡トキ保護センター野生復帰ステーションの管理棟内にあります。新潟県の職員であるトキの獣医さんや飼育員さんと同じフロアにいるため、部屋の中には順化訓練・飼育繁殖ケージのモニタリング用モニターがあります。ケージにはマイクもついているため、机で仕事をしているとモニタリング用モニターのスピーカーを介して「コッコッコ、タァーーー」とケージ内のトキの鳴き声を聞くことができます。ここで、トキの様々な声を覚えました。春になると野生下ではほとんど聞くことができない、ふ化直後のヒナの鳴き声も聞くことができます。

▲手前が環境省、奧が新潟県となっていて同じフロアで仕事をしています。

▲獣医さんや飼育員さんはモニターを通して、トキに影響を与えないように観察をします。

・普及啓発業務などその他もろもろ

佐渡のARはモニタリング以外にも、様々な業務を行います。

夏には子ども向けのトキ観察会を開催したり、地元の小学校で行われる生きもの調査にボランティアティーチャーとして参加します。他にも普及啓発グッズの作成やパンフレットの更新なども行います。他にも会計や備品管理、官用車の管理など業務は多岐にわたります。

▲佐渡自然保護官事務所が作成したパンフレットやポスター、エコバック

着任したばかりの頃は、鳥の足環の番号なんて読めるのか?と思っていましたが、周りの方々にも助けられ、足環の識別だけでなく個体ごとの生息域も自然と身につくようになりました。それだけでなく、トキを通して地域の方と交流する機会をたくさん持つことができて、充実した佐渡AR生活を送っています。

また、モニタリング中に職員が撮影したトキの写真は毎週更新しているホームページやツイッターでもご覧頂くことができます。

○放鳥トキ情報 トキの最新情報はこちら

→ http://blog.goo.ne.jp/tokimaster

○公式ツイッター 「佐渡の車窓から」好評連載中!

→ https://twitter.com/kankyoshosado01?s=09

▲おまけ 朝日でとき色になった大佐渡の山

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2019年01月31日佐渡の珍鳥5選

佐渡 近藤陽子

皆様、こんにちは。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

新潟県佐渡市はこの冬、雪が非常に少なく、例年よりも温かい日が続いています。


<佐和田海岸の夕日>


佐渡は日本海に浮かぶ島。海を渡ってやって来る渡り鳥たちの貴重な休息地・越冬地となっています。

今回は佐渡で確認された珍鳥5選をご紹介したいと思います。

1.【クロハゲワシ】 2017年12月 撮影

  学名:Aegypius monachus

  英名:Cinereous Vulture 

  全長:100~110㎝

2017年12月、佐渡では20年ぶりに飛来が確認されたクロハゲワシ(若鳥)。見たことのない大きさで、  飛んでいる姿は、まるで空飛ぶ畳!圧巻でした。クロハゲワシは、ヨーロッパ南部から中央アジア、チベット、中国東北部に広く分布していますが、日本への飛来は希な迷鳥です。お隣、韓国では、越冬しにやって来たクロハゲワシ保護のために餌付けが行われています。

2.【ハイイロガン】 2017年12月 撮影

  学名:Anser anser

  英名:Greylag Goose

  全長:75~90㎝

片脚を上げて加茂湖湖畔で休息するハイイロガン。2017年12月、佐渡では34年ぶりに確認されました。ハイイロガンは、オーストリアの動物行動学者、コンラート・ローレンツ博士が「刷り込み」を発見した種としても有名です。ヨーロッパ、中国北部などで繁殖し、アフリカ北部、ヨーロッパ西部、インド北部などで越冬します。ピンク色のくちばしがマガンとは異なる識別ポイントです。

3.【オオワシ】 2018年1月 撮影

  学名:Haliaeetus pelagicus

  英名:Steller's Sea Eagle

  全長:オス88㎝ メス102㎝

トビでもない、ミサゴでもない、大きな鳥が漁港にいる。と地元の方の間で話題になっていたそうです。日本では国の天然記念物に指定されており、環境省レッドリストでは、絶滅危惧II類に分類されています。ロシア東部で繁殖し、朝鮮半島・カムチャツカ半島、北海道・本州北部で越冬します。学名の「pelagicus」は「海の」を意味します。このオオワシの若鳥は、佐渡各地の漁港や海岸でたびたび確認されました。

4.【亜種 ハチジョウツグミ】 2018年1月 撮影

  学名:Turdus naumanni naumanni

  英名:Naumann's Thrush

  全長:24㎝


冬鳥として佐渡にやってくるツグミの群れの中に、1羽だけ赤茶色をしたツグミが。亜種、ハチジョウツグミでした。シベリア北部で繁殖し、中国北部で越冬します。ツグミは胸を張っているような姿勢が特徴的。小さいながらもピンッ!と背筋を伸ばして止まっている姿がなんとも愛らしい鳥です。もしツグミの群れを見かけたら、ハチジョウツグミが混ざっていないか探してみるのも面白いかもしれません。

5.【アカアシチョウゲンボウ】 2018年5月 撮影

  学名:Falco amurensis

  英名:Amur Falcon

  全長:27~30㎝

水田上空をホバリングする、ハトより少し小さい鳥を見つけました。サーっと降下し、水田横の杭にとまったところを撮影。アカアシチョウゲンボウでした。アカアシチョウゲンボウはウスリー、中国東北部などの限られた場所で繁殖し、アフリカ南部まで渡って越冬します。佐渡では5月、6月、10月の不定期に渡来記録があり、最近は観察例が増えているそうです。

さて、2019年はどんな鳥が佐渡にやってくるのでしょうか。今年も様々な鳥たちに出会えることを期待して、日々のトキのモニタリング業務に励んでいこうと思います。

~おまけ~

ハイイロガンと近藤の足跡

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2019年01月10日トキの求愛行動

佐渡 近藤陽子

皆様、明けましておめでとうございます。

佐渡自然保護官事務所の近藤です。

2019年最初の日記は、繁殖期(2~7月)に向けてトキ達が取る求愛行動を3つ、ご紹介したいと思います。

①枝渡し(えだわたし)

 トキは、気に入った相手がいると、小枝や草、枯れ葉や木の皮などを渡そうとします。相性が良ければ、一緒にくわえて遊ぶような行動をしますが、相性が悪いと、渡そうとしても逃げられてしまいます。

 よく似た行動で、枝をくわえて頭と翼を下げ、のっしのっしと大股で歩きながら別のトキを追いかけることがあります。これは、おそらく威嚇行動で、枝は威嚇の道具として使っているようです。

②相互羽づくろい(そうごはづくろい)

 お互い、相手の羽をくちばしで整える行為です。トキのくちばしは鋭く、ヌルヌルするドジョウをさっと捕まえることができます。人が指などを噛まれると、皮膚が切れることもあります。

 このように攻撃や威嚇にも使うことができるくちばしで相手に羽づくろいさせるのは、仲良しの証拠。羽づくろいされている側は、冠羽(かんう)と呼ばれる後頭部にある長い羽を逆立てていることが多いです。「気持ちいい」のサインでしょうか?

③擬交尾(ぎこうび)

 おしりとおしりがくっつき合わない、交尾に似た行為です。オスがメスの上に乗ります。擬交尾が見られた2羽は、ペアとなり繁殖を始めることが多いです。

 擬交尾(または交尾)の際、トキは独特な鳴き声を出します。「コオオ、コオオ、コオオ、ター!」とリズムがあり、「コオオ」と鳴いている間は、オスがメスの上に乗ってお互い頭を震わせながらくちばしをカチカチ当て合います。最後の「ター!」は、オスがメスの上から降り、擬交尾が終わった時の鳴き声です。

 たとえトキの姿が見えなくても、林の中からこの鳴き声がすれば、擬交尾していることが分かります。また、「コオオ」が長く続く場合は、オスがメスの上に乗っている時間が長いということ。擬交尾ではなく交尾の可能性が高くなり、産卵時期を推定するのに役立ちます。

トキにはトキ特有の様々な表現方法があり、それが読み取れるようになると、観察もより楽しくなります。

これからもトキとトキが暮らす佐渡の魅力をお伝えしていきます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。


~おまけ~

珍鳥 オオカラモズが、佐渡では25年ぶりに確認されました。(2018年12月撮影)

普段見かけるモズよりも一回り以上大きくて白っぽい体が大変美しく、印象的でした。

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