アクティブ・レンジャー日記 [関東地区]
こんなところにトキが!?
2020年07月03日
佐渡
皆さんこんにちは。
佐渡自然保護官事務所の菅野です。
つい先日、今年初めての野生下のトキのヒナ誕生に喜んでいたような気がしますが、あっという間にヒナたちは巣立ちを迎え、飛び回りながら少しずつ行動範囲を広げています。
▲餌をねだる幼鳥(左)と親鳥(右)
巣立ったばかりの幼鳥は目が黒っぽく、オレンジ色の顔をしています。巣立ちから一ヶ月程度は親鳥と共に営巣林の近くで過ごします。
幼鳥が親鳥の後ろについて田んぼで餌を採っている姿や、木にとまろうとして「おっとっと」とバランスを崩している姿は微笑ましいです。
モニタリング中にふと顔をあげると、あんなところに幼鳥が・・・!
でも何か違和感があるような・・・
トキらしくないような・・・
皆さん、お気づきでしょうか?
なんと、この幼鳥は神社の屋根にとまっているのです!
トキは人の暮らしに近いところで生活していますが、普段は人工物にはとまらず、休息する時も塒をとる時も、木にとまります。
▲木にとまる成鳥
しかし、巣立ったばかりの幼鳥は屋根や電柱など「なぜそこに!?」と思わされるようなところにとまることがあるのです。
まだ十分な運動能力がない幼鳥にとっては、細い枯れ木や葉が生い茂る木よりも、屋根のような安定した場所にとまる方が楽なのかもしれません。
場合によっては、来る日も来る日も同じ場所にとまり続け、地元の方々から心配されてしまうことも・・・
もし佐渡で屋根などにとまっている幼鳥をみかけても、怪我をしているようでなければ問題ないので、そっと見守ってもらえると嬉しいです。